if short dream
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ある日の昼下がり……
私は白夜王城内を散策していた。
「今日もいい天気ですね~……ん?」
向こうに見える人影に目を凝らしてみると、その人はユキムラさんの後ろ姿だった。
よく見ると、彼は大量の書類やらを抱えていて少しフラフラしているようだった。
「ユキムラさん」
「え…!カムイ様ではないですか」
ユキムラさんは私に気が付くと、何故か少し驚いたような表情になった。
「たくさん抱えてるみたいですが…私も手伝いますよ」
「いっいえ、あなたに手を煩わせる程の事では無いので……」
「少しフラついていたのは誰ですか?」
「うっ……」
ギクリとした彼の顔を見て、私は彼から書類の半分を半ば強引に引き取った。
「…あなたには敵いませんね……」
「え?何か言いましたか?」
「いえ、何でも無いですよ」
「そうですか…?あ、何処まで運べばいいんですか?」
「じゃあ…私の部屋までお願いします」
そして私達は他愛の無い会話をしながら書類を運んで行った。
「ここでいいですか?」
「はい。ありがとうございました、カムイ様」
「いえ、このくらいどうって事は無いですよ」
「では、私はこれから仕事に取り掛かりますので……」
「……」
「?カムイ様?」
中々その場を動こうとしない私をユキムラさんが疑問に思ったのか、私に呼びかけてきた。
「えと……ユキムラさんの仕事してるところを見ていたいんですが…良いでしょうか?」
「わっ私の…ですか?」
「はい」
「そんな…私が仕事をしているところなど見ても面白い事なんてありませんよ?」
彼は苦笑いを浮かべながらそう言った。
「私、前からユキムラさんがどんな風にお仕事してるのか気になってたんです。軍師の仕事ってどんな感じなのかなって……すみません、こんな理由だと邪魔になるだけですよね……」
「いっいえ、私は別に大丈夫ですよ!」
私が部屋を出て行こうとしたら、ユキムラさんが急に腕を掴んでそう言ってきた。
「ユキムラさん…?」
「あっ…いや、その……邪魔などそんな事は決して無いですので、カムイ様の気が済むまでどうぞご見学なさってください」
「いいんですか?」
「はい、もちろん」
「ありがとうございます!」
彼は少し微笑むと、そのまま仕事に取り掛かった。
「普段はどんな事をされるんですか?」
「次の戦略を練ったり、リョウマ様の補佐もしたりしていますね」
「そうなんですか……」
机にはたくさんの本や書類が散乱していてかなり多忙なのだと思い知らされる。
私はそっとその場を離れてお茶を淹れてくることにした。
「…ユキムラさん、きっと疲れてるんだろうな」
最近の彼の顔を見ていると、心なしか少しやつれているような気がする。
お母様を失い、暗夜王国との激しい戦争……
色々なことが立て続けに起こり過ぎてついていけないのも無理もない。
私は色々なことを考えながらも、お茶を入れ終わりユキムラさんの元へと戻る。
「お茶を淹れたので、よかったらどうぞ」
「ああ、わざわざすみません。いただきますね」
彼は笑ってお茶を受け取ると静かにそれを飲んだ。
「あの、ユキムラさん……」
「はい?」
「最近、疲れてませんか?」
「え……?」
私がそう尋ねると、ユキムラさんは少し驚いた表情になった。
「私、知ってるんです。あなたがいつも夜遅くまでここでお仕事されているの…」
「……」
「だから、少しぐらいお休みされないと身が持たないと思うんです」
その言葉を聞くと、彼は少し考えるような顔をして口を開いた。
「カムイ様、そのお心遣いは感謝致します。ですが、今この状況で自分だけが休むわけにはいかないのです。少しでも戦略を考えて仲間が傷つかないようにしたい…そう思うと休んでなどいられないのですよ」
「ユキムラさん……」
私は少し考えた後、口を開いた。
「では、明日から私がここに来て甘味やお茶を持ってきます。それなら、お仕事をしながら休息も取れると思うんです!」
「カムイ様…まったく、あなたという人は……」
彼はふっと笑みを浮かべると私の手を取って言った。
「明日からよろしくお願いしますね」
「!はい!!」
~end~
私は白夜王城内を散策していた。
「今日もいい天気ですね~……ん?」
向こうに見える人影に目を凝らしてみると、その人はユキムラさんの後ろ姿だった。
よく見ると、彼は大量の書類やらを抱えていて少しフラフラしているようだった。
「ユキムラさん」
「え…!カムイ様ではないですか」
ユキムラさんは私に気が付くと、何故か少し驚いたような表情になった。
「たくさん抱えてるみたいですが…私も手伝いますよ」
「いっいえ、あなたに手を煩わせる程の事では無いので……」
「少しフラついていたのは誰ですか?」
「うっ……」
ギクリとした彼の顔を見て、私は彼から書類の半分を半ば強引に引き取った。
「…あなたには敵いませんね……」
「え?何か言いましたか?」
「いえ、何でも無いですよ」
「そうですか…?あ、何処まで運べばいいんですか?」
「じゃあ…私の部屋までお願いします」
そして私達は他愛の無い会話をしながら書類を運んで行った。
「ここでいいですか?」
「はい。ありがとうございました、カムイ様」
「いえ、このくらいどうって事は無いですよ」
「では、私はこれから仕事に取り掛かりますので……」
「……」
「?カムイ様?」
中々その場を動こうとしない私をユキムラさんが疑問に思ったのか、私に呼びかけてきた。
「えと……ユキムラさんの仕事してるところを見ていたいんですが…良いでしょうか?」
「わっ私の…ですか?」
「はい」
「そんな…私が仕事をしているところなど見ても面白い事なんてありませんよ?」
彼は苦笑いを浮かべながらそう言った。
「私、前からユキムラさんがどんな風にお仕事してるのか気になってたんです。軍師の仕事ってどんな感じなのかなって……すみません、こんな理由だと邪魔になるだけですよね……」
「いっいえ、私は別に大丈夫ですよ!」
私が部屋を出て行こうとしたら、ユキムラさんが急に腕を掴んでそう言ってきた。
「ユキムラさん…?」
「あっ…いや、その……邪魔などそんな事は決して無いですので、カムイ様の気が済むまでどうぞご見学なさってください」
「いいんですか?」
「はい、もちろん」
「ありがとうございます!」
彼は少し微笑むと、そのまま仕事に取り掛かった。
「普段はどんな事をされるんですか?」
「次の戦略を練ったり、リョウマ様の補佐もしたりしていますね」
「そうなんですか……」
机にはたくさんの本や書類が散乱していてかなり多忙なのだと思い知らされる。
私はそっとその場を離れてお茶を淹れてくることにした。
「…ユキムラさん、きっと疲れてるんだろうな」
最近の彼の顔を見ていると、心なしか少しやつれているような気がする。
お母様を失い、暗夜王国との激しい戦争……
色々なことが立て続けに起こり過ぎてついていけないのも無理もない。
私は色々なことを考えながらも、お茶を入れ終わりユキムラさんの元へと戻る。
「お茶を淹れたので、よかったらどうぞ」
「ああ、わざわざすみません。いただきますね」
彼は笑ってお茶を受け取ると静かにそれを飲んだ。
「あの、ユキムラさん……」
「はい?」
「最近、疲れてませんか?」
「え……?」
私がそう尋ねると、ユキムラさんは少し驚いた表情になった。
「私、知ってるんです。あなたがいつも夜遅くまでここでお仕事されているの…」
「……」
「だから、少しぐらいお休みされないと身が持たないと思うんです」
その言葉を聞くと、彼は少し考えるような顔をして口を開いた。
「カムイ様、そのお心遣いは感謝致します。ですが、今この状況で自分だけが休むわけにはいかないのです。少しでも戦略を考えて仲間が傷つかないようにしたい…そう思うと休んでなどいられないのですよ」
「ユキムラさん……」
私は少し考えた後、口を開いた。
「では、明日から私がここに来て甘味やお茶を持ってきます。それなら、お仕事をしながら休息も取れると思うんです!」
「カムイ様…まったく、あなたという人は……」
彼はふっと笑みを浮かべると私の手を取って言った。
「明日からよろしくお願いしますね」
「!はい!!」
~end~