if short dream
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「ははうえ、どうしてははうえのおなかはこんなにおおきいの?」
息子のキサラギが私の膨らんだお腹を触りながら言った。
「それはもうすぐあなたに兄妹ができるからですよ」
「きょうだい?ぼくにきょうだいができるの?」
「そうですよ。弟か妹かはまだ分かりませんが……」
「ぼく、はやくきょうだいにあいたい!」
そう言ってキサラギは私のお腹に優しく抱き着いてきた。
「はやくうまれないかなー……」
「ふふっ…」
それが可愛くてキサラギの頭を優しく撫でてやると、彼は嬉しそうに目を細めた。
「カムイ、キサラギ」
「あっ、ちちうえ!」
ようやくタクミさんが秘境に来た。
「何してたんだ?」
「あのね、ははうえのおなかにはぼくのきょうだいがいるんだよ!」
「へぇ~、よかったじゃないかキサラギ」
「うん!ぼく、いいおにいちゃんになるんだ!」
タクミさんに頭を撫でられまた目を細めるキサラギに笑みが溢れた。
「…どう?お腹の調子は」
「はい、相変わらず元気ですよ」
「どれどれ…」
タクミさんは私のお腹に優しく触れた。
「あっ…今蹴った。ははっ、キサラギの時と負けないぐらい元気だな」
「ふふっ、きっと同じくらい元気な子が生まれてきますよ」
そう言い合いながら私達はお互いに微笑み合った。
「……キサラギ?」
「あ…寝ちゃったみたいです」
気が付けばキサラギは私の膝の上に頭を乗せ気持ちよさそうに眠っていた。
「今頃、どんな夢見てるのかな…」
「きっと幸せな夢ですよ」
キサラギの頬に優しく触れると、キサラギは幸せそうにふにゃっと微笑んだ。
「……カムイ」
「え?」
キサラギから顔を上げタクミさんに目線を移すと、その瞬間温かくて柔らかいものが唇に触れた。
「子供が見てない時ぐらい…いいだろう?」
「タクミさん……ふふっ、もちろんです…」
今はただ幸せの感情しかない。
この先、どんな困難が待ち受けていようとも
私達の未来はきっと輝いていると信じている。
__新しい生命を感じながら……
~end~
キサラギがまだ幼い頃、秘境にての出来事です。
ただ平和なひと時が書きたかっただけなんです、はい。