if short dream
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「おめでとうございます!」
「ちゃんとカムイ様を幸せにするのだぞ」
「ふっ、当たり前だジジイ」
「ありがとうございます」
遠くでカムイ様とジョーカーが密かに二人から祝福を受けているのを陰から眺めていた。
私も…お祝いしてさしあげるべきなのに……
思うように足が、動かない。
昨晩、ジョーカーと共にカムイ様の身の回りの片付けをしていた時……
「…ねえ、ジョーカー」
「何だ?」
ずっとジョーカーに片想いをしていた私は勇気を振り絞って想いを告げようとした。
「私…ね、ずっとあなたのことが__……」
最後の言葉を言うよりも早く、私はある事に気が付いた。
「……ジョーカー…あなた婚約していたの?」
彼の左手薬指に光る銀色のリング…
それは紛れもなく、愛の誓いの証であって……
「え?…あっあぁ、これか。実はさっきカムイさんと……な」
照れ笑いを浮かべる彼を見た途端、私は何か深いどん底に突き落とされたような気がした。
カムイ“さん”。
今まで様と呼んでいたのに、いつの間にそんな仲になっていたのだろう。
「…そう。おめでとう……カムイ様を大切にしてあげてね」
「お前に言われなくても分かってるさ。…だが、ありがとな」
ふっと笑った彼にとても胸が締め付けられた。
「ごめんなさい、ちょっとお手洗いに行ってくるわ」
「サボるんじゃねぇぞ」
「サボるわけ…ないじゃない」
そう言葉を交わして私はその場を足早に離れた。
「……」
心に、穴がぽっかりと空いた気分だった。
カムイ様と彼がそんな仲にまで発展していたなんて全然知らなかった。
……いや、当然よね…
私はつい最近この軍に入らせてもらったんだもの……
カムイ様は…忠誠を誓った大切な主君。
そんな大切なお方が執事であり一番身近にいたジョーカーと結ばれた……本来ならすごく、喜ばしいことなのに。
なのに……
「っ……ぅ…」
涙が止まらない……
分かってた…私の想いが彼に届かない事くらい。
私がカムイ様を裏切ったあの時、彼と対戦して改めて実感した。
彼の目には……最初からカムイ様しか写っていなかったのに。
だけど……
今だけは、泣いてもいいわよね…?
~end~
「ちゃんとカムイ様を幸せにするのだぞ」
「ふっ、当たり前だジジイ」
「ありがとうございます」
遠くでカムイ様とジョーカーが密かに二人から祝福を受けているのを陰から眺めていた。
私も…お祝いしてさしあげるべきなのに……
思うように足が、動かない。
昨晩、ジョーカーと共にカムイ様の身の回りの片付けをしていた時……
「…ねえ、ジョーカー」
「何だ?」
ずっとジョーカーに片想いをしていた私は勇気を振り絞って想いを告げようとした。
「私…ね、ずっとあなたのことが__……」
最後の言葉を言うよりも早く、私はある事に気が付いた。
「……ジョーカー…あなた婚約していたの?」
彼の左手薬指に光る銀色のリング…
それは紛れもなく、愛の誓いの証であって……
「え?…あっあぁ、これか。実はさっきカムイさんと……な」
照れ笑いを浮かべる彼を見た途端、私は何か深いどん底に突き落とされたような気がした。
カムイ“さん”。
今まで様と呼んでいたのに、いつの間にそんな仲になっていたのだろう。
「…そう。おめでとう……カムイ様を大切にしてあげてね」
「お前に言われなくても分かってるさ。…だが、ありがとな」
ふっと笑った彼にとても胸が締め付けられた。
「ごめんなさい、ちょっとお手洗いに行ってくるわ」
「サボるんじゃねぇぞ」
「サボるわけ…ないじゃない」
そう言葉を交わして私はその場を足早に離れた。
「……」
心に、穴がぽっかりと空いた気分だった。
カムイ様と彼がそんな仲にまで発展していたなんて全然知らなかった。
……いや、当然よね…
私はつい最近この軍に入らせてもらったんだもの……
カムイ様は…忠誠を誓った大切な主君。
そんな大切なお方が執事であり一番身近にいたジョーカーと結ばれた……本来ならすごく、喜ばしいことなのに。
なのに……
「っ……ぅ…」
涙が止まらない……
分かってた…私の想いが彼に届かない事くらい。
私がカムイ様を裏切ったあの時、彼と対戦して改めて実感した。
彼の目には……最初からカムイ様しか写っていなかったのに。
だけど……
今だけは、泣いてもいいわよね…?
~end~