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※第六章のロストン王宮戦後から翌日のお話です。
ロストンの街で買い物を済ませ、一度エフラムと別れた後。
私はラーチェルに呼ばれて彼女の元に向かえば、他にもエイリーク、ターナ、テティス、アメリアがそこにいた。
「皆さん集まってどうされたのですか?」
「うふふ、来ましたわね。ナマエ」
「貴女を待っていたのよ」
何故か私を見てニコニコと笑う女性陣。
「え、えっと…私に何か…?」
「まだ出発まで時間があるから、みんなで恋の話でもしようかと思って」
まさかの話に少し驚く。
恋の話って、今このタイミングで…?
いくら出発までに時間があるからといって…
…ううん。こういう時だからこそ、明るい話で盛り上がりたいのかもしれない。
「そこで、恋といえばナマエがかかせないんです」
「エフラム様と恋人同士になった…んだよね…?」
アメリアにそう言われてドキッとする。
でも、その問いに首を縦に振る事は出来ない。
「…ううん、そういう訳ではないの」
「え!?」
「それ、どういう意味?」
私の答えにその場にいた彼女達はとても驚いていた。
この軍は情報が回るのが早いから、昨晩の夕食後あたりにはもうみんな知ってしまったはず。
その情報はきっと…私達は特別な関係になった、というもので伝わったのだろう。
だから今、私が否定した事にみんなが驚いているんだ。
「だって昨日、エフラムの部屋で…」
「…確かにエフラム様を励ます事は出来ました。その時に彼の、私に対するお気持ちも…打ち明けてくださいました」
私の脳裏に浮かぶ、つい昨日の出来事。
あの甘くて幸せな時間を思い出すだけで、胸の奥がきゅっと締め付けられる。
「それなら…」
「ですが…私はエフラム様のお気持ちにお応えはしていないのです」
私を見るみんなの顔がまた驚いたものになる。
多分、何を言っているんだと思われてるかもしれない。
「私はエフラム様とは住む世界が違う…彼はルネスの王となるお方で、私などが隣に立つのには相応しくないので…」
今言った事は本当に思っている事。
けれどエフラムはそんな事は関係ないのだと、はっきりと言ってくれた。
それがどれだけ嬉しかったか。
それでも…私は想いを伝えられない。
住む世界が違うという言葉。
みんなからすれば身分を指しているのだと思うけれど、それ以外にももう一つの意味がある。
まだエフラムにすら…言えていない、大きな意味が。
「そんな事ありませんわ!」
「ラーチェルの言う通りです。兄上の隣は、もはやナマエしかありえません」
「うっうん、そうだよナマエさん!」
口々にそう言ってくれて、内心嬉しい気持ちになるのは当然かもしれない。
私は幸せ者だな…
周りからもこんな風に思ってもらえていたなんて。
折角みんなから言われても、私は首を横に振る事しか出来ないのだけれど…
「ありがとうございます、皆さん。けれど、少なくとも今は…私の気持ちは胸に抑えておかなければいけないのです」
私がそう言えば、テティスが微笑みながら頭を撫でてくれた。
「そう。それが貴女の答えなら、それでいいと思うわ。でも、いつかは…その胸に抑え込んでいる想いを伝えるのよね?」
「それは…」
私もエフラムに好きだと伝える時…
秘密を全部打ち明けられた時が、そうなのかもしれない。
もしその秘密を明かして、拒絶されてしまったら…きっと立ち直れないだろう。
だから…まだその勇気はほんの少しだけ、足りないけれど。
「うーん…何だかよく分かりませんけれど、いつかは貴女もちゃんと愛しているを伝えるのですわよ!」
「あっ愛してるはさすがに…烏滸がまし過ぎなのでは…」
「いいえ、そんな事ありません!」
「ふふ。まあ愛してるとまではいかなくても、ナマエからの好きって言葉をエフラムはずっと待ってると思うわ」
エフラムが…私からの返事を待ってくれている……
待たせてしまっている事に、どうしようもなく申し訳ない気持ちが膨らんでしまうけれど…
あと少し、もう少しだけ…私に勇気が出るまで待っていて欲しい。
こうやってまたエフラムの優しさに甘えてしまう自分が嫌になる。
それでも…本当に大切な彼への想いだからこそ。
私の想いがエフラムに届いた時。
また嬉しそうに、照れたようなあの笑顔を見せてくれたなら。
そんな願いを今はそっと胸に秘めたんだ。
~end~
ロストンの街で買い物を済ませ、一度エフラムと別れた後。
私はラーチェルに呼ばれて彼女の元に向かえば、他にもエイリーク、ターナ、テティス、アメリアがそこにいた。
「皆さん集まってどうされたのですか?」
「うふふ、来ましたわね。ナマエ」
「貴女を待っていたのよ」
何故か私を見てニコニコと笑う女性陣。
「え、えっと…私に何か…?」
「まだ出発まで時間があるから、みんなで恋の話でもしようかと思って」
まさかの話に少し驚く。
恋の話って、今このタイミングで…?
いくら出発までに時間があるからといって…
…ううん。こういう時だからこそ、明るい話で盛り上がりたいのかもしれない。
「そこで、恋といえばナマエがかかせないんです」
「エフラム様と恋人同士になった…んだよね…?」
アメリアにそう言われてドキッとする。
でも、その問いに首を縦に振る事は出来ない。
「…ううん、そういう訳ではないの」
「え!?」
「それ、どういう意味?」
私の答えにその場にいた彼女達はとても驚いていた。
この軍は情報が回るのが早いから、昨晩の夕食後あたりにはもうみんな知ってしまったはず。
その情報はきっと…私達は特別な関係になった、というもので伝わったのだろう。
だから今、私が否定した事にみんなが驚いているんだ。
「だって昨日、エフラムの部屋で…」
「…確かにエフラム様を励ます事は出来ました。その時に彼の、私に対するお気持ちも…打ち明けてくださいました」
私の脳裏に浮かぶ、つい昨日の出来事。
あの甘くて幸せな時間を思い出すだけで、胸の奥がきゅっと締め付けられる。
「それなら…」
「ですが…私はエフラム様のお気持ちにお応えはしていないのです」
私を見るみんなの顔がまた驚いたものになる。
多分、何を言っているんだと思われてるかもしれない。
「私はエフラム様とは住む世界が違う…彼はルネスの王となるお方で、私などが隣に立つのには相応しくないので…」
今言った事は本当に思っている事。
けれどエフラムはそんな事は関係ないのだと、はっきりと言ってくれた。
それがどれだけ嬉しかったか。
それでも…私は想いを伝えられない。
住む世界が違うという言葉。
みんなからすれば身分を指しているのだと思うけれど、それ以外にももう一つの意味がある。
まだエフラムにすら…言えていない、大きな意味が。
「そんな事ありませんわ!」
「ラーチェルの言う通りです。兄上の隣は、もはやナマエしかありえません」
「うっうん、そうだよナマエさん!」
口々にそう言ってくれて、内心嬉しい気持ちになるのは当然かもしれない。
私は幸せ者だな…
周りからもこんな風に思ってもらえていたなんて。
折角みんなから言われても、私は首を横に振る事しか出来ないのだけれど…
「ありがとうございます、皆さん。けれど、少なくとも今は…私の気持ちは胸に抑えておかなければいけないのです」
私がそう言えば、テティスが微笑みながら頭を撫でてくれた。
「そう。それが貴女の答えなら、それでいいと思うわ。でも、いつかは…その胸に抑え込んでいる想いを伝えるのよね?」
「それは…」
私もエフラムに好きだと伝える時…
秘密を全部打ち明けられた時が、そうなのかもしれない。
もしその秘密を明かして、拒絶されてしまったら…きっと立ち直れないだろう。
だから…まだその勇気はほんの少しだけ、足りないけれど。
「うーん…何だかよく分かりませんけれど、いつかは貴女もちゃんと愛しているを伝えるのですわよ!」
「あっ愛してるはさすがに…烏滸がまし過ぎなのでは…」
「いいえ、そんな事ありません!」
「ふふ。まあ愛してるとまではいかなくても、ナマエからの好きって言葉をエフラムはずっと待ってると思うわ」
エフラムが…私からの返事を待ってくれている……
待たせてしまっている事に、どうしようもなく申し訳ない気持ちが膨らんでしまうけれど…
あと少し、もう少しだけ…私に勇気が出るまで待っていて欲しい。
こうやってまたエフラムの優しさに甘えてしまう自分が嫌になる。
それでも…本当に大切な彼への想いだからこそ。
私の想いがエフラムに届いた時。
また嬉しそうに、照れたようなあの笑顔を見せてくれたなら。
そんな願いを今はそっと胸に秘めたんだ。
~end~