マイヒーロー
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「あ…雪だ……」
ふと窓の外を見ると、外には雪が降り出していた。
ニフルで散々見てきたけど雪国以外で見るとどこか心が踊ってしまう気がする。
今日は戦闘が無い事から散歩をしようと思いお城の外へと歩き出した。
「ナマエ?」
お城の門を抜けようとした時、ドキッと反応してしまう声で名前を呼ばれた。
「ロイ!」
「急に呼び止めてごめんね。一人でどこかへ出掛けるの?」
「うん。雪が降ってたからちょっと外を散歩してみたくなっちゃって…」
するとロイは私に歩み寄って来て何かを首にふわりと被せてきた。
「これ…マフラー?」
「うん。その格好のままだと風邪を引いてしまうよ。僕が昔から使っているものだから古いかもしれないけれど…」
青いマフラーを丁寧に巻いてくれて、私は思わずそれをキュッと握る。
…ロイの匂いだ……
変態かって思われるかもしれないけど、やっぱり好きな人のものだと仕方ないよね…?
「ありがとう、ロイ」
「このくらい大した事ないよ。それと…もし良かったら僕も一緒に行ってもいいかい?」
「え…」
その申し出に胸が高鳴るのを感じた。
「ほっほら…君一人だと危ないだろう?誰も連れて行かないよりは良いと思って…」
「あ…そっそうだよね…!」
私は少し期待してしまった事にすぐに後悔した。
ロイが付いて来てくれるのはあくまで護衛だ。
この世界において私が死んでしまえば他の英雄達はもう戻らなくなってしまう…だから守らなければいけないってなるのかもしれない。
もしロイに嫌々付き添わせてしまっているなら申し訳ないけど…
「ええと…でも、いいの?ロイは他にやる事とかあるんじゃ…」
「今日は戦闘も無いみたいだし、鍛錬なら後でするから大丈夫だよ」
「そっか。…じゃあ、お願いしようかな」
「!うん、任せて」
こうしてロイと二人で散歩をする事になったのだった。
「アスクもすっかり冬になったね~…」
「この間まではまだ少し暖かかったのに…今ではもう雪まで降るなんてね」
お城を出てすぐの平原を隣り合わせで歩く。
お互い何となく雪の降る空を見上げながら他愛のない会話を楽しんでいた。
「……ねえ、ナマエ」
「んー?」
「手を…繋いでもいいかな…?」
その言葉に私は思わず足を止める。
空からロイへ視線を移せば彼は恥ずかしそうに、けれど私の目を真っ直ぐに見ていた。
「……ロイが良いなら、もちろん」
「!ありがとう…!」
断る理由なんか無く了承すると、ロイはぱっと笑顔を見せて私の左手を握った。
彼の右手は指先が出ているため冷たく、思わずもう片方の手でその手を包んだ。
「?ナマエ…?」
「ロイ…貴方の方が寒いんじゃないの…?こんなに指先が冷たくなって……マフラー、私なんかよりロイがつけるべきじゃ…」
「…君は優しいね、ナマエ」
私が言い終えるよりも早く、ロイは左手で私の頬に触れてきた。
その顔はとても穏やかで…目を逸らす事なんて出来ない。
「いつも自分よりも他の人を優先する君は本当に凄いよ。もっと自分の事を大切にして欲しいくらいだ」
「そんな…私が自分よりも英雄達を優先するのは当たり前だよ。情けないけど…みんなが居てくれないと、私は本当に何も出来ない…」
「僕は…軍のリーダーとしての君より…本当はもっと別の理由で守りたいと思ってる」
ロイの言った言葉の意味が理解出来ず、数回瞬きをして彼をじっと見つめる。
「仲間だから、無くてはならない存在だからっていう理由もある…その、なんて言うか……っ、つまり僕は君が…」
その言葉の続きを待っていると、その時一際冷たい風が私達の間を通り抜けた。
「…くしゅんっ……」
「あ…流石に寒くなってきたかな…今日はそろそろ戻ろうか」
「え…?あ…うっうん……」
最後まで言われることはなく終わってしまった事に私は申し訳無さがこみ上げてきた。
くしゃみをしたせいで台無しにしてしまったのかも……
「あっあの、ロイ…!今…何て言おうとしたの…?」
「えっ…それは……」
少し頭を掻いて考えた後、ロイは苦笑いを浮かべて口を開く。
「また別の機会に言わせてもらうよ。今度は…暖かい春にでもまた散歩に行こう」
「ロイ……そっか。また、ね…」
また……
次があると約束された事に私の心はそれだけで温かくなる。
私達は繋がれた手を離す事がないまま、お城へと歩いて行ったのだった。
~end~
リクエストのロイ夢でした!
両思いだけど恋人になるには後一歩足りない…そんな感じのお話を書いてみたかったんです…
もし書き直しをご希望でしたら遠慮なくお申し付けくださいませm(_ _)m
では、この度は本当にありがとうございました!!
ふと窓の外を見ると、外には雪が降り出していた。
ニフルで散々見てきたけど雪国以外で見るとどこか心が踊ってしまう気がする。
今日は戦闘が無い事から散歩をしようと思いお城の外へと歩き出した。
「ナマエ?」
お城の門を抜けようとした時、ドキッと反応してしまう声で名前を呼ばれた。
「ロイ!」
「急に呼び止めてごめんね。一人でどこかへ出掛けるの?」
「うん。雪が降ってたからちょっと外を散歩してみたくなっちゃって…」
するとロイは私に歩み寄って来て何かを首にふわりと被せてきた。
「これ…マフラー?」
「うん。その格好のままだと風邪を引いてしまうよ。僕が昔から使っているものだから古いかもしれないけれど…」
青いマフラーを丁寧に巻いてくれて、私は思わずそれをキュッと握る。
…ロイの匂いだ……
変態かって思われるかもしれないけど、やっぱり好きな人のものだと仕方ないよね…?
「ありがとう、ロイ」
「このくらい大した事ないよ。それと…もし良かったら僕も一緒に行ってもいいかい?」
「え…」
その申し出に胸が高鳴るのを感じた。
「ほっほら…君一人だと危ないだろう?誰も連れて行かないよりは良いと思って…」
「あ…そっそうだよね…!」
私は少し期待してしまった事にすぐに後悔した。
ロイが付いて来てくれるのはあくまで護衛だ。
この世界において私が死んでしまえば他の英雄達はもう戻らなくなってしまう…だから守らなければいけないってなるのかもしれない。
もしロイに嫌々付き添わせてしまっているなら申し訳ないけど…
「ええと…でも、いいの?ロイは他にやる事とかあるんじゃ…」
「今日は戦闘も無いみたいだし、鍛錬なら後でするから大丈夫だよ」
「そっか。…じゃあ、お願いしようかな」
「!うん、任せて」
こうしてロイと二人で散歩をする事になったのだった。
「アスクもすっかり冬になったね~…」
「この間まではまだ少し暖かかったのに…今ではもう雪まで降るなんてね」
お城を出てすぐの平原を隣り合わせで歩く。
お互い何となく雪の降る空を見上げながら他愛のない会話を楽しんでいた。
「……ねえ、ナマエ」
「んー?」
「手を…繋いでもいいかな…?」
その言葉に私は思わず足を止める。
空からロイへ視線を移せば彼は恥ずかしそうに、けれど私の目を真っ直ぐに見ていた。
「……ロイが良いなら、もちろん」
「!ありがとう…!」
断る理由なんか無く了承すると、ロイはぱっと笑顔を見せて私の左手を握った。
彼の右手は指先が出ているため冷たく、思わずもう片方の手でその手を包んだ。
「?ナマエ…?」
「ロイ…貴方の方が寒いんじゃないの…?こんなに指先が冷たくなって……マフラー、私なんかよりロイがつけるべきじゃ…」
「…君は優しいね、ナマエ」
私が言い終えるよりも早く、ロイは左手で私の頬に触れてきた。
その顔はとても穏やかで…目を逸らす事なんて出来ない。
「いつも自分よりも他の人を優先する君は本当に凄いよ。もっと自分の事を大切にして欲しいくらいだ」
「そんな…私が自分よりも英雄達を優先するのは当たり前だよ。情けないけど…みんなが居てくれないと、私は本当に何も出来ない…」
「僕は…軍のリーダーとしての君より…本当はもっと別の理由で守りたいと思ってる」
ロイの言った言葉の意味が理解出来ず、数回瞬きをして彼をじっと見つめる。
「仲間だから、無くてはならない存在だからっていう理由もある…その、なんて言うか……っ、つまり僕は君が…」
その言葉の続きを待っていると、その時一際冷たい風が私達の間を通り抜けた。
「…くしゅんっ……」
「あ…流石に寒くなってきたかな…今日はそろそろ戻ろうか」
「え…?あ…うっうん……」
最後まで言われることはなく終わってしまった事に私は申し訳無さがこみ上げてきた。
くしゃみをしたせいで台無しにしてしまったのかも……
「あっあの、ロイ…!今…何て言おうとしたの…?」
「えっ…それは……」
少し頭を掻いて考えた後、ロイは苦笑いを浮かべて口を開く。
「また別の機会に言わせてもらうよ。今度は…暖かい春にでもまた散歩に行こう」
「ロイ……そっか。また、ね…」
また……
次があると約束された事に私の心はそれだけで温かくなる。
私達は繋がれた手を離す事がないまま、お城へと歩いて行ったのだった。
~end~
リクエストのロイ夢でした!
両思いだけど恋人になるには後一歩足りない…そんな感じのお話を書いてみたかったんです…
もし書き直しをご希望でしたら遠慮なくお申し付けくださいませm(_ _)m
では、この度は本当にありがとうございました!!
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