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「母上、嬉しそうですね」
アレスにそう指摘され相変わらず顔が緩んだまま返事をする。
「ふふ、そうかな?」
「その顔を見れば誰だって思いますよ」
「だって…やっとエルトシャン様達が約束を果たせたんだもの」
そう、私がこんなにも嬉しくなっている理由…
それはシグルド様、キュアン様、エルトシャン様の三人がワインを酌み交わすという約束を今夜果たされたからだ。
今もシグルド様の部屋で三人は語り合っている事だろう。
「母上はいつだって父上の話をする時は自分の事のように嬉しそうだ…今も昔も変わらない」
「アレスが小さい時も?」
「はい。いつも仲の良いお二人を見てきて、俺はこの両親の元に生まれて良かったと…心からそう思ってるんです」
私はそんなアレスからの言葉に居ても立ってもいられなくなり、彼をぎゅっと抱き締めた。
「はっ母上?」
「私達の息子は、こんなにも立派で良い子に育ってくれてるんだって思って……ちょっと感動しちゃった」
「母上…」
するとその時、部屋の扉からコンコンとノックの音が聞こえてきた。
「ナマエ、俺だ。入るぞ…」
声を聞けばすぐに分かる彼が中に入ってきて、私とアレスの状況を見ると一瞬だけ目を見開いた。
だけど、すぐに口元に笑みを浮かべて片手でゆっくりと扉を閉める。
「誰かと思えばアレスか。他の男だったら俺はどうかしていたかもな…」
「父上…!母上はそのような事をされる人では……」
「ああ、分かっている。俺もナマエもお互い一筋だからな」
「!エルトシャン様…!」
いつもより…それにアレスがいる前でこんなに大胆な発言をされるなんて…
彼の顔をよく見ればかなり赤い事に気が付いた。
「エルトシャン様…もしかして酔ってます?」
「今日は…久々に飲み過ぎたかもな…その影響かもしれない」
少し覚束ない足取りでベッドまで行くと、彼はそのまま仰向けに倒れ込んでしまった。
「俺はそろそろ戻ります。では…父上、母上」
「そっか。おやすみなさい」
「おやすみ、アレス」
軽く会釈をしてアレスは部屋を出て行った。
私はアレスを見送った後、ベッドの端へと腰を下ろす。
そしてエルトシャン様の方に顔を向けて口を開いた。
「よろしければ…膝枕でもどうですか?」
「ん…そうだな。その方がずっと良い」
一度体を起こすと、エルトシャン様は私の膝に頭を乗せて再び横になる。
そんな彼の細くて長い髪を私は優しく撫でていく。
「シグルドと、キュアンと…三人でワインを酌み交わすという約束をやっと果たせた。それ以前にまた親友二人に会えた事が一番嬉しかったが…」
先程の語らいでの事を話してくれて、エルトシャン様がどんなに嬉しかったのかがとても伝わってきたんだ。
彼の元いた世界では、キュアン様がトラバントに討たれ、エルトシャン様が私とアレスと離れた後、シグルド様と対決をされ命を落とされた…
違う時空の私がそんな体験をしていたなんて想像もしなかった。
でも…この世界でまた出会えた。
私はエルトシャン様と出会う限り、何度だって彼に恋をするんだと思う。
「…元の世界でナマエと離れ、理不尽な命令を下され最終的には命を落としたが…こうしてまたこの世界でお前と再会し、恋に落ち…アレスもやってきて親友二人とも出会えた。俺は幸せ者だな…こんなにも穏やかな気持ちになれたのはいつぶりか……」
髪を撫でる私の手にエルトシャン様は自分の指を絡めてくる。
私もきゅっと握り返すと、彼もまた優しく握り返してくれた。
エルトシャン様がこんなにも甘えてきてくれるのは珍しかった。
いつもはどちらかというと私が甘える方だから、こうして彼から甘えられるのは素直に嬉しい。
「幸せそうな貴方を見ていると、私まで幸せな気分になります」
「そうか…ナマエ」
「はい」
「キス…してくれないか」
私は返事の代わりに微笑むと、そのまま彼の唇に自分の唇を重ねた。
少ししてから離れると、エルトシャン様は起き上がり私を抱き寄せてベッドの中へと入る。
そして今度は彼からのキスが降り注いだ。
優しく啄ばむように、何度も顔の角度を変えながらされるそれに私まで酔ってしまいそうだった。
「はぁ…今日はこのまま……お前を抱き締めたまま眠らせてくれ」
「もちろんです。私も貴方とこうしていたいですから…」
「ふっ…おやすみ、ナマエ……」
私の額に軽くキスを落としてからエルトシャン様は瞼を閉じた。
それからすぐに規則正しい寝息が聞こえ、私もそっと目を閉じる。
この世界に平和が訪れたら、私はきっとエルトシャン様と共に彼の世界へ行く道を選ぶだろう。
そこでまた悲しい運命が待っていたとしても…私は後悔なんてしない。
たとえ家族三人で過ごせるのが今だけでも、
この幸せを一つ一つ噛み締めていこう。
私はそんな事を思いながら愛おしい人の腕の中で眠りに落ちていくのだった。
~end~
リクエストでエルトシャン夢でした!
ちゃんとご希望に添えられていますでしょうか…?
もし書き直しをご希望でしたら、遠慮なくお申し付けください汗
今回のエルトシャンは、夢主を連れ帰って嫁にしている時空から来た設定にしています。
士官学校三人組はやっぱり良いですね…FEHで並べて使われている方も多いかと思います(*´꒳`*)
では、この度は本当にありがとうございました!!
アレスにそう指摘され相変わらず顔が緩んだまま返事をする。
「ふふ、そうかな?」
「その顔を見れば誰だって思いますよ」
「だって…やっとエルトシャン様達が約束を果たせたんだもの」
そう、私がこんなにも嬉しくなっている理由…
それはシグルド様、キュアン様、エルトシャン様の三人がワインを酌み交わすという約束を今夜果たされたからだ。
今もシグルド様の部屋で三人は語り合っている事だろう。
「母上はいつだって父上の話をする時は自分の事のように嬉しそうだ…今も昔も変わらない」
「アレスが小さい時も?」
「はい。いつも仲の良いお二人を見てきて、俺はこの両親の元に生まれて良かったと…心からそう思ってるんです」
私はそんなアレスからの言葉に居ても立ってもいられなくなり、彼をぎゅっと抱き締めた。
「はっ母上?」
「私達の息子は、こんなにも立派で良い子に育ってくれてるんだって思って……ちょっと感動しちゃった」
「母上…」
するとその時、部屋の扉からコンコンとノックの音が聞こえてきた。
「ナマエ、俺だ。入るぞ…」
声を聞けばすぐに分かる彼が中に入ってきて、私とアレスの状況を見ると一瞬だけ目を見開いた。
だけど、すぐに口元に笑みを浮かべて片手でゆっくりと扉を閉める。
「誰かと思えばアレスか。他の男だったら俺はどうかしていたかもな…」
「父上…!母上はそのような事をされる人では……」
「ああ、分かっている。俺もナマエもお互い一筋だからな」
「!エルトシャン様…!」
いつもより…それにアレスがいる前でこんなに大胆な発言をされるなんて…
彼の顔をよく見ればかなり赤い事に気が付いた。
「エルトシャン様…もしかして酔ってます?」
「今日は…久々に飲み過ぎたかもな…その影響かもしれない」
少し覚束ない足取りでベッドまで行くと、彼はそのまま仰向けに倒れ込んでしまった。
「俺はそろそろ戻ります。では…父上、母上」
「そっか。おやすみなさい」
「おやすみ、アレス」
軽く会釈をしてアレスは部屋を出て行った。
私はアレスを見送った後、ベッドの端へと腰を下ろす。
そしてエルトシャン様の方に顔を向けて口を開いた。
「よろしければ…膝枕でもどうですか?」
「ん…そうだな。その方がずっと良い」
一度体を起こすと、エルトシャン様は私の膝に頭を乗せて再び横になる。
そんな彼の細くて長い髪を私は優しく撫でていく。
「シグルドと、キュアンと…三人でワインを酌み交わすという約束をやっと果たせた。それ以前にまた親友二人に会えた事が一番嬉しかったが…」
先程の語らいでの事を話してくれて、エルトシャン様がどんなに嬉しかったのかがとても伝わってきたんだ。
彼の元いた世界では、キュアン様がトラバントに討たれ、エルトシャン様が私とアレスと離れた後、シグルド様と対決をされ命を落とされた…
違う時空の私がそんな体験をしていたなんて想像もしなかった。
でも…この世界でまた出会えた。
私はエルトシャン様と出会う限り、何度だって彼に恋をするんだと思う。
「…元の世界でナマエと離れ、理不尽な命令を下され最終的には命を落としたが…こうしてまたこの世界でお前と再会し、恋に落ち…アレスもやってきて親友二人とも出会えた。俺は幸せ者だな…こんなにも穏やかな気持ちになれたのはいつぶりか……」
髪を撫でる私の手にエルトシャン様は自分の指を絡めてくる。
私もきゅっと握り返すと、彼もまた優しく握り返してくれた。
エルトシャン様がこんなにも甘えてきてくれるのは珍しかった。
いつもはどちらかというと私が甘える方だから、こうして彼から甘えられるのは素直に嬉しい。
「幸せそうな貴方を見ていると、私まで幸せな気分になります」
「そうか…ナマエ」
「はい」
「キス…してくれないか」
私は返事の代わりに微笑むと、そのまま彼の唇に自分の唇を重ねた。
少ししてから離れると、エルトシャン様は起き上がり私を抱き寄せてベッドの中へと入る。
そして今度は彼からのキスが降り注いだ。
優しく啄ばむように、何度も顔の角度を変えながらされるそれに私まで酔ってしまいそうだった。
「はぁ…今日はこのまま……お前を抱き締めたまま眠らせてくれ」
「もちろんです。私も貴方とこうしていたいですから…」
「ふっ…おやすみ、ナマエ……」
私の額に軽くキスを落としてからエルトシャン様は瞼を閉じた。
それからすぐに規則正しい寝息が聞こえ、私もそっと目を閉じる。
この世界に平和が訪れたら、私はきっとエルトシャン様と共に彼の世界へ行く道を選ぶだろう。
そこでまた悲しい運命が待っていたとしても…私は後悔なんてしない。
たとえ家族三人で過ごせるのが今だけでも、
この幸せを一つ一つ噛み締めていこう。
私はそんな事を思いながら愛おしい人の腕の中で眠りに落ちていくのだった。
~end~
リクエストでエルトシャン夢でした!
ちゃんとご希望に添えられていますでしょうか…?
もし書き直しをご希望でしたら、遠慮なくお申し付けください汗
今回のエルトシャンは、夢主を連れ帰って嫁にしている時空から来た設定にしています。
士官学校三人組はやっぱり良いですね…FEHで並べて使われている方も多いかと思います(*´꒳`*)
では、この度は本当にありがとうございました!!
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