マイヒーロー
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ついに来たか……」
「「「投票大戦…!」」」
碧色の髪が特徴の青年達…三人のエフラムの間には緊迫した空気が流れていた。
彼等は歩行、伝承、総選挙…それぞれ違う時空から召喚されたエフラム達だ。
今回も投票大戦という一大イベントがやってきたのだが、これには総選挙エフラムが出場する事になっている。
そしてこの投票大戦で何としても優勝を果たそうと、特に総選挙エフラムは意気込んでいた。
「頼むぞ、未来の俺…今まで負けっぱなしの俺だったから、何としても今回は優勝してくれ」
「俺なんて前回は一回戦敗退だったからな……もうあんなカッコ悪い姿、特にナマエには見せられないんだ」
「ああ、分かってる。今度こそ…優勝してみせるさ」
すると伝承と総選挙エフラムが歩行エフラムをじろりと睨むようにして顔を向ける。
「なっなんだ?」
「いいか?俺が優勝する事も重要だが、一番はお前がナマエとくっつくかどうかなんだからな」
「お前の行動次第でナマエを元の世界に連れ帰れるかどうかが決まるんだ。それにさっさとくっついてくれないと、俺達がナマエに手を出せないだろう」
「おいおい、いくらお前達がナマエと結ばれている時空から来たとはいえこの世界では違うだろ!この世界でのナマエに手を出して良いのは俺だけだ」
「未だ告白出来ていないのによく言うな…」
「なんだと…!」
歩行と伝承エフラムが喧嘩を始めるかという時、総選挙エフラムが間に入って二人を宥める。
「ここで言い争いをしても何も始まらないだろう。もうすぐ第一回戦が始まるんだ。エントランスへ向かうぞ」
「…未来の俺はやけに大人びているな」
歩行と伝承エフラムは総選挙エフラムをじっと見つめた。
そんな彼等に総選挙エフラムはフッと笑って口を開く。
「もう一国の王になってから2、3年経つからな。ナマエを妻に迎え、子供もいるんだ。昔の俺よりは落ち着いたと思うぞ」
「そう遠くない未来で俺はもう妻も子もいるなんてな…」
「今じゃまだ考えられないぞ」
「確かにそうだろうな。だが、ナマエと家族になれているのが分かっているだけで良いだろう?」
「それは…」
「まぁ…な」
そんな会話をしながらエフラム達は城のエントランスへ向かって行った。
「あ、エフラム達!」
エントランスに着くとナマエがエフラム達を見て駆け寄って来た。
「ナマエ。どうしたんだ?」
「どうしたも何も、エフラムを待ってたんだよ。今回も貴方の陣営につこうと思ってたから…」
「いつも俺の陣営についてくれるんだな。ありがとう、ナマエ。今度こそは絶対に優勝してみせる」
ナマエを嫁として連れ帰っている総選挙エフラムは余裕であるが、恋人未満の歩行エフラムと恋人であるけれど嫁には出来ていない伝承エフラムは常に焦っていた。
今回の投票大戦で総選挙エフラムが優勝したところをナマエに見せて、その流れで何とか歩行エフラムと彼女をくっつけようという作戦だ。
「…なあ、向こうから凄まじい負のオーラが向けられているんだが……」
ナマエの後ろの方にいる今回投票大戦に出場する他の英雄達からは、嫉妬が含まれたドス黒いオーラが総選挙エフラムに向けられていた。
ナマエに選ばれなかった悔しさやショックが大きいのだろう…特に男性陣からは殺意さえも感じ取れる程だ。
そしてナマエが総選挙エフラム陣営についたところで投票大戦が始まった。
彼の一回戦の対戦相手は総選挙ロイだ。
「さあ、行くぞ!!」
ガルムを手に総選挙エフラムは大戦へと身を投じていく。
「頑張れー!エフラムーっ!!」
ナマエも持てる限りの旗を全力で振り彼を応援している。
そんな彼女の姿を見て、歩行と伝承エフラムは少し嫉妬心を抱いた。
いくら同じ自分だからといっても、ナマエが今応援しているのは異なる時空の自分だ。
彼女の瞳に映っているのは総選挙のエフラムであって、歩行や伝承のエフラムではない。
二人は何だか複雑な気分だった。
あれから総選挙エフラムは一回戦、二回戦と順調に勝ち進み、ついにヴェロニカとの決勝戦まで来ることが出来た。
しかし、総選挙エフラムの劣勢が続き終了まであと僅かというところまで来てしまった。
「くっ…このままではまた負けてしまうな……!」
ガルムを地面に刺し、彼が少し膝をついた時…
「諦めちゃダメだよ、エフラム!!」
彼にとって最も愛おしい声の主…ナマエが旗を片手に声を上げた。
「貴方は最後まで諦めたりしない。たとえどんなに苦しい状況でも…そうでしょう?」
「!…ああ、そうだな!」
それからは一瞬の出来事だった。
ずっと劣勢続きだった総選挙エフラムが終了間近でヴェロニカに追い付き、終いには僅差で優勝を果たしたのだ。
「エフラムっ!!」
投票大戦終了後、ナマエは総選挙エフラムに駆け寄ると彼に思い切り抱き付いた。
「おっと…優勝早々、お前から抱き締めてくれるとはな」
「だって、だって…!エフラムがやっと優勝したんだもの…本当におめでとう!!」
「ああ、随分待たせてしまったな…ありがとう、ナマエ」
そこへ歩行と伝承エフラムも興奮した様子でやって来た。
「よくやった、未来の俺!!」
「ああ、信じていた甲斐があった。あの状況で巻き返せるとは…さすがだな!」
「これでお前達の無念は晴らしたぞ。後は…」
総選挙エフラムは歩行エフラムをチラッと見た後、ナマエの体を少し離して彼女に視線を戻す。
「…ナマエ。過去の俺に何か伝えたいんじゃないのか?」
「えっ…どういう意味……?」
「俺はあの二人よりも未来から来てるからな。ナマエの…抱いてる気持ちはよく知っている」
「!」
総選挙エフラムは全てを理解して顔を真っ赤にしたナマエの背中をポンと押すと、彼女はゆっくりと歩行エフラムの前まで歩いて行った。
「ナマエ…?」
「あ…エフラム……あの、ね…?私…」
服の裾をぎゅっと握り締めると、ナマエは意を決して伝えたい言葉を口にした。
「っ、私…エフラムの事がずっと好きでした…!!」
「「!?」」
驚いていたのは歩行と伝承エフラムの二人。
伝承エフラムはナマエとは恋人時空から来たものの、その時は彼から告白していたため余計に驚いていた。
「あー…っと……ナマエ、それは本当か…?」
「おっおい、何疑ってるんだ!ここはすぐに受け入れるべきだろう!」
「うるさい、俺だって少し混乱してるんだ…!」
また言い争いが始まりそうな雰囲気に、総選挙エフラムが歩行エフラムとナマエの肩をグイッと引き寄せて二人の距離を一気に縮めたのだ。
「折角のナマエからの告白を無駄にする気か?言い争いよりも、お前も伝えるべき事があるだろう」
「くっ…また一人だけ大人びて……!…でも、そうだな…俺もナマエに言わなきゃいけない事がある」
歩行エフラムはナマエの目を真っ直ぐに見つめて口を開いた。
「俺もお前が好きだ、ナマエ。俺から言おうと思ってたが、まさか先を越されるとはな…」
「!エフラム…!」
そこへ幸せムード全開の二人に、総選挙と伝承エフラムが今まで我慢していた事を吐き出すように口を開く。
「やっとくっついてくれたな。これで未来も変わらないで済む…」
「?未来が変わらないって?」
「実はな…今までアンナに未来が変わるかもしれないからと口止めされて言えなかったが、俺達はナマエと結ばれている時空から召喚されたんだ」
総選挙エフラムの言葉にナマエは驚きを隠せないでいた。
それもそうだろう。
総選挙エフラムはともかく、伝承エフラムを召喚してからはもうかなりの日が経っているのだから…
まさか違う時空から召喚した自分の想い人が恋人だとは夢にも思わないだろう。
「しかも俺に至っては恋人以上…妻としてナマエを迎えている。子供だってもういるんだぞ」
「こっ子供まで…!?」
「ああ。だからこの世界で過去の俺がナマエと結ばれなければ、俺達はどうなっていた事やら…」
考えただけでも恐ろしいと、総選挙と伝承エフラムは身震いをしていた。
「ふふ、こんな事もあるんだね。少しびっくりしたけど…私は最初からエフラムしか見てなかったよ」
「ナマエ…」
「よし、ナマエ。今夜は俺の部屋に来てくれ」
「何言ってる。夫である俺の部屋に来るべだ」
「だからこの世界ではナマエに手を出すなと言ってるだろう!!」
~end~
リクエストのエフラム夢でした!
今回初めて三人一気に登場させましたが、私の表現力ではごっちゃになって読みづらいかもしれません汗
投票大戦の裏側は完全に妄想で書いてます(^^;
ご希望通りのものになっていれば幸いなのですが…いかがでしたでしょうか?
もし書き直しをご希望でしたら遠慮なくお申し付けくださいませ(>_<)
では、この度は本当にありがとうございました!!
「「「投票大戦…!」」」
碧色の髪が特徴の青年達…三人のエフラムの間には緊迫した空気が流れていた。
彼等は歩行、伝承、総選挙…それぞれ違う時空から召喚されたエフラム達だ。
今回も投票大戦という一大イベントがやってきたのだが、これには総選挙エフラムが出場する事になっている。
そしてこの投票大戦で何としても優勝を果たそうと、特に総選挙エフラムは意気込んでいた。
「頼むぞ、未来の俺…今まで負けっぱなしの俺だったから、何としても今回は優勝してくれ」
「俺なんて前回は一回戦敗退だったからな……もうあんなカッコ悪い姿、特にナマエには見せられないんだ」
「ああ、分かってる。今度こそ…優勝してみせるさ」
すると伝承と総選挙エフラムが歩行エフラムをじろりと睨むようにして顔を向ける。
「なっなんだ?」
「いいか?俺が優勝する事も重要だが、一番はお前がナマエとくっつくかどうかなんだからな」
「お前の行動次第でナマエを元の世界に連れ帰れるかどうかが決まるんだ。それにさっさとくっついてくれないと、俺達がナマエに手を出せないだろう」
「おいおい、いくらお前達がナマエと結ばれている時空から来たとはいえこの世界では違うだろ!この世界でのナマエに手を出して良いのは俺だけだ」
「未だ告白出来ていないのによく言うな…」
「なんだと…!」
歩行と伝承エフラムが喧嘩を始めるかという時、総選挙エフラムが間に入って二人を宥める。
「ここで言い争いをしても何も始まらないだろう。もうすぐ第一回戦が始まるんだ。エントランスへ向かうぞ」
「…未来の俺はやけに大人びているな」
歩行と伝承エフラムは総選挙エフラムをじっと見つめた。
そんな彼等に総選挙エフラムはフッと笑って口を開く。
「もう一国の王になってから2、3年経つからな。ナマエを妻に迎え、子供もいるんだ。昔の俺よりは落ち着いたと思うぞ」
「そう遠くない未来で俺はもう妻も子もいるなんてな…」
「今じゃまだ考えられないぞ」
「確かにそうだろうな。だが、ナマエと家族になれているのが分かっているだけで良いだろう?」
「それは…」
「まぁ…な」
そんな会話をしながらエフラム達は城のエントランスへ向かって行った。
「あ、エフラム達!」
エントランスに着くとナマエがエフラム達を見て駆け寄って来た。
「ナマエ。どうしたんだ?」
「どうしたも何も、エフラムを待ってたんだよ。今回も貴方の陣営につこうと思ってたから…」
「いつも俺の陣営についてくれるんだな。ありがとう、ナマエ。今度こそは絶対に優勝してみせる」
ナマエを嫁として連れ帰っている総選挙エフラムは余裕であるが、恋人未満の歩行エフラムと恋人であるけれど嫁には出来ていない伝承エフラムは常に焦っていた。
今回の投票大戦で総選挙エフラムが優勝したところをナマエに見せて、その流れで何とか歩行エフラムと彼女をくっつけようという作戦だ。
「…なあ、向こうから凄まじい負のオーラが向けられているんだが……」
ナマエの後ろの方にいる今回投票大戦に出場する他の英雄達からは、嫉妬が含まれたドス黒いオーラが総選挙エフラムに向けられていた。
ナマエに選ばれなかった悔しさやショックが大きいのだろう…特に男性陣からは殺意さえも感じ取れる程だ。
そしてナマエが総選挙エフラム陣営についたところで投票大戦が始まった。
彼の一回戦の対戦相手は総選挙ロイだ。
「さあ、行くぞ!!」
ガルムを手に総選挙エフラムは大戦へと身を投じていく。
「頑張れー!エフラムーっ!!」
ナマエも持てる限りの旗を全力で振り彼を応援している。
そんな彼女の姿を見て、歩行と伝承エフラムは少し嫉妬心を抱いた。
いくら同じ自分だからといっても、ナマエが今応援しているのは異なる時空の自分だ。
彼女の瞳に映っているのは総選挙のエフラムであって、歩行や伝承のエフラムではない。
二人は何だか複雑な気分だった。
あれから総選挙エフラムは一回戦、二回戦と順調に勝ち進み、ついにヴェロニカとの決勝戦まで来ることが出来た。
しかし、総選挙エフラムの劣勢が続き終了まであと僅かというところまで来てしまった。
「くっ…このままではまた負けてしまうな……!」
ガルムを地面に刺し、彼が少し膝をついた時…
「諦めちゃダメだよ、エフラム!!」
彼にとって最も愛おしい声の主…ナマエが旗を片手に声を上げた。
「貴方は最後まで諦めたりしない。たとえどんなに苦しい状況でも…そうでしょう?」
「!…ああ、そうだな!」
それからは一瞬の出来事だった。
ずっと劣勢続きだった総選挙エフラムが終了間近でヴェロニカに追い付き、終いには僅差で優勝を果たしたのだ。
「エフラムっ!!」
投票大戦終了後、ナマエは総選挙エフラムに駆け寄ると彼に思い切り抱き付いた。
「おっと…優勝早々、お前から抱き締めてくれるとはな」
「だって、だって…!エフラムがやっと優勝したんだもの…本当におめでとう!!」
「ああ、随分待たせてしまったな…ありがとう、ナマエ」
そこへ歩行と伝承エフラムも興奮した様子でやって来た。
「よくやった、未来の俺!!」
「ああ、信じていた甲斐があった。あの状況で巻き返せるとは…さすがだな!」
「これでお前達の無念は晴らしたぞ。後は…」
総選挙エフラムは歩行エフラムをチラッと見た後、ナマエの体を少し離して彼女に視線を戻す。
「…ナマエ。過去の俺に何か伝えたいんじゃないのか?」
「えっ…どういう意味……?」
「俺はあの二人よりも未来から来てるからな。ナマエの…抱いてる気持ちはよく知っている」
「!」
総選挙エフラムは全てを理解して顔を真っ赤にしたナマエの背中をポンと押すと、彼女はゆっくりと歩行エフラムの前まで歩いて行った。
「ナマエ…?」
「あ…エフラム……あの、ね…?私…」
服の裾をぎゅっと握り締めると、ナマエは意を決して伝えたい言葉を口にした。
「っ、私…エフラムの事がずっと好きでした…!!」
「「!?」」
驚いていたのは歩行と伝承エフラムの二人。
伝承エフラムはナマエとは恋人時空から来たものの、その時は彼から告白していたため余計に驚いていた。
「あー…っと……ナマエ、それは本当か…?」
「おっおい、何疑ってるんだ!ここはすぐに受け入れるべきだろう!」
「うるさい、俺だって少し混乱してるんだ…!」
また言い争いが始まりそうな雰囲気に、総選挙エフラムが歩行エフラムとナマエの肩をグイッと引き寄せて二人の距離を一気に縮めたのだ。
「折角のナマエからの告白を無駄にする気か?言い争いよりも、お前も伝えるべき事があるだろう」
「くっ…また一人だけ大人びて……!…でも、そうだな…俺もナマエに言わなきゃいけない事がある」
歩行エフラムはナマエの目を真っ直ぐに見つめて口を開いた。
「俺もお前が好きだ、ナマエ。俺から言おうと思ってたが、まさか先を越されるとはな…」
「!エフラム…!」
そこへ幸せムード全開の二人に、総選挙と伝承エフラムが今まで我慢していた事を吐き出すように口を開く。
「やっとくっついてくれたな。これで未来も変わらないで済む…」
「?未来が変わらないって?」
「実はな…今までアンナに未来が変わるかもしれないからと口止めされて言えなかったが、俺達はナマエと結ばれている時空から召喚されたんだ」
総選挙エフラムの言葉にナマエは驚きを隠せないでいた。
それもそうだろう。
総選挙エフラムはともかく、伝承エフラムを召喚してからはもうかなりの日が経っているのだから…
まさか違う時空から召喚した自分の想い人が恋人だとは夢にも思わないだろう。
「しかも俺に至っては恋人以上…妻としてナマエを迎えている。子供だってもういるんだぞ」
「こっ子供まで…!?」
「ああ。だからこの世界で過去の俺がナマエと結ばれなければ、俺達はどうなっていた事やら…」
考えただけでも恐ろしいと、総選挙と伝承エフラムは身震いをしていた。
「ふふ、こんな事もあるんだね。少しびっくりしたけど…私は最初からエフラムしか見てなかったよ」
「ナマエ…」
「よし、ナマエ。今夜は俺の部屋に来てくれ」
「何言ってる。夫である俺の部屋に来るべだ」
「だからこの世界ではナマエに手を出すなと言ってるだろう!!」
~end~
リクエストのエフラム夢でした!
今回初めて三人一気に登場させましたが、私の表現力ではごっちゃになって読みづらいかもしれません汗
投票大戦の裏側は完全に妄想で書いてます(^^;
ご希望通りのものになっていれば幸いなのですが…いかがでしたでしょうか?
もし書き直しをご希望でしたら遠慮なくお申し付けくださいませ(>_<)
では、この度は本当にありがとうございました!!
71/129ページ