マイヒーロー
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「怪談話?」
「そう。今夜私の部屋で怪談話をしようと思ってるの。よかったら貴女もどうかしら?」
ある夏の日、アクアからそんな話を持ち掛けられた。
「かっ怪談って…また急だね……」
「最近ずっと暑い日が続いているでしょう?だからこんな日こそ怪談話でもして涼しくならないかしらと思ったのよ」
「そうなんだ……」
私は思わず苦笑いを浮かべてしまう。
そんな私の心中を察したのか、アクアが少し意地悪そうに笑いながら口を開く。
「もしかして、ナマエは怖い話とか苦手かしら?」
「えっ…それは……」
何も返す言葉が無く目を泳がせていると、彼女はクスクスと笑った。
「無理にとは言わないわ。ただ、他にはサクラとカムイが来る事になっているけれど…」
「え、カムイも……?」
彼の名前を聞いた途端、私はそれに食いつくようにアクアの顔を見た。
「ええ。彼が一緒に居てくれるなら大丈夫なんじゃない?」
「う……アクア、もしかしてカムイで私を釣ろうとしてない…?」
「そんな事ないわ。じゃあ、気が向いたら今夜私の部屋に来てちょうだい」
彼女はそれだけ言うとこの場を去って行った。
「怪談話…かぁ……」
一人になったその場でボソリとそう呟いた。
怖い話とかは全く聞けないという訳ではないが、どちらかといえば苦手な方だ。
だから今回の話はあまり乗り気じゃないのが本心だけど……
カムイ…好きな人が参加するとなれば話は変わってくる。
現金なやつだと思われるかもしれないけど…
そして内心少し緊張しながらも夜を待ち、寝る準備を整えてから私はアクアの部屋に向かった。
「「あ…」」
アクアの部屋までの道中、廊下でカムイとばったりと遭遇した。
「やあ、ナマエ。これからどこかに行くのかい?」
「こんばんは…えっと、アクアに怪談話に誘われたから…それで彼女の部屋に行こうとしてたの」
「ナマエも参加するんだ!それなら一緒に行こうか」
カムイはぱあっと笑顔を見せた後、私の手を取るとそのままアクアの部屋への道を歩き出した。
無意識……だよね…
恥ずかしいのと嬉しい反面、何だか自分ばかりが意識してるみたいで少し複雑かも……
そんな事を考えていると、いつの間にかアクアの部屋の前に来ておりカムイが扉をノックして顔を覗かせていた。
「アクア。僕だけど…」
「いらっしゃい。どうぞ入って」
「ありがとう、お邪魔するよ。ナマエも入って」
「おっお邪魔します…」
中に入るとアクアとサクラが居て、二人とも私の姿を見つけては少し目を見開いてすぐに笑顔を浮かべた。
「お二人ともご一緒に来られたのですね」
「いつの間にか手を繋ぐ程仲良くなっていたなんて知らなかったわ」
「「えっ…」」
アクアにクスクスと笑いながら言われた事で、私とカムイは未だに手を繋いでいる状態だった事に気が付いた。
そしてすぐにお互いバッと手を離す。
わっ忘れてた……
でも…離すのが少し名残惜しかったかも……なんて……
「みんな集まったところで、始めましょうか」
私達はアクアの話し始めた怪談話に耳を傾ける。
「男は嫌な予感がしながらも、そのまま廃屋の奥へと歩いて行ったの…それから__」
怪談話だから怖いのは当たり前なんだけど、それ以上にアクアの話し方が予想以上に上手い…そのせいで怖さが倍になっていた。
サクラは既に涙目でアクアの腕に抱き付いて少し震えてしまっている。
私も怖さから思わず隣に座っているカムイの服の裾をきゅっと握ってしまう。
「大丈夫だよ…」
カムイは耳元で小さくそう言った後、彼の服の裾を握っている私の手に自分の手をそっと重ねてくれたのだ。
少し驚いたけど、そのおかげで怖さが和らぎ落ち着く事が出来た。
「__声がしたと思い、男が後ろを振り返った途端に…バンっ!!」
「きゃあぁ…!」
「ひっ…!!」
突然出された大きな声と怖い情景が浮かんで、私は咄嗟に顔を伏せるようにしてカムイに軽く抱き付く形になった。
まさかアクアがこんな演出をするとは思わなかった…
「大丈夫かい?ナマエ…」
「あ…ごっごめん、急に…!」
慌てて退こうとしたら、何故かそれをさせないかのように彼は私の体を抱き寄せてきたのだ。
「カムイ…?」
「こうしていた方が…もっと安心出来るかもしれないだろう…?」
「!うん…」
私は嬉しさからそのまま彼に体を預ける事にした。
「__今でもその廃屋は何処かに残っているそうよ……これでこのお話はお終い」
「はぁ…すっごく怖かったです…!」
「ふふ、サクラは相変わらず怖がりね」
話が終わると、私も少し肩の力を抜く事が出来た。
「思ったより怖かったよ…特にアクアの話し方、すごく引き込まれたな」
「うんうん。アクアって歌だけじゃなくて、話すのもすごい上手だね」
「そうかしら?ありがとう。…あら、もうこんな時間だわ。そろそろお開きかしらね」
部屋にある時計を見ると、既に0時を過ぎたところだった。
「本当だ…じゃあ、部屋に戻ろうかな。今日はありがとう、とても楽しかったよ」
「怖かったけど…また聞きたくなっちゃうな…」
「ふふ、じゃあまた機会を見つけたら誘うわね」
私とカムイはアクア達に挨拶を交わすと、彼女の部屋を後にした。
ちなみにサクラは怖さからアクアと一緒に寝る事にしたらしい。
「あぁ、怖かった~…」
「あはは、ナマエも少し震えてたもんね」
「笑い事じゃないよ…!今思い出しただけでも震えが……」
私達は怪談話を振り返るように話しながら自分達の部屋へと歩いて行った。
「…あ、着いたみたいだね」
気が付くと先に私の部屋の前に着き、二人とも一度足を止める。
「あ……そう、だね…」
「じゃあ、僕はこれで…おやすみ、ナマエ」
カムイは軽く手を上げて挨拶をすると、私の横を通り過ぎて廊下の先を歩いて行こうとしてしまう。
「……っ、待って…!」
私は何か衝動的に彼の腕を掴んで引き止めていた。
「ナマエ…?」
「その…今日だけ…!いっ一緒に、寝てくれない…かな……?」
私の頼みに彼は大きく目を見開いた後、顔を少し赤くさせて手で口を覆う仕草を見せた。
「えっと…逆に、いいのかい…?僕は全然構わないんだけど……」
「ほっ本当…?」
「うん…もしかして、一人だと怖い?」
その問い掛けが図星のせいで、私は恥ずかしさから俯いてしまう。
「こんな、いい年して恥ずかしいよね…」
「そんな事ないよ。それに…こうして僕を頼ってくれるのは正直嬉しいからね」
照れ笑いを浮かべる彼に思わずキュンとしてしまう。
その顔はずるいよ……
そんなこんなで今夜はカムイが一緒に寝てくれる事となり、私はそのまま彼を自室の中へと招き入れた。
そしてお互いベッドの中へと入る。
「僕は反対側向いてるね。安心して、何もしないから」
「うん……」
「じゃあ…今度こそおやすみ」
カムイは優しい笑みを浮かべると、こちらに背を向けて寝てしまった。
彼がすぐ隣に居るだけで安心出来るのは確かなんだけど…
でも……
「…!!!」
私も目を閉じて眠ろうとした時、脳裏に怪談話で聞いた怖い情景が再度浮かんできて思わずカムイの背中に抱き付いてしまった。
「!ナマエ?どうしたの…?」
「ごっごめんなさい…その…思い出しちゃって……」
すると彼は背を向けた状態からこちら側に向き直ったのだ。
「カムイ……?」
「怖いなら好きなだけそうしてくれて大丈夫だよ。僕もこうしていた方が安心出来るし…」
「!うん…ありがとう」
ああ、やっぱり好きだな…カムイの事…
私は幸せな気持ちで満たされる中、もう一度ギュッと彼に抱き付いた。
(っ…!普通に当たってる…これは僕が色んな意味で眠れないな……)
そんなカムイの心の内を知る由もない私は、安心感から眠りに落ちていったのだった。
~end~
リクエストのカムイ夢でした!
ご要望通りに書けていますでしょうか…?
あと、怖い話が適当過ぎて申し訳ありません汗
ちなみに夢主は怖い話が苦手設定ですが、管理人は怖い話大好きです(どうでもいい)
では、この度は本当にありがとうございました!!
「そう。今夜私の部屋で怪談話をしようと思ってるの。よかったら貴女もどうかしら?」
ある夏の日、アクアからそんな話を持ち掛けられた。
「かっ怪談って…また急だね……」
「最近ずっと暑い日が続いているでしょう?だからこんな日こそ怪談話でもして涼しくならないかしらと思ったのよ」
「そうなんだ……」
私は思わず苦笑いを浮かべてしまう。
そんな私の心中を察したのか、アクアが少し意地悪そうに笑いながら口を開く。
「もしかして、ナマエは怖い話とか苦手かしら?」
「えっ…それは……」
何も返す言葉が無く目を泳がせていると、彼女はクスクスと笑った。
「無理にとは言わないわ。ただ、他にはサクラとカムイが来る事になっているけれど…」
「え、カムイも……?」
彼の名前を聞いた途端、私はそれに食いつくようにアクアの顔を見た。
「ええ。彼が一緒に居てくれるなら大丈夫なんじゃない?」
「う……アクア、もしかしてカムイで私を釣ろうとしてない…?」
「そんな事ないわ。じゃあ、気が向いたら今夜私の部屋に来てちょうだい」
彼女はそれだけ言うとこの場を去って行った。
「怪談話…かぁ……」
一人になったその場でボソリとそう呟いた。
怖い話とかは全く聞けないという訳ではないが、どちらかといえば苦手な方だ。
だから今回の話はあまり乗り気じゃないのが本心だけど……
カムイ…好きな人が参加するとなれば話は変わってくる。
現金なやつだと思われるかもしれないけど…
そして内心少し緊張しながらも夜を待ち、寝る準備を整えてから私はアクアの部屋に向かった。
「「あ…」」
アクアの部屋までの道中、廊下でカムイとばったりと遭遇した。
「やあ、ナマエ。これからどこかに行くのかい?」
「こんばんは…えっと、アクアに怪談話に誘われたから…それで彼女の部屋に行こうとしてたの」
「ナマエも参加するんだ!それなら一緒に行こうか」
カムイはぱあっと笑顔を見せた後、私の手を取るとそのままアクアの部屋への道を歩き出した。
無意識……だよね…
恥ずかしいのと嬉しい反面、何だか自分ばかりが意識してるみたいで少し複雑かも……
そんな事を考えていると、いつの間にかアクアの部屋の前に来ておりカムイが扉をノックして顔を覗かせていた。
「アクア。僕だけど…」
「いらっしゃい。どうぞ入って」
「ありがとう、お邪魔するよ。ナマエも入って」
「おっお邪魔します…」
中に入るとアクアとサクラが居て、二人とも私の姿を見つけては少し目を見開いてすぐに笑顔を浮かべた。
「お二人ともご一緒に来られたのですね」
「いつの間にか手を繋ぐ程仲良くなっていたなんて知らなかったわ」
「「えっ…」」
アクアにクスクスと笑いながら言われた事で、私とカムイは未だに手を繋いでいる状態だった事に気が付いた。
そしてすぐにお互いバッと手を離す。
わっ忘れてた……
でも…離すのが少し名残惜しかったかも……なんて……
「みんな集まったところで、始めましょうか」
私達はアクアの話し始めた怪談話に耳を傾ける。
「男は嫌な予感がしながらも、そのまま廃屋の奥へと歩いて行ったの…それから__」
怪談話だから怖いのは当たり前なんだけど、それ以上にアクアの話し方が予想以上に上手い…そのせいで怖さが倍になっていた。
サクラは既に涙目でアクアの腕に抱き付いて少し震えてしまっている。
私も怖さから思わず隣に座っているカムイの服の裾をきゅっと握ってしまう。
「大丈夫だよ…」
カムイは耳元で小さくそう言った後、彼の服の裾を握っている私の手に自分の手をそっと重ねてくれたのだ。
少し驚いたけど、そのおかげで怖さが和らぎ落ち着く事が出来た。
「__声がしたと思い、男が後ろを振り返った途端に…バンっ!!」
「きゃあぁ…!」
「ひっ…!!」
突然出された大きな声と怖い情景が浮かんで、私は咄嗟に顔を伏せるようにしてカムイに軽く抱き付く形になった。
まさかアクアがこんな演出をするとは思わなかった…
「大丈夫かい?ナマエ…」
「あ…ごっごめん、急に…!」
慌てて退こうとしたら、何故かそれをさせないかのように彼は私の体を抱き寄せてきたのだ。
「カムイ…?」
「こうしていた方が…もっと安心出来るかもしれないだろう…?」
「!うん…」
私は嬉しさからそのまま彼に体を預ける事にした。
「__今でもその廃屋は何処かに残っているそうよ……これでこのお話はお終い」
「はぁ…すっごく怖かったです…!」
「ふふ、サクラは相変わらず怖がりね」
話が終わると、私も少し肩の力を抜く事が出来た。
「思ったより怖かったよ…特にアクアの話し方、すごく引き込まれたな」
「うんうん。アクアって歌だけじゃなくて、話すのもすごい上手だね」
「そうかしら?ありがとう。…あら、もうこんな時間だわ。そろそろお開きかしらね」
部屋にある時計を見ると、既に0時を過ぎたところだった。
「本当だ…じゃあ、部屋に戻ろうかな。今日はありがとう、とても楽しかったよ」
「怖かったけど…また聞きたくなっちゃうな…」
「ふふ、じゃあまた機会を見つけたら誘うわね」
私とカムイはアクア達に挨拶を交わすと、彼女の部屋を後にした。
ちなみにサクラは怖さからアクアと一緒に寝る事にしたらしい。
「あぁ、怖かった~…」
「あはは、ナマエも少し震えてたもんね」
「笑い事じゃないよ…!今思い出しただけでも震えが……」
私達は怪談話を振り返るように話しながら自分達の部屋へと歩いて行った。
「…あ、着いたみたいだね」
気が付くと先に私の部屋の前に着き、二人とも一度足を止める。
「あ……そう、だね…」
「じゃあ、僕はこれで…おやすみ、ナマエ」
カムイは軽く手を上げて挨拶をすると、私の横を通り過ぎて廊下の先を歩いて行こうとしてしまう。
「……っ、待って…!」
私は何か衝動的に彼の腕を掴んで引き止めていた。
「ナマエ…?」
「その…今日だけ…!いっ一緒に、寝てくれない…かな……?」
私の頼みに彼は大きく目を見開いた後、顔を少し赤くさせて手で口を覆う仕草を見せた。
「えっと…逆に、いいのかい…?僕は全然構わないんだけど……」
「ほっ本当…?」
「うん…もしかして、一人だと怖い?」
その問い掛けが図星のせいで、私は恥ずかしさから俯いてしまう。
「こんな、いい年して恥ずかしいよね…」
「そんな事ないよ。それに…こうして僕を頼ってくれるのは正直嬉しいからね」
照れ笑いを浮かべる彼に思わずキュンとしてしまう。
その顔はずるいよ……
そんなこんなで今夜はカムイが一緒に寝てくれる事となり、私はそのまま彼を自室の中へと招き入れた。
そしてお互いベッドの中へと入る。
「僕は反対側向いてるね。安心して、何もしないから」
「うん……」
「じゃあ…今度こそおやすみ」
カムイは優しい笑みを浮かべると、こちらに背を向けて寝てしまった。
彼がすぐ隣に居るだけで安心出来るのは確かなんだけど…
でも……
「…!!!」
私も目を閉じて眠ろうとした時、脳裏に怪談話で聞いた怖い情景が再度浮かんできて思わずカムイの背中に抱き付いてしまった。
「!ナマエ?どうしたの…?」
「ごっごめんなさい…その…思い出しちゃって……」
すると彼は背を向けた状態からこちら側に向き直ったのだ。
「カムイ……?」
「怖いなら好きなだけそうしてくれて大丈夫だよ。僕もこうしていた方が安心出来るし…」
「!うん…ありがとう」
ああ、やっぱり好きだな…カムイの事…
私は幸せな気持ちで満たされる中、もう一度ギュッと彼に抱き付いた。
(っ…!普通に当たってる…これは僕が色んな意味で眠れないな……)
そんなカムイの心の内を知る由もない私は、安心感から眠りに落ちていったのだった。
~end~
リクエストのカムイ夢でした!
ご要望通りに書けていますでしょうか…?
あと、怖い話が適当過ぎて申し訳ありません汗
ちなみに夢主は怖い話が苦手設定ですが、管理人は怖い話大好きです(どうでもいい)
では、この度は本当にありがとうございました!!
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