マイヒーロー
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よく晴れたある日、久々に戦いも無く私は恋人のセリスを誘い街へ買い物に出かけていた。
「あのお店の果物、見たことない形してる…!」
「本当だ。この国特有のものなのかな?」
「わ、あそこにすごい可愛いアクセサリーがある!あっちには美味しそうな……」
思わずはしゃいでしまった事に気付き、恐る恐るセリスを見ると彼は優しい笑みを浮かべて私を見ていた。
初めて城下町に来たとはいえ、一人で興奮しちゃうなんて恥ずかしい……!
「あ…えと、何かごめんね……!私一人ではしゃいじゃって…」
「どうして謝るの?可愛いナマエが見られて僕は嬉しいのに」
「かっ…!?またそんな事言う…!」
「あはは、照れてる。でも本当の事なんだ。仕方ないよ」
するとセリスは私の手を取って一歩前を歩き出した。
「ね、あそこのアイスクリーム食べてみようか」
「!うんっ!」
私達はアイスクリームが売っている屋台へと向かって行った。
「へぇ…結構色々な味があるんだね」
近くに来た事によって思ったよりも味の種類が多い事に気が付いた。
セリスも興味深そうにメニューを眺めている。
「僕は、そうだな…チョコレートにしようかな。ナマエは決まった?」
「私はバニラが良いな」
「バニラか。何かナマエらしいよね」
「そうかな?」
「うん。すみません、チョコレートとバニラください」
店員さんからアイスを受け取ると、セリスはバニラ味の方を手渡してくれた。
「ありがとう」
「どういたしまして。ここではなんだから少し移動しようか 」
「そうだね」
アイスを手に街中を抜け、街の広場にあるベンチへ二人並んで腰を下ろす。
そして早速アイスに口をつけた。
「ん~、冷たくて美味しいっ」
「本当にね。僕のも食べてみる?」
「いいの?」
「もちろん。ほら」
セリスにチョコレートアイスを差し出され、私はお言葉に甘えて一口食べた。
口の中にバニラとは違う味と冷たさが広がる。
「チョコレートもすごく美味しいね!」
「ふふ、ナマエは本当に美味しそうに食べるよね。見ていて飽きないよ」
「そっそれはありがとう…」
「僕も君のアイス、食べたいな」
その言葉を聞いて私がセリスの前へアイスを差し出すより前に、彼は私の手を取るとそのままアイスをひとくち口に運んだ。
…私の食べた上から……
「セっセリス…!それ……」
「ん…甘くて優しい味がする。でも…やっぱり僕はこっちがいいかな」
「え……」
セリスは私の手を取ったまま唇に軽くキスを落としてきた。
そのまま軽く舌を入れられ、お互いの舌を絡ませ合う。
いつもより甘い……バニラとチョコレートの味が混ざり合ってる感じがする…
しばらくして満足したのか、セリスは最後に啄ばむようにしてゆっくりと唇を離した。
「はぁ…アイス、溶けちゃうよ…?」
「そうだったね。ついアイスより夢中になってしまったみたいだ」
「もう……」
それから私達はアイスを食べながら色々とお喋りをした。
「ねえ、セリス。私が今回貴方を街に連れ出した理由…分かる?」
「え?うーん……分からないな…」
「あのね…セリスって最近ずっと何かを考え込むような…難しい顔してるなと思ってたの。だから少しでも息抜きになればいいかなと思って……」
「ナマエ……」
彼は少し俯いた後、真っ直ぐ前を見るように顔を上げた。
「最近、この世界でも戦いが激しくなってきたよね。ムスペルを進めば進む程、敵も強くなってきて…そんな彼等に僕は変わらず勝ち進めるのかなと……そう考えてしまうんだ」
そう話すセリスの横顔は苦痛に満ちている気がした。
「元の世界でも素晴らしい仲間達が居てくれたおかげで凶悪な敵をも打ち倒す事が出来た。今は父上達も共に居てくれる…だから負けるはずはないんだ。でも、僕自身の手で仲間を…ナマエを守れないのは嫌なんだ……」
「セリス……」
私は膝の上で拳を強く握る彼の手を、上からそっと包み込むように自分の手を重ねる。
「私もね、実を言うと同じなんだ。この先現れる強敵に通用する指示を出せるのかなって……もしかしたら私の出した指示のせいで誰かが犠牲になるかもしれない。そう思うと、怖くて仕方がないんだ……」
私がそう話し始めると、セリスはこちらに顔を向けてくれた。
澄んだ青い瞳を逸らす事なく見つめ返しながら私は言葉を続ける。
「きっと、他のみんなも何も言わないだけで不安なんだよ。戦いが怖くない人なんて居ない……だからね、こうやってセリスが弱い部分を私に見せてくれるの、嬉しいんだ。ああ、貴方も私と同じ気持ちなんだなって分かるから」
「……」
「セリスは一人じゃないよ。どんな世界に居ても、貴方の周りにはたくさんの仲間がいる。もちろん、私も……私を守ってくれるのはいつだってセリスだけなんだから!」
そう笑ってみせると、次の瞬間私は彼の腕の中に居た。
「そうだ…そうだね。君の言う通りだ。僕は君が傍に居てくれたら、どんな試練だって乗り越えられる…今も、この先も……」
「うん…それでこそセリスだよ」
「ありがとう、ナマエ。これからも僕の傍に居てね」
「当たり前だよ。私はずっと、セリスの傍にいるよ…」
お互い見つめ合えば、次の瞬間には自然と唇が重なる。
その時、甘く優しい……ほんのりとチョコレートの味がした。
~end~
リクエストのセリス夢でした!
セリスの一人称って恋人とか親しい人には僕なんでしたっけ…?
何だか曖昧で申し訳ありません汗
もし書き直しをご希望でしたら、どうぞ遠慮なくお申し付けくださいませm(_ _)m
では、この度は本当にありがとうございました!!
「あのお店の果物、見たことない形してる…!」
「本当だ。この国特有のものなのかな?」
「わ、あそこにすごい可愛いアクセサリーがある!あっちには美味しそうな……」
思わずはしゃいでしまった事に気付き、恐る恐るセリスを見ると彼は優しい笑みを浮かべて私を見ていた。
初めて城下町に来たとはいえ、一人で興奮しちゃうなんて恥ずかしい……!
「あ…えと、何かごめんね……!私一人ではしゃいじゃって…」
「どうして謝るの?可愛いナマエが見られて僕は嬉しいのに」
「かっ…!?またそんな事言う…!」
「あはは、照れてる。でも本当の事なんだ。仕方ないよ」
するとセリスは私の手を取って一歩前を歩き出した。
「ね、あそこのアイスクリーム食べてみようか」
「!うんっ!」
私達はアイスクリームが売っている屋台へと向かって行った。
「へぇ…結構色々な味があるんだね」
近くに来た事によって思ったよりも味の種類が多い事に気が付いた。
セリスも興味深そうにメニューを眺めている。
「僕は、そうだな…チョコレートにしようかな。ナマエは決まった?」
「私はバニラが良いな」
「バニラか。何かナマエらしいよね」
「そうかな?」
「うん。すみません、チョコレートとバニラください」
店員さんからアイスを受け取ると、セリスはバニラ味の方を手渡してくれた。
「ありがとう」
「どういたしまして。ここではなんだから少し移動しようか 」
「そうだね」
アイスを手に街中を抜け、街の広場にあるベンチへ二人並んで腰を下ろす。
そして早速アイスに口をつけた。
「ん~、冷たくて美味しいっ」
「本当にね。僕のも食べてみる?」
「いいの?」
「もちろん。ほら」
セリスにチョコレートアイスを差し出され、私はお言葉に甘えて一口食べた。
口の中にバニラとは違う味と冷たさが広がる。
「チョコレートもすごく美味しいね!」
「ふふ、ナマエは本当に美味しそうに食べるよね。見ていて飽きないよ」
「そっそれはありがとう…」
「僕も君のアイス、食べたいな」
その言葉を聞いて私がセリスの前へアイスを差し出すより前に、彼は私の手を取るとそのままアイスをひとくち口に運んだ。
…私の食べた上から……
「セっセリス…!それ……」
「ん…甘くて優しい味がする。でも…やっぱり僕はこっちがいいかな」
「え……」
セリスは私の手を取ったまま唇に軽くキスを落としてきた。
そのまま軽く舌を入れられ、お互いの舌を絡ませ合う。
いつもより甘い……バニラとチョコレートの味が混ざり合ってる感じがする…
しばらくして満足したのか、セリスは最後に啄ばむようにしてゆっくりと唇を離した。
「はぁ…アイス、溶けちゃうよ…?」
「そうだったね。ついアイスより夢中になってしまったみたいだ」
「もう……」
それから私達はアイスを食べながら色々とお喋りをした。
「ねえ、セリス。私が今回貴方を街に連れ出した理由…分かる?」
「え?うーん……分からないな…」
「あのね…セリスって最近ずっと何かを考え込むような…難しい顔してるなと思ってたの。だから少しでも息抜きになればいいかなと思って……」
「ナマエ……」
彼は少し俯いた後、真っ直ぐ前を見るように顔を上げた。
「最近、この世界でも戦いが激しくなってきたよね。ムスペルを進めば進む程、敵も強くなってきて…そんな彼等に僕は変わらず勝ち進めるのかなと……そう考えてしまうんだ」
そう話すセリスの横顔は苦痛に満ちている気がした。
「元の世界でも素晴らしい仲間達が居てくれたおかげで凶悪な敵をも打ち倒す事が出来た。今は父上達も共に居てくれる…だから負けるはずはないんだ。でも、僕自身の手で仲間を…ナマエを守れないのは嫌なんだ……」
「セリス……」
私は膝の上で拳を強く握る彼の手を、上からそっと包み込むように自分の手を重ねる。
「私もね、実を言うと同じなんだ。この先現れる強敵に通用する指示を出せるのかなって……もしかしたら私の出した指示のせいで誰かが犠牲になるかもしれない。そう思うと、怖くて仕方がないんだ……」
私がそう話し始めると、セリスはこちらに顔を向けてくれた。
澄んだ青い瞳を逸らす事なく見つめ返しながら私は言葉を続ける。
「きっと、他のみんなも何も言わないだけで不安なんだよ。戦いが怖くない人なんて居ない……だからね、こうやってセリスが弱い部分を私に見せてくれるの、嬉しいんだ。ああ、貴方も私と同じ気持ちなんだなって分かるから」
「……」
「セリスは一人じゃないよ。どんな世界に居ても、貴方の周りにはたくさんの仲間がいる。もちろん、私も……私を守ってくれるのはいつだってセリスだけなんだから!」
そう笑ってみせると、次の瞬間私は彼の腕の中に居た。
「そうだ…そうだね。君の言う通りだ。僕は君が傍に居てくれたら、どんな試練だって乗り越えられる…今も、この先も……」
「うん…それでこそセリスだよ」
「ありがとう、ナマエ。これからも僕の傍に居てね」
「当たり前だよ。私はずっと、セリスの傍にいるよ…」
お互い見つめ合えば、次の瞬間には自然と唇が重なる。
その時、甘く優しい……ほんのりとチョコレートの味がした。
~end~
リクエストのセリス夢でした!
セリスの一人称って恋人とか親しい人には僕なんでしたっけ…?
何だか曖昧で申し訳ありません汗
もし書き直しをご希望でしたら、どうぞ遠慮なくお申し付けくださいませm(_ _)m
では、この度は本当にありがとうございました!!
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