マイヒーロー
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「お疲れ様、ナマエ」
「ルフレ。お疲れ様」
今日の戦闘が終わり、お城へ帰還した時にルフレが声を掛けて来てくれた。
「今日の策も上手くいったね。やっぱりナマエの考える策にはいつも助けられるよ」
「そんな、それはいつもルフレが手伝ってくれているから…」
「いや、僕はほんの少ししか手を貸していないよ。初めから君の策は的確で良いものなんだ。だからみんな安心して指示に従える…」
真っ直ぐで真剣な瞳に私は思わずドキリとした。
誰かからこんな風に褒められたら素直に嬉しく思うものだ。
けど…相手がルフレだと、ただ嬉しく思うだけじゃなくて……
恋をしてしまっている人から褒められると、やはりつい舞い上がってしまう。
「ルフレ、その…ありがとう」
私は少し照れながらも褒めてくれた事に対して彼にお礼を言った。
「……ねえ、ナマエ。よければこの後__」
「ルフレー?何処にいるのー?」
遠くの方からルフレを呼ぶ声…その声の主はティアモだというのが分かった。
「ティアモ、ルフレの事呼んでるみたいだね」
「そうみたいだね……じゃあ、またゆっくり話でもしよう」
「うん。また…」
お互い手を振り合うとルフレはティアモの元へ駆け足で向かって行った。
「…本当は行って欲しくなかった、なんて……」
こんな事、口が裂けても本人の前で言えるはずはない。
自分の好きな人が他の女性の元へ行ってしまうのは正直辛いものだ。
たとえそれが必要な用事であっても……
そう思ってしまう程、ルフレに惹かれてしまっているのもまた事実。
「部屋に戻ろうかな…」
一人そう呟いて私は部屋までの道を歩いて行った。
「…?」
部屋への道中にある渡り廊下に差し掛かった時、私はふとその場で足を止めた。
中庭で二つの影が見え誰がいるのだろうと目を向けたのだ。
「!」
その光景が私の心臓を抉るような感覚に陥れるには容易なものだった。
…そこには男女の姿……ルフレとティアモが嬉しそうに抱き合っていたのだ。
何でルフレとティアモが…?
もしかしてティアモがルフレを呼んでいた理由って……
……じゃあ、ルフレはもうティアモと………
最悪のシナリオが頭に浮かび、私はそこから逃げるようにして部屋に駆け込んで行った。
「はっ……なんだ…そうだったんだ……」
部屋に入った途端、私はその場で崩れ落ちるように座り込んだ。
そして目からは自然と大粒の涙がとめどなく溢れてくる。
ルフレとは同じ軍師という立場から話す機会も多かった。
毎回策を練る時はいつも一緒に考えてくれたり戦場では同じ部隊になる事も多かったりと、英雄達の中では一番親しいと言っても過言ではないくらいだと思っていたんだ。
けど…それはあくまで私が一方的に思っていた事だというのが今、分かった。
一人で少しでも舞い上がったりした自分が恥ずかしい……
ルフレには私なんかよりもティアモの方がずっとお似合いだ。
……もう、この恋は忘れよう…
あの日を境に私はルフレと距離を置くようになった。
策を考えるのも一人でするようにし、ルフレと同じ部隊にならないように編成をしたりと…とにかく彼を避けていた。
…彼の傍にいたら、忘れたい想いも忘れられないから……
「ナマエ、ちょっと__」
「ごっごめん、私これから用事があるから…!」
声を掛けてきてくれたルフレを私は目も合わせようとはせず、そそくさとその場から去ろうとした。
「待って」
するとルフレに腕を掴まれて、そのまま彼の方へと引き寄せられたのだ。
不意打ちだった事から私は抵抗をする間も無く、彼の腕の中に体がすっぽりと入る状態になってしまった。
かっ…顔が近い……
「どうして僕を避けたりするんだい?」
「べっ別に避けてなんか…」
「なら、今もずっと目を合わせてくれないのは何故かな?」
その瞬間、顎を持ち上げられ強制的に彼と目を合わさせられた。
目を逸らしたいはずなのに…
何故か捕らわれてしまったかのように私は目が離せなかった。
それと同時に忘れようとしていた想いが溢れ出る感覚も感じてしまう…
「っ…ダメだよ…!!」
私は我に帰ると、振り切るようにルフレを押し返すと距離を取った。
「ナマエ…?」
「ダメだよ、ルフレ…他に恋人がいるのにこんな事しちゃ……」
「…?何言って__」
「ティアモの事、大切にしてあげてね……!」
涙が頬を伝う中、精一杯の笑顔でそれだけを伝えると私は彼に背を向けて走り出した。
「だから待てって……!」
またもや腕が掴まれる感覚と共に、今度は壁に体を押し付けられてしまう。
逃げられないようにか、ルフレは壁に手を付いている。
「ルフレ…?何でこんな事するの……?」
「それはこっちのセリフだよ…僕がいつティアモと恋人になったの?」
「え…だ、だってこの前抱き合ってたから……」
「抱き合ってた?……あぁ、あれか…!……まさかそれで僕とティアモが付き合ってると思ってたの?」
「うっうん…」
「そうだったのか…はあぁ~……」
ルフレは私が頷くと大きな溜め息を吐いていた。
「ナマエ、君は誤解してる。あの時僕はティアモに呼ばれて、最近ずっと元気の無かった彼女のペガサスが元気になった事を教えてくれたんだ。それでその嬉しさから思わず二人して抱き合っただけなんだけど…まさか君に見られていたなんてね……」
「じゃあ、本当に二人は付き合ってない…の……?」
「当たり前だ。僕とティアモの間には何も無いよ」
その言葉に私は再び涙が溢れ出てきた。
なんかもう…嬉しさとか安心感、勘違いしていた恥ずかしさやらでぐちゃぐちゃだ……
「そっそんなに泣くような事だったのかい?」
「だって…ずっと、ずっと苦しかった……っ!好きだから…ルフレが、大好きだから……っ…」
思わず本心を伝えてしまったけど、後悔なんて無い。
だってもう…彼への想いを隠す事なんて出来ないくらい、胸の中が好きで溢れ返ってしまっているのだから……
「そっか…僕もだよ、ナマエ。僕も君が好き…初めから君だけしか見ていなかった。だから…もう避けたりなんかしないでくれる?」
「うんっ…ずっとルフレの傍にいたい……!」
「ありがとう…もう絶対離さないよ。何があっても、ずっと一緒だからな……」
ルフレは私の頬を伝う涙を拭ってくれた後、唇に優しくキスを落としてくれたのだった。
~end~
リクエストのルフレ夢でした!
ティアモとルフレが抱き合う理由をどうしようかと考えた結果、何故あれだけの理由で抱き合うんだというレベルのものになってしまいました…申し訳ありません汗
では、この度は本当にありがとうございました!!
「ルフレ。お疲れ様」
今日の戦闘が終わり、お城へ帰還した時にルフレが声を掛けて来てくれた。
「今日の策も上手くいったね。やっぱりナマエの考える策にはいつも助けられるよ」
「そんな、それはいつもルフレが手伝ってくれているから…」
「いや、僕はほんの少ししか手を貸していないよ。初めから君の策は的確で良いものなんだ。だからみんな安心して指示に従える…」
真っ直ぐで真剣な瞳に私は思わずドキリとした。
誰かからこんな風に褒められたら素直に嬉しく思うものだ。
けど…相手がルフレだと、ただ嬉しく思うだけじゃなくて……
恋をしてしまっている人から褒められると、やはりつい舞い上がってしまう。
「ルフレ、その…ありがとう」
私は少し照れながらも褒めてくれた事に対して彼にお礼を言った。
「……ねえ、ナマエ。よければこの後__」
「ルフレー?何処にいるのー?」
遠くの方からルフレを呼ぶ声…その声の主はティアモだというのが分かった。
「ティアモ、ルフレの事呼んでるみたいだね」
「そうみたいだね……じゃあ、またゆっくり話でもしよう」
「うん。また…」
お互い手を振り合うとルフレはティアモの元へ駆け足で向かって行った。
「…本当は行って欲しくなかった、なんて……」
こんな事、口が裂けても本人の前で言えるはずはない。
自分の好きな人が他の女性の元へ行ってしまうのは正直辛いものだ。
たとえそれが必要な用事であっても……
そう思ってしまう程、ルフレに惹かれてしまっているのもまた事実。
「部屋に戻ろうかな…」
一人そう呟いて私は部屋までの道を歩いて行った。
「…?」
部屋への道中にある渡り廊下に差し掛かった時、私はふとその場で足を止めた。
中庭で二つの影が見え誰がいるのだろうと目を向けたのだ。
「!」
その光景が私の心臓を抉るような感覚に陥れるには容易なものだった。
…そこには男女の姿……ルフレとティアモが嬉しそうに抱き合っていたのだ。
何でルフレとティアモが…?
もしかしてティアモがルフレを呼んでいた理由って……
……じゃあ、ルフレはもうティアモと………
最悪のシナリオが頭に浮かび、私はそこから逃げるようにして部屋に駆け込んで行った。
「はっ……なんだ…そうだったんだ……」
部屋に入った途端、私はその場で崩れ落ちるように座り込んだ。
そして目からは自然と大粒の涙がとめどなく溢れてくる。
ルフレとは同じ軍師という立場から話す機会も多かった。
毎回策を練る時はいつも一緒に考えてくれたり戦場では同じ部隊になる事も多かったりと、英雄達の中では一番親しいと言っても過言ではないくらいだと思っていたんだ。
けど…それはあくまで私が一方的に思っていた事だというのが今、分かった。
一人で少しでも舞い上がったりした自分が恥ずかしい……
ルフレには私なんかよりもティアモの方がずっとお似合いだ。
……もう、この恋は忘れよう…
あの日を境に私はルフレと距離を置くようになった。
策を考えるのも一人でするようにし、ルフレと同じ部隊にならないように編成をしたりと…とにかく彼を避けていた。
…彼の傍にいたら、忘れたい想いも忘れられないから……
「ナマエ、ちょっと__」
「ごっごめん、私これから用事があるから…!」
声を掛けてきてくれたルフレを私は目も合わせようとはせず、そそくさとその場から去ろうとした。
「待って」
するとルフレに腕を掴まれて、そのまま彼の方へと引き寄せられたのだ。
不意打ちだった事から私は抵抗をする間も無く、彼の腕の中に体がすっぽりと入る状態になってしまった。
かっ…顔が近い……
「どうして僕を避けたりするんだい?」
「べっ別に避けてなんか…」
「なら、今もずっと目を合わせてくれないのは何故かな?」
その瞬間、顎を持ち上げられ強制的に彼と目を合わさせられた。
目を逸らしたいはずなのに…
何故か捕らわれてしまったかのように私は目が離せなかった。
それと同時に忘れようとしていた想いが溢れ出る感覚も感じてしまう…
「っ…ダメだよ…!!」
私は我に帰ると、振り切るようにルフレを押し返すと距離を取った。
「ナマエ…?」
「ダメだよ、ルフレ…他に恋人がいるのにこんな事しちゃ……」
「…?何言って__」
「ティアモの事、大切にしてあげてね……!」
涙が頬を伝う中、精一杯の笑顔でそれだけを伝えると私は彼に背を向けて走り出した。
「だから待てって……!」
またもや腕が掴まれる感覚と共に、今度は壁に体を押し付けられてしまう。
逃げられないようにか、ルフレは壁に手を付いている。
「ルフレ…?何でこんな事するの……?」
「それはこっちのセリフだよ…僕がいつティアモと恋人になったの?」
「え…だ、だってこの前抱き合ってたから……」
「抱き合ってた?……あぁ、あれか…!……まさかそれで僕とティアモが付き合ってると思ってたの?」
「うっうん…」
「そうだったのか…はあぁ~……」
ルフレは私が頷くと大きな溜め息を吐いていた。
「ナマエ、君は誤解してる。あの時僕はティアモに呼ばれて、最近ずっと元気の無かった彼女のペガサスが元気になった事を教えてくれたんだ。それでその嬉しさから思わず二人して抱き合っただけなんだけど…まさか君に見られていたなんてね……」
「じゃあ、本当に二人は付き合ってない…の……?」
「当たり前だ。僕とティアモの間には何も無いよ」
その言葉に私は再び涙が溢れ出てきた。
なんかもう…嬉しさとか安心感、勘違いしていた恥ずかしさやらでぐちゃぐちゃだ……
「そっそんなに泣くような事だったのかい?」
「だって…ずっと、ずっと苦しかった……っ!好きだから…ルフレが、大好きだから……っ…」
思わず本心を伝えてしまったけど、後悔なんて無い。
だってもう…彼への想いを隠す事なんて出来ないくらい、胸の中が好きで溢れ返ってしまっているのだから……
「そっか…僕もだよ、ナマエ。僕も君が好き…初めから君だけしか見ていなかった。だから…もう避けたりなんかしないでくれる?」
「うんっ…ずっとルフレの傍にいたい……!」
「ありがとう…もう絶対離さないよ。何があっても、ずっと一緒だからな……」
ルフレは私の頬を伝う涙を拭ってくれた後、唇に優しくキスを落としてくれたのだった。
~end~
リクエストのルフレ夢でした!
ティアモとルフレが抱き合う理由をどうしようかと考えた結果、何故あれだけの理由で抱き合うんだというレベルのものになってしまいました…申し訳ありません汗
では、この度は本当にありがとうございました!!
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