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※シグルドとディアドラは結ばれない設定です。
目が、離せなかった。
端正な顔立ちに綺麗な青い髪、そして凛と前を見つめる青い瞳…
私は瞬きも忘れて目の前に召喚された英雄を見つめていた。
「君は……?」
彼が声を発した事で我に帰り、私は慌てて自己紹介をしようとした。
「あ…ごっごめんなさい!えと……わっ私はナマエといいます」
「ナマエか…私はシグルド。シアルフィ公国公子、聖戦士バルドの血を受け継ぐ者だ」
私は続けて目の前の彼…シグルド様にこの世界に召喚させていただいた理由を話した。
「そうなのか…そんな事が起こり得るなんてにわかには信じがたいが、実際ここに来たのが何よりの証拠だ。これからは私の力の限り、君を守ると約束しよう」
ドキン、と胸が高鳴った。
彼の青い瞳を見つめるとどこか吸い込まれそうになる。
これがシグルド様との出会いだった。
思えば一目惚れ…なんて初めてだったんだ……
私は久々に休暇が取れ、気分転換にと一人で城下町に遊びに来ていた。
人々の活気溢れる町で色々な屋台を回っていて、眺めているだけでもとても楽しく感じた。
「……!?わっ…!」
周りを見回しながら歩いていると、急に手首を掴まれ路地裏らしきところに引き込まれた。
そして何者かに壁に押さえつけられ口を手で塞がれた。
「あんた、良い女だなぁ?どこから来たんだ?」
「一人で遊んでねぇで俺達と遊ぼうぜ~?」
路地裏には三人の男達がいて、そいつらは見るからに賊といった身なりだった。
私を押さえつけている男は、上から下まで舐め回すように視線を動かしていて、思わず背筋に悪寒が走る。
なっ何なのこの男達……
気持ち悪い、離してよ……!!
「んん、ん~っ!」
訴えようにも口を塞がれているため何も伝わらない。
…まあ、きっと伝わったところで離してもらえるような連中ではないだろうけど……
「なあ、この女どうする?」
「売るのも悪くねぇが……まずは味見だろ」
「お、やっぱりそうきたか!」
「!」
今度は別の男が私を押さえつけると、今まで押さえつけていた男がいやらしい笑みを浮かべて私の体に触れようと手を伸ばしてきた。
いっいや…!
こんな奴らに触られたくないのに……!
誰か…誰か助けて……
…シグルド様……っ!!
「お前達、何をしている!」
その時、求めていた人物の声が路地裏に響いた。
青い髪に青い瞳……怒りを含んだ顔で男達を見るシグルド様がそこに立っていたのだ。
「ああ?誰だお前!」
「おっおい…こいつ、まさか特務機関にいるって噂の英雄じゃ……!」
「え…」
「彼女を今すぐ離せ。そして早く私の前から失せろ!」
鋭い声が響き渡り、男達はシグルド様に恐れをなしたのか青ざめた顔で逃げて行った。
「あ……」
「ナマエ!」
私は体が解放された途端、力が入らずそのまま崩れ落ちそうになったところをシグルド様が駆けつけて支えてくれた。
「大丈夫かい?」
「シグルド、さま……」
彼の顔を改めて見た時、安堵からか涙が溢れ出てきた。
「!どこか怪我でもしたのか?」
「ちがっ…違うんです…!貴方様が来てくれて、私…嬉しくて……っ!」
一人で勝手に涙を拭いながらそう言うと、急にふわりと体が浮く感覚を覚えた。
「え…シっシグルド様…!?何を……」
私は何故か彼に横抱きにされていたのだ。
「少し、散歩でもしようか。私の馬に乗って」
彼の一言で路地裏を抜け町を出ると、私達はシグルド様の馬に乗り外に散歩へ出掛けた。
「ナマエ、すまない。もっと早く君を見つけていれば、あんな怖い思いをさせなくて済んだのに……」
「いえ、貴方様が謝る事ではないです。私が不注意だったから……あの、シグルド様……どうして貴方様が町に来ていたのですか…?」
私は少し疑問だった事を聞いてみた。
「それは…ナマエを探しているとシャロン王女から君が町に出ていったという事を教えてもらってね」
「そうだったのですね…でも、どうして私を探していたのですか?」
すると、シグルド様は突然その場で馬を止めたのだ。
「…ナマエ。君は運命というものを信じるか?」
突然そんな事を聞かれ心臓が音を立てた。
私は反射的に首だけで彼の方を向く。
「え……?」
「私は…ナマエとの出会いがその運命だと思っている。私が君にこの世界に召喚されたあの日…なんて美しいのだと…君を一目見た瞬間、時が止まった気がした」
あの青い瞳には熱が込められている気がして、私の心臓の鼓動はますます速くなっていく。
「私は……どうやら君に一目惚れをしてしまったみたいなんだ」
その言葉を理解した途端、頭の中が混乱状態に陥った。
顔が、身体が熱い……
心臓の鼓動も相変わらず速いままだ…
私も、同じなのに……
思うように言葉が出てこなかった。
「シ…シグルド様……あの、私っ……!」
すると彼は私の心中を悟ったのか、ふっと笑みを浮かべると手綱を握っていた片方の手を優しく私の手の上に重ねてきた。
「ゆっくりでいいんだ。大事なのはどんな形であれ、相手に気持ちを伝える事なのだから」
その途端、気持ちがスッと落ち着いていくのが分かり、私は一つ深呼吸してから口を開いた。
「…シグルド様、実は私もなんです。貴方様を召喚させていただいた時…感じた事もない感覚が体中を駆け巡りました。ああ、私…このお方に一目惚れしてしまったんだって……一目惚れなんて初めてだった。だから最初は正直戸惑ったりもしたのですが……」
私がそこまで言うと、シグルド様は馬から降りて私に手を差し出した。
その手を取りながら馬から飛び降りた時、私は彼によって受け止められそのまま抱き上げられた。
「誰かを愛する事がこんなにも素晴らしいものだというのは、君のおかげで分かった。ナマエ…君が欲しい」
「シグルド様…はい、貴方様になら喜んで……」
私達はしばらく見つめ合った後、幸せな気持ちの中どちらからともなく唇を重ね合わせたのだった。
~end~
リクエストのシグルド夢でした!
お気付きの方もいらっしゃるかと思いますが、話の中にあった町でシグルドに助けられるシーンは原作からお借りしました(^^;
本当はディアドラですが、夢なのでそこは目を瞑っていただけると幸いです……
あと、シグルドはディアドラと顔見知り状態ですが恋には落ちていない設定で書きました汗
では、この度は本当にありがとうございました!!
目が、離せなかった。
端正な顔立ちに綺麗な青い髪、そして凛と前を見つめる青い瞳…
私は瞬きも忘れて目の前に召喚された英雄を見つめていた。
「君は……?」
彼が声を発した事で我に帰り、私は慌てて自己紹介をしようとした。
「あ…ごっごめんなさい!えと……わっ私はナマエといいます」
「ナマエか…私はシグルド。シアルフィ公国公子、聖戦士バルドの血を受け継ぐ者だ」
私は続けて目の前の彼…シグルド様にこの世界に召喚させていただいた理由を話した。
「そうなのか…そんな事が起こり得るなんてにわかには信じがたいが、実際ここに来たのが何よりの証拠だ。これからは私の力の限り、君を守ると約束しよう」
ドキン、と胸が高鳴った。
彼の青い瞳を見つめるとどこか吸い込まれそうになる。
これがシグルド様との出会いだった。
思えば一目惚れ…なんて初めてだったんだ……
私は久々に休暇が取れ、気分転換にと一人で城下町に遊びに来ていた。
人々の活気溢れる町で色々な屋台を回っていて、眺めているだけでもとても楽しく感じた。
「……!?わっ…!」
周りを見回しながら歩いていると、急に手首を掴まれ路地裏らしきところに引き込まれた。
そして何者かに壁に押さえつけられ口を手で塞がれた。
「あんた、良い女だなぁ?どこから来たんだ?」
「一人で遊んでねぇで俺達と遊ぼうぜ~?」
路地裏には三人の男達がいて、そいつらは見るからに賊といった身なりだった。
私を押さえつけている男は、上から下まで舐め回すように視線を動かしていて、思わず背筋に悪寒が走る。
なっ何なのこの男達……
気持ち悪い、離してよ……!!
「んん、ん~っ!」
訴えようにも口を塞がれているため何も伝わらない。
…まあ、きっと伝わったところで離してもらえるような連中ではないだろうけど……
「なあ、この女どうする?」
「売るのも悪くねぇが……まずは味見だろ」
「お、やっぱりそうきたか!」
「!」
今度は別の男が私を押さえつけると、今まで押さえつけていた男がいやらしい笑みを浮かべて私の体に触れようと手を伸ばしてきた。
いっいや…!
こんな奴らに触られたくないのに……!
誰か…誰か助けて……
…シグルド様……っ!!
「お前達、何をしている!」
その時、求めていた人物の声が路地裏に響いた。
青い髪に青い瞳……怒りを含んだ顔で男達を見るシグルド様がそこに立っていたのだ。
「ああ?誰だお前!」
「おっおい…こいつ、まさか特務機関にいるって噂の英雄じゃ……!」
「え…」
「彼女を今すぐ離せ。そして早く私の前から失せろ!」
鋭い声が響き渡り、男達はシグルド様に恐れをなしたのか青ざめた顔で逃げて行った。
「あ……」
「ナマエ!」
私は体が解放された途端、力が入らずそのまま崩れ落ちそうになったところをシグルド様が駆けつけて支えてくれた。
「大丈夫かい?」
「シグルド、さま……」
彼の顔を改めて見た時、安堵からか涙が溢れ出てきた。
「!どこか怪我でもしたのか?」
「ちがっ…違うんです…!貴方様が来てくれて、私…嬉しくて……っ!」
一人で勝手に涙を拭いながらそう言うと、急にふわりと体が浮く感覚を覚えた。
「え…シっシグルド様…!?何を……」
私は何故か彼に横抱きにされていたのだ。
「少し、散歩でもしようか。私の馬に乗って」
彼の一言で路地裏を抜け町を出ると、私達はシグルド様の馬に乗り外に散歩へ出掛けた。
「ナマエ、すまない。もっと早く君を見つけていれば、あんな怖い思いをさせなくて済んだのに……」
「いえ、貴方様が謝る事ではないです。私が不注意だったから……あの、シグルド様……どうして貴方様が町に来ていたのですか…?」
私は少し疑問だった事を聞いてみた。
「それは…ナマエを探しているとシャロン王女から君が町に出ていったという事を教えてもらってね」
「そうだったのですね…でも、どうして私を探していたのですか?」
すると、シグルド様は突然その場で馬を止めたのだ。
「…ナマエ。君は運命というものを信じるか?」
突然そんな事を聞かれ心臓が音を立てた。
私は反射的に首だけで彼の方を向く。
「え……?」
「私は…ナマエとの出会いがその運命だと思っている。私が君にこの世界に召喚されたあの日…なんて美しいのだと…君を一目見た瞬間、時が止まった気がした」
あの青い瞳には熱が込められている気がして、私の心臓の鼓動はますます速くなっていく。
「私は……どうやら君に一目惚れをしてしまったみたいなんだ」
その言葉を理解した途端、頭の中が混乱状態に陥った。
顔が、身体が熱い……
心臓の鼓動も相変わらず速いままだ…
私も、同じなのに……
思うように言葉が出てこなかった。
「シ…シグルド様……あの、私っ……!」
すると彼は私の心中を悟ったのか、ふっと笑みを浮かべると手綱を握っていた片方の手を優しく私の手の上に重ねてきた。
「ゆっくりでいいんだ。大事なのはどんな形であれ、相手に気持ちを伝える事なのだから」
その途端、気持ちがスッと落ち着いていくのが分かり、私は一つ深呼吸してから口を開いた。
「…シグルド様、実は私もなんです。貴方様を召喚させていただいた時…感じた事もない感覚が体中を駆け巡りました。ああ、私…このお方に一目惚れしてしまったんだって……一目惚れなんて初めてだった。だから最初は正直戸惑ったりもしたのですが……」
私がそこまで言うと、シグルド様は馬から降りて私に手を差し出した。
その手を取りながら馬から飛び降りた時、私は彼によって受け止められそのまま抱き上げられた。
「誰かを愛する事がこんなにも素晴らしいものだというのは、君のおかげで分かった。ナマエ…君が欲しい」
「シグルド様…はい、貴方様になら喜んで……」
私達はしばらく見つめ合った後、幸せな気持ちの中どちらからともなく唇を重ね合わせたのだった。
~end~
リクエストのシグルド夢でした!
お気付きの方もいらっしゃるかと思いますが、話の中にあった町でシグルドに助けられるシーンは原作からお借りしました(^^;
本当はディアドラですが、夢なのでそこは目を瞑っていただけると幸いです……
あと、シグルドはディアドラと顔見知り状態ですが恋には落ちていない設定で書きました汗
では、この度は本当にありがとうございました!!
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