マイヒーロー
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
※サザ視点
「…ごめんね、サザ……」
突然、ナマエが俯きながら何故か謝罪を口にした。
その声はどこか震えている気がする。
「今まで無理して私と付き合ってくれてたんだよね…私が貴方に告白なんてしちゃったから……」
「あんた、何言って__」
「ずっと分かってた事けど…でも…ミカヤが好きなら好きって、はっきり言って欲しかったな……っ…」
顔を上げた彼女の顔を見て胸が騒ついた。
その頬には一筋の涙が流れていたから……
「違う、ナマエ…俺は……」
「ごめん、私行くね…!」
「待て、ナマエっ!!」
手が届くよりも早く、ナマエはこの場から走り去ってしまった。
俺はその場で一人呆然としていた。
彼女に、俺は一体何をした…?
俺はナマエを、泣かせて…しまったのか……?
ナマエの泣き顔を思い出すと、俺の手が少し震えているのが分かった。
「サザ、ダメじゃない。ナマエさんの事泣かせちゃ」
その時、後ろから少し困ったように笑うミカヤが声を掛けてきた。
「ミカヤ…聞いてたのか」
「通りかかろうとしたら、ちょうど見てしまって…盗み聞きするつもりはなかったんだけど、ごめんなさい…」
「いや、いいんだ。…それよりみっともないところ見せちゃったな」
ミカヤは俺をじっと見つめると口を開いた。
「サザ、今どうしていいか分からないくらい…混乱してるでしょう?」
「…心、読んだな……」
「今のは読んでいないわ。読まなくても、貴方の顔を見れば分かるもの」
俺ってそんなに分かりやすいのか…
「なあ、ミカヤ…俺、ナマエに嫌われたのか…?」
「……ねえ、サザ。ナマエさんがあんな風に思いを伝えてきたのって、初めてじゃない?」
ミカヤの言葉に俺はハッとした。
確かに…今までナマエは一度も俺に我儘や弱音を言ってきたりなんてしなかった。
…思い返せば、俺は彼女にミカヤの事ばかりを話していた。
それでも…ナマエは何一つ嫌な顔せずに笑ってくれていたんだ……
だが、ずっとそれを我慢していて…
俺は最終的に彼女にあんな事を言わせてしまった。
何で…何でもっと早く気付かなかったんだ……!!
「俺が好きなのは…あいつだけなのに…っ……!」
「ふふ、サザはちゃんと何が悪かったのか分かってる。だから……その言葉をちゃんと伝えるべき相手も…分かってるはずよね?」
「!…ミカヤ、俺ちょっと行ってくる」
俺は弾かれるようにナマエの後を追いかけた。
「…!いた……」
城内を走ってナマエを探していると、中庭でその姿を見つけた。
……青い髪をした彼…アイク団長に抱き締められた彼女を…
「俺の恋人に…手を出さないでくれないか」
ナマエをアイク団長から取り返すように、彼女の腕を引いて俺の腕の中に収めた。
「サっサザ…!?」
「…ナマエを泣かせた奴がよく言うな」
俺を睨むように鋭い視線を向けてくるアイク団長に、俺も負けじと彼を見る。
「俺は…俺はもう、ナマエを泣かせたりしない。言うだけなら簡単だが…これからの行動でそれを証明してみせる。だから、ナマエは誰にも渡さない。アイク団長…たとえあんたが相手でも」
俺だけの声がその場に静かに響いた。
アイク団長はしばらく黙ったままだったが、口元に小さく笑みを浮かべると俺達の横を通り過ぎようとした。
「今度、ナマエを泣かせてみろ。…文字通り、その時は俺がナマエをもらいにいく」
それだけ言うと彼はこの場を去って行った。
「あの…サザ……なんで来てくれたの……?」
俺の腕の中にいるナマエは俺を見上げながらそう聞いてきた。
その顔は泣いていたためか赤くなっている。
「ナマエ…悪かった……謝らなきゃいけないのは俺の方だ。あんたの気持ちを考えないで、俺は自分の事ばかりで……俺が本当に好きなのはナマエだけなんだ。信じて、もらえないかもしれないが……」
するとナマエは一瞬目を見開いた後、柔らかさが戻った表情で俺の頬を片手で触れてきた。
「信じるよ……だって、サザだもん。…私ね、ずっとミカヤに嫉妬してたの。二人は家族なんだから一緒にいて思い合うのは当たり前なのに…それでも私は羨ましく思ってしまってた。サザに守られるミカヤを……」
俺は黙って彼女の話を聞いていた。
「だから、サザが私の恋人になってくれた時…本当に嬉しかった。でも……サザの口からいつもミカヤの話が出る度に…貴方の隣に居てもいいのかなって、そんな風に思ってたの……サザは優しいから、無理に私と付き合ってくれたんだって……」
「それは違う!!」
急に俺が声を上げた事にナマエはビクリと肩を震わせた。
「あ…急にすまない……俺は無理にあんたと付き合ってる訳じゃない。俺もあんたが…ナマエが本当に好きだから…だから、あの時あんたから告白された時、どうしようもないくらいに嬉しかったんだ……」
「サザ……」
俺を見つめるナマエは、ふわりと笑うと俺の首に腕を回して抱きついてきた。
「ナマエ…?」
「ミカヤの話をしないで、なんて言わない。私もミカヤの事は本当に大好きだからそれはいいの。でもね…たまにでいいから、私の事も見て欲しいな……」
耳元で囁かれたその言葉に俺は胸がギュッと締め付けられる感覚を覚え、彼女の体を強く抱き締め返した。
「ああ…たまになんかじゃなく、これからはちゃんと…ずっとナマエの事を見てるさ。もうあんたを泣かせないって約束しからな」
「サザ…うん、ありがとうっ……」
~end~
リクエストのサザ夢でした!
サザの話を書くなら、まずミカヤを絡ませるだろ!とか勝手に思って書いてました笑
彼は他に恋人が出来ても、ミカヤの話ばっかりしそう…悪気がないから余計にタチ悪いやつですね笑
ちなみにアイクの演出は、夢主を狙う男は自分含めて他にもたくさんいるんだからなっていう事を伝えたかっただけです(^^;
では、この度は本当にありがとうございました!!
「…ごめんね、サザ……」
突然、ナマエが俯きながら何故か謝罪を口にした。
その声はどこか震えている気がする。
「今まで無理して私と付き合ってくれてたんだよね…私が貴方に告白なんてしちゃったから……」
「あんた、何言って__」
「ずっと分かってた事けど…でも…ミカヤが好きなら好きって、はっきり言って欲しかったな……っ…」
顔を上げた彼女の顔を見て胸が騒ついた。
その頬には一筋の涙が流れていたから……
「違う、ナマエ…俺は……」
「ごめん、私行くね…!」
「待て、ナマエっ!!」
手が届くよりも早く、ナマエはこの場から走り去ってしまった。
俺はその場で一人呆然としていた。
彼女に、俺は一体何をした…?
俺はナマエを、泣かせて…しまったのか……?
ナマエの泣き顔を思い出すと、俺の手が少し震えているのが分かった。
「サザ、ダメじゃない。ナマエさんの事泣かせちゃ」
その時、後ろから少し困ったように笑うミカヤが声を掛けてきた。
「ミカヤ…聞いてたのか」
「通りかかろうとしたら、ちょうど見てしまって…盗み聞きするつもりはなかったんだけど、ごめんなさい…」
「いや、いいんだ。…それよりみっともないところ見せちゃったな」
ミカヤは俺をじっと見つめると口を開いた。
「サザ、今どうしていいか分からないくらい…混乱してるでしょう?」
「…心、読んだな……」
「今のは読んでいないわ。読まなくても、貴方の顔を見れば分かるもの」
俺ってそんなに分かりやすいのか…
「なあ、ミカヤ…俺、ナマエに嫌われたのか…?」
「……ねえ、サザ。ナマエさんがあんな風に思いを伝えてきたのって、初めてじゃない?」
ミカヤの言葉に俺はハッとした。
確かに…今までナマエは一度も俺に我儘や弱音を言ってきたりなんてしなかった。
…思い返せば、俺は彼女にミカヤの事ばかりを話していた。
それでも…ナマエは何一つ嫌な顔せずに笑ってくれていたんだ……
だが、ずっとそれを我慢していて…
俺は最終的に彼女にあんな事を言わせてしまった。
何で…何でもっと早く気付かなかったんだ……!!
「俺が好きなのは…あいつだけなのに…っ……!」
「ふふ、サザはちゃんと何が悪かったのか分かってる。だから……その言葉をちゃんと伝えるべき相手も…分かってるはずよね?」
「!…ミカヤ、俺ちょっと行ってくる」
俺は弾かれるようにナマエの後を追いかけた。
「…!いた……」
城内を走ってナマエを探していると、中庭でその姿を見つけた。
……青い髪をした彼…アイク団長に抱き締められた彼女を…
「俺の恋人に…手を出さないでくれないか」
ナマエをアイク団長から取り返すように、彼女の腕を引いて俺の腕の中に収めた。
「サっサザ…!?」
「…ナマエを泣かせた奴がよく言うな」
俺を睨むように鋭い視線を向けてくるアイク団長に、俺も負けじと彼を見る。
「俺は…俺はもう、ナマエを泣かせたりしない。言うだけなら簡単だが…これからの行動でそれを証明してみせる。だから、ナマエは誰にも渡さない。アイク団長…たとえあんたが相手でも」
俺だけの声がその場に静かに響いた。
アイク団長はしばらく黙ったままだったが、口元に小さく笑みを浮かべると俺達の横を通り過ぎようとした。
「今度、ナマエを泣かせてみろ。…文字通り、その時は俺がナマエをもらいにいく」
それだけ言うと彼はこの場を去って行った。
「あの…サザ……なんで来てくれたの……?」
俺の腕の中にいるナマエは俺を見上げながらそう聞いてきた。
その顔は泣いていたためか赤くなっている。
「ナマエ…悪かった……謝らなきゃいけないのは俺の方だ。あんたの気持ちを考えないで、俺は自分の事ばかりで……俺が本当に好きなのはナマエだけなんだ。信じて、もらえないかもしれないが……」
するとナマエは一瞬目を見開いた後、柔らかさが戻った表情で俺の頬を片手で触れてきた。
「信じるよ……だって、サザだもん。…私ね、ずっとミカヤに嫉妬してたの。二人は家族なんだから一緒にいて思い合うのは当たり前なのに…それでも私は羨ましく思ってしまってた。サザに守られるミカヤを……」
俺は黙って彼女の話を聞いていた。
「だから、サザが私の恋人になってくれた時…本当に嬉しかった。でも……サザの口からいつもミカヤの話が出る度に…貴方の隣に居てもいいのかなって、そんな風に思ってたの……サザは優しいから、無理に私と付き合ってくれたんだって……」
「それは違う!!」
急に俺が声を上げた事にナマエはビクリと肩を震わせた。
「あ…急にすまない……俺は無理にあんたと付き合ってる訳じゃない。俺もあんたが…ナマエが本当に好きだから…だから、あの時あんたから告白された時、どうしようもないくらいに嬉しかったんだ……」
「サザ……」
俺を見つめるナマエは、ふわりと笑うと俺の首に腕を回して抱きついてきた。
「ナマエ…?」
「ミカヤの話をしないで、なんて言わない。私もミカヤの事は本当に大好きだからそれはいいの。でもね…たまにでいいから、私の事も見て欲しいな……」
耳元で囁かれたその言葉に俺は胸がギュッと締め付けられる感覚を覚え、彼女の体を強く抱き締め返した。
「ああ…たまになんかじゃなく、これからはちゃんと…ずっとナマエの事を見てるさ。もうあんたを泣かせないって約束しからな」
「サザ…うん、ありがとうっ……」
~end~
リクエストのサザ夢でした!
サザの話を書くなら、まずミカヤを絡ませるだろ!とか勝手に思って書いてました笑
彼は他に恋人が出来ても、ミカヤの話ばっかりしそう…悪気がないから余計にタチ悪いやつですね笑
ちなみにアイクの演出は、夢主を狙う男は自分含めて他にもたくさんいるんだからなっていう事を伝えたかっただけです(^^;
では、この度は本当にありがとうございました!!
60/129ページ