マイヒーロー
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※エルトシャンは妻がいない時代から来たという設定です。
“我が剣、我が忠誠は君のためにある。ここに改めて、誓おう。”
つい先日、エルトシャン様からそう言っていただけた。
私はその言葉を聞いた時、自分の彼に対する気持ちに気が付いてしまったのだ。
王でありながら騎士として生きる彼の姿に、私は恐れ多いながらも惹かれていた。
この世界において私とエルトシャン様は主君と騎士という関係だけど…
主君といっても私は何も偉い人でもないし、もっと言えばただの一般人だ。
そんな私にここまで尽くそうとしてくれる彼に正直私なんかが本当に彼の主君でいいのか…と考えてしまう。
「何をくだらない事を考えていらっしゃるの?」
前を見るとラケシス王女が小さく笑いながらこちらに歩いてきていた。
「ラケシス王女…」
「あなたの事だからきっと自分はエルト兄様にふさわしくない主君なんじゃないか…そんな事を思っていたんじゃない?」
心の中を読まれたのかと思い、思わず彼女の顔を凝視してしまった。
「ふふ、あなたと出会ってもう結構経っているのだから、それくらいは分かるわ。特にエルト兄様の事なら…ね」
「あはは…確かにラケシス王女なら分かってしまうかも」
「…この場合はあなたが関わっているからなのだけれど……まあいいでしょう」
ラケシス王女は小さく溜息を吐くと再度口を開いた。
「いい?兄上がナマエに心から尽くしたいと思うのはあなたが人としてちゃんとしているからなのよ。身分などそんなものは関係ない…兄上はあなたの人柄を見てご自分で決められたのよ」
「ラケシス王女……」
先ほどまで重く考えていたのに、彼女のその言葉で胸がすっと軽くなったのを感じた。
私…自信持って良いのかな……
「それで…エルト兄様に想いは伝えないの?」
「え…?」
「とぼけても無駄よ。あなたが兄上を慕っているのはとっくに知っているのだから」
「あ……ごっごめんなさい!!」
私は顔が真っ赤になるのと同時にその場で思い切り彼女に頭を下げて謝った。
「?どうして謝るの?」
「だ、だって…私なんかがエルトシャン様を好きになってしまって…それにラケシス王女にも大変失礼な事にあたるのではないのかと……」
私は頭を下げたまま少しだけ震えた声でそう伝えた。
「ナマエ…何も分かっていないのね……私はあなたなら兄上の事を任せても良いし、そんなあなただからこそ兄上だって__」
「ラケシス、何を言おうとしている」
するとその時、私の後ろからエルトシャン様が歩いて来たのだ。
「エルト兄様!聞いていらしたのですか?」
「お前が俺の何かを話そうとしたところだけが聞こえてきた」
彼の言葉を聞いた時私は少しホッとした。
さすがにそれ以前の会話が聞かれていたら、私は穴があったら入りたい状態になっていたからね……
「そうですか。…ああ、私は少し用事を思い出したので失礼させていただきます」
「え、ラケシス王女!?」
何を思ったのか、ラケシス王女はそれだけ言うと私にウインクをしてこの場を去っていった。
「?ラケシスと一体何を話していたんだ?」
「いっいえ、それは…」
何と説明したらいいか分からず、頭の中で必死に言い訳を考えていた。
「…ナマエ、君は俺の事をどう思う?」
エルトシャン様が急にそんな質問をされてきた。
「俺は君の事を先日伝えたように…本当に良い主君だと思っている。だが…本当の事を言えば、これは俺の表の部分だ」
「表の…部分……?」
「ああ。…本来、騎士が主君に私情を抱く事などは許されない事だ。それが恋愛感情なら以ての外……」
彼は私と目を合わせると、真剣な表情で言葉を紡いだ。
「そんな私情を、俺は主君である君に抱いていると言ったら……君はどう思う?」
一瞬、彼の言っている事が理解出来なかった。
エルトシャン様が私に…恋愛感情を………?
私はきっと何かの間違いだと思い口を開く。
「あっあの、エルトシャン様…?その、恐れ入りますがそれは何か別の感情と間違えられているのでは……?」
もはや自分で何を言っているのか分からない。
それくらい私は今混乱していた。
「自分の気持ちを間違えるなんて事はない…やはり騎士が主君にこのような事を伝えるべきではなかったな……すまない、この事は忘れてくれ」
そう言ってエルトシャン様は背を向けてこの場を離れようとした。
「あ……まっ待って!!」
今言わなければ絶対に後悔する……
その思いが強くなり、私は彼を呼び止めていた。
「その…私、今までずっと悩んでたんです。ただの一般人の私が違う世界といえど一国の王様の主君でもいいのかなって……でも、エルトシャン様やラケシス王女の言葉でやっと自信が持てるようになったんです。…もしも……この想いを口にしていいのなら…私もあなたに伝えたい…」
彼は何も言わず私の言葉を聞いてくれていた。
私は一呼吸置いて彼に一番伝えたい言葉を口にした。
「私は……あなたが、エルトシャン様が好きなんです…」
俯きながらも自分の想いを彼に伝えると、私達の間に少しばかりの沈黙が訪れた。
「…その言葉を主君から望んでいたなんて…俺はある意味騎士失格なのかもしれないな」
その途端、私はいつの間にか傍に来ていたエルトシャン様に抱き上げられていた。
「エっエルトシャン様…?」
「この世界に平和が訪れて、元の世界に帰るという時が来ても……俺は君を手放す事は絶対に出来ないだろう。共に俺の世界へ帰ってくれたとしても、君には悲しい思いをさせてしまうかもしれない…」
「…私は、どんな運命でもあなたと共にありたいと思います、心から……エルトシャン様だから、ずっとお傍にいたいと思うのです」
私は彼の頬に触れながらそう言った。
「!…ああ、俺は君を生涯守り通す事を誓おう。この先何があっても……ありがとう、ナマエ。これからもずっと隣にいてくれ」
「はい、もちろんです……」
~end~
リクエストのエルトシャン夢でした!
むっ難しい……彼とラケシスの口調がつかめず勝手に苦戦してしまいました汗
あと、勝手にグラーニェの存在無かった事にして申し訳ありません…!
自分としては二人で聖戦の世界に帰った後、聖戦の親世代ストーリーを夢主で進んでいく…みたいなのを妄想していたのですが、それだと余計に色々と矛盾やおかしい点が出てくるな…やばいどうしようと思ってます…汗
本当はもっと反省点を書いていきたいのですが、きりがなくなりそうなのでこの辺で…
特にエルトシャンや聖戦ファンの方々、このお話でもし不快な思いをされたら本当に申し訳ありません…!
では、長々と失礼致しました……
“我が剣、我が忠誠は君のためにある。ここに改めて、誓おう。”
つい先日、エルトシャン様からそう言っていただけた。
私はその言葉を聞いた時、自分の彼に対する気持ちに気が付いてしまったのだ。
王でありながら騎士として生きる彼の姿に、私は恐れ多いながらも惹かれていた。
この世界において私とエルトシャン様は主君と騎士という関係だけど…
主君といっても私は何も偉い人でもないし、もっと言えばただの一般人だ。
そんな私にここまで尽くそうとしてくれる彼に正直私なんかが本当に彼の主君でいいのか…と考えてしまう。
「何をくだらない事を考えていらっしゃるの?」
前を見るとラケシス王女が小さく笑いながらこちらに歩いてきていた。
「ラケシス王女…」
「あなたの事だからきっと自分はエルト兄様にふさわしくない主君なんじゃないか…そんな事を思っていたんじゃない?」
心の中を読まれたのかと思い、思わず彼女の顔を凝視してしまった。
「ふふ、あなたと出会ってもう結構経っているのだから、それくらいは分かるわ。特にエルト兄様の事なら…ね」
「あはは…確かにラケシス王女なら分かってしまうかも」
「…この場合はあなたが関わっているからなのだけれど……まあいいでしょう」
ラケシス王女は小さく溜息を吐くと再度口を開いた。
「いい?兄上がナマエに心から尽くしたいと思うのはあなたが人としてちゃんとしているからなのよ。身分などそんなものは関係ない…兄上はあなたの人柄を見てご自分で決められたのよ」
「ラケシス王女……」
先ほどまで重く考えていたのに、彼女のその言葉で胸がすっと軽くなったのを感じた。
私…自信持って良いのかな……
「それで…エルト兄様に想いは伝えないの?」
「え…?」
「とぼけても無駄よ。あなたが兄上を慕っているのはとっくに知っているのだから」
「あ……ごっごめんなさい!!」
私は顔が真っ赤になるのと同時にその場で思い切り彼女に頭を下げて謝った。
「?どうして謝るの?」
「だ、だって…私なんかがエルトシャン様を好きになってしまって…それにラケシス王女にも大変失礼な事にあたるのではないのかと……」
私は頭を下げたまま少しだけ震えた声でそう伝えた。
「ナマエ…何も分かっていないのね……私はあなたなら兄上の事を任せても良いし、そんなあなただからこそ兄上だって__」
「ラケシス、何を言おうとしている」
するとその時、私の後ろからエルトシャン様が歩いて来たのだ。
「エルト兄様!聞いていらしたのですか?」
「お前が俺の何かを話そうとしたところだけが聞こえてきた」
彼の言葉を聞いた時私は少しホッとした。
さすがにそれ以前の会話が聞かれていたら、私は穴があったら入りたい状態になっていたからね……
「そうですか。…ああ、私は少し用事を思い出したので失礼させていただきます」
「え、ラケシス王女!?」
何を思ったのか、ラケシス王女はそれだけ言うと私にウインクをしてこの場を去っていった。
「?ラケシスと一体何を話していたんだ?」
「いっいえ、それは…」
何と説明したらいいか分からず、頭の中で必死に言い訳を考えていた。
「…ナマエ、君は俺の事をどう思う?」
エルトシャン様が急にそんな質問をされてきた。
「俺は君の事を先日伝えたように…本当に良い主君だと思っている。だが…本当の事を言えば、これは俺の表の部分だ」
「表の…部分……?」
「ああ。…本来、騎士が主君に私情を抱く事などは許されない事だ。それが恋愛感情なら以ての外……」
彼は私と目を合わせると、真剣な表情で言葉を紡いだ。
「そんな私情を、俺は主君である君に抱いていると言ったら……君はどう思う?」
一瞬、彼の言っている事が理解出来なかった。
エルトシャン様が私に…恋愛感情を………?
私はきっと何かの間違いだと思い口を開く。
「あっあの、エルトシャン様…?その、恐れ入りますがそれは何か別の感情と間違えられているのでは……?」
もはや自分で何を言っているのか分からない。
それくらい私は今混乱していた。
「自分の気持ちを間違えるなんて事はない…やはり騎士が主君にこのような事を伝えるべきではなかったな……すまない、この事は忘れてくれ」
そう言ってエルトシャン様は背を向けてこの場を離れようとした。
「あ……まっ待って!!」
今言わなければ絶対に後悔する……
その思いが強くなり、私は彼を呼び止めていた。
「その…私、今までずっと悩んでたんです。ただの一般人の私が違う世界といえど一国の王様の主君でもいいのかなって……でも、エルトシャン様やラケシス王女の言葉でやっと自信が持てるようになったんです。…もしも……この想いを口にしていいのなら…私もあなたに伝えたい…」
彼は何も言わず私の言葉を聞いてくれていた。
私は一呼吸置いて彼に一番伝えたい言葉を口にした。
「私は……あなたが、エルトシャン様が好きなんです…」
俯きながらも自分の想いを彼に伝えると、私達の間に少しばかりの沈黙が訪れた。
「…その言葉を主君から望んでいたなんて…俺はある意味騎士失格なのかもしれないな」
その途端、私はいつの間にか傍に来ていたエルトシャン様に抱き上げられていた。
「エっエルトシャン様…?」
「この世界に平和が訪れて、元の世界に帰るという時が来ても……俺は君を手放す事は絶対に出来ないだろう。共に俺の世界へ帰ってくれたとしても、君には悲しい思いをさせてしまうかもしれない…」
「…私は、どんな運命でもあなたと共にありたいと思います、心から……エルトシャン様だから、ずっとお傍にいたいと思うのです」
私は彼の頬に触れながらそう言った。
「!…ああ、俺は君を生涯守り通す事を誓おう。この先何があっても……ありがとう、ナマエ。これからもずっと隣にいてくれ」
「はい、もちろんです……」
~end~
リクエストのエルトシャン夢でした!
むっ難しい……彼とラケシスの口調がつかめず勝手に苦戦してしまいました汗
あと、勝手にグラーニェの存在無かった事にして申し訳ありません…!
自分としては二人で聖戦の世界に帰った後、聖戦の親世代ストーリーを夢主で進んでいく…みたいなのを妄想していたのですが、それだと余計に色々と矛盾やおかしい点が出てくるな…やばいどうしようと思ってます…汗
本当はもっと反省点を書いていきたいのですが、きりがなくなりそうなのでこの辺で…
特にエルトシャンや聖戦ファンの方々、このお話でもし不快な思いをされたら本当に申し訳ありません…!
では、長々と失礼致しました……
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