マイヒーロー
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今日、アスク城の人達は男女共どこかそわそわしていた。
その理由は…
「あ、ナマエ!」
前からカムイが若干息を切らしながら私の元へ走ってきた。
「カムイ。どうしたの、そんなに息切らして…」
「いや、だって…早く誘わないと他の誰かに取られちゃうかもしれないだろう?明日のダンスパーティーの予約…まだ空いてるかい…?」
彼からの誘いに胸が一瞬大きく高鳴った。
そう、明日はお城でダンスパーティーが開かれる事になっている。
その予告をされたのは何故か前日である今日なんだけど…
急な事にみんな慌てて好きなパートナーをダンスに誘っていたりしているのだ。
「もしかして、もう…?」
「そんな訳ないよ…!実は…カムイに誘われたりしないかなってちょっと期待してたんだ……」
本音を言うと、カムイは少し驚いた表情をした後すぐに笑顔になって口を開いた。
「ほっ本当かい?じゃあ、明日のパートナーは…」
「うん…こちらこそお願いします」
「!やった!!ありがとう、ナマエ!」
私の返事を聞くと同時に彼は私を抱き締めて来た。
カムイとは普段からこんな感じだけど…別に付き合ったりはしていない。
周りからはよく付き合っているのかと聞かれるけど、その度に否定してとても驚かれる。
…付き合っている、なんて言えたら…どれだけ嬉しいか……
彼はきっと私の事は仲の良い友人の一人としか見ていないのだろう。
だから私はその心地いい関係を壊したくなく、自分の気持ちに鍵をかける事にしたんだ。
「…ナマエ?」
するとカムイは暗くなった私を心配してくれたのか、体を少し離して顔を覗き込んできた。
「……やっぱり僕が相手じゃ嫌だった…?」
「うっううん!!それは絶対にないから…ごめんね、不安にさせちゃって…」
「そうかい…?なら、いいんだけど……」
カムイを不安な気持ちにさせてしまった事に胸が痛んだ。
その後、私達は明日のパーティー前に私のドレスを一緒に選ぶ約束をして別れた。
そして翌日…
「わあ、すごい数…」
私とカムイは約束通りドレスを選びに、お城の衣装部屋へ来ていた。
さすがお城にある衣装部屋だけあって、数え切れないほどのドレスやタキシードが部屋いっぱいにずらりと並んでいた。
「こんなにあったら時間までに選ぶのが難しそうだね…」
カムイもこの数に圧倒されているのか周りを見回している。
私達は数々のドレスを手に取りながらどれにしようかと選び始めた。
「あ…」
ドレスを選び初めて数分後、私はある一つに目が止まった。
それは白を基調としており、胸元に赤い宝石が付いたオフショルダードレスだった。
「それが気に入ったのかい?」
「カムイ…うん、いいなって思って…」
私がそのドレスをいいと思った一番の理由は、何だかカムイを思い出されるような気がしたから…
気持ち悪いと思われるかもしれないけど…私は何かを選ぶ時にもカムイが思い浮かんでしまう程、彼に惹かれてしまっているのだろう……
「すごくいいじゃないか。ナマエのセンスってやっぱり良いよね」
「え?そっ…そうかな…?」
「うん、そうだよ」
彼に褒められて嬉しいけど、今回は何だか変な感じだ…
そして時は過ぎ、ダンスパーティーが始まる時間となった。
会場となる大広間へと足を運ぶと既に着飾ったたくさんの人がいた。
「ナマエ!」
名前を呼ばれると同時に手を掴まれ反射的に振り返ると、そこには白いタキシードに身を包んだカムイが立っていた。
「お待たせ……!参ったな…想像以上に綺麗過ぎて見惚れてしまったよ…」
「!」
少し顔を赤くした彼は片手で口元を覆いながらそう言ってくれた。
ああ…違うって分かってても、やっぱり心のどこかでは期待してしまう……
「カっカムイの方こそ凄く似合ってるし、カッコいいよ…!私なんかが本当に相手でいいのかってくらい…」
「何言ってるんだよ。僕は君じゃなきゃ嫌なんだ…」
「カムイ…」
お互いの視線が合わさった時、広間に優雅な音楽が流れてきた。
「もうダンスが始まるみたいだね…では、僕と踊っていただけますか?」
「!はい、喜んで…」
私の片手を取り優雅にエスコートしてくれる彼に胸の高鳴りが一層早くなる。
そんな彼に私も不器用ながらも応えていく。
「…カムイってダンス上手いんだね」
「これでも一国の王子だし、ダンスは暗夜にいた頃カミラ姉さんやエリーゼ達とよく踊ったんだ」
カムイは流れるような仕草でリードしてくれて、慣れない私に合わせてステップを踏んでくれていた。
こんな夢のような時間が、ずっと続けばいいのにな……
いつもより大人びた彼の顔から目が離せなくなり、私達はずっと目を合わせてダンスを楽しんでいた。
どれくらい踊っていただろうか…
いつのまにか一曲目が終わり一先ず休憩時間が入った。
「あ…もう終わっちゃったんだ」
「そうみたいだね。取り敢えず僕達も休憩しようか」
「うん」
私はカムイに手を引かれながら端の休憩スペースへと歩いて行った。
「僕、何か飲み物取ってくるね」
「ありがとう、お願いしようかな」
カムイはそう言って飲み物を取りにこの場を離れていった。
「楽しんでるか?ナマエ」
私に声を掛けてきてくれたのは英雄の一人であるエフラムだった。
彼もまたこのパーティーに合わせてタキシードを身に纏っていた。
「エフラム。うん、とても…エフラムは誰と踊ってるの?」
「俺はエイリークと踊ってた。久々だったから俺がエイリークにリードされてたよ…」
「あはは、想像すると何か面白いかも」
「わっ笑うなよ…!」
エフラムがエイリークにリードされているのを想像するのが少し容易で、何だか可笑しくなって笑ってしまった。
「…なあ、ナマエ。もしよかったら次の曲__」
「悪いけど、彼女の先約は僕なんだ」
その途端、後ろからグイッと引き寄せられカムイの声でそう言われた。
「カっカムイ…!?」
「話の途中に割り込んで申し訳ない。でも…パートナーを渡すわけにはいかないんだ。失礼するよ」
私とエフラムが呆然とする中、カムイは私を連れてその場を離れていった。
「…兄上、元気出してください。また機会が訪れますよ、きっと…」
「ああ…諦めるものか……」
カムイに連れて来られたのは、人気のないバルコニーだった。
「あの、カムイ…?」
「……ナマエはさ、エフラム王子の事が好きなのかい…?」
しばらく黙っていた彼が口を開いたかと思えば、突然そんな事を聞いてきたので驚いた。
「え…?」
「すごく楽しそうに話していたし、悔しいけど二人が並んでいると凄くお似合いだなって思ったんだ……だから…」
「違うっ!!」
思わずそう叫んだ私にカムイは少し目を見開いてこちらに顔を向けた。
「私は別にエフラムをそういう目で見てないよ!私は…っ、私はずっとカムイの事しか見てないもの……っ!」
今までの想いを全て吐き出すように言ってしまった。
もうどう思われたっていい…ただ彼に伝えようと思ったんだ……
「…それは本当かい……?」
「こんな嘘、つける訳ないでしょう…?私がどれだけあなたを好きだったか__」
その瞬間、カムイに引き寄せられ彼との距離は0になった。
「……カム、イ…?」
「これが、僕の返事だよ。…僕だってずっと君の事が好きだったんだ。君との関係を壊したくなくて今まで言えなかったけど…もう限界だった」
切なげな表情のカムイに胸が締め付けられ、私は無意識のうちに彼の首に腕を回していた。
「ありがとう…大好き、カムイ…っ」
「!僕だって…ナマエが大好きだよ。これからも僕の傍にいてね……」
お互いそう笑い合えば、夜空には色とりどりの花火がまるで私達を祝福するかのように打ち上がっていたのだった。
~end~
リクエストのカムイ夢でした!
詳細にダンスパーティーで勘違いからの嫉妬、そして告白とあったのでこのようになりましたが…これで良かったでしょうか?
どうかご満足される事を祈ります…あと、内容めちゃくちゃベタで申し訳ありません…!
この度は本当にありがとうございました!!
その理由は…
「あ、ナマエ!」
前からカムイが若干息を切らしながら私の元へ走ってきた。
「カムイ。どうしたの、そんなに息切らして…」
「いや、だって…早く誘わないと他の誰かに取られちゃうかもしれないだろう?明日のダンスパーティーの予約…まだ空いてるかい…?」
彼からの誘いに胸が一瞬大きく高鳴った。
そう、明日はお城でダンスパーティーが開かれる事になっている。
その予告をされたのは何故か前日である今日なんだけど…
急な事にみんな慌てて好きなパートナーをダンスに誘っていたりしているのだ。
「もしかして、もう…?」
「そんな訳ないよ…!実は…カムイに誘われたりしないかなってちょっと期待してたんだ……」
本音を言うと、カムイは少し驚いた表情をした後すぐに笑顔になって口を開いた。
「ほっ本当かい?じゃあ、明日のパートナーは…」
「うん…こちらこそお願いします」
「!やった!!ありがとう、ナマエ!」
私の返事を聞くと同時に彼は私を抱き締めて来た。
カムイとは普段からこんな感じだけど…別に付き合ったりはしていない。
周りからはよく付き合っているのかと聞かれるけど、その度に否定してとても驚かれる。
…付き合っている、なんて言えたら…どれだけ嬉しいか……
彼はきっと私の事は仲の良い友人の一人としか見ていないのだろう。
だから私はその心地いい関係を壊したくなく、自分の気持ちに鍵をかける事にしたんだ。
「…ナマエ?」
するとカムイは暗くなった私を心配してくれたのか、体を少し離して顔を覗き込んできた。
「……やっぱり僕が相手じゃ嫌だった…?」
「うっううん!!それは絶対にないから…ごめんね、不安にさせちゃって…」
「そうかい…?なら、いいんだけど……」
カムイを不安な気持ちにさせてしまった事に胸が痛んだ。
その後、私達は明日のパーティー前に私のドレスを一緒に選ぶ約束をして別れた。
そして翌日…
「わあ、すごい数…」
私とカムイは約束通りドレスを選びに、お城の衣装部屋へ来ていた。
さすがお城にある衣装部屋だけあって、数え切れないほどのドレスやタキシードが部屋いっぱいにずらりと並んでいた。
「こんなにあったら時間までに選ぶのが難しそうだね…」
カムイもこの数に圧倒されているのか周りを見回している。
私達は数々のドレスを手に取りながらどれにしようかと選び始めた。
「あ…」
ドレスを選び初めて数分後、私はある一つに目が止まった。
それは白を基調としており、胸元に赤い宝石が付いたオフショルダードレスだった。
「それが気に入ったのかい?」
「カムイ…うん、いいなって思って…」
私がそのドレスをいいと思った一番の理由は、何だかカムイを思い出されるような気がしたから…
気持ち悪いと思われるかもしれないけど…私は何かを選ぶ時にもカムイが思い浮かんでしまう程、彼に惹かれてしまっているのだろう……
「すごくいいじゃないか。ナマエのセンスってやっぱり良いよね」
「え?そっ…そうかな…?」
「うん、そうだよ」
彼に褒められて嬉しいけど、今回は何だか変な感じだ…
そして時は過ぎ、ダンスパーティーが始まる時間となった。
会場となる大広間へと足を運ぶと既に着飾ったたくさんの人がいた。
「ナマエ!」
名前を呼ばれると同時に手を掴まれ反射的に振り返ると、そこには白いタキシードに身を包んだカムイが立っていた。
「お待たせ……!参ったな…想像以上に綺麗過ぎて見惚れてしまったよ…」
「!」
少し顔を赤くした彼は片手で口元を覆いながらそう言ってくれた。
ああ…違うって分かってても、やっぱり心のどこかでは期待してしまう……
「カっカムイの方こそ凄く似合ってるし、カッコいいよ…!私なんかが本当に相手でいいのかってくらい…」
「何言ってるんだよ。僕は君じゃなきゃ嫌なんだ…」
「カムイ…」
お互いの視線が合わさった時、広間に優雅な音楽が流れてきた。
「もうダンスが始まるみたいだね…では、僕と踊っていただけますか?」
「!はい、喜んで…」
私の片手を取り優雅にエスコートしてくれる彼に胸の高鳴りが一層早くなる。
そんな彼に私も不器用ながらも応えていく。
「…カムイってダンス上手いんだね」
「これでも一国の王子だし、ダンスは暗夜にいた頃カミラ姉さんやエリーゼ達とよく踊ったんだ」
カムイは流れるような仕草でリードしてくれて、慣れない私に合わせてステップを踏んでくれていた。
こんな夢のような時間が、ずっと続けばいいのにな……
いつもより大人びた彼の顔から目が離せなくなり、私達はずっと目を合わせてダンスを楽しんでいた。
どれくらい踊っていただろうか…
いつのまにか一曲目が終わり一先ず休憩時間が入った。
「あ…もう終わっちゃったんだ」
「そうみたいだね。取り敢えず僕達も休憩しようか」
「うん」
私はカムイに手を引かれながら端の休憩スペースへと歩いて行った。
「僕、何か飲み物取ってくるね」
「ありがとう、お願いしようかな」
カムイはそう言って飲み物を取りにこの場を離れていった。
「楽しんでるか?ナマエ」
私に声を掛けてきてくれたのは英雄の一人であるエフラムだった。
彼もまたこのパーティーに合わせてタキシードを身に纏っていた。
「エフラム。うん、とても…エフラムは誰と踊ってるの?」
「俺はエイリークと踊ってた。久々だったから俺がエイリークにリードされてたよ…」
「あはは、想像すると何か面白いかも」
「わっ笑うなよ…!」
エフラムがエイリークにリードされているのを想像するのが少し容易で、何だか可笑しくなって笑ってしまった。
「…なあ、ナマエ。もしよかったら次の曲__」
「悪いけど、彼女の先約は僕なんだ」
その途端、後ろからグイッと引き寄せられカムイの声でそう言われた。
「カっカムイ…!?」
「話の途中に割り込んで申し訳ない。でも…パートナーを渡すわけにはいかないんだ。失礼するよ」
私とエフラムが呆然とする中、カムイは私を連れてその場を離れていった。
「…兄上、元気出してください。また機会が訪れますよ、きっと…」
「ああ…諦めるものか……」
カムイに連れて来られたのは、人気のないバルコニーだった。
「あの、カムイ…?」
「……ナマエはさ、エフラム王子の事が好きなのかい…?」
しばらく黙っていた彼が口を開いたかと思えば、突然そんな事を聞いてきたので驚いた。
「え…?」
「すごく楽しそうに話していたし、悔しいけど二人が並んでいると凄くお似合いだなって思ったんだ……だから…」
「違うっ!!」
思わずそう叫んだ私にカムイは少し目を見開いてこちらに顔を向けた。
「私は別にエフラムをそういう目で見てないよ!私は…っ、私はずっとカムイの事しか見てないもの……っ!」
今までの想いを全て吐き出すように言ってしまった。
もうどう思われたっていい…ただ彼に伝えようと思ったんだ……
「…それは本当かい……?」
「こんな嘘、つける訳ないでしょう…?私がどれだけあなたを好きだったか__」
その瞬間、カムイに引き寄せられ彼との距離は0になった。
「……カム、イ…?」
「これが、僕の返事だよ。…僕だってずっと君の事が好きだったんだ。君との関係を壊したくなくて今まで言えなかったけど…もう限界だった」
切なげな表情のカムイに胸が締め付けられ、私は無意識のうちに彼の首に腕を回していた。
「ありがとう…大好き、カムイ…っ」
「!僕だって…ナマエが大好きだよ。これからも僕の傍にいてね……」
お互いそう笑い合えば、夜空には色とりどりの花火がまるで私達を祝福するかのように打ち上がっていたのだった。
~end~
リクエストのカムイ夢でした!
詳細にダンスパーティーで勘違いからの嫉妬、そして告白とあったのでこのようになりましたが…これで良かったでしょうか?
どうかご満足される事を祈ります…あと、内容めちゃくちゃベタで申し訳ありません…!
この度は本当にありがとうございました!!
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