マイヒーロー
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「ナマエ」
「うわあぁっ!?」
急に後ろから声を掛けられ、抱えていたものを咄嗟に後ろへと隠した。
後ろを振り返るとそこにはレオンが怪訝そうな顔で立っていた。
「レっレオン…!!どっどうしたの?」
「…何そんなに焦ってるの?」
「へ!?べっ別に焦ってなんか…」
「じゃあ、その後ろに隠したものは何?」
ドキッとして、思わず後ろに隠しているものを持っている手に力が入る。
「えぇ?何のことか分からないなぁ…」
「あんたって本当嘘つくの下手だよね」
「うっ…じっじゃあ、私用事あるから!またね!」
「あ、ちょ…話はまだ終わってない…!」
レオンの呼び止める声を振り切って私は足早に自分の部屋へと向かって行った。
「…ふぅ…危なかったぁ…」
私は自分の部屋へに入るなりその場で大きくため息をついた。
私が必死に隠そうとしていたもの…それは料理本だ。
理由は一週間後に迫った6月30日…そう、レオンの誕生日のためだった。
彼とは召喚を通して出会ってから結構経っていて、それ以来ずっと仲良くさせてもらっている。
そのレオンの誕生日プレゼントには、彼の大好物であるトマト…を使った料理を振る舞おうかと考えているのだ。
好きな人なら…やっぱりその人の一番好きなものをあげたいって思うから。
「まさかトマト専門の料理本があるなんて…」
先程資料室へと足を運んだ際に見つけたこの料理本。
トマトを使った料理ばかりが載っているもので厚さも結構なものだった。
これはきっとレオンのための料理本なんじゃないかと思えるほど…
「うーん…どれも美味しそうだから何作ろうか迷うなー…」
椅子に座り机の上で料理本をパラパラとめくってざっとレシピを見てみる。
写真付きで中身もしっかりしていて、この世界でもこんな本があるものなんだと少し感動した。
写真は多分たくさんいるアンナさんの姉妹が魔法で撮ったものを使ってるんだろう。
しかし…料理本を見るなんて久しぶりだ。
元の世界ではスマホ一つで何でも調べられたから、こっちの世界に来てからはそんな便利なものは無いため全部自分で探さなければいけない。
おかげで機械に頼り切る生活から抜け出せて、ある意味人間的には良かったのかもしれない。
「これはどうかな?あ、こっちも美味しそう…そういえばレオンは暗夜王国出身だから、お米よりパンの方が……」
「…ん……」
あれ…いつの間にか寝ちゃってたのか…
私は料理本を見るのに夢中になっているうちに、気付かないまま本を枕に眠ってしまっていた。
よだれは…付いてないね、良かった。
「ああ、やっと起きたね」
ふと前を見ると、向かいの椅子にレオンが何食わぬ顔で座っていて思わずその場から立ち上がった。
「なっななな何でレオンがいるの…!?」
「言っただろう?話はまだ終わってないって…それなのにあんたが逃げるからここまで来たんじゃないか」
「あ!」
すると私が席を立ち上がったの機に、机の上に置いていた料理本をレオンが手に取った。
「ふーん…何を必死に隠していたかと思えば料理本だったんだ。…何かトマト料理ばかりなのは気のせいか…?」
「かっ返して!」
私は咄嗟に彼から料理本を取り返した。
「…ねえ、一体誰に料理を作ろうとしてるの?」
「そっそれは…」
今目の前にいるあなただよ、なんて言ったらサプライズにならない。
私はどう言い訳しようかと必死に思考を巡らせる。
「まさかナマエにそんな相手がいるなんて思わなかった。…相手は誰?今すぐ塵にしてあげる」
ブリュンヒルデの魔導書を片手に黒い笑みを浮かべる彼にギョッとした。
「ちょ、レオン!?怖いからやめて!!」
「抜け駆けするような愚か者は早いうちに消しておかないとね…ほら、相手が誰なのか早く言ってごらんよ?」
じりじりと追い詰められ、背中には壁が当たりもう逃げ場が無い。
このままじゃ…部屋どころかお城ごと塵になるかもしれない…
それだけは避けたいと思い、私は咄嗟の判断で半ば叫ぶように口を開いた。
「わっ私が料理を作りたい相手はレオンだけだよ…っ!!」
その瞬間、私を追い詰めるレオンの動きがピタリと止まり表情も固まっていた。
「…え?」
「だから、その相手っていうのがレオンなんだってば…本当は当日までは言いたくなかったんだけど…あなたの誕生日プレゼントにトマト料理を作ろうと思って……」
その途端、レオンは片手で自分の口元を隠してそっぽを向いてしまった。
「レオン…?」
「っ、いっ今は顔見ないで…!」
彼の顔は横からでも真っ赤になっているのがすぐに分かった。
「僕のためだとは思わなかった……だからトマト料理ばかりが載った料理本を?」
「うん…もう、レオンのせいでサプライズじゃなくなっちゃったよ!」
「ごめん…でも、もし他の男のためだったら僕は何をしていたか分からなかったよ」
レオンはブリュンヒルデをしまいながらそう言って軽くため息をついた。
「冗談に聞こえないから余計に焦ったよ…」
「ところで…どうしてわざわざ手料理を振る舞おうとしてくれるの?」
いつの間にか再度レオンに詰め寄られて心臓の鼓動が速くなる。
「え…」
「これはあくまで僕の考えだけど…特に何とも思っていない者なら、誕生日といえどそこまでしようとは思わないよね。しかも僕の大好物を使ったものを…何か意味があると思われても仕方ないんじゃない?」
私の気持ちを知ってか知らずか、彼は得意げな笑みを浮かべてそう聞いてきた。
「……ねえ、そんな事まで教えちゃったら誕生日の楽しみなくなっちゃうよ?」
私は少し冷静になってそんな言葉を返した。
「!それは…確かにそうだね。じゃあ、当日はナマエの手料理と…あんたの気持ちをもらう事にするよ」
これからレオンの誕生日までの一週間…彼のせいでいつもよりドキドキする事になったのは言うまでもない。
~end~
リクエストでレオンの甘夢でした!
レオンといえばトマト…ですよね?
どうしてもトマト要素(?)を入れたくてこんな話になりました笑
レオンがトマト大好きなのは、是非創作ネタとして使ってくださいというメッセージだと勝手に思ってます((
この度は本当にありがとうございました!!
「うわあぁっ!?」
急に後ろから声を掛けられ、抱えていたものを咄嗟に後ろへと隠した。
後ろを振り返るとそこにはレオンが怪訝そうな顔で立っていた。
「レっレオン…!!どっどうしたの?」
「…何そんなに焦ってるの?」
「へ!?べっ別に焦ってなんか…」
「じゃあ、その後ろに隠したものは何?」
ドキッとして、思わず後ろに隠しているものを持っている手に力が入る。
「えぇ?何のことか分からないなぁ…」
「あんたって本当嘘つくの下手だよね」
「うっ…じっじゃあ、私用事あるから!またね!」
「あ、ちょ…話はまだ終わってない…!」
レオンの呼び止める声を振り切って私は足早に自分の部屋へと向かって行った。
「…ふぅ…危なかったぁ…」
私は自分の部屋へに入るなりその場で大きくため息をついた。
私が必死に隠そうとしていたもの…それは料理本だ。
理由は一週間後に迫った6月30日…そう、レオンの誕生日のためだった。
彼とは召喚を通して出会ってから結構経っていて、それ以来ずっと仲良くさせてもらっている。
そのレオンの誕生日プレゼントには、彼の大好物であるトマト…を使った料理を振る舞おうかと考えているのだ。
好きな人なら…やっぱりその人の一番好きなものをあげたいって思うから。
「まさかトマト専門の料理本があるなんて…」
先程資料室へと足を運んだ際に見つけたこの料理本。
トマトを使った料理ばかりが載っているもので厚さも結構なものだった。
これはきっとレオンのための料理本なんじゃないかと思えるほど…
「うーん…どれも美味しそうだから何作ろうか迷うなー…」
椅子に座り机の上で料理本をパラパラとめくってざっとレシピを見てみる。
写真付きで中身もしっかりしていて、この世界でもこんな本があるものなんだと少し感動した。
写真は多分たくさんいるアンナさんの姉妹が魔法で撮ったものを使ってるんだろう。
しかし…料理本を見るなんて久しぶりだ。
元の世界ではスマホ一つで何でも調べられたから、こっちの世界に来てからはそんな便利なものは無いため全部自分で探さなければいけない。
おかげで機械に頼り切る生活から抜け出せて、ある意味人間的には良かったのかもしれない。
「これはどうかな?あ、こっちも美味しそう…そういえばレオンは暗夜王国出身だから、お米よりパンの方が……」
「…ん……」
あれ…いつの間にか寝ちゃってたのか…
私は料理本を見るのに夢中になっているうちに、気付かないまま本を枕に眠ってしまっていた。
よだれは…付いてないね、良かった。
「ああ、やっと起きたね」
ふと前を見ると、向かいの椅子にレオンが何食わぬ顔で座っていて思わずその場から立ち上がった。
「なっななな何でレオンがいるの…!?」
「言っただろう?話はまだ終わってないって…それなのにあんたが逃げるからここまで来たんじゃないか」
「あ!」
すると私が席を立ち上がったの機に、机の上に置いていた料理本をレオンが手に取った。
「ふーん…何を必死に隠していたかと思えば料理本だったんだ。…何かトマト料理ばかりなのは気のせいか…?」
「かっ返して!」
私は咄嗟に彼から料理本を取り返した。
「…ねえ、一体誰に料理を作ろうとしてるの?」
「そっそれは…」
今目の前にいるあなただよ、なんて言ったらサプライズにならない。
私はどう言い訳しようかと必死に思考を巡らせる。
「まさかナマエにそんな相手がいるなんて思わなかった。…相手は誰?今すぐ塵にしてあげる」
ブリュンヒルデの魔導書を片手に黒い笑みを浮かべる彼にギョッとした。
「ちょ、レオン!?怖いからやめて!!」
「抜け駆けするような愚か者は早いうちに消しておかないとね…ほら、相手が誰なのか早く言ってごらんよ?」
じりじりと追い詰められ、背中には壁が当たりもう逃げ場が無い。
このままじゃ…部屋どころかお城ごと塵になるかもしれない…
それだけは避けたいと思い、私は咄嗟の判断で半ば叫ぶように口を開いた。
「わっ私が料理を作りたい相手はレオンだけだよ…っ!!」
その瞬間、私を追い詰めるレオンの動きがピタリと止まり表情も固まっていた。
「…え?」
「だから、その相手っていうのがレオンなんだってば…本当は当日までは言いたくなかったんだけど…あなたの誕生日プレゼントにトマト料理を作ろうと思って……」
その途端、レオンは片手で自分の口元を隠してそっぽを向いてしまった。
「レオン…?」
「っ、いっ今は顔見ないで…!」
彼の顔は横からでも真っ赤になっているのがすぐに分かった。
「僕のためだとは思わなかった……だからトマト料理ばかりが載った料理本を?」
「うん…もう、レオンのせいでサプライズじゃなくなっちゃったよ!」
「ごめん…でも、もし他の男のためだったら僕は何をしていたか分からなかったよ」
レオンはブリュンヒルデをしまいながらそう言って軽くため息をついた。
「冗談に聞こえないから余計に焦ったよ…」
「ところで…どうしてわざわざ手料理を振る舞おうとしてくれるの?」
いつの間にか再度レオンに詰め寄られて心臓の鼓動が速くなる。
「え…」
「これはあくまで僕の考えだけど…特に何とも思っていない者なら、誕生日といえどそこまでしようとは思わないよね。しかも僕の大好物を使ったものを…何か意味があると思われても仕方ないんじゃない?」
私の気持ちを知ってか知らずか、彼は得意げな笑みを浮かべてそう聞いてきた。
「……ねえ、そんな事まで教えちゃったら誕生日の楽しみなくなっちゃうよ?」
私は少し冷静になってそんな言葉を返した。
「!それは…確かにそうだね。じゃあ、当日はナマエの手料理と…あんたの気持ちをもらう事にするよ」
これからレオンの誕生日までの一週間…彼のせいでいつもよりドキドキする事になったのは言うまでもない。
~end~
リクエストでレオンの甘夢でした!
レオンといえばトマト…ですよね?
どうしてもトマト要素(?)を入れたくてこんな話になりました笑
レオンがトマト大好きなのは、是非創作ネタとして使ってくださいというメッセージだと勝手に思ってます((
この度は本当にありがとうございました!!
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