マイヒーロー
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
※“召喚士と大いなる傭兵”の続編
私はあの日、アイクと婚約を交わした。
この話を一番最初にアンナさんに話したら、瞬く間にお城中に広まっていった。
みんな自分の事のように喜んでくれて、特に一番喜んでくれたのは…
「本当に夢みたい…ナマエさんが私のお姉ちゃんになるなんて…!」
そう、アイクの実の妹のミストだ。
彼女とも召喚して出会ってからはずっと仲良くさせてもらっていて、私からしても本当の妹のような存在だった。
「お兄ちゃん、まさか本当にナマエさんを手に入れちゃうなんて…」
「え?」
「あ、ナマエさんは知らなかったっけ?お兄ちゃんね、初めてナマエさんに会ってからずっと“あいつは絶対に俺のものにしてみせる”って言ってたんだよ」
私は思わず隣にいるアイクに視線を向けた。
「アっアイク…なんて事妹に言ってるのよ…!」
「いつか姉になるかもしれないんだから、言っておいて損はないだろ」
「なっ…」
サラッと言ってのけたアイクに私の顔は真っ赤に染まる。
アイクって恋愛面でも自信満々だったのね…
いやまあ、こうして無事に結ばれたからいいんだけども…!
「ねえねえ、結婚式はどうするの?こっちの世界で挙げるの?」
目をキラキラさせながらミストはそう聞いてくる。
「あー…まだそこまでは分からな…」
「何言ってるの?もちろん、このお城で盛大にやらせてもらうわよ!」
後ろを振り返れば、アンナさんをはじめにアルフォンスとシャロンがこちらに歩いてきていた。
「アっアンナさん…!?それはどういう…」
「お二人の結婚式なら是非ここで挙げてもらいたいって話になったんです!当日は貸し切って盛大にやっちゃいましょう!」
「この世界でずっと力になってくれてるんだ。僕達も少しでも何かしてあげたらと思ってね」
予想もしなかった嬉しい提案だけど…少しだけ引け目を感じてしまう。
「いいのか?俺たち二人だけのために城を使ってまで…」
「そうですよ。それに今こんな状態なのに結婚式なんて挙げていいんですか…?」
そう、今はエンブラと激戦の最中だ。
アイクと結婚式を挙げたくないのかと言われれば…そんなのは挙げたいに決まっているけれど…
するとアンナさんは大きくため息を吐いた。
「分かってないわねぇ、二人とも…あなた達に普段どれだけ助けられてると思ってるの?もちろん他の英雄達にも助けられてるけど、あなた達二人が揃った時の力はトップクラスと言っても過言じゃないのよ」
「悔しいけど…ナマエと戦場に立つアイクは本当に強くて頼もしいからね。それにこんな状況だからこそ、二人の結婚という報告がみんな本当に嬉しいんだよ」
「やはりお二人の絆の力は素晴らしいものだと改めて感じちゃいます!」
口々にそう言う彼らに何だか少し照れてしまう。
「日取りについてとかはまた空いている時に決めちゃいましょう。なるべく早いうちに挙げた方がいいわよね」
「お二人の晴れ姿を見たら、皆さんきっと士気が最高潮になりますね!」
「特にナマエの方で大変な事になる英雄が多そうだね…無論、僕もだけど…」
「あ、そうだ。ミスト、あなたにはナマエのドレスを作るのを手伝って欲しいんだけど…大丈夫かしら?」
するとミストはぱあっと明るい笑顔ですぐに返事をした。
「本当ですか!?是非お願いします!」
「そう、良かったわ!」
「アイクさんの妹さんであって、ナマエさんの近くにいたミストさんの意見は絶対に参考になりますね!」
「ナマエさんの好みならお任せください!きっと素敵なドレスを提案してみせますっ」
キャッキャッと盛り上がっている三人を横目にアルフォンスは苦笑いを浮かべていた。
「ドレスは心配なさそうだね。アイク、君はどうする?今までの君を見ていると…そういう事にはあまり興味がないように見えるけど」
「ああ、俺の事は別に構わない。だが…折角の晴れ舞台なんだから、ナマエが望むようにはしてやりたい」
「アイク…」
思わずドキッと心臓が高鳴った。
アイクのこういう相手の事をちゃんと考えてくれるところ…やっぱり好きだなぁ。
「はは、アイクらしいね。じゃあ、また改めて話し合おうか。まだ二人で話したい事もあるだろうし…ね」
そう言ってアルフォンスはお城の奥へ歩いて行った。
「…少し、外に出るか」
「うん、そうだね」
私達は人気のないお城から出てすぐのところに来ていた。
今はもう夕暮れ時で、茜色の光が私達を優しく照らしている。
「ナマエはやっぱり結婚式だとかって憧れるのか?」
地面に座りそう質問してきたアイクに、私は少し先を歩きながら口を開く。
「そうだねー…好きな人と結婚するのって、やっぱり憧れだったからなぁ…後は花嫁衣装で大好きな人の隣に立てたら幸せだろうなって思っちゃう」
少し照れくさくなって一人で小さく笑ってしまう。
「…俺は正直、自分が結婚だとか…それ以前に恋愛なんて考えた事もなかった。だが…あんたと出会ってそれが変わった。こんなにも誰かを愛おしいと思ったのは…初めてだった」
いつの間にかアイクが私のところまで来て私の腕を掴んでいた。
「俺がここまで強くなれた事や知らなかった感情を知れたのも…全部あんたのおかげだ。ナマエ…あんたを必ず幸せにすると約束しよう」
「アイク…うん、ありがとうっ…!」
私達は夕日に照らされながら、お互い笑い合ったのだった。
これからの未来に想いを馳せて…
~end~
リクエストであった“召喚士と大いなる傭兵”の後日談でした!
本当は式まで書こうかなと思ったんですが、あえて婚約を交わした直後のお話を書かせていただきました。
この度は本当にありがとうございました!
私はあの日、アイクと婚約を交わした。
この話を一番最初にアンナさんに話したら、瞬く間にお城中に広まっていった。
みんな自分の事のように喜んでくれて、特に一番喜んでくれたのは…
「本当に夢みたい…ナマエさんが私のお姉ちゃんになるなんて…!」
そう、アイクの実の妹のミストだ。
彼女とも召喚して出会ってからはずっと仲良くさせてもらっていて、私からしても本当の妹のような存在だった。
「お兄ちゃん、まさか本当にナマエさんを手に入れちゃうなんて…」
「え?」
「あ、ナマエさんは知らなかったっけ?お兄ちゃんね、初めてナマエさんに会ってからずっと“あいつは絶対に俺のものにしてみせる”って言ってたんだよ」
私は思わず隣にいるアイクに視線を向けた。
「アっアイク…なんて事妹に言ってるのよ…!」
「いつか姉になるかもしれないんだから、言っておいて損はないだろ」
「なっ…」
サラッと言ってのけたアイクに私の顔は真っ赤に染まる。
アイクって恋愛面でも自信満々だったのね…
いやまあ、こうして無事に結ばれたからいいんだけども…!
「ねえねえ、結婚式はどうするの?こっちの世界で挙げるの?」
目をキラキラさせながらミストはそう聞いてくる。
「あー…まだそこまでは分からな…」
「何言ってるの?もちろん、このお城で盛大にやらせてもらうわよ!」
後ろを振り返れば、アンナさんをはじめにアルフォンスとシャロンがこちらに歩いてきていた。
「アっアンナさん…!?それはどういう…」
「お二人の結婚式なら是非ここで挙げてもらいたいって話になったんです!当日は貸し切って盛大にやっちゃいましょう!」
「この世界でずっと力になってくれてるんだ。僕達も少しでも何かしてあげたらと思ってね」
予想もしなかった嬉しい提案だけど…少しだけ引け目を感じてしまう。
「いいのか?俺たち二人だけのために城を使ってまで…」
「そうですよ。それに今こんな状態なのに結婚式なんて挙げていいんですか…?」
そう、今はエンブラと激戦の最中だ。
アイクと結婚式を挙げたくないのかと言われれば…そんなのは挙げたいに決まっているけれど…
するとアンナさんは大きくため息を吐いた。
「分かってないわねぇ、二人とも…あなた達に普段どれだけ助けられてると思ってるの?もちろん他の英雄達にも助けられてるけど、あなた達二人が揃った時の力はトップクラスと言っても過言じゃないのよ」
「悔しいけど…ナマエと戦場に立つアイクは本当に強くて頼もしいからね。それにこんな状況だからこそ、二人の結婚という報告がみんな本当に嬉しいんだよ」
「やはりお二人の絆の力は素晴らしいものだと改めて感じちゃいます!」
口々にそう言う彼らに何だか少し照れてしまう。
「日取りについてとかはまた空いている時に決めちゃいましょう。なるべく早いうちに挙げた方がいいわよね」
「お二人の晴れ姿を見たら、皆さんきっと士気が最高潮になりますね!」
「特にナマエの方で大変な事になる英雄が多そうだね…無論、僕もだけど…」
「あ、そうだ。ミスト、あなたにはナマエのドレスを作るのを手伝って欲しいんだけど…大丈夫かしら?」
するとミストはぱあっと明るい笑顔ですぐに返事をした。
「本当ですか!?是非お願いします!」
「そう、良かったわ!」
「アイクさんの妹さんであって、ナマエさんの近くにいたミストさんの意見は絶対に参考になりますね!」
「ナマエさんの好みならお任せください!きっと素敵なドレスを提案してみせますっ」
キャッキャッと盛り上がっている三人を横目にアルフォンスは苦笑いを浮かべていた。
「ドレスは心配なさそうだね。アイク、君はどうする?今までの君を見ていると…そういう事にはあまり興味がないように見えるけど」
「ああ、俺の事は別に構わない。だが…折角の晴れ舞台なんだから、ナマエが望むようにはしてやりたい」
「アイク…」
思わずドキッと心臓が高鳴った。
アイクのこういう相手の事をちゃんと考えてくれるところ…やっぱり好きだなぁ。
「はは、アイクらしいね。じゃあ、また改めて話し合おうか。まだ二人で話したい事もあるだろうし…ね」
そう言ってアルフォンスはお城の奥へ歩いて行った。
「…少し、外に出るか」
「うん、そうだね」
私達は人気のないお城から出てすぐのところに来ていた。
今はもう夕暮れ時で、茜色の光が私達を優しく照らしている。
「ナマエはやっぱり結婚式だとかって憧れるのか?」
地面に座りそう質問してきたアイクに、私は少し先を歩きながら口を開く。
「そうだねー…好きな人と結婚するのって、やっぱり憧れだったからなぁ…後は花嫁衣装で大好きな人の隣に立てたら幸せだろうなって思っちゃう」
少し照れくさくなって一人で小さく笑ってしまう。
「…俺は正直、自分が結婚だとか…それ以前に恋愛なんて考えた事もなかった。だが…あんたと出会ってそれが変わった。こんなにも誰かを愛おしいと思ったのは…初めてだった」
いつの間にかアイクが私のところまで来て私の腕を掴んでいた。
「俺がここまで強くなれた事や知らなかった感情を知れたのも…全部あんたのおかげだ。ナマエ…あんたを必ず幸せにすると約束しよう」
「アイク…うん、ありがとうっ…!」
私達は夕日に照らされながら、お互い笑い合ったのだった。
これからの未来に想いを馳せて…
~end~
リクエストであった“召喚士と大いなる傭兵”の後日談でした!
本当は式まで書こうかなと思ったんですが、あえて婚約を交わした直後のお話を書かせていただきました。
この度は本当にありがとうございました!
47/129ページ