マイヒーロー
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「よう、ナマエ」
「ヨシュア…」
コインを指で弾きながらやってきたのはヨシュアだった。
「…表」
「あー…残念、裏だな」
「はいはい、もう行くねー」
私は足早にヨシュアの隣を通り過ぎようとした。
「おい待てよ。いくらなんでも冷た過ぎだろ」
「あのねぇ…毎回毎回、私が勝てもしない賭けをなんでしないといけないのよ。もう用は済んだんでしょう?」
「まあそう堅いこと言うなって。今日はお前を連れていきたいところがあるんだよ」
「え、ちょっと…!?」
ヨシュアはそう言うと私の手を引いてお城を後にしてしまった。
「ここって…酒場?」
「ああ、そうだ」
ヨシュアに連れて来られた場所は城下町にある酒場だった。
「私まだお酒飲めないんだけど…」
「別に酒を飲みに来た訳じゃない。賭けだよ、賭け」
「…何で私も来ないといけないのよ」
思わず怪訝な表情でヨシュアを見ると、彼は御構い無しに酒場にいた他のお客さんに声を掛けた。
どうやら賭け事を行なっているグループに声を掛けたみたいだけど…
「よし、さっそく始めようじゃないか」
いつの間にか賭けが始まってしまったようで、私は慌ててヨシュアに駆け寄った。
「ちっちょっと!私はどうすれば…」
「あんたはそこで見ててくれ」
「見てろって…」
私は渋々言われた通りに賭け事を見学することにした。
ここでの賭けはルーレットで、黒か白かを選びお金を賭けるようだった。
そしてヨシュアは色々な人と賭け事を行ない、ほとんどは彼が勝っていった。
イカサマは…していないんだと思う。
賭けをしている時のヨシュアを見ていると、彼は本当に楽しそうで何だかこっちまで嬉しくなった。
「…なあ、ずっと気になってたんだがよ」
すると賭けに参加していた一人の男性が私に目をやった。
「この嬢ちゃんは誰なんだ?えらい可愛い子じゃねぇか」
「あー…こいつは……」
「決めた。今度はこの嬢ちゃんを賭けて勝負ってのはどうだ?」
「はい!?」
突然の提案にただただ驚いた。
何で私を賭けるの…!?
ヨシュアを見ると、彼は顔色一つ変えずに黙っていた。
「…ああ、いいぜ」
了承したヨシュアに私はますます目を丸くした。
「交渉成立だな!」
「女を賭けるってか!」
「燃えてきたー!!」
「こりゃ面白くなりそうだ」
気付けば酒場にいたお客さん全員がこの勝負を見に集まってきていた。
「ヨっヨシュア…」
「そんな顔するなよ。大丈夫、俺を信じろ…」
彼はニッと笑うと、安心させるかのように私の頭をポンポンと撫でてくれた。
「さて、どっちに賭ける?」
「……白だ」
「ほう…なら俺は黒だな」
ヨシュアは白に、男性は黒に賭けたところでルーレットが回り出し、それと同時に玉も動き出す。
その場にいる全員、ルーレットが止まるまで静かに様子を見ていた。
カラカラカラカラ……
回転速度が徐々に下がっていき、ついにその時はやってきた。
___コロン…
「……白の29だ!!!」
その途端、わっと歓声が上がった。
私も思わずヨシュアの腕に抱き付いてしまった。
「すごい!!本当に当てちゃうなんて…!」
「言っただろ?大丈夫だって。俺はやる時はやるんだよ」
「いやぁ、兄ちゃんお見事だな!完敗だよ」
男性は感心したように笑って言った。
「約束通り、ナマエは渡さないからな」
「もちろんだ。あんたの賭けの強さは本物だな。それに…どうやらその嬢ちゃんの事になるとよりその力が発揮されるみたいだしな」
「え…?」
するとその途端、ヨシュアに腰を引き寄せられ彼と密着した。
「分かってるじゃないか。自分の大事な女が賭かってるんじゃ、負けるわけにはいかないからな」
それだけ言うと、ヨシュアは“楽しかった”と私を連れて酒場を後にした。
「えっと、ヨシュア…その……」
私はどう言えばいいか戸惑っていた。
だって…さっきの……
告白って捉えても、いいんだよね…?
「…正直、俺自身にも賭けてたんだ」
「え?」
「そろそろあんたに告白出来るかどうかってな…」
彼は私に向き直ると、目を真っ直ぐに見て真剣な表情になった。
「今までずっとコイントスでナマエに賭けを持ちかけてただろ?あんなのはあんたに近付くための口実さ。少しでもあんたと話すには…ああするしかないくらい、あんたはいつも他の誰かといたからな」
「ヨシュア…」
私は少し俯いて間を置いた後、再び彼と目を合わせた。
「…ねえ、私があなたを好きかどうか……どっちだと思う?」
私がそう言うとヨシュアは一瞬目を見開いたけど、すぐにフッと笑みを浮かべて口を開いた。
「あんたから賭けを持ちかけてくるとはな…いいぜ、賭けるさ。……好きにな」
私と唇が触れ合いそうな距離でそう答えた彼に私は笑って返す。
「やっぱり…賭け事で貴方に勝つなんて無理みたいね」
「当たり前だろ。それに素人のあんたが俺に賭けで勝とうなんて…一体いつになる事やら」
「たぶん…一生無理かも」
「ははっ、だろうな。…一生、俺の隣にいても…な」
~end~
アンケートでリクエストのあったヨシュア夢でした!
聖魔はプレイ済みですが、ヨシュアのキャラを完全に把握していないのでこれでいいのかと少し不安です…汗
あと、酒場での賭けのルーレットは某海賊漫画で見た一部を参考にさせていただきました…笑
「ヨシュア…」
コインを指で弾きながらやってきたのはヨシュアだった。
「…表」
「あー…残念、裏だな」
「はいはい、もう行くねー」
私は足早にヨシュアの隣を通り過ぎようとした。
「おい待てよ。いくらなんでも冷た過ぎだろ」
「あのねぇ…毎回毎回、私が勝てもしない賭けをなんでしないといけないのよ。もう用は済んだんでしょう?」
「まあそう堅いこと言うなって。今日はお前を連れていきたいところがあるんだよ」
「え、ちょっと…!?」
ヨシュアはそう言うと私の手を引いてお城を後にしてしまった。
「ここって…酒場?」
「ああ、そうだ」
ヨシュアに連れて来られた場所は城下町にある酒場だった。
「私まだお酒飲めないんだけど…」
「別に酒を飲みに来た訳じゃない。賭けだよ、賭け」
「…何で私も来ないといけないのよ」
思わず怪訝な表情でヨシュアを見ると、彼は御構い無しに酒場にいた他のお客さんに声を掛けた。
どうやら賭け事を行なっているグループに声を掛けたみたいだけど…
「よし、さっそく始めようじゃないか」
いつの間にか賭けが始まってしまったようで、私は慌ててヨシュアに駆け寄った。
「ちっちょっと!私はどうすれば…」
「あんたはそこで見ててくれ」
「見てろって…」
私は渋々言われた通りに賭け事を見学することにした。
ここでの賭けはルーレットで、黒か白かを選びお金を賭けるようだった。
そしてヨシュアは色々な人と賭け事を行ない、ほとんどは彼が勝っていった。
イカサマは…していないんだと思う。
賭けをしている時のヨシュアを見ていると、彼は本当に楽しそうで何だかこっちまで嬉しくなった。
「…なあ、ずっと気になってたんだがよ」
すると賭けに参加していた一人の男性が私に目をやった。
「この嬢ちゃんは誰なんだ?えらい可愛い子じゃねぇか」
「あー…こいつは……」
「決めた。今度はこの嬢ちゃんを賭けて勝負ってのはどうだ?」
「はい!?」
突然の提案にただただ驚いた。
何で私を賭けるの…!?
ヨシュアを見ると、彼は顔色一つ変えずに黙っていた。
「…ああ、いいぜ」
了承したヨシュアに私はますます目を丸くした。
「交渉成立だな!」
「女を賭けるってか!」
「燃えてきたー!!」
「こりゃ面白くなりそうだ」
気付けば酒場にいたお客さん全員がこの勝負を見に集まってきていた。
「ヨっヨシュア…」
「そんな顔するなよ。大丈夫、俺を信じろ…」
彼はニッと笑うと、安心させるかのように私の頭をポンポンと撫でてくれた。
「さて、どっちに賭ける?」
「……白だ」
「ほう…なら俺は黒だな」
ヨシュアは白に、男性は黒に賭けたところでルーレットが回り出し、それと同時に玉も動き出す。
その場にいる全員、ルーレットが止まるまで静かに様子を見ていた。
カラカラカラカラ……
回転速度が徐々に下がっていき、ついにその時はやってきた。
___コロン…
「……白の29だ!!!」
その途端、わっと歓声が上がった。
私も思わずヨシュアの腕に抱き付いてしまった。
「すごい!!本当に当てちゃうなんて…!」
「言っただろ?大丈夫だって。俺はやる時はやるんだよ」
「いやぁ、兄ちゃんお見事だな!完敗だよ」
男性は感心したように笑って言った。
「約束通り、ナマエは渡さないからな」
「もちろんだ。あんたの賭けの強さは本物だな。それに…どうやらその嬢ちゃんの事になるとよりその力が発揮されるみたいだしな」
「え…?」
するとその途端、ヨシュアに腰を引き寄せられ彼と密着した。
「分かってるじゃないか。自分の大事な女が賭かってるんじゃ、負けるわけにはいかないからな」
それだけ言うと、ヨシュアは“楽しかった”と私を連れて酒場を後にした。
「えっと、ヨシュア…その……」
私はどう言えばいいか戸惑っていた。
だって…さっきの……
告白って捉えても、いいんだよね…?
「…正直、俺自身にも賭けてたんだ」
「え?」
「そろそろあんたに告白出来るかどうかってな…」
彼は私に向き直ると、目を真っ直ぐに見て真剣な表情になった。
「今までずっとコイントスでナマエに賭けを持ちかけてただろ?あんなのはあんたに近付くための口実さ。少しでもあんたと話すには…ああするしかないくらい、あんたはいつも他の誰かといたからな」
「ヨシュア…」
私は少し俯いて間を置いた後、再び彼と目を合わせた。
「…ねえ、私があなたを好きかどうか……どっちだと思う?」
私がそう言うとヨシュアは一瞬目を見開いたけど、すぐにフッと笑みを浮かべて口を開いた。
「あんたから賭けを持ちかけてくるとはな…いいぜ、賭けるさ。……好きにな」
私と唇が触れ合いそうな距離でそう答えた彼に私は笑って返す。
「やっぱり…賭け事で貴方に勝つなんて無理みたいね」
「当たり前だろ。それに素人のあんたが俺に賭けで勝とうなんて…一体いつになる事やら」
「たぶん…一生無理かも」
「ははっ、だろうな。…一生、俺の隣にいても…な」
~end~
アンケートでリクエストのあったヨシュア夢でした!
聖魔はプレイ済みですが、ヨシュアのキャラを完全に把握していないのでこれでいいのかと少し不安です…汗
あと、酒場での賭けのルーレットは某海賊漫画で見た一部を参考にさせていただきました…笑
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