マイヒーロー
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「俺が…伝承の英雄?」
目の前にいるエフラムは、私が告げた事に疑問符を浮かべていた。
「うん、そうみたいなの。ごめん、急に言われても困るよね…」
「確かに驚いたが…今まで伝承の英雄は召喚されてきただろ?なのに何で俺が…?」
そう、今回は火の伝承英雄を呼び出すはずだった。
地の伝承英雄はアイクだったけど、そのアイクも私達が知っているアイクではない少し成長した姿で来てくれた。
だけど、今回アンナさんから言われたのは火の伝承英雄は前から居てくれているエフラムだと…
しかも召喚士である私が彼に儀式で伝承英雄としての進化を行うのだという。
「俺が儀式を受けてなれるものなのか…?」
「私もよく分からないんだけど…とにかく、エフラムを連れて儀式を行いに神殿へ向かって欲しいって言われたの」
「そうか…じゃあ、行くか」
お互い状況を把握しきれていない中、私達は儀式をするためにお城を後にした。
「…着いたな」
指定された神殿に足を踏み入れると、そこはもう廃墟なのか少し崩れていた。
だけど隙間から太陽の光が差し込んでいたり、小さな花々が咲いていたりと…とても神秘的な雰囲気を醸し出している場所だった。
「それで…俺はどうすればいい?」
「あ…じゃあ、そこに跪いてくれないかな?」
「分かった。…こうか?」
エフラムは私の言う通り跪いてくれた。
「うん、それで大丈夫だよ。…じゃあ、始めるね」
私はブレイザブリクを取り出すと、それを彼に向けて儀式を始めた。
「なんじ、エフラム…火の伝承英雄としての地位と爵位を与えるものとする___」
全ての言葉を述べた後、エフラムはその瞬間眩い光に包まれた。
「……ん…終わった、のか…?」
光が収まり、エフラムの姿がはっきりと見えた。
「……」
「…おい、ナマエ?」
「!あ…ごっごめん…!」
儀式は成功した……けど、伝承の英雄としてのエフラムの姿に思わず見惚れてしまっていた。
「成功…したみたいだね。どう?伝承英雄としての感じは…」
「どう、と言われてもな…正直よく分からない。だが…不思議と力が湧いてくるような気がする…」
すると祭壇の前に一本の槍が現れた。
「これは…」
「炎槍ジークムント…ルネスの【双聖器】だ。俺が…これを扱ってもいいのか…?」
少し戸惑いの色を見せるエフラムを見て、私はそっと彼の手に自分の手を重ねた。
「大丈夫…エフラムは今までずっと努力してきたんだよ?異世界にいながらも、王としての自覚を忘れず常に仲間を思って前に進んでる……だからその槍は貴方にしか扱えない。もっと自信を持って!」
「ナマエ……」
エフラムは私の顔をじっと見つめた後、何かを決意したように炎槍ジークムントを手にした。
「ありがとう、ナマエ。お前がいつも俺を支えてくれたから…ここまで成長出来た。これからもこの新しい力で皆を…お前を守ってみせる」
「エフラム…うん、その調子!」
そして儀式を終えた私達はお城へと戻るため神殿から出た。
「…あれ?こんなところに馬なんて居たっけ…?」
神殿の外に出ると、そこには青を基調とした装飾が施された美しい白馬がいたのだ。
「もしかしたら俺が儀式を受けた影響で召喚されたのか?」
「という事は、エフラムは今度は騎馬…?」
この馬がエフラムが乗るものだという事はすぐに分かった。
すると、白馬はエフラムの方へ擦り寄ってきた。
「お、どうした?」
「ふふ、さっそくエフラムに懐いてるみたいだね。乗ってみたらどうかな?」
「そうだな。よっと…」
エフラムは白馬に跨ってみせた。
「う、わあ……」
私は思わず口に手を当て感嘆した。
白馬の王子様という言葉は彼の為にあるのではないか…
そう思わずにはいられなかった。
「結構いい乗り心地だな。ナマエも乗ってみるか?」
「えっ…私は別に…」
「遠慮するな。ほら…」
「わあっ!?」
エフラムに引き上げられ、私は彼の前に跨らされた。
きっ距離が近い…!!
「せっかくなんだ、少し遠回りしながら帰るか」
「えぇぇ…」
そのまま彼が白馬を走らせると、お城までの短い散歩が始まった。
「わあ…」
「俺も騎乗するのは久々だったが…やっぱり見る景色も変わるし、気持ちがいいものだな」
白馬に乗りながらのお散歩は、普段歩いて見ていたこの世界の景色がまた違った感じで見れてとても新鮮なものだった。
「どうだ?ナマエ。馬の上から見る景色は」
「うん…思ってたよりもずっと、良い体験だね」
「そうか…お前にそう思ってもらえて良かった。……なあ、聞こえるか?」
「え?何が?」
「俺の…心臓の音……」
私は後ろを向いてエフラムの顔を見ると、彼は顔を赤く染めて少し恥ずかしそうに目を逸らしていた。
「!」
「あー…そんなに見るな……仕方ないだろう、好きな女がこんなにも近くにいるんだから…」
「エフラム…」
普段そういった面を見れないせいか、私は嬉しくなって彼にそっと自分の背中を預けた。
「ナマエ…?」
「私の方が…最初からずっとドキドキしてるよ……」
「っ……ん?…!ナマエ、見てみろ」
エフラムが前を見つめてそう言ったので、私も言われた通りに視線を前に戻した。
「!綺麗…!!」
そこにはこの世界を茜色に染め上げる夕日があったのだ。
「思えばこの世界に来てから、こんな風に周りの自然を見た事なかったな」
「本当…でも、エフラムとこうやって過ごせる事ができて良かったよ」
「ふっ…ああ、俺もだ」
すると、エフラムは白馬をその場で止めた。
「ナマエ…」
「ん?」
「好きだ。これからもずっと…俺のそばで笑っていてくれよ」
夕暮れの中で、彼は私にいつもと変わらぬ優しいキスをくれたのだった。
~end~
ちょっと公式設定弄ったけど、伝承エフラムのお話やっと書けた…
それと儀式での言葉は、蒼炎でエリンシアが言ってた言葉を引用させていただきましたすみません汗
もう本当カッコ良すぎ大好きです、はい…
目の前にいるエフラムは、私が告げた事に疑問符を浮かべていた。
「うん、そうみたいなの。ごめん、急に言われても困るよね…」
「確かに驚いたが…今まで伝承の英雄は召喚されてきただろ?なのに何で俺が…?」
そう、今回は火の伝承英雄を呼び出すはずだった。
地の伝承英雄はアイクだったけど、そのアイクも私達が知っているアイクではない少し成長した姿で来てくれた。
だけど、今回アンナさんから言われたのは火の伝承英雄は前から居てくれているエフラムだと…
しかも召喚士である私が彼に儀式で伝承英雄としての進化を行うのだという。
「俺が儀式を受けてなれるものなのか…?」
「私もよく分からないんだけど…とにかく、エフラムを連れて儀式を行いに神殿へ向かって欲しいって言われたの」
「そうか…じゃあ、行くか」
お互い状況を把握しきれていない中、私達は儀式をするためにお城を後にした。
「…着いたな」
指定された神殿に足を踏み入れると、そこはもう廃墟なのか少し崩れていた。
だけど隙間から太陽の光が差し込んでいたり、小さな花々が咲いていたりと…とても神秘的な雰囲気を醸し出している場所だった。
「それで…俺はどうすればいい?」
「あ…じゃあ、そこに跪いてくれないかな?」
「分かった。…こうか?」
エフラムは私の言う通り跪いてくれた。
「うん、それで大丈夫だよ。…じゃあ、始めるね」
私はブレイザブリクを取り出すと、それを彼に向けて儀式を始めた。
「なんじ、エフラム…火の伝承英雄としての地位と爵位を与えるものとする___」
全ての言葉を述べた後、エフラムはその瞬間眩い光に包まれた。
「……ん…終わった、のか…?」
光が収まり、エフラムの姿がはっきりと見えた。
「……」
「…おい、ナマエ?」
「!あ…ごっごめん…!」
儀式は成功した……けど、伝承の英雄としてのエフラムの姿に思わず見惚れてしまっていた。
「成功…したみたいだね。どう?伝承英雄としての感じは…」
「どう、と言われてもな…正直よく分からない。だが…不思議と力が湧いてくるような気がする…」
すると祭壇の前に一本の槍が現れた。
「これは…」
「炎槍ジークムント…ルネスの【双聖器】だ。俺が…これを扱ってもいいのか…?」
少し戸惑いの色を見せるエフラムを見て、私はそっと彼の手に自分の手を重ねた。
「大丈夫…エフラムは今までずっと努力してきたんだよ?異世界にいながらも、王としての自覚を忘れず常に仲間を思って前に進んでる……だからその槍は貴方にしか扱えない。もっと自信を持って!」
「ナマエ……」
エフラムは私の顔をじっと見つめた後、何かを決意したように炎槍ジークムントを手にした。
「ありがとう、ナマエ。お前がいつも俺を支えてくれたから…ここまで成長出来た。これからもこの新しい力で皆を…お前を守ってみせる」
「エフラム…うん、その調子!」
そして儀式を終えた私達はお城へと戻るため神殿から出た。
「…あれ?こんなところに馬なんて居たっけ…?」
神殿の外に出ると、そこには青を基調とした装飾が施された美しい白馬がいたのだ。
「もしかしたら俺が儀式を受けた影響で召喚されたのか?」
「という事は、エフラムは今度は騎馬…?」
この馬がエフラムが乗るものだという事はすぐに分かった。
すると、白馬はエフラムの方へ擦り寄ってきた。
「お、どうした?」
「ふふ、さっそくエフラムに懐いてるみたいだね。乗ってみたらどうかな?」
「そうだな。よっと…」
エフラムは白馬に跨ってみせた。
「う、わあ……」
私は思わず口に手を当て感嘆した。
白馬の王子様という言葉は彼の為にあるのではないか…
そう思わずにはいられなかった。
「結構いい乗り心地だな。ナマエも乗ってみるか?」
「えっ…私は別に…」
「遠慮するな。ほら…」
「わあっ!?」
エフラムに引き上げられ、私は彼の前に跨らされた。
きっ距離が近い…!!
「せっかくなんだ、少し遠回りしながら帰るか」
「えぇぇ…」
そのまま彼が白馬を走らせると、お城までの短い散歩が始まった。
「わあ…」
「俺も騎乗するのは久々だったが…やっぱり見る景色も変わるし、気持ちがいいものだな」
白馬に乗りながらのお散歩は、普段歩いて見ていたこの世界の景色がまた違った感じで見れてとても新鮮なものだった。
「どうだ?ナマエ。馬の上から見る景色は」
「うん…思ってたよりもずっと、良い体験だね」
「そうか…お前にそう思ってもらえて良かった。……なあ、聞こえるか?」
「え?何が?」
「俺の…心臓の音……」
私は後ろを向いてエフラムの顔を見ると、彼は顔を赤く染めて少し恥ずかしそうに目を逸らしていた。
「!」
「あー…そんなに見るな……仕方ないだろう、好きな女がこんなにも近くにいるんだから…」
「エフラム…」
普段そういった面を見れないせいか、私は嬉しくなって彼にそっと自分の背中を預けた。
「ナマエ…?」
「私の方が…最初からずっとドキドキしてるよ……」
「っ……ん?…!ナマエ、見てみろ」
エフラムが前を見つめてそう言ったので、私も言われた通りに視線を前に戻した。
「!綺麗…!!」
そこにはこの世界を茜色に染め上げる夕日があったのだ。
「思えばこの世界に来てから、こんな風に周りの自然を見た事なかったな」
「本当…でも、エフラムとこうやって過ごせる事ができて良かったよ」
「ふっ…ああ、俺もだ」
すると、エフラムは白馬をその場で止めた。
「ナマエ…」
「ん?」
「好きだ。これからもずっと…俺のそばで笑っていてくれよ」
夕暮れの中で、彼は私にいつもと変わらぬ優しいキスをくれたのだった。
~end~
ちょっと公式設定弄ったけど、伝承エフラムのお話やっと書けた…
それと儀式での言葉は、蒼炎でエリンシアが言ってた言葉を引用させていただきましたすみません汗
もう本当カッコ良すぎ大好きです、はい…
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