マイヒーロー
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
※バレンタイン超英雄バージョンです。
「ナマエ!」
「リン!お疲れ様!」
今日は愛の日であり、闘技場では大規模な大会が行われていた。
私はその観客席に座っており、隣に先ほど闘技を終えたリンが腰を下ろした。
リンは準決勝まで進んだものの、惜しくも敗退してしまったのだ。
「さっきはみっともない姿見せちゃったわね…」
「ううん、そんな事ない。本当に惜しかったし、リンはよく頑張ったよ!」
「ナマエ…ふふ、貴女にそう言われたら元気出たわ。ありがとう!」
彼女に笑顔が戻ったのを見れて私も自然と頬が緩んだ。
「あ、決勝戦始まるみたいよ」
闘技場中央へと目を向けると、ちょうど選手達が入場するところだった。
「……」
決勝戦はチーム戦の二対二で行われる。
一つは特務機関でもかなり腕のあるハルバーディアと炎使いの魔導士。
もう片方は、いつもとは違う服装のエリウッドと…ヘクトルだ。
「あの組み合わせだと、ヘクトルが魔導士に気を付ければ何とかいけるかも…ナマエ、何が何でもヘクトル達が勝つように全力で応援……ナマエ?」
「………」
“お父様、この大会で絶対に優勝してくださいね。そして…”
“ああ、心配するなリリーナ。俺は必ず優勝してアイツに…想いを告げてみせる”
「ナマエってば!」
「!なっなに…?」
リンに呼ばれていた事に気付かず、やっと今気付いて慌てて彼女に顔を向けた。
「どうしたのよ?ぼーっとして…」
「え…うっううん、何でもないの…!ごめんね…」
「…そう?」
何とか誤魔化せたけど…駄目だな、私……
こんな時くらい、ちゃんと応援しないと…
…たとえヘクトルに叶わない恋をしていたとしても……
そして始まりの鐘が鳴り響き、決勝戦の幕が上がった。
「っしゃあ、いくぜー!!」
「ヘクトル、あまり出過ぎないようにね」
開始早々ヘクトルはハルバーディアに突っ込んでいったものの、直前で魔導士が炎魔法を彼に放ってきた。
「危ない!!」
慌ててエリウッドがヘクトルを引き戻し、何とか攻撃を避ける事が出来たみたいだ。
「だから言ったじゃないか」
「悪りぃな、助かったぜ…」
考えなしに突っ込んだ事を反省したのか、ヘクトルは申し訳なさそうにエリウッドに謝っているように見えた。
「ふぅ…本当、今のは危なかったわね」
「見ててハラハラしちゃった…」
「そうね…あ、今度はエリウッドが動くみたい」
リンの言う通り、今度はエリウッドが魔導士に近付いて攻撃を仕掛けていた。
「悪いけど、倒させてもらうよ!」
エリウッドの攻撃で魔導士が倒れ、残るはハルバーディア一人となった。
「後は頼んだよ、ヘクトル!」
「ああ、任せとけ!」
「ヘクトル、頑張って!!」
「!おらあぁぁぁ!!」
そこからはヘクトルが畳み掛け、決勝戦は彼らが無事に優勝する事が出来た。
「優勝おめでとう、二人とも!」
「貴方達なら勝ってくれるって信じてたわ」
闘技大会の後、私とリンはヘクトルとエリウッドの元へと向かった。
「ナマエにリン。ありがとう、勝てたのはみんなのおかげたよ」
「ま、最初から俺たちが負ける訳なかったけどな!」
「とか言って、最初魔導士にやられそうになってたじゃない」
「う…」
「はは、まあいいじゃないか。こうして勝てたんだし」
その場の空気が和んだ後、急にヘクトルが真剣な顔になり私に向き直ってきた。
「…ナマエ」
「え…?」
「その、なんだ…ずっと応援してくれてありがとな。特に最後…頑張れって言ってくれたの、すげぇ励みになった」
「ヘクトル……」
すると彼は私の手を取って、目を真っ直ぐに見つめた後口を開いた。
「俺はエリウッドみたいに上手い事は言えねぇけど…それでも、お前に伝えたい事がある。…俺、ナマエが好きだ。俺と付き合ってくれ!」
一瞬、自分の思考が停止した。
今…彼はなんて言った…?
「あの、ヘクトル…?言う相手を間違えてるんじゃ……」
「バカ言え、いくら俺でもこんな大事な事伝える相手を間違えるか…」
「っ、だっだって…!ヘクトルにはもう決まった相手がいるはずじゃ…」
ヘクトルには時代が違うけれど、リリーナという大切な娘がいる。
だから私は叶わない片想いをしているというのに…こんな都合のいい事があっていいの……?
「……お母様」
「!リリーナ…?」
すると、いつからいたのか物陰からロイと共にリリーナが姿を現した。
「今、なんて……」
「ごめんなさい、今まで黙ってて…私のお母様はナマエ…貴女なんです」
「え……」
全てが突然過ぎて今度こそ話について行けなくなりそうだった。
「お前の言う俺の相手ってのが、そのお前…ナマエなんだよ。この大会で優勝したら、告白しようって決めてた」
「嘘…でしょう…?」
「嘘なワケあるか。初めてナマエに召喚されて会った時から、俺はお前に惚れてたんだよ」
「その何日か後にロイやリリーナがこの世界に召喚されて…その時に僕達は彼らが誰の子かを知ったんだ」
「まあ、最初は正直信じられなかったけどな…」
「ほら、ナマエもヘクトルに言う事あるんじゃない?」
「わっ…!ちょっと、リン…!」
私が呆然としていると、リンに背中を押されてヘクトルに軽く抱きついてしまう形になった。
「…逃げないのか?」
「……ほっ本当に嫌だったら…とっくに逃げてるよ……私も、貴方が好き…ヘクトル…っ」
「!あー…やべぇ、可愛すぎる……」
その瞬間、今度は私の後ろからリリーナが抱きついてきた。
「嬉しいです…お二人がこうしてまた一緒になられたところを見られて…!」
「リリーナ…ああ、これからは三人一緒だ。ずっとな…」
「ふふ、何だかこっちまで感動しちゃうわ」
「本当、彼らが結ばれてくれて良かったよ」
「時代は違えど、愛は変わらないものなんですね」
「ああ、そうだね。…ロイ、君も早くリリーナの気持ちに気付いてあげて欲しいよ」
「?」
~end~
アンケートでリクエストがあったヘクトル初書きでした~!
今までエリウッドやヘクトルなどにはどこか手を出せずにいたのですが、今回で少し吹っ切れられた気がします笑
色々無茶苦茶ですが、暖かい目で見てくださると幸いです…
「ナマエ!」
「リン!お疲れ様!」
今日は愛の日であり、闘技場では大規模な大会が行われていた。
私はその観客席に座っており、隣に先ほど闘技を終えたリンが腰を下ろした。
リンは準決勝まで進んだものの、惜しくも敗退してしまったのだ。
「さっきはみっともない姿見せちゃったわね…」
「ううん、そんな事ない。本当に惜しかったし、リンはよく頑張ったよ!」
「ナマエ…ふふ、貴女にそう言われたら元気出たわ。ありがとう!」
彼女に笑顔が戻ったのを見れて私も自然と頬が緩んだ。
「あ、決勝戦始まるみたいよ」
闘技場中央へと目を向けると、ちょうど選手達が入場するところだった。
「……」
決勝戦はチーム戦の二対二で行われる。
一つは特務機関でもかなり腕のあるハルバーディアと炎使いの魔導士。
もう片方は、いつもとは違う服装のエリウッドと…ヘクトルだ。
「あの組み合わせだと、ヘクトルが魔導士に気を付ければ何とかいけるかも…ナマエ、何が何でもヘクトル達が勝つように全力で応援……ナマエ?」
「………」
“お父様、この大会で絶対に優勝してくださいね。そして…”
“ああ、心配するなリリーナ。俺は必ず優勝してアイツに…想いを告げてみせる”
「ナマエってば!」
「!なっなに…?」
リンに呼ばれていた事に気付かず、やっと今気付いて慌てて彼女に顔を向けた。
「どうしたのよ?ぼーっとして…」
「え…うっううん、何でもないの…!ごめんね…」
「…そう?」
何とか誤魔化せたけど…駄目だな、私……
こんな時くらい、ちゃんと応援しないと…
…たとえヘクトルに叶わない恋をしていたとしても……
そして始まりの鐘が鳴り響き、決勝戦の幕が上がった。
「っしゃあ、いくぜー!!」
「ヘクトル、あまり出過ぎないようにね」
開始早々ヘクトルはハルバーディアに突っ込んでいったものの、直前で魔導士が炎魔法を彼に放ってきた。
「危ない!!」
慌ててエリウッドがヘクトルを引き戻し、何とか攻撃を避ける事が出来たみたいだ。
「だから言ったじゃないか」
「悪りぃな、助かったぜ…」
考えなしに突っ込んだ事を反省したのか、ヘクトルは申し訳なさそうにエリウッドに謝っているように見えた。
「ふぅ…本当、今のは危なかったわね」
「見ててハラハラしちゃった…」
「そうね…あ、今度はエリウッドが動くみたい」
リンの言う通り、今度はエリウッドが魔導士に近付いて攻撃を仕掛けていた。
「悪いけど、倒させてもらうよ!」
エリウッドの攻撃で魔導士が倒れ、残るはハルバーディア一人となった。
「後は頼んだよ、ヘクトル!」
「ああ、任せとけ!」
「ヘクトル、頑張って!!」
「!おらあぁぁぁ!!」
そこからはヘクトルが畳み掛け、決勝戦は彼らが無事に優勝する事が出来た。
「優勝おめでとう、二人とも!」
「貴方達なら勝ってくれるって信じてたわ」
闘技大会の後、私とリンはヘクトルとエリウッドの元へと向かった。
「ナマエにリン。ありがとう、勝てたのはみんなのおかげたよ」
「ま、最初から俺たちが負ける訳なかったけどな!」
「とか言って、最初魔導士にやられそうになってたじゃない」
「う…」
「はは、まあいいじゃないか。こうして勝てたんだし」
その場の空気が和んだ後、急にヘクトルが真剣な顔になり私に向き直ってきた。
「…ナマエ」
「え…?」
「その、なんだ…ずっと応援してくれてありがとな。特に最後…頑張れって言ってくれたの、すげぇ励みになった」
「ヘクトル……」
すると彼は私の手を取って、目を真っ直ぐに見つめた後口を開いた。
「俺はエリウッドみたいに上手い事は言えねぇけど…それでも、お前に伝えたい事がある。…俺、ナマエが好きだ。俺と付き合ってくれ!」
一瞬、自分の思考が停止した。
今…彼はなんて言った…?
「あの、ヘクトル…?言う相手を間違えてるんじゃ……」
「バカ言え、いくら俺でもこんな大事な事伝える相手を間違えるか…」
「っ、だっだって…!ヘクトルにはもう決まった相手がいるはずじゃ…」
ヘクトルには時代が違うけれど、リリーナという大切な娘がいる。
だから私は叶わない片想いをしているというのに…こんな都合のいい事があっていいの……?
「……お母様」
「!リリーナ…?」
すると、いつからいたのか物陰からロイと共にリリーナが姿を現した。
「今、なんて……」
「ごめんなさい、今まで黙ってて…私のお母様はナマエ…貴女なんです」
「え……」
全てが突然過ぎて今度こそ話について行けなくなりそうだった。
「お前の言う俺の相手ってのが、そのお前…ナマエなんだよ。この大会で優勝したら、告白しようって決めてた」
「嘘…でしょう…?」
「嘘なワケあるか。初めてナマエに召喚されて会った時から、俺はお前に惚れてたんだよ」
「その何日か後にロイやリリーナがこの世界に召喚されて…その時に僕達は彼らが誰の子かを知ったんだ」
「まあ、最初は正直信じられなかったけどな…」
「ほら、ナマエもヘクトルに言う事あるんじゃない?」
「わっ…!ちょっと、リン…!」
私が呆然としていると、リンに背中を押されてヘクトルに軽く抱きついてしまう形になった。
「…逃げないのか?」
「……ほっ本当に嫌だったら…とっくに逃げてるよ……私も、貴方が好き…ヘクトル…っ」
「!あー…やべぇ、可愛すぎる……」
その瞬間、今度は私の後ろからリリーナが抱きついてきた。
「嬉しいです…お二人がこうしてまた一緒になられたところを見られて…!」
「リリーナ…ああ、これからは三人一緒だ。ずっとな…」
「ふふ、何だかこっちまで感動しちゃうわ」
「本当、彼らが結ばれてくれて良かったよ」
「時代は違えど、愛は変わらないものなんですね」
「ああ、そうだね。…ロイ、君も早くリリーナの気持ちに気付いてあげて欲しいよ」
「?」
~end~
アンケートでリクエストがあったヘクトル初書きでした~!
今までエリウッドやヘクトルなどにはどこか手を出せずにいたのですが、今回で少し吹っ切れられた気がします笑
色々無茶苦茶ですが、暖かい目で見てくださると幸いです…
36/129ページ