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「ナマエから離れろ、クロード」
「それはこっちの台詞なんだが?ディミトリ陛下」
私の両腕はそれぞれディミトリとクロードに組まれているため動けないでいる。
彼らはついさっき召喚させてもらったばかりなんだけど、それぞれが違う道を進んだ別世界のフォドラから来たのだという。
私が今二人に挟まれている理由、それは…
「彼女は俺の妻であり、ファーガス神聖王国王妃だ」
「いいや、違うね。ナマエはパルミラ国王の俺に嫁いだんだ」
「ええと…」
この二人が言うには、どうやら私はそれぞれの世界で彼らの奥さんになっているらしい。
だから厳密にはアスクへ来たのはこれで二回目なんだとか…
「あんた達…まだナマエを取り合っているんですか」
「一国の王同士が見苦しいわよ」
そこへ今回同じく召喚させてもらったエーデルガルトとリシテアもやってきた。
エーデルガルトもアドラステア皇帝としてフォドラを統一した世界、リシテアはクロードと同じ世界から来ている。
「そういえば、私の世界ではナマエは師と一緒になっているわよ」
「え!?」
まさかの情報に思わず三人でエーデルガルトの方を見る。
私…どれだけ色んな人と結婚してるの……
「ここにいる先生はまだ5年前の姿だから、先生はナマエとそうなっている事は知りませんね」
「そもそもこの世界のナマエは貴方達の知る彼女とは別人よ。そのくらい分かっているはずでしょう」
「それは…」
「そうだが……」
エーデルガルトの言葉に何も言えないのか黙ってしまう二人。
今の私には恋人と呼べる人はいない。
だから正直…突然私が奥さんだって言われても、戸惑うばかりでどう反応すればいいのか……
「ここにいるナマエが貴方達以外の誰かと一緒になったとしても、元の世界に戻れば関係のない話…それにもしナマエと二人のうちどちらかが結ばれた場合、元の世界にいる彼女はどうなるのかしら?」
「まあ、5年前のあんた達とくっ付けさせるというなら話は別ですが」
リシテアの言葉を聞いたディミトリとクロードは反応するかのようにピクリと肩を震わせた。
「ああ…二人の言う通りだぜ。危うく本当の奥さんの事を忘れかけちまうところだった」
「本当はどの世界でもナマエと共にありたいが…今の俺では駄目だな。だから…」
「「5年前の俺と一緒になるように手を回そう」」
何故かそんな結論に行き着き、二人の顔を交互に見やる。
一体どうしてそうなる…!?
「この世界での5年前の俺もナマエを好きに違いない。俺自身がそうだったからな」
「ほぅ、奇遇だな。俺もそう思うよ。ここは一つ勝負といこうか?」
「臨むところだ」
「まっ待って!ちょっと話についていけないんだけど…!そもそも5年前の自分には会わない事にしたんじゃなかったの…?」
そんな私の疑問に二人はフッと笑って答えてくれた。
「ああ、さっき言った通り5年前の自分達には会わないさ」
「ただ少し…アルフォンス王子達に伝言をお願いするだけだ」
「伝言?」
「愛する者は何が何でも手に入れろってな」
「今お前の心にいる者こそ、この先支えてくれるかけがえのない存在なんだ、と」
口々にそう言う彼らに相変わらず戸惑いつつも、やはり何も言う事が出来ない。
そんな事しないで、なんて言える訳ないし…
そもそも嫌…ではない。
「そう言う事なら、俺も負けないよ」
今度はみんな大好きベレト先生がこちらに向かって歩いて来ている。
「先生!?」
「あちゃー…先生にも接触する気はなかったんだが」
彼らが言うには、ベレト先生も5年前の姿らしく会う気はなかったみたい。
「心配はいらない。俺は確かに君達の知るベレトではないが…それぞれが進んだ道を見てきているからね」
「師…!?それって…」
驚いたのはエーデルガルトだけじゃない。
ディミトリ、クロード、リシテア…そして私も。
「だけど、まだどのクラッセにも属していない段階でこの世界に呼ばれたからな。今の俺はただの新人教師だよ」
「驚いたな…だが、どうして先生までナマエを?」
ディミトリが聞くと、先生は私の元まで来ると手を取って小さく笑みを浮かべながら答えた。
「そうだな…俺もここに来るのは初めてではないから、と言ったら分かるだろうか」
「!!」
ディミトリ達の話を聞いていれば、その言っている意味はすぐに理解した。
エーデルガルトと同じ世界から来たのではないとしたら、この先生はまた別世界からアスクへと来た…
そうなると、以前彼が来た時に別の私は先生と…?
「何だか頭が混乱してきますね…」
「ええ…というより、ナマエは誰と結ばれるかますます分からなくなってきたわ」
リシテアですら混乱する事態…これは結構とんでもない事になっているのでは…?
「たとえ先生が相手でも、俺は絶対にナマエを譲る気はない」
「おっと、それはお互い様だぜ。たとえ別世界のナマエでもどうせ誰かと結ばれるなら、やっぱり自分じゃないと嫌なんもんでね」
「じゃあ、ここは真剣に勝負といこうか。教師とて手を抜いたりはしない」
そして新たに三人の間にバチバチと火花が散り始める。
あれ…これ、なんて言う鷲獅子戦?
そして三人のやり取りをぼーっと眺めている事しか出来ずにいると、それぞれ肩をポンと叩かれた。
エーデルガルトとリシテアが気の毒そうに私を見ている訳で…
「こうなったら誰も止める事は出来ませんね」
「別世界においてもナマエは本当に特別な存在という事。今度の貴女は誰の手を取るのか…また見届けさせてもらうわ」
今は同じ仲間同士だから血の雨が降る事はない…はずだけど……
今度の私は誰の手を取るのか、か……
…エーデルガルト達からしたら二回目になるんだもんね。
私にとっては初めてだけど…
私が手を取るのはこの三人のうちの誰かかもしれないし、はたまた別の誰かかもしれない。
だけど…その時が来たら、きっと後悔なんてしない選択になっている気がするんだ。
だって、自分が心から愛して共に歩きたいと思った人だから。
私はひとり、胸に当てた手にキュッと力を入れたのだった。
~end~
風花の総選挙組の話を見てから、思い付くままに書いてしまいました笑
今まで以上に逆ハー気味だっかも…
先生に関しては少なくとも覇王、王国、同盟ルートを巡ってきている設定です。
ちょっと無理がある設定ですが、そこは大目に見てやってくださると幸いです(^^;
「それはこっちの台詞なんだが?ディミトリ陛下」
私の両腕はそれぞれディミトリとクロードに組まれているため動けないでいる。
彼らはついさっき召喚させてもらったばかりなんだけど、それぞれが違う道を進んだ別世界のフォドラから来たのだという。
私が今二人に挟まれている理由、それは…
「彼女は俺の妻であり、ファーガス神聖王国王妃だ」
「いいや、違うね。ナマエはパルミラ国王の俺に嫁いだんだ」
「ええと…」
この二人が言うには、どうやら私はそれぞれの世界で彼らの奥さんになっているらしい。
だから厳密にはアスクへ来たのはこれで二回目なんだとか…
「あんた達…まだナマエを取り合っているんですか」
「一国の王同士が見苦しいわよ」
そこへ今回同じく召喚させてもらったエーデルガルトとリシテアもやってきた。
エーデルガルトもアドラステア皇帝としてフォドラを統一した世界、リシテアはクロードと同じ世界から来ている。
「そういえば、私の世界ではナマエは師と一緒になっているわよ」
「え!?」
まさかの情報に思わず三人でエーデルガルトの方を見る。
私…どれだけ色んな人と結婚してるの……
「ここにいる先生はまだ5年前の姿だから、先生はナマエとそうなっている事は知りませんね」
「そもそもこの世界のナマエは貴方達の知る彼女とは別人よ。そのくらい分かっているはずでしょう」
「それは…」
「そうだが……」
エーデルガルトの言葉に何も言えないのか黙ってしまう二人。
今の私には恋人と呼べる人はいない。
だから正直…突然私が奥さんだって言われても、戸惑うばかりでどう反応すればいいのか……
「ここにいるナマエが貴方達以外の誰かと一緒になったとしても、元の世界に戻れば関係のない話…それにもしナマエと二人のうちどちらかが結ばれた場合、元の世界にいる彼女はどうなるのかしら?」
「まあ、5年前のあんた達とくっ付けさせるというなら話は別ですが」
リシテアの言葉を聞いたディミトリとクロードは反応するかのようにピクリと肩を震わせた。
「ああ…二人の言う通りだぜ。危うく本当の奥さんの事を忘れかけちまうところだった」
「本当はどの世界でもナマエと共にありたいが…今の俺では駄目だな。だから…」
「「5年前の俺と一緒になるように手を回そう」」
何故かそんな結論に行き着き、二人の顔を交互に見やる。
一体どうしてそうなる…!?
「この世界での5年前の俺もナマエを好きに違いない。俺自身がそうだったからな」
「ほぅ、奇遇だな。俺もそう思うよ。ここは一つ勝負といこうか?」
「臨むところだ」
「まっ待って!ちょっと話についていけないんだけど…!そもそも5年前の自分には会わない事にしたんじゃなかったの…?」
そんな私の疑問に二人はフッと笑って答えてくれた。
「ああ、さっき言った通り5年前の自分達には会わないさ」
「ただ少し…アルフォンス王子達に伝言をお願いするだけだ」
「伝言?」
「愛する者は何が何でも手に入れろってな」
「今お前の心にいる者こそ、この先支えてくれるかけがえのない存在なんだ、と」
口々にそう言う彼らに相変わらず戸惑いつつも、やはり何も言う事が出来ない。
そんな事しないで、なんて言える訳ないし…
そもそも嫌…ではない。
「そう言う事なら、俺も負けないよ」
今度はみんな大好きベレト先生がこちらに向かって歩いて来ている。
「先生!?」
「あちゃー…先生にも接触する気はなかったんだが」
彼らが言うには、ベレト先生も5年前の姿らしく会う気はなかったみたい。
「心配はいらない。俺は確かに君達の知るベレトではないが…それぞれが進んだ道を見てきているからね」
「師…!?それって…」
驚いたのはエーデルガルトだけじゃない。
ディミトリ、クロード、リシテア…そして私も。
「だけど、まだどのクラッセにも属していない段階でこの世界に呼ばれたからな。今の俺はただの新人教師だよ」
「驚いたな…だが、どうして先生までナマエを?」
ディミトリが聞くと、先生は私の元まで来ると手を取って小さく笑みを浮かべながら答えた。
「そうだな…俺もここに来るのは初めてではないから、と言ったら分かるだろうか」
「!!」
ディミトリ達の話を聞いていれば、その言っている意味はすぐに理解した。
エーデルガルトと同じ世界から来たのではないとしたら、この先生はまた別世界からアスクへと来た…
そうなると、以前彼が来た時に別の私は先生と…?
「何だか頭が混乱してきますね…」
「ええ…というより、ナマエは誰と結ばれるかますます分からなくなってきたわ」
リシテアですら混乱する事態…これは結構とんでもない事になっているのでは…?
「たとえ先生が相手でも、俺は絶対にナマエを譲る気はない」
「おっと、それはお互い様だぜ。たとえ別世界のナマエでもどうせ誰かと結ばれるなら、やっぱり自分じゃないと嫌なんもんでね」
「じゃあ、ここは真剣に勝負といこうか。教師とて手を抜いたりはしない」
そして新たに三人の間にバチバチと火花が散り始める。
あれ…これ、なんて言う鷲獅子戦?
そして三人のやり取りをぼーっと眺めている事しか出来ずにいると、それぞれ肩をポンと叩かれた。
エーデルガルトとリシテアが気の毒そうに私を見ている訳で…
「こうなったら誰も止める事は出来ませんね」
「別世界においてもナマエは本当に特別な存在という事。今度の貴女は誰の手を取るのか…また見届けさせてもらうわ」
今は同じ仲間同士だから血の雨が降る事はない…はずだけど……
今度の私は誰の手を取るのか、か……
…エーデルガルト達からしたら二回目になるんだもんね。
私にとっては初めてだけど…
私が手を取るのはこの三人のうちの誰かかもしれないし、はたまた別の誰かかもしれない。
だけど…その時が来たら、きっと後悔なんてしない選択になっている気がするんだ。
だって、自分が心から愛して共に歩きたいと思った人だから。
私はひとり、胸に当てた手にキュッと力を入れたのだった。
~end~
風花の総選挙組の話を見てから、思い付くままに書いてしまいました笑
今まで以上に逆ハー気味だっかも…
先生に関しては少なくとも覇王、王国、同盟ルートを巡ってきている設定です。
ちょっと無理がある設定ですが、そこは大目に見てやってくださると幸いです(^^;
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