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「どっどう、かな…?」
私は今、普段の特務機関の格好を脱ぎ捨てて、お洒落な民族ドレスのような服を身に纏っている。
そしてその姿を見つめるのは緑色の髪をした彼…レヴィン。
今日は大切な人に日頃の感謝や想いを伝える日である愛の日だ。
私は特務機関のみんなや英雄達に感謝を込めて手作りのお菓子を渡していたが、やはり恋人であるレヴィンだけは特別なわけで。
彼には他のみんなとはちょっと違ったお菓子を作って渡してみたら、彼は照れ臭そうにしながらも喜んで受け取ってくれた。
それからレヴィンのお願いでこの衣装を着て一緒に愛の日のお祭りに行こうと誘ってくれたのだ。
彼は満足そうに笑うと私に一歩近づいて来た。
「似合ってるじゃないか。さすが俺の選んだ女性だな」
「うっ嬉しいけど、恥ずかしいよ…」
真っ直ぐに目を見て言ってくれるものだから、思わず恥ずかしくなって顔を逸らす。
今度はやっぱりいつものように私が照れさせられてる…
「じゃあ、行くか。お手をどうぞ。お嬢さん」
「はい…」
差し出されたその手を取れば、私達は愛の日のお祭りへと足を運んで行った。
お城の外へ出てみれば、そこには愛の日のお祭りでとても賑わっていた。
沢山の可愛らしい屋台が並び、音楽隊による陽気な音楽が奏でられている。
中には好きな人に愛を告白するコーナーみたいなのもやっているみたい。
「今年も大賑わいだね」
「ああ、そうだな。俺も思わず一曲演奏したくなる」
「レヴィンが演奏したらたくさんの女性が集まって来そうだよね」
レヴィンは元の世界では王子の身分を隠して吟遊詩人として旅をしていたんだっけ。
前に何度か彼の演奏を聞かせてもらったけれど、彼の奏でる音色と詩は本当に美しいもので…
でもどこか切なくなるような…そんな雰囲気をしていた。
「つまり嫉妬するからやめてくれって事…だよな?」
「え…」
レヴィンは手を繋いだままグッと顔を私に寄せると、意地悪そうな笑みを浮かべる。
!無意識のうちにポロっと言っちゃった…
だけどそれは…彼の言う通り、嫉妬から来るものなんだろう。
「……うん、その通り…です」
私がそう素直に認めれば彼は目を見開いた。
そして首に手を当てながら顔を逸らしてしまう。
「なんだ、やけに素直じゃないか…」
「ふふ、なんだろう…愛の日のおかげ、かな?」
いつもからかわれてばかりだから、レヴィンをこんな風に照れさせるとちょっと嬉しい。
それから私達は色々な屋台を見て回った。
可愛い飴細工や愛の日限定の花束が売っていたりと、普段は見ることの出来ないものが見れてとても楽しい。
「あ、あそこで音楽隊の演奏がやってるみたい」
屋台を一通り見て回った後、ずっと会場を流れていた音楽を奏でている音楽隊の広場を見つけた。
広場にはその音楽に合わせて踊りを踊る人達が。
見ているだけでもワクワクしちゃうなぁ。
「行ってみるか?」
「え、いいの?」
「当たり前だろ。ほら、行くぞ」
変わらず手は繋いだままで、私達は音楽隊のいる広場まで歩いて行く。
「わあ、みんな楽しそう」
「生き生きとしているな」
広場で踊る人々はペアで踊る人やそうでない人がそれぞれとても楽しく踊っていた。
見ているとこっちまで自然と体が動いてしまいそう。
「あんた達も一緒に踊ったらどうだ?」
「え?」
「楽しいわよ~!」
広場の隅で様子を眺めていたら、踊っている人達にそう言われた。
すると突然グイッと手を引っ張られる。
レヴィンが私を広場の中に連れ出したのだ。
「せっかくなら踊っておくか。あんたも踊りたそうだったしな」
「ちょっ、レヴィン…!…ふふ。うん、そうだね!」
私達は手を取り合いながら陽気な音楽に合わせてステップを踏む。
お城で行われるようなちゃんとしたダンスじゃなくて、本当に自分のしたいように自由に踊るんだ。
「あはは!すっごく楽しいね!」
「たまにはこういうのもいいかもな!」
腕を組みながら踊ったり、時にはくるりと回ったり…
少し手が離れてもお互い目を離す事はなくって。
私達は終始笑顔のまま飽きるまで踊り続けたんだ。
「はぁ~楽しかった!レヴィンってああいうダンスも上手なんだね」
踊るのに満足し、少し休憩しようという事で二人してベンチに腰を下ろす。
「一応一国の王子だからな。ナマエも中々上手かったぞ」
「そうかな?えへへ…ありがとう」
まさかあんな自由に踊ったダンスを褒められるとは思ってなかった。
でもやっぱりそんな風に言われると嬉しい…
「…なあ、ナマエ。右手を出してくれないか」
「え?うん…」
私は言われた通りに右手を差し出す。
レヴィンはその手を取ると、薬指に何かをスッとはめ込んだ。
「これ…指輪…?」
そこには小さな緑の石が輝く指輪がはめられていた。
思わず瞬きを繰り返しながら、指輪から彼の顔に視線を移す。
「さっきあんたの見ていない間に屋台で買ったんだ」
「ずっと一緒にいたのに全然気付かなかったよ…」
一緒に屋台を巡っていたのに、いつの間に買っていたんだろう…
「これはまだ仮のものだが…今はこの指輪をナマエに贈っておく。いつかあんたをシレジアに迎えられたら…その時にちゃんとした指輪をまた贈ろう。次はちゃんと左手に…な」
「レヴィン…ありがとう。はい、いつまでも待ってます」
思わず左手を右手で包み込む。
彼がどんな気持ちでこの指輪を贈ってくれたのか…それを考えただけで胸がいっぱいになる。
私達はお互いに笑い合うと、遠くから聞こえるお祭りの音を感じながら静かに唇を重ねたのだった。
~end~
リクエストのレヴィン夢でした!
季節外れですが、愛の日のお話にしてみました。
レヴィンは久々だったので、彼の設定とか間違っていたらご指摘くださると幸いです(;_;)
お気に召しませんでしたら、遠慮なくお申し付けください。
この度は本当にありがとうございました!!
私は今、普段の特務機関の格好を脱ぎ捨てて、お洒落な民族ドレスのような服を身に纏っている。
そしてその姿を見つめるのは緑色の髪をした彼…レヴィン。
今日は大切な人に日頃の感謝や想いを伝える日である愛の日だ。
私は特務機関のみんなや英雄達に感謝を込めて手作りのお菓子を渡していたが、やはり恋人であるレヴィンだけは特別なわけで。
彼には他のみんなとはちょっと違ったお菓子を作って渡してみたら、彼は照れ臭そうにしながらも喜んで受け取ってくれた。
それからレヴィンのお願いでこの衣装を着て一緒に愛の日のお祭りに行こうと誘ってくれたのだ。
彼は満足そうに笑うと私に一歩近づいて来た。
「似合ってるじゃないか。さすが俺の選んだ女性だな」
「うっ嬉しいけど、恥ずかしいよ…」
真っ直ぐに目を見て言ってくれるものだから、思わず恥ずかしくなって顔を逸らす。
今度はやっぱりいつものように私が照れさせられてる…
「じゃあ、行くか。お手をどうぞ。お嬢さん」
「はい…」
差し出されたその手を取れば、私達は愛の日のお祭りへと足を運んで行った。
お城の外へ出てみれば、そこには愛の日のお祭りでとても賑わっていた。
沢山の可愛らしい屋台が並び、音楽隊による陽気な音楽が奏でられている。
中には好きな人に愛を告白するコーナーみたいなのもやっているみたい。
「今年も大賑わいだね」
「ああ、そうだな。俺も思わず一曲演奏したくなる」
「レヴィンが演奏したらたくさんの女性が集まって来そうだよね」
レヴィンは元の世界では王子の身分を隠して吟遊詩人として旅をしていたんだっけ。
前に何度か彼の演奏を聞かせてもらったけれど、彼の奏でる音色と詩は本当に美しいもので…
でもどこか切なくなるような…そんな雰囲気をしていた。
「つまり嫉妬するからやめてくれって事…だよな?」
「え…」
レヴィンは手を繋いだままグッと顔を私に寄せると、意地悪そうな笑みを浮かべる。
!無意識のうちにポロっと言っちゃった…
だけどそれは…彼の言う通り、嫉妬から来るものなんだろう。
「……うん、その通り…です」
私がそう素直に認めれば彼は目を見開いた。
そして首に手を当てながら顔を逸らしてしまう。
「なんだ、やけに素直じゃないか…」
「ふふ、なんだろう…愛の日のおかげ、かな?」
いつもからかわれてばかりだから、レヴィンをこんな風に照れさせるとちょっと嬉しい。
それから私達は色々な屋台を見て回った。
可愛い飴細工や愛の日限定の花束が売っていたりと、普段は見ることの出来ないものが見れてとても楽しい。
「あ、あそこで音楽隊の演奏がやってるみたい」
屋台を一通り見て回った後、ずっと会場を流れていた音楽を奏でている音楽隊の広場を見つけた。
広場にはその音楽に合わせて踊りを踊る人達が。
見ているだけでもワクワクしちゃうなぁ。
「行ってみるか?」
「え、いいの?」
「当たり前だろ。ほら、行くぞ」
変わらず手は繋いだままで、私達は音楽隊のいる広場まで歩いて行く。
「わあ、みんな楽しそう」
「生き生きとしているな」
広場で踊る人々はペアで踊る人やそうでない人がそれぞれとても楽しく踊っていた。
見ているとこっちまで自然と体が動いてしまいそう。
「あんた達も一緒に踊ったらどうだ?」
「え?」
「楽しいわよ~!」
広場の隅で様子を眺めていたら、踊っている人達にそう言われた。
すると突然グイッと手を引っ張られる。
レヴィンが私を広場の中に連れ出したのだ。
「せっかくなら踊っておくか。あんたも踊りたそうだったしな」
「ちょっ、レヴィン…!…ふふ。うん、そうだね!」
私達は手を取り合いながら陽気な音楽に合わせてステップを踏む。
お城で行われるようなちゃんとしたダンスじゃなくて、本当に自分のしたいように自由に踊るんだ。
「あはは!すっごく楽しいね!」
「たまにはこういうのもいいかもな!」
腕を組みながら踊ったり、時にはくるりと回ったり…
少し手が離れてもお互い目を離す事はなくって。
私達は終始笑顔のまま飽きるまで踊り続けたんだ。
「はぁ~楽しかった!レヴィンってああいうダンスも上手なんだね」
踊るのに満足し、少し休憩しようという事で二人してベンチに腰を下ろす。
「一応一国の王子だからな。ナマエも中々上手かったぞ」
「そうかな?えへへ…ありがとう」
まさかあんな自由に踊ったダンスを褒められるとは思ってなかった。
でもやっぱりそんな風に言われると嬉しい…
「…なあ、ナマエ。右手を出してくれないか」
「え?うん…」
私は言われた通りに右手を差し出す。
レヴィンはその手を取ると、薬指に何かをスッとはめ込んだ。
「これ…指輪…?」
そこには小さな緑の石が輝く指輪がはめられていた。
思わず瞬きを繰り返しながら、指輪から彼の顔に視線を移す。
「さっきあんたの見ていない間に屋台で買ったんだ」
「ずっと一緒にいたのに全然気付かなかったよ…」
一緒に屋台を巡っていたのに、いつの間に買っていたんだろう…
「これはまだ仮のものだが…今はこの指輪をナマエに贈っておく。いつかあんたをシレジアに迎えられたら…その時にちゃんとした指輪をまた贈ろう。次はちゃんと左手に…な」
「レヴィン…ありがとう。はい、いつまでも待ってます」
思わず左手を右手で包み込む。
彼がどんな気持ちでこの指輪を贈ってくれたのか…それを考えただけで胸がいっぱいになる。
私達はお互いに笑い合うと、遠くから聞こえるお祭りの音を感じながら静かに唇を重ねたのだった。
~end~
リクエストのレヴィン夢でした!
季節外れですが、愛の日のお話にしてみました。
レヴィンは久々だったので、彼の設定とか間違っていたらご指摘くださると幸いです(;_;)
お気に召しませんでしたら、遠慮なくお申し付けください。
この度は本当にありがとうございました!!
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