マイヒーロー
名前変換
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「お、ナマエー!」
少し離れたところから私の事を呼ぶ一つの声。
その声に私は少しドキッとした。
「カイン…今日は何の用?」
「用は特に無いんだが…ナマエが見えたから、声を掛けない訳にはいかないだろう?」
そう言って悪びれる様子などなく、彼はニッと笑ってみせた。
…この顔に弱いんだよなぁ、私……
「っ…なら、もういい?私これから用があるから」
「え…もう行っちゃうのか?」
「まだやる事が残ってるの。ごめんね、また今度お話ししよう」
私はそれだけ言うと足早にその場を去って行った。
「はあぁぁ……」
私はカインと別れてから、人気のない場所で一人盛大に溜息を吐いていた。
何で素直になれないかなぁ…私……
カインの声を聞いただけで胸が高鳴ったり、あの笑顔に弱いのは…私が彼を好きだから。
この世界でカインと出会ってから、心なしか彼は私にやたらと声を掛けてくれる。
決して仲が悪いわけではない。
ただ私がカインを前にすると、彼を好きだという想いが溢れてしまいそうになるから普段から素っ気ない態度を取ってしまっているだけなんだ。
このままじゃ嫌われちゃうかも…
最悪な未来を想像してまた溜息を吐いた時だった。
「カイン様、今日も訓練されるんですか?」
「私もご一緒させてください!」
「ずるい!カイン様あたしも是非!」
「おっ俺の訓練に付き合っても楽しくなんてないぞ?」
女性たちの黄色い声と共に聞こえてきたのは彼の戸惑っている声。
顔を上げると、中庭を移動しながら特務機関の女性たちに囲まれているカインの姿があった。
実はこの光景は珍しくはない。
女性たちの間ではカインにもファンクラブがある程人気で、こうして囲まれているところも今まで何度か見てきた。
…まあ、その事含めて素直になれないのもあるんだけども……
「カイン様の隣は私のものよ!」
「何言ってるの!?あたしのなんだから!」
「おっおい、喧嘩はするなよ…」
「!」
その時、一人の女性がカインの腕に抱き付いたのを見て私の中で何かが弾けた。
「カインは…誰にも渡さないんだからっ!!」
気付いた時には、私はそう叫んでカインの前に両腕を広げて立っていた。
「…ナマエ……?」
その場にいた全員が突然の事に呆然としている中、一番最初にカインが口を開いて私の名前を呼んだ事で我に返った。
「はっ…!あ……えと…これは、その……っ」
何も言い訳が思い浮かばなくて、私は顔を真っ赤にさせて俯いてしまった。
すると突然、自分の体がふわりとした感覚に襲われた。
「え…カっカイン!?」
どうやら私はカインに何故かその場で横抱きにされたらしい。
「悪いが、俺には彼女がいるんだ。お前達の気持ちはありがたいが…他の英雄をあたってくれ」
それだけ言うと彼は私を横抱きにしたままその場を踵を返して歩き出した。
ファンの女性達は相変わらずポカン状態…無論、私も……
「あの…カイン……?」
「ん?」
「怒ってないの…?」
私はまず最初に恐る恐るそう聞いてみた。
「何で怒るんだ?確かに驚いたりはしたが…やっとナマエの本当の気持ちを聞けたからな。それで十分だ!」
「え……カイン、私の気持ち知って…」
「それは…どうだろうな。少なくとも、俺は出会ってすぐにお前が好きだったぞ?」
そう言いながら私と額を合わせると、あの太陽のような笑顔を見せてくれた。
「っ…!ばか、大好き…!」
「ははは、俺もだ。ナマエ…」
~end~
初カイン夢でした!
FEでは恒例の赤緑コンビの赤だと、管理人はカインが一番好きかもしれません笑
二番目はケビンかな~…FEの赤緑コンビ大好きです笑
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