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※ライ視点
「クソっ、何でこんな事に…」
俺の目の前には愛おしい恋人…ナマエがいる。
手を伸ばせばすぐに触れられる距離だ。
だが…今はいつものように抱き締めようとしてもそれは叶わなかった。
「本当に触れないなんてな…」
「ラっライ…」
そう、言葉の通り俺はナマエに触れる事が出来なくなってしまった。
厳密に言えば触らせてもらえない…といった方がいいか…
「あの占い師…変な呪いかけてくれたな……」
事の発端は数分前…
俺とナマエは城下町に遊びに来ていた。
そこでフードを目深に被った占い師に呼び止められて、面白い呪いがあるからと半ば強制的に呪いをかけられたんだ。
そしたらこの有様…料金こそは取られなかったものの、それ以上に大問題が発生してしまった。
ナマエに触れようとすると、透明な壁が出来たかのように触れない。
逆に彼女から俺に触れる事も同じ結果になる。
「呪いを解いてもらおうにも、もう居場所が分からないもんな」
「まさか呪いをかけた瞬間に消えちゃうなんて…何がしたかったんだろう……」
ナマエもこれにはさすがに困ったような顔を浮かべている。
するとそこへ黒い女魔導師…サーリャが通りかかって俺達を見るなり不敵に笑った。
「貴方達…面白い呪いにかかっているわね」
「さすが、呪いに詳しいんだな。その様子じゃ解き方も知っているんじゃないか?」
サーリャは不敵な笑みを浮かべたまま首を横に振る。
「明確な解き方は分からないわ…けど、心当たりならあるわ」
「それは…?」
「それは……“愛”よ」
愛………?
俺達はポカンとしてお互い顔を合わせる。
「愛って…俺達は普段からずっと愛し合ってると思うぜ?」
「ラっライ…!」
顔を赤くするナマエに心の中でニヤついておく。
あークソ…本当は可愛すぎて今すぐ抱き締めてやりたいのに……
「ふふふ…もっと深い、真実の愛がきっとその呪いを解く鍵になるはずよ……」
サーリャはそれだけ言うとどこかへと去って行ってしまった。
「なんだったんだ…」
「さあ…?でも、ヒントをくれたような、そうでないような……」
愛…それに真実の愛、か……
毎日ナマエと愛し合っているが、それはまた違うという。
だとしても、他にどんな表現があるんだ…
しばらくうーんと唸っていると、城の方から音声拡張魔法を使ったアンナの声が俺達の耳に響いてきた。
「みんな、敵襲よ!応戦態勢に入ってちょうだい!!」
突然過ぎるその知らせに一気に緊張感が押し寄せる。
俺達は頷き合うと敵襲を受けている所へと向かって行った。
その場所に着くと、既に何人かの英雄達が各自応戦しているようだった。
突然の敵襲に今出れる英雄は少ないみたいだ。
そのため戦況はこちら側が少し苦戦しているように見える。
「思ったより数が多いな…ナマエ、指示を頼む!」
「分かった!」
俺はすぐさま化身をするとナマエからの指示で敵陣へと突っ込んでいく。
途中、アイクを見つけ彼の横に並んだ。
「よう、やってるか?」
「ライ。折角のデートに敵襲とはついてないな」
「本当だよ…ま、敵襲以前の問題だけどさ」
呪いの事を知らないアイクは当然だが不思議そうな顔をした。
この話は無事に呪いが解けたらしてやるとするか…
それからアイクと背中を預け合い、ナマエの指示通りに敵を倒していった。
「!ナマエの方が手薄になってるな…」
指示を出しているナマエの方に目を向けると、いつの間にか彼女の周りの守りが薄くなっている事に気付いた。
あれではいつ襲われてもおかしくない…
俺はナマエを守る為に彼女の元へ駆け付けようと走り出す。
だが、向かう途中でその事に気付いた敵の騎馬兵が背後からナマエに近付いていく。
俺はそれを阻止しようとスピードを速めるが、体が急に燃えるような感覚を覚えた。
炎魔法か…油断した…!
「っ!く……っ!」
俺の呻き声に気付いたのかナマエが俺に振り返る。
「ライ!!…!?きゃっ…!」
次の瞬間、迫っていた騎馬兵にナマエが抱えられて連れ去られてしまう。
「ナマエ…っ!!」
俺は化身が解けながらも何とか力を振り絞って走り出す。
「いやっ、ライ…っ!」
何とか騎馬兵に追いつくところまで来て彼女に手を伸ばす。
だが……
「!!」
「あ…!」
もう少しで触れそうなその手は見えない壁に弾き返されてしまう。
そうだ…今は呪いが……!
俺は諦めずに何度も何度もその手を掴もうと手を伸ばす。
やはりそれでもこの手が彼女の手を掴む事はない。
そうこうしている間に俺達の距離はどんどん伸びていく。
こんな、呪いなんかに…
負けてたまるかよ……!!
「ライ、ライ……っ!!」
「っ…!ナマエーっ!!」
パリィンッ
何かが割れるような音が響いた気がした。
次の瞬間、あれだけ触れなかったナマエに手が触れて掴む事が出来たのだ。
「!今だっ!」
その一瞬を逃さないように俺は一気に手を引くとナマエを抱き止めた。
「おのれ、化け猫が…!」
「戦場で余所見をするとはいい度胸だな」
ナマエを連れ去ろうとした騎馬兵がこちらに斧を振りかざそうとした時、横から素早くアイクがそいつを斬り裂いた。
彼の一撃に耐えられるはずもなく、敵はそのまま倒れて息絶える。
「ナマエ、平気か?」
「うっうん…ありがとう、ライ……」
ナマエの体に触れている手から彼女が震えているのが分かった。
怖かったろうな……
すぐに助けてやれなくて悪かった…
それからは応援に来てくれた英雄達のお陰で無事に敵兵達を退ける事に成功したのだった。
「ん、は…っ」
「んんぅ…!ラ、イ…っ」
戦闘後、俺はナマエを連れて真っ先に自室のベッドへと彼女を押し倒す。
そして今まで触れなかった分を取り戻すようにキスをする。
暫くの間キスを堪能した後、俺達はお互い目を合わせた。
「本当、一時はどうなるかと思ったぜ…」
「サーリャの言ってた真実の愛って、もしかしてさっきの……」
そう言い掛けて一人で顔を赤くさせるナマエに俺はもう一度軽くキスをする。
「俺は別にあの時だけじゃなくて、やっぱりどんな時だって真実の愛だと思ってるけどな?」
「!ばか…でも……そう、かも…」
「はは、だよな」
俺はナマエに触れられる幸せを噛み締めながら、気の済むまで二人の時間を楽しんだのだった。
~end~
リクエストのライ夢でした!
すみません、本当に思いつきのお話でバーっと書かせていただきました汗
めちゃくちゃベタなお話で申し訳ありません…
もしお気に召しませんでしたら遠慮なくお申し付けくださいm(_ _)m
では、この度は本当にありがとうございました!!
「クソっ、何でこんな事に…」
俺の目の前には愛おしい恋人…ナマエがいる。
手を伸ばせばすぐに触れられる距離だ。
だが…今はいつものように抱き締めようとしてもそれは叶わなかった。
「本当に触れないなんてな…」
「ラっライ…」
そう、言葉の通り俺はナマエに触れる事が出来なくなってしまった。
厳密に言えば触らせてもらえない…といった方がいいか…
「あの占い師…変な呪いかけてくれたな……」
事の発端は数分前…
俺とナマエは城下町に遊びに来ていた。
そこでフードを目深に被った占い師に呼び止められて、面白い呪いがあるからと半ば強制的に呪いをかけられたんだ。
そしたらこの有様…料金こそは取られなかったものの、それ以上に大問題が発生してしまった。
ナマエに触れようとすると、透明な壁が出来たかのように触れない。
逆に彼女から俺に触れる事も同じ結果になる。
「呪いを解いてもらおうにも、もう居場所が分からないもんな」
「まさか呪いをかけた瞬間に消えちゃうなんて…何がしたかったんだろう……」
ナマエもこれにはさすがに困ったような顔を浮かべている。
するとそこへ黒い女魔導師…サーリャが通りかかって俺達を見るなり不敵に笑った。
「貴方達…面白い呪いにかかっているわね」
「さすが、呪いに詳しいんだな。その様子じゃ解き方も知っているんじゃないか?」
サーリャは不敵な笑みを浮かべたまま首を横に振る。
「明確な解き方は分からないわ…けど、心当たりならあるわ」
「それは…?」
「それは……“愛”よ」
愛………?
俺達はポカンとしてお互い顔を合わせる。
「愛って…俺達は普段からずっと愛し合ってると思うぜ?」
「ラっライ…!」
顔を赤くするナマエに心の中でニヤついておく。
あークソ…本当は可愛すぎて今すぐ抱き締めてやりたいのに……
「ふふふ…もっと深い、真実の愛がきっとその呪いを解く鍵になるはずよ……」
サーリャはそれだけ言うとどこかへと去って行ってしまった。
「なんだったんだ…」
「さあ…?でも、ヒントをくれたような、そうでないような……」
愛…それに真実の愛、か……
毎日ナマエと愛し合っているが、それはまた違うという。
だとしても、他にどんな表現があるんだ…
しばらくうーんと唸っていると、城の方から音声拡張魔法を使ったアンナの声が俺達の耳に響いてきた。
「みんな、敵襲よ!応戦態勢に入ってちょうだい!!」
突然過ぎるその知らせに一気に緊張感が押し寄せる。
俺達は頷き合うと敵襲を受けている所へと向かって行った。
その場所に着くと、既に何人かの英雄達が各自応戦しているようだった。
突然の敵襲に今出れる英雄は少ないみたいだ。
そのため戦況はこちら側が少し苦戦しているように見える。
「思ったより数が多いな…ナマエ、指示を頼む!」
「分かった!」
俺はすぐさま化身をするとナマエからの指示で敵陣へと突っ込んでいく。
途中、アイクを見つけ彼の横に並んだ。
「よう、やってるか?」
「ライ。折角のデートに敵襲とはついてないな」
「本当だよ…ま、敵襲以前の問題だけどさ」
呪いの事を知らないアイクは当然だが不思議そうな顔をした。
この話は無事に呪いが解けたらしてやるとするか…
それからアイクと背中を預け合い、ナマエの指示通りに敵を倒していった。
「!ナマエの方が手薄になってるな…」
指示を出しているナマエの方に目を向けると、いつの間にか彼女の周りの守りが薄くなっている事に気付いた。
あれではいつ襲われてもおかしくない…
俺はナマエを守る為に彼女の元へ駆け付けようと走り出す。
だが、向かう途中でその事に気付いた敵の騎馬兵が背後からナマエに近付いていく。
俺はそれを阻止しようとスピードを速めるが、体が急に燃えるような感覚を覚えた。
炎魔法か…油断した…!
「っ!く……っ!」
俺の呻き声に気付いたのかナマエが俺に振り返る。
「ライ!!…!?きゃっ…!」
次の瞬間、迫っていた騎馬兵にナマエが抱えられて連れ去られてしまう。
「ナマエ…っ!!」
俺は化身が解けながらも何とか力を振り絞って走り出す。
「いやっ、ライ…っ!」
何とか騎馬兵に追いつくところまで来て彼女に手を伸ばす。
だが……
「!!」
「あ…!」
もう少しで触れそうなその手は見えない壁に弾き返されてしまう。
そうだ…今は呪いが……!
俺は諦めずに何度も何度もその手を掴もうと手を伸ばす。
やはりそれでもこの手が彼女の手を掴む事はない。
そうこうしている間に俺達の距離はどんどん伸びていく。
こんな、呪いなんかに…
負けてたまるかよ……!!
「ライ、ライ……っ!!」
「っ…!ナマエーっ!!」
パリィンッ
何かが割れるような音が響いた気がした。
次の瞬間、あれだけ触れなかったナマエに手が触れて掴む事が出来たのだ。
「!今だっ!」
その一瞬を逃さないように俺は一気に手を引くとナマエを抱き止めた。
「おのれ、化け猫が…!」
「戦場で余所見をするとはいい度胸だな」
ナマエを連れ去ろうとした騎馬兵がこちらに斧を振りかざそうとした時、横から素早くアイクがそいつを斬り裂いた。
彼の一撃に耐えられるはずもなく、敵はそのまま倒れて息絶える。
「ナマエ、平気か?」
「うっうん…ありがとう、ライ……」
ナマエの体に触れている手から彼女が震えているのが分かった。
怖かったろうな……
すぐに助けてやれなくて悪かった…
それからは応援に来てくれた英雄達のお陰で無事に敵兵達を退ける事に成功したのだった。
「ん、は…っ」
「んんぅ…!ラ、イ…っ」
戦闘後、俺はナマエを連れて真っ先に自室のベッドへと彼女を押し倒す。
そして今まで触れなかった分を取り戻すようにキスをする。
暫くの間キスを堪能した後、俺達はお互い目を合わせた。
「本当、一時はどうなるかと思ったぜ…」
「サーリャの言ってた真実の愛って、もしかしてさっきの……」
そう言い掛けて一人で顔を赤くさせるナマエに俺はもう一度軽くキスをする。
「俺は別にあの時だけじゃなくて、やっぱりどんな時だって真実の愛だと思ってるけどな?」
「!ばか…でも……そう、かも…」
「はは、だよな」
俺はナマエに触れられる幸せを噛み締めながら、気の済むまで二人の時間を楽しんだのだった。
~end~
リクエストのライ夢でした!
すみません、本当に思いつきのお話でバーっと書かせていただきました汗
めちゃくちゃベタなお話で申し訳ありません…
もしお気に召しませんでしたら遠慮なくお申し付けくださいm(_ _)m
では、この度は本当にありがとうございました!!
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