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※アルフォンス視点
「ん……」
朝、いつものように目が覚めた。
まだ少しだけ眠い目を擦りながらベッドから上半身を起こす。
そして自然と隣に目を向ける。
「…あれ?」
いつもなら隣で眠っているはずの彼女…ナマエの姿がない。
いる事が前提で目を向けたため、この事態に一瞬思考が停止する。
ナマエは一体どこに……
そう思った時、僕はナマエが眠っていたはずの場所が少し盛り上がっている事に気が付いた。
恐る恐る掛け布団をめくってみると…
「すぅー…すぅー……」
そこには小さな女の子が寝息を立てて眠っていたのだ。
この子は…?
どうしてナマエのいた場所にいるんだ…?
そもそもどうやってここに……
僕は様々な疑問の中、ある事に気が付いた。
「この子、よく見たらナマエそっくりだな……」
そう、この女の子がナマエにとても似ているのだ。
髪型や髪の色が一緒だし、顔立ちもよく似ている…仮にこの子がナマエだと言われても信じてしまうくらい。
「……まさかね…」
何を考えているのだと苦笑いを浮かべれば、その直後に女の子がゆっくりと動いた。
「んんぅ…ふあ~ぁ……」
体を起こして伸びをする彼女と目が合うと、僕達はしばらく黙ったまま見つめ合う。
彼女は数回寝ぼけ眼で瞬きを繰り返すと首をかしげた。
「…おにーたん、だぁれ?」
僕は体に雷が落ちた気がした。
声は少しだけ高くなっているけど、声も目の色もナマエに共通している。
まっまさか、この女の子は本当に…
「君はナマエ…なのかい……?」
「あい!」
僕が恐る恐る尋ねると彼女は太陽のような笑みで返事をしてくれた。
そのあまりの可愛らしさに思わず自分の胸のあたりをギュッと掴んでしまう。
間違いない…ここまで同じところが出てくれば、この子はナマエなんだ。
「でも、一体どうして…」
寝る前はいつものナマエのままだった。
それが今朝になって幼くなってしまうなんて…
いくら考えても思い当たる事は何もない。
僕が一人でうーんと悩んでいると、服の裾を引っ張られる感覚が。
「ん…?」
「おにーたん…うぅ……」
ナマエは目を逸らしながら恥ずかしそうにもじもじとしている。
これって…もしかして……!
僕は慌てて彼女を抱き上げると部屋を飛び出した。
そして城の中を探す事一分程…
「あっ、シャロン!いいところに…!」
僕はシャロンを見つけると彼女の元へ一目散に駆けていく。
「お兄様?どうしたんですか、そんなに慌てて…」
「突然で悪いんだけど、この子をトイレに連れて行ってあげてくれないか…!?」
「え?お手洗いに?えっと、この子は……」
「事情は後で話すから!」
僕がそう言うと、シャロンは困惑しながらもナマエを引き受けると急いでトイレに連れて行ってくれた。
何とか間に合ったみたいだ…
ナマエが恋人といえど、今は幼い彼女を僕がトイレに連れて行くのはかなり気が引けるからな……
それからその場で待つ事数分。
「お兄様ー戻りましたよー!」
ナマエを抱き上げたシャロンが戻ってきた。
「シャロン…急だったのにありがとう」
「いえ、いいんです。それにしてもこの女の子…何だかナマエさんにそっくりですね。はっ!もしかしてお兄様とナマエさんの…!」
目をキラキラさせて僕を見る彼女に僕は慌てて否定する。
「ちっ違う違う…!実は……」
僕が事情を話すとシャロンはとても驚いた反応を見せた。
「えぇぇ!?この子がナマエさんだなんて…本当なんですか、お兄様?」
「うん…恐らくね。僕も信じられないけど、そうじゃないとナマエはどこにいるんだってなるし……」
「それもそうですね…」
「あら?アルフォンスにシャロンじゃない」
「お二人でどうかされましたか?」
するとそこへアンナ隊長とフィヨルム王女もやってきた。
これはまた説明が大変そうだな……
僕はシャロンの時と同じようにナマエの事を話すと、案の定アンナ隊長達もひどく驚いていた。
「ナマエが幼くなるなんて、不思議な事もあるものね~…」
「アンナ隊長、また何か間違えて薬を渡したりしたんじゃないんですか?」
「しっ失礼ね!そんな事ないわよ!…?また…?」
「…よく分かりませんが、原因は不明という事ですね」
その場で全員がうーんと頭を悩ませる。
そんな中、ナマエが僕の裾を再び引っ張った。
「どうしたんだい?」
「おにーたん…この人たち、だぁれ…?」
不安そうに左手で口元を押さえながらシャロン達を見上げるナマエ。
僕はたまらず彼女を抱き上げる。
「ああ、ごめんね…少し怖がらせちゃったかな」
「え、もしかして記憶もないの?」
「そうみたいです…」
ナマエを抱き上げると彼女はぎゅっと僕の首にしがみつく。
不謹慎かもしれないけど、すごく可愛いな……
「それは何だか寂しいですけど…改めて自己紹介した方がいいですよね。ナマエさーん!私、シャロンです!」
「しゃろ…ねーたん?」
「~!可愛い~っ!!」
首を傾げて聞くナマエにその場にいた全員が悶えた。
「こっ今度は私が…!ナマエさん、私はフィヨルムです。分かりますか?」
「ふぃよ…るむ……ねぇ…?」
フィヨルム王女に至ってはその可愛さからかフラリと体のバランスを崩しかけた。
すかさずシャロンが支えてくれたけど…
「貴女達だけでずるいわよ!私はアンナ、アンナお姉さんって呼んでみて!」
「あんな、おねーたん…?」
…女性陣は小さなナマエに完全に虜になっているみたいだ。
普段も可愛いけれど、これはこれでまた違う可愛さがある。
というか、この感じ…何だか懐かしいような気もするな……
…あ…そうだ………
「そういえば、シャロンも小さい頃はこんな感じだったんだよ」
「え?私がですか?」
シャロンがナマエから僕へと視線を移す。
「うん。あの頃はお兄様お兄様って、いつも僕の後を追いかけていて…」
「それって今でもあんまり変わらないんじゃない?」
「ふふ、成長されても仲が良いのは素晴らしい事ですね」
フィヨルム王女にそう言われて少し照れ臭くなってしまう。
僕らが幼い頃はこんな感じだったけれど…
小さいナマエを見ていると、今だからこそ思う事もある。
「僕とナマエに子供ができたら…こんな風に育ってくれるのかな……」
無意識の内にそんな事が出た事に気付いた時にはもう遅い。
シャロン達が僕の顔を笑顔で見つめていたのだ。
「!ちがっ…今のはそんなんじゃ…!」
「お兄様がナマエさんとの将来をちゃんと考えてくれてるみたいで嬉しいです!」
「うんうん、素直でよろしい!」
「お二人にお子さんが生まれたら、是非ニフルにもご家族でいらしてくださいね!」
勝手に話が進んでいきもう僕が口を挟む余地はない。
まあ…これはこれでいいのかもしれないな。
そう思ったのは事実だし、僕らがもう少し大人になったら、いずれは…
僕はいつの間か腕の中で寝息を立てる愛おしい少女を見つめながら、いつかくる未来へと想いを馳せるのだった。
~end~
リクエストのアルフォンス夢でした!
夢主小さくなっちゃったシリーズ第二弾ですが、アンナさんがまた…?と言ったのは第一弾(変わらぬ恋心/エルトシャン夢)をご覧になっていただけたらお分かりになるかと思います。
夢主が小さくなった理由は皆さんのご想像にお任せしますね…笑
ちゃんとご希望通りに書けていますでしょうか…?
もしお気に召しませんでしたら、遠慮なくお申し付けください(>_<)
では、この度は本当にありがとうございました!!
「ん……」
朝、いつものように目が覚めた。
まだ少しだけ眠い目を擦りながらベッドから上半身を起こす。
そして自然と隣に目を向ける。
「…あれ?」
いつもなら隣で眠っているはずの彼女…ナマエの姿がない。
いる事が前提で目を向けたため、この事態に一瞬思考が停止する。
ナマエは一体どこに……
そう思った時、僕はナマエが眠っていたはずの場所が少し盛り上がっている事に気が付いた。
恐る恐る掛け布団をめくってみると…
「すぅー…すぅー……」
そこには小さな女の子が寝息を立てて眠っていたのだ。
この子は…?
どうしてナマエのいた場所にいるんだ…?
そもそもどうやってここに……
僕は様々な疑問の中、ある事に気が付いた。
「この子、よく見たらナマエそっくりだな……」
そう、この女の子がナマエにとても似ているのだ。
髪型や髪の色が一緒だし、顔立ちもよく似ている…仮にこの子がナマエだと言われても信じてしまうくらい。
「……まさかね…」
何を考えているのだと苦笑いを浮かべれば、その直後に女の子がゆっくりと動いた。
「んんぅ…ふあ~ぁ……」
体を起こして伸びをする彼女と目が合うと、僕達はしばらく黙ったまま見つめ合う。
彼女は数回寝ぼけ眼で瞬きを繰り返すと首をかしげた。
「…おにーたん、だぁれ?」
僕は体に雷が落ちた気がした。
声は少しだけ高くなっているけど、声も目の色もナマエに共通している。
まっまさか、この女の子は本当に…
「君はナマエ…なのかい……?」
「あい!」
僕が恐る恐る尋ねると彼女は太陽のような笑みで返事をしてくれた。
そのあまりの可愛らしさに思わず自分の胸のあたりをギュッと掴んでしまう。
間違いない…ここまで同じところが出てくれば、この子はナマエなんだ。
「でも、一体どうして…」
寝る前はいつものナマエのままだった。
それが今朝になって幼くなってしまうなんて…
いくら考えても思い当たる事は何もない。
僕が一人でうーんと悩んでいると、服の裾を引っ張られる感覚が。
「ん…?」
「おにーたん…うぅ……」
ナマエは目を逸らしながら恥ずかしそうにもじもじとしている。
これって…もしかして……!
僕は慌てて彼女を抱き上げると部屋を飛び出した。
そして城の中を探す事一分程…
「あっ、シャロン!いいところに…!」
僕はシャロンを見つけると彼女の元へ一目散に駆けていく。
「お兄様?どうしたんですか、そんなに慌てて…」
「突然で悪いんだけど、この子をトイレに連れて行ってあげてくれないか…!?」
「え?お手洗いに?えっと、この子は……」
「事情は後で話すから!」
僕がそう言うと、シャロンは困惑しながらもナマエを引き受けると急いでトイレに連れて行ってくれた。
何とか間に合ったみたいだ…
ナマエが恋人といえど、今は幼い彼女を僕がトイレに連れて行くのはかなり気が引けるからな……
それからその場で待つ事数分。
「お兄様ー戻りましたよー!」
ナマエを抱き上げたシャロンが戻ってきた。
「シャロン…急だったのにありがとう」
「いえ、いいんです。それにしてもこの女の子…何だかナマエさんにそっくりですね。はっ!もしかしてお兄様とナマエさんの…!」
目をキラキラさせて僕を見る彼女に僕は慌てて否定する。
「ちっ違う違う…!実は……」
僕が事情を話すとシャロンはとても驚いた反応を見せた。
「えぇぇ!?この子がナマエさんだなんて…本当なんですか、お兄様?」
「うん…恐らくね。僕も信じられないけど、そうじゃないとナマエはどこにいるんだってなるし……」
「それもそうですね…」
「あら?アルフォンスにシャロンじゃない」
「お二人でどうかされましたか?」
するとそこへアンナ隊長とフィヨルム王女もやってきた。
これはまた説明が大変そうだな……
僕はシャロンの時と同じようにナマエの事を話すと、案の定アンナ隊長達もひどく驚いていた。
「ナマエが幼くなるなんて、不思議な事もあるものね~…」
「アンナ隊長、また何か間違えて薬を渡したりしたんじゃないんですか?」
「しっ失礼ね!そんな事ないわよ!…?また…?」
「…よく分かりませんが、原因は不明という事ですね」
その場で全員がうーんと頭を悩ませる。
そんな中、ナマエが僕の裾を再び引っ張った。
「どうしたんだい?」
「おにーたん…この人たち、だぁれ…?」
不安そうに左手で口元を押さえながらシャロン達を見上げるナマエ。
僕はたまらず彼女を抱き上げる。
「ああ、ごめんね…少し怖がらせちゃったかな」
「え、もしかして記憶もないの?」
「そうみたいです…」
ナマエを抱き上げると彼女はぎゅっと僕の首にしがみつく。
不謹慎かもしれないけど、すごく可愛いな……
「それは何だか寂しいですけど…改めて自己紹介した方がいいですよね。ナマエさーん!私、シャロンです!」
「しゃろ…ねーたん?」
「~!可愛い~っ!!」
首を傾げて聞くナマエにその場にいた全員が悶えた。
「こっ今度は私が…!ナマエさん、私はフィヨルムです。分かりますか?」
「ふぃよ…るむ……ねぇ…?」
フィヨルム王女に至ってはその可愛さからかフラリと体のバランスを崩しかけた。
すかさずシャロンが支えてくれたけど…
「貴女達だけでずるいわよ!私はアンナ、アンナお姉さんって呼んでみて!」
「あんな、おねーたん…?」
…女性陣は小さなナマエに完全に虜になっているみたいだ。
普段も可愛いけれど、これはこれでまた違う可愛さがある。
というか、この感じ…何だか懐かしいような気もするな……
…あ…そうだ………
「そういえば、シャロンも小さい頃はこんな感じだったんだよ」
「え?私がですか?」
シャロンがナマエから僕へと視線を移す。
「うん。あの頃はお兄様お兄様って、いつも僕の後を追いかけていて…」
「それって今でもあんまり変わらないんじゃない?」
「ふふ、成長されても仲が良いのは素晴らしい事ですね」
フィヨルム王女にそう言われて少し照れ臭くなってしまう。
僕らが幼い頃はこんな感じだったけれど…
小さいナマエを見ていると、今だからこそ思う事もある。
「僕とナマエに子供ができたら…こんな風に育ってくれるのかな……」
無意識の内にそんな事が出た事に気付いた時にはもう遅い。
シャロン達が僕の顔を笑顔で見つめていたのだ。
「!ちがっ…今のはそんなんじゃ…!」
「お兄様がナマエさんとの将来をちゃんと考えてくれてるみたいで嬉しいです!」
「うんうん、素直でよろしい!」
「お二人にお子さんが生まれたら、是非ニフルにもご家族でいらしてくださいね!」
勝手に話が進んでいきもう僕が口を挟む余地はない。
まあ…これはこれでいいのかもしれないな。
そう思ったのは事実だし、僕らがもう少し大人になったら、いずれは…
僕はいつの間か腕の中で寝息を立てる愛おしい少女を見つめながら、いつかくる未来へと想いを馳せるのだった。
~end~
リクエストのアルフォンス夢でした!
夢主小さくなっちゃったシリーズ第二弾ですが、アンナさんがまた…?と言ったのは第一弾(変わらぬ恋心/エルトシャン夢)をご覧になっていただけたらお分かりになるかと思います。
夢主が小さくなった理由は皆さんのご想像にお任せしますね…笑
ちゃんとご希望通りに書けていますでしょうか…?
もしお気に召しませんでしたら、遠慮なくお申し付けください(>_<)
では、この度は本当にありがとうございました!!
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