マイヒーロー
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「よっ、お疲れさん」
夕食の時間に食堂で席に着いた時、私の向かいに座ったのはクロードだった。
「クロード。お疲れ様」
「今日の晩飯は…シチューだっけか?」
「うん、そうみたい」
私達は他愛のない会話をいくつか交わす。
その時、ふと向こう側の席に目がいった。
「本当にべレス先生は人気者だね」
「え?ああ…賑わってるみたいだな」
クロードを含む士官学校の生徒達に囲まれているべレス先生には素直に尊敬する。
戦闘もそつなくこなせて教師としての役割も果たせていて…おまけに美人だ。
私なんかとは正反対…
「クロードは?ベレス先生のところに行かなくていいの?」
「俺が?何で?」
「だって…貴方の先生だし、仲も良いじゃない。私と食べるよりも良いと思うよ…?」
私がそう言うと彼は腕を組んで何かを考える素振りを見せた。
「ふぅん…お前は俺が先生と居た方が良いと、そう思っているのか」
「クロード…?」
「ま、お前がどう思ってくれても構わんが、俺はここにいるぞ。お前の向かいにこうして座れたのも奇跡だからな」
そう言うクロードは言葉通りに席を動こうとはしない。
私はその事に内心ちょっとだけ驚いたが、嬉しくも思っていた。
「奇跡だなんて、そんな大袈裟な…」
「いいや、大袈裟なんかじゃないね。普段からナマエの周りの席は誰かで埋まってるじゃないか。今日は早めに来て正解だったぜ…」
「…クロード、もしかして私と食べるために早く来てくれたの?」
少しドキドキしながら聞いてみると、彼はフッと笑みを浮かべながら口を開く。
「ああ、そうさ。もし嫌だったら大人しく先生の所にでも移るが」
「いっ嫌じゃない…です…!」
席を立とうとするクロードの腕を思わず勢いで掴んでしまった。
私は我に帰ると手を離そうとしたが、その手を逆に彼から掴まれる。
「あ…え、と…クロード……?」
「俺もお前と離れたくない…そう言ったらどうする?」
相変わらず口元に笑みを浮かべている彼に、私の顔は一気に熱くなっていく。
やっぱり…クロードの考える事は理解出来ない……
「…なーんてな。本当に面白い反応するよな、ナマエって」
「!かっからかったのね…!」
こんな調子で私達は食事を楽しんだ。
この食事の時間だけで何回からかわれた事か…
私、完璧にクロードのおもちゃにされてる気がする……
「ふぅ、食った食った~。今日の晩飯も美味かったな」
「ご馳走様。うん、さすがお城の料理って感じがするよ」
クロードは満足げにお腹をさすっている。
「じゃあ、そろそろ行く…」
「ちょっと待った。少しだけ俺に時間をくれないか?…話がある」
突然真剣な表情で言われてドキッとした。
私は断る訳にもいかず頷いて了承した。
話があると連れて来られたのはバルコニー。
クロードは手すりにもたれ掛かり夜空を見上げている。
「今日は星が綺麗だな。お前も見てみろよ」
「本当…綺麗……」
彼の隣に立つと私も夜空を見上げた。
そこには星がいくつも輝いていてとても幻想的な雰囲気を醸し出していた。
「…ナマエはさ、貴族は嫌いか?」
「え?」
唐突な質問に思わず彼の顔を見る。
「貴族ってのは嫌われがちだろう?俺だってその貴族の一人だ。ナマエはどう思ってるのか気になってさ…」
私はその質問にあまり考える事もなく返事を返す。
「確かに、貴族って聞くとあまり良いイメージは湧かないかな…でも、クロードや他の英雄達みたいな人は好きだよ。嫌いなのは高慢で自分の事しか考えていない貴族ってだけで…」
「……そっか。それを聞けて安心したよ」
私の答えにクロードはどこか嬉しそうに笑う。
「でも、どうしてそんな事聞くの?」
「…知りたいか?」
「うっうん…」
彼は一つ深呼吸をすると、再び夜空へと視線を移す。
「もしお前が貴族が嫌いだったら、俺は危うくその貴族を辞めちまうところだったからな」
予想外の答えに驚きを隠せない。
「え…どういう事?」
「だって、貴族が嫌いならお前に俺を好きになってもらえないだろう?」
好きになって…もらえない……?
一瞬、頭の中が混乱した。
「ええと、心配しなくても私はもうクロードの事好きに…」
「お前の言う仲間としての好きじゃない。異性として、だ」
「!!」
どこか期待していた方を言われて息が詰まりそうになる。
いや…待てよ、クロードの事だからまたからかっているのかも…
「クロード…からかうのも良い加減に…」
「からかってなんかないさ。確かに今までお前の反応を楽しんだりしていたが、こればかりは違う。本当に好きな奴にこんな事嘘で言えるかよ」
彼の表情は変わらず真剣なまま。
それに気付いた私の心臓はドクリと大きく脈打った。
すぐにでも自分の想いも伝えたい…けど、ここは一つ試してみる事にしよう…
「…なら、態度で示して欲しい…」
「おおっとそう来たか。態度、ねぇ……」
私の言葉にクロードは顎に手を当てて考えているみたいだ。
そして少ししたらニヤっと笑って私を見る。
「ナマエ」
「え……」
名前を呼ばれた次の瞬間、私の体は彼の腕の中に。
何が起こったのか整理が付かず頭が真っ白になりかけた。
「こっこれは…一体……!?」
「ははっ、態度で示せって言ったのはそっちだろ?何を慌てふためいてんだか」
「うっ…それはそうだけど…」
すると少し体を離され額同士をくっつけてくる。
彼の息が顔に掛かり胸の高鳴りが加速していく。
「ほら…目、閉じろよ」
「………」
言われた通りにゆっくりと目を閉じた。
そして彼の顔が少しずつ近付くのを感じた、次の瞬間…
「………へ?」
柔らかい感触を感じたのは唇ではなくほっぺただった。
「あっははは!誰も口にするとは言ってないぜ?」
「なっ…!クロードの馬鹿!!」
私はドキドキ感を返せと言わんばかりに彼の胸元をポカポカと殴る。
「ふんっ、やっぱりからかってる__」
私が言い終わるよりも、唇が柔らかいものに塞がれるのが早かった。
何をされたのかは…さっき期待したばかりの事。
そしてゆっくりと顔を離されると、優しい表情のクロードが私を見つめていた。
「俺が一番したかった事、しない訳ないだろ?」
「…!!」
私はどこまでもクロードには敵わない…そう確信した瞬間だった。
~end~
リクエストのクロード夢でした!
彼はどちらかというと5年後の姿の方が好みですね。
あのイケおじ感がたまらんってなります笑
もしお気に召しませんでしたら、遠慮なくお申し付けください。
この度は本当にありがとうございました!!
夕食の時間に食堂で席に着いた時、私の向かいに座ったのはクロードだった。
「クロード。お疲れ様」
「今日の晩飯は…シチューだっけか?」
「うん、そうみたい」
私達は他愛のない会話をいくつか交わす。
その時、ふと向こう側の席に目がいった。
「本当にべレス先生は人気者だね」
「え?ああ…賑わってるみたいだな」
クロードを含む士官学校の生徒達に囲まれているべレス先生には素直に尊敬する。
戦闘もそつなくこなせて教師としての役割も果たせていて…おまけに美人だ。
私なんかとは正反対…
「クロードは?ベレス先生のところに行かなくていいの?」
「俺が?何で?」
「だって…貴方の先生だし、仲も良いじゃない。私と食べるよりも良いと思うよ…?」
私がそう言うと彼は腕を組んで何かを考える素振りを見せた。
「ふぅん…お前は俺が先生と居た方が良いと、そう思っているのか」
「クロード…?」
「ま、お前がどう思ってくれても構わんが、俺はここにいるぞ。お前の向かいにこうして座れたのも奇跡だからな」
そう言うクロードは言葉通りに席を動こうとはしない。
私はその事に内心ちょっとだけ驚いたが、嬉しくも思っていた。
「奇跡だなんて、そんな大袈裟な…」
「いいや、大袈裟なんかじゃないね。普段からナマエの周りの席は誰かで埋まってるじゃないか。今日は早めに来て正解だったぜ…」
「…クロード、もしかして私と食べるために早く来てくれたの?」
少しドキドキしながら聞いてみると、彼はフッと笑みを浮かべながら口を開く。
「ああ、そうさ。もし嫌だったら大人しく先生の所にでも移るが」
「いっ嫌じゃない…です…!」
席を立とうとするクロードの腕を思わず勢いで掴んでしまった。
私は我に帰ると手を離そうとしたが、その手を逆に彼から掴まれる。
「あ…え、と…クロード……?」
「俺もお前と離れたくない…そう言ったらどうする?」
相変わらず口元に笑みを浮かべている彼に、私の顔は一気に熱くなっていく。
やっぱり…クロードの考える事は理解出来ない……
「…なーんてな。本当に面白い反応するよな、ナマエって」
「!かっからかったのね…!」
こんな調子で私達は食事を楽しんだ。
この食事の時間だけで何回からかわれた事か…
私、完璧にクロードのおもちゃにされてる気がする……
「ふぅ、食った食った~。今日の晩飯も美味かったな」
「ご馳走様。うん、さすがお城の料理って感じがするよ」
クロードは満足げにお腹をさすっている。
「じゃあ、そろそろ行く…」
「ちょっと待った。少しだけ俺に時間をくれないか?…話がある」
突然真剣な表情で言われてドキッとした。
私は断る訳にもいかず頷いて了承した。
話があると連れて来られたのはバルコニー。
クロードは手すりにもたれ掛かり夜空を見上げている。
「今日は星が綺麗だな。お前も見てみろよ」
「本当…綺麗……」
彼の隣に立つと私も夜空を見上げた。
そこには星がいくつも輝いていてとても幻想的な雰囲気を醸し出していた。
「…ナマエはさ、貴族は嫌いか?」
「え?」
唐突な質問に思わず彼の顔を見る。
「貴族ってのは嫌われがちだろう?俺だってその貴族の一人だ。ナマエはどう思ってるのか気になってさ…」
私はその質問にあまり考える事もなく返事を返す。
「確かに、貴族って聞くとあまり良いイメージは湧かないかな…でも、クロードや他の英雄達みたいな人は好きだよ。嫌いなのは高慢で自分の事しか考えていない貴族ってだけで…」
「……そっか。それを聞けて安心したよ」
私の答えにクロードはどこか嬉しそうに笑う。
「でも、どうしてそんな事聞くの?」
「…知りたいか?」
「うっうん…」
彼は一つ深呼吸をすると、再び夜空へと視線を移す。
「もしお前が貴族が嫌いだったら、俺は危うくその貴族を辞めちまうところだったからな」
予想外の答えに驚きを隠せない。
「え…どういう事?」
「だって、貴族が嫌いならお前に俺を好きになってもらえないだろう?」
好きになって…もらえない……?
一瞬、頭の中が混乱した。
「ええと、心配しなくても私はもうクロードの事好きに…」
「お前の言う仲間としての好きじゃない。異性として、だ」
「!!」
どこか期待していた方を言われて息が詰まりそうになる。
いや…待てよ、クロードの事だからまたからかっているのかも…
「クロード…からかうのも良い加減に…」
「からかってなんかないさ。確かに今までお前の反応を楽しんだりしていたが、こればかりは違う。本当に好きな奴にこんな事嘘で言えるかよ」
彼の表情は変わらず真剣なまま。
それに気付いた私の心臓はドクリと大きく脈打った。
すぐにでも自分の想いも伝えたい…けど、ここは一つ試してみる事にしよう…
「…なら、態度で示して欲しい…」
「おおっとそう来たか。態度、ねぇ……」
私の言葉にクロードは顎に手を当てて考えているみたいだ。
そして少ししたらニヤっと笑って私を見る。
「ナマエ」
「え……」
名前を呼ばれた次の瞬間、私の体は彼の腕の中に。
何が起こったのか整理が付かず頭が真っ白になりかけた。
「こっこれは…一体……!?」
「ははっ、態度で示せって言ったのはそっちだろ?何を慌てふためいてんだか」
「うっ…それはそうだけど…」
すると少し体を離され額同士をくっつけてくる。
彼の息が顔に掛かり胸の高鳴りが加速していく。
「ほら…目、閉じろよ」
「………」
言われた通りにゆっくりと目を閉じた。
そして彼の顔が少しずつ近付くのを感じた、次の瞬間…
「………へ?」
柔らかい感触を感じたのは唇ではなくほっぺただった。
「あっははは!誰も口にするとは言ってないぜ?」
「なっ…!クロードの馬鹿!!」
私はドキドキ感を返せと言わんばかりに彼の胸元をポカポカと殴る。
「ふんっ、やっぱりからかってる__」
私が言い終わるよりも、唇が柔らかいものに塞がれるのが早かった。
何をされたのかは…さっき期待したばかりの事。
そしてゆっくりと顔を離されると、優しい表情のクロードが私を見つめていた。
「俺が一番したかった事、しない訳ないだろ?」
「…!!」
私はどこまでもクロードには敵わない…そう確信した瞬間だった。
~end~
リクエストのクロード夢でした!
彼はどちらかというと5年後の姿の方が好みですね。
あのイケおじ感がたまらんってなります笑
もしお気に召しませんでしたら、遠慮なくお申し付けください。
この度は本当にありがとうございました!!
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