マイヒーロー
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「…あ、いたいた。サイアス」
私は資料室に足を運び、探していた人物を見つけると彼を呼んだ。
私の呼び掛けで本に目を落としていた彼…サイアスはこちらに目を向けた。
「ナマエ。どうしましたか」
「うん、ちょっと…今大丈夫だった?」
「はい、大丈夫ですよ」
「そっか。じゃあ、ちょっと付いてきて」
私はサイアスの手を取るとそのままお城の外へ出て行った。
「ナマエ?一体何処に…」
「もう少しだから………!着いたよ!」
目の前の光景にサイアスは少し目を見開いて感嘆の声を漏らした。
「これは……」
「サイアスに見て欲しかったんだ」
私が彼を連れてきたかった場所…そこは辺り一面に白い花々が広がるお花畑だった。
「この前、水浴びに行く途中偶然ここを見つけたの」
「そうだったのですか…けど、どうして私に?」
「…サイアス、最近思い詰めてる顔してたから」
私がそう言うと、心当たりがあったのか彼は一瞬どきりとした表情になった。
「私じゃ頼りないかもしれないけど、サイアスの事は本当に心から支えたいって思ってる。…たとえ何も話せなくても、少しでも貴方の心を癒せたらと思って……」
「ナマエ……」
私がそう言うと、彼は少し黙ってから私の手を引いて歩き出した。
「サイアス?」
「もう少し…近くでこの景色を見てみたいです」
私達は歩いて花畑の中心辺りまで来た。
「…良い香りですね」
「ね。このお花、アスクでしか咲かないんだって」
このお花は日本で言うシロツメクサに近いものだった。
「あ、そうだ!」
「?ナマエ?」
私はサイアスに背を向けると、シロツメクサを手に作業をし始めた。
「少しだけ待ってて!こっち来たらダメだよ」
「はぁ…」
あまり彼を待たせないためにも、手早くそれを作っていく。
「出来たぁ!」
私は完成したものを後ろに隠しながらサイアスに近付いた。
「何か作っていたのですか?」
「まあね。はい、これ!」
少し背伸びをして彼の頭に乗せたのは…
「…花かんむり……?」
「えへへ…あんまり上手くないかもしれないけど…」
最初こそ突然な事に呆然としていた様子だったけど、次の瞬間には笑って受け入れてくれた。
「私に送っても、せっかくの花かんむりが映えませんよ?」
「そんなことないよ!私がサイアスにあげたかったんだからいいの!」
サイアスはフッと笑った後、真剣な顔になり少し俯きながらぽつりと話し始めた。
「以前、私の素性をお話しする事は出来ないと申しましたが…私は生まれ持ったこの血で、平穏とは言えない生活をしてきました。そして私はある教団から命を狙われて、そんな私を守ろうとしてくれた母は…亡くなりました」
「………」
私はただ静かに彼の言葉を聞いていた。
「母が亡くなった後も教団から逃れる生活が続き…私は宮廷司祭になりました。それまでに至るには決して楽な道のりではなく、かなりの時間が掛かってしまいましたが…それに私が過ごしてきた時の中で誰かを愛する、などといった事もありませんでした」
サイアスはそこまで話すと、俯いていた顔を上げて私の目を見つめてきた。
「ですが…この世界に呼ばれ貴女と出会った時、私は初めて“恋”というものを知ったのです。まさかこの年にして貴女程の若いお方を好きになってしまうとは思いもしませんでしたが……」
「私は人を好きになるのに年なんて関係ないと思ってるよ」
「ふふ…そんな貴女だからこそ、私は惹かれたのでしょうね……」
すると彼は私の左手を優しく手に取った。
そしてそのまま薬指に何かをすっと嵌め込んだ。
「!サイアス…これ……」
いつの間に作られたのか私の左手薬指に嵌められたのは、シロツメクサで作られた指輪だった。
「私の身体に流れる血の所為で…共にいてくれる貴女にも苦労をかけるかもしれない。それでも…この先、私と共に歩んでくれますか?ナマエ……」
そんな質問に私は笑って答える。
「当たり前だよ…血とかそんなの関係ない、私が好きになったのはサイアスただ一人だけなんだから……貴方が許す限り、私はずっと傍にいます」
「!ナマエ…ありがとう……」
私達は手を取り合いながら笑い合った。
その瞬間ふわりと風が吹き、私達を優しく包み込むように花びらが舞い上がったのだった。
~end~
リクエストのサイアス夢でした!
いやあ、彼を調べていくうちに何とも切ない気持ちになり、すごく幸せにしてあげたい…!って思って、こんな話になりました…笑
そしておかしな点があれば是非ryすみません…汗
この度は本当にありがとうございました!!
私は資料室に足を運び、探していた人物を見つけると彼を呼んだ。
私の呼び掛けで本に目を落としていた彼…サイアスはこちらに目を向けた。
「ナマエ。どうしましたか」
「うん、ちょっと…今大丈夫だった?」
「はい、大丈夫ですよ」
「そっか。じゃあ、ちょっと付いてきて」
私はサイアスの手を取るとそのままお城の外へ出て行った。
「ナマエ?一体何処に…」
「もう少しだから………!着いたよ!」
目の前の光景にサイアスは少し目を見開いて感嘆の声を漏らした。
「これは……」
「サイアスに見て欲しかったんだ」
私が彼を連れてきたかった場所…そこは辺り一面に白い花々が広がるお花畑だった。
「この前、水浴びに行く途中偶然ここを見つけたの」
「そうだったのですか…けど、どうして私に?」
「…サイアス、最近思い詰めてる顔してたから」
私がそう言うと、心当たりがあったのか彼は一瞬どきりとした表情になった。
「私じゃ頼りないかもしれないけど、サイアスの事は本当に心から支えたいって思ってる。…たとえ何も話せなくても、少しでも貴方の心を癒せたらと思って……」
「ナマエ……」
私がそう言うと、彼は少し黙ってから私の手を引いて歩き出した。
「サイアス?」
「もう少し…近くでこの景色を見てみたいです」
私達は歩いて花畑の中心辺りまで来た。
「…良い香りですね」
「ね。このお花、アスクでしか咲かないんだって」
このお花は日本で言うシロツメクサに近いものだった。
「あ、そうだ!」
「?ナマエ?」
私はサイアスに背を向けると、シロツメクサを手に作業をし始めた。
「少しだけ待ってて!こっち来たらダメだよ」
「はぁ…」
あまり彼を待たせないためにも、手早くそれを作っていく。
「出来たぁ!」
私は完成したものを後ろに隠しながらサイアスに近付いた。
「何か作っていたのですか?」
「まあね。はい、これ!」
少し背伸びをして彼の頭に乗せたのは…
「…花かんむり……?」
「えへへ…あんまり上手くないかもしれないけど…」
最初こそ突然な事に呆然としていた様子だったけど、次の瞬間には笑って受け入れてくれた。
「私に送っても、せっかくの花かんむりが映えませんよ?」
「そんなことないよ!私がサイアスにあげたかったんだからいいの!」
サイアスはフッと笑った後、真剣な顔になり少し俯きながらぽつりと話し始めた。
「以前、私の素性をお話しする事は出来ないと申しましたが…私は生まれ持ったこの血で、平穏とは言えない生活をしてきました。そして私はある教団から命を狙われて、そんな私を守ろうとしてくれた母は…亡くなりました」
「………」
私はただ静かに彼の言葉を聞いていた。
「母が亡くなった後も教団から逃れる生活が続き…私は宮廷司祭になりました。それまでに至るには決して楽な道のりではなく、かなりの時間が掛かってしまいましたが…それに私が過ごしてきた時の中で誰かを愛する、などといった事もありませんでした」
サイアスはそこまで話すと、俯いていた顔を上げて私の目を見つめてきた。
「ですが…この世界に呼ばれ貴女と出会った時、私は初めて“恋”というものを知ったのです。まさかこの年にして貴女程の若いお方を好きになってしまうとは思いもしませんでしたが……」
「私は人を好きになるのに年なんて関係ないと思ってるよ」
「ふふ…そんな貴女だからこそ、私は惹かれたのでしょうね……」
すると彼は私の左手を優しく手に取った。
そしてそのまま薬指に何かをすっと嵌め込んだ。
「!サイアス…これ……」
いつの間に作られたのか私の左手薬指に嵌められたのは、シロツメクサで作られた指輪だった。
「私の身体に流れる血の所為で…共にいてくれる貴女にも苦労をかけるかもしれない。それでも…この先、私と共に歩んでくれますか?ナマエ……」
そんな質問に私は笑って答える。
「当たり前だよ…血とかそんなの関係ない、私が好きになったのはサイアスただ一人だけなんだから……貴方が許す限り、私はずっと傍にいます」
「!ナマエ…ありがとう……」
私達は手を取り合いながら笑い合った。
その瞬間ふわりと風が吹き、私達を優しく包み込むように花びらが舞い上がったのだった。
~end~
リクエストのサイアス夢でした!
いやあ、彼を調べていくうちに何とも切ない気持ちになり、すごく幸せにしてあげたい…!って思って、こんな話になりました…笑
そしておかしな点があれば是非ryすみません…汗
この度は本当にありがとうございました!!
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