マイヒーロー
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※イシュタルのLv40時会話(全文)のネタバレ注意。
「ねえ、ナマエ…」
突然、イシュタル王女に呼び止められ彼女に振り返った。
「貴女に愛する人は…?恋人でも、片想いでも……」
「え…?」
「急にごめんなさい。でも…どうしても聞いておきたかったのです」
いつもどこか憂いを帯びた瞳をしていた彼女は、今は真剣な瞳をして私を真っ直ぐに見つめたまま言葉を続けた。
「かつて私は、愛する人のために戦った。それが人として、聖戦士として誤った道だと理解していた。それでも……貴女もいつか、私と同じように……どちらかの道を選ばなければならない時が来るかもしれない……貴女自身を賭けるような選択をする時……どうか、後悔をするようなことだけはしないで」
「イシュタル王女……」
彼女…イシュタル王女はユリウス皇子を愛していた。
それは今も変わらないようで…
ユリウス皇子も今はこの世界で仲間としていてくれているけれど…
イシュタル王女が話してくれた心優しかった頃の彼ではないらしく、性格が変わってしまった頃のままの彼なのだという。
そして…先程の彼女の言葉を聞いた時、私はある人の顔が思い浮かんだんだ。
「…ラインハルト…ですね?」
「!!」
彼女の顔を見れば柔らかな笑みを浮かべていた。
「……気付いていたのですか…?」
「貴女達は私がここに来る前から親しかったみたいだから…ラインハルトの忠誠はこちらの世界でも変わらないようだけど、今は貴女との絆の方がとても強く感じます」
「そんな、恐れ多いです…!」
するとイシュタル王女は私の手を取り笑みを浮かべたまま口を開いた。
「大丈夫、貴女の恋はきっと叶う。ラインハルトの事は良く分かります…だから、もっと自信を持って」
「…ありがとう、ございます……」
私はそう返したものの、内心は抉られるように痛かった。
だって、私の想い人は…
イシュタル王女を想っているのだから……
あの後イシュタル王女と別れ、私はひとりお城の外にあるベンチに腰掛けていた。
特に何をするわけでもなく…ただぼーっと空を眺めている。
ラインハルトと召喚を通して出会ったのはもうだいぶ前の事になる。
彼は戦力としても本当に優秀でいつもお世話になっているし、人柄も良く妹のオルエンが敬愛するのもよく分かる。
そんな彼とも戦闘以外の話をする事も今では普通になっていた。
そして…彼は元いた世界ではイシュタル王女という方に仕えていた事を教えてくれたのだ。
彼女の話をしている時の彼の顔は、心なしかどこか愛おしそうで…
私がラインハルトがイシュタル王女に抱いている気持ちに気付いてしまうのは容易だった。
「ここにいたのですか」
突然、視界に先程から頭の中を占めているラインハルトが映った。
「ラインハルト…」
「珍しいですね。貴女がお一人で過ごされているとは…」
「そうかな…?」
私の前に彼が立ったまま会話を続ける。
「…元気がないようですが、どうかされましたか?」
目を真っ直ぐに見つめたままそう聞かれ、思わずドキリとした。
「そっそんな事ないよ?私は至って元気ですっ」
「……」
するとラインハルトは黙ったまま私の隣に腰を下ろすと、こちらに顔を向けて再び口を開いた。
「これでもこの世界で貴女と出会ってから、貴女の事を少しは分かるようになったつもりです」
私は彼の目を見ていると、やっぱり隠し事なんて出来ないような気がしてきた。
…この際、もう聞いてしまおうか……
「…ラインハルト」
「はい」
「あなたって…イシュタル王女の事、好き…なんだよね。主人としてじゃなくて、一人の女性として……」
俯きながらそう言った私の言葉が静かにこの場に響いた。
私の問いにラインハルトから返事はなく、少しの間沈黙が私達の間に訪れる。
「…貴女の言う通り、確かに私はあのお方をお慕いしておりました。それは抱いてはいけない感情と共に、決して叶いもしないものだった……」
イシュタル王女への想いを肯定する言葉を聞いた時、分かっていた事とはいえやっぱり胸が苦しくなった。
それを悟られないよう膝の上に置いていた両手にぐっと力を込める。
「ですが…この世界で貴女と出会った。そして貴女と共に戦い過ごしていくうちに、自分の気持ちの変化に気付いたのです」
そこまで言うと、彼は私の手をそっと手に取ると静かに言葉を紡いだ。
「私は…今度も主人に恋愛感情を抱いてしまったみたいです。貴女は…こんな私を受け入れてくださるでしょうか……」
「っ…!?」
私の解釈が正しければ今彼が口にした事は、つまり……
「なんで…?ラインハルトはイシュタル王女の事が……」
「はい…この世界に来たばかりの頃は、確かにまだあのお方への想いは消えていませんでした。…こんな事、ただ都合の良い話に思われるかもしれません…ですが、私は貴女の…ナマエ殿の人柄に惹かれてしまったのです」
相変わらず逸らされる事のない彼の瞳は真剣そのものだった。
「私…好きな人にたとえ自分が映っていなくても、その人の傍にいられるだけでいいって思ってたの……ラインハルトの目に、私が映っていてもいいの…?」
私がそう聞くと彼は少しだけ驚いた表情になった後、フッと笑みを浮かべて私を抱き寄せて来た。
「そのような事、本来は私が聞くべき事です…私は貴女が許す限り、いつまでもお傍にいます。これからも変わらず…」
「!うん…ありがとう……っ」
そしてどこからかこの様子を見ていたのか、あの後イシュタル王女やオルエンから私達は祝福されたのだった。
~end~
リクエストのラインハルト夢でした!
FEHでラインハルトには本当に本当にお世話になっています笑
あと、彼はFEH内でプレイヤーを名前で呼ぶ事がなかったので勝手に様付けにさせていただきました。
そして毎度毎度しつこいかと思われますが、聖戦、トラキアは未プレイなのでこちらもおかしな点があればご指摘くださると幸いです…m(_ _)m
「ねえ、ナマエ…」
突然、イシュタル王女に呼び止められ彼女に振り返った。
「貴女に愛する人は…?恋人でも、片想いでも……」
「え…?」
「急にごめんなさい。でも…どうしても聞いておきたかったのです」
いつもどこか憂いを帯びた瞳をしていた彼女は、今は真剣な瞳をして私を真っ直ぐに見つめたまま言葉を続けた。
「かつて私は、愛する人のために戦った。それが人として、聖戦士として誤った道だと理解していた。それでも……貴女もいつか、私と同じように……どちらかの道を選ばなければならない時が来るかもしれない……貴女自身を賭けるような選択をする時……どうか、後悔をするようなことだけはしないで」
「イシュタル王女……」
彼女…イシュタル王女はユリウス皇子を愛していた。
それは今も変わらないようで…
ユリウス皇子も今はこの世界で仲間としていてくれているけれど…
イシュタル王女が話してくれた心優しかった頃の彼ではないらしく、性格が変わってしまった頃のままの彼なのだという。
そして…先程の彼女の言葉を聞いた時、私はある人の顔が思い浮かんだんだ。
「…ラインハルト…ですね?」
「!!」
彼女の顔を見れば柔らかな笑みを浮かべていた。
「……気付いていたのですか…?」
「貴女達は私がここに来る前から親しかったみたいだから…ラインハルトの忠誠はこちらの世界でも変わらないようだけど、今は貴女との絆の方がとても強く感じます」
「そんな、恐れ多いです…!」
するとイシュタル王女は私の手を取り笑みを浮かべたまま口を開いた。
「大丈夫、貴女の恋はきっと叶う。ラインハルトの事は良く分かります…だから、もっと自信を持って」
「…ありがとう、ございます……」
私はそう返したものの、内心は抉られるように痛かった。
だって、私の想い人は…
イシュタル王女を想っているのだから……
あの後イシュタル王女と別れ、私はひとりお城の外にあるベンチに腰掛けていた。
特に何をするわけでもなく…ただぼーっと空を眺めている。
ラインハルトと召喚を通して出会ったのはもうだいぶ前の事になる。
彼は戦力としても本当に優秀でいつもお世話になっているし、人柄も良く妹のオルエンが敬愛するのもよく分かる。
そんな彼とも戦闘以外の話をする事も今では普通になっていた。
そして…彼は元いた世界ではイシュタル王女という方に仕えていた事を教えてくれたのだ。
彼女の話をしている時の彼の顔は、心なしかどこか愛おしそうで…
私がラインハルトがイシュタル王女に抱いている気持ちに気付いてしまうのは容易だった。
「ここにいたのですか」
突然、視界に先程から頭の中を占めているラインハルトが映った。
「ラインハルト…」
「珍しいですね。貴女がお一人で過ごされているとは…」
「そうかな…?」
私の前に彼が立ったまま会話を続ける。
「…元気がないようですが、どうかされましたか?」
目を真っ直ぐに見つめたままそう聞かれ、思わずドキリとした。
「そっそんな事ないよ?私は至って元気ですっ」
「……」
するとラインハルトは黙ったまま私の隣に腰を下ろすと、こちらに顔を向けて再び口を開いた。
「これでもこの世界で貴女と出会ってから、貴女の事を少しは分かるようになったつもりです」
私は彼の目を見ていると、やっぱり隠し事なんて出来ないような気がしてきた。
…この際、もう聞いてしまおうか……
「…ラインハルト」
「はい」
「あなたって…イシュタル王女の事、好き…なんだよね。主人としてじゃなくて、一人の女性として……」
俯きながらそう言った私の言葉が静かにこの場に響いた。
私の問いにラインハルトから返事はなく、少しの間沈黙が私達の間に訪れる。
「…貴女の言う通り、確かに私はあのお方をお慕いしておりました。それは抱いてはいけない感情と共に、決して叶いもしないものだった……」
イシュタル王女への想いを肯定する言葉を聞いた時、分かっていた事とはいえやっぱり胸が苦しくなった。
それを悟られないよう膝の上に置いていた両手にぐっと力を込める。
「ですが…この世界で貴女と出会った。そして貴女と共に戦い過ごしていくうちに、自分の気持ちの変化に気付いたのです」
そこまで言うと、彼は私の手をそっと手に取ると静かに言葉を紡いだ。
「私は…今度も主人に恋愛感情を抱いてしまったみたいです。貴女は…こんな私を受け入れてくださるでしょうか……」
「っ…!?」
私の解釈が正しければ今彼が口にした事は、つまり……
「なんで…?ラインハルトはイシュタル王女の事が……」
「はい…この世界に来たばかりの頃は、確かにまだあのお方への想いは消えていませんでした。…こんな事、ただ都合の良い話に思われるかもしれません…ですが、私は貴女の…ナマエ殿の人柄に惹かれてしまったのです」
相変わらず逸らされる事のない彼の瞳は真剣そのものだった。
「私…好きな人にたとえ自分が映っていなくても、その人の傍にいられるだけでいいって思ってたの……ラインハルトの目に、私が映っていてもいいの…?」
私がそう聞くと彼は少しだけ驚いた表情になった後、フッと笑みを浮かべて私を抱き寄せて来た。
「そのような事、本来は私が聞くべき事です…私は貴女が許す限り、いつまでもお傍にいます。これからも変わらず…」
「!うん…ありがとう……っ」
そしてどこからかこの様子を見ていたのか、あの後イシュタル王女やオルエンから私達は祝福されたのだった。
~end~
リクエストのラインハルト夢でした!
FEHでラインハルトには本当に本当にお世話になっています笑
あと、彼はFEH内でプレイヤーを名前で呼ぶ事がなかったので勝手に様付けにさせていただきました。
そして毎度毎度しつこいかと思われますが、聖戦、トラキアは未プレイなのでこちらもおかしな点があればご指摘くださると幸いです…m(_ _)m
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