マイヒーロー
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「「……え?」」
重なったのは私の声……
そう、同じ私の声が重なったのだ。
たった今召喚されたのはとても見覚えのある女性。
「えっと、貴女は…もしかして…私…… ?」
そう、目の前の女性は見るからに私そのものだった。
私といっても顔付きは今の私よりも少し大人っぽくて髪も長く、服装は貴婦人が着ているようなスレンダードレスを着ている。
「あ…今度は私が召喚されたって事かな?」
もう一人の私は特に驚く事もなく辺りを懐かしむように見渡していた。
「あの……」
「ナマエ、よね?たぶん私よりも二歳くらい年下の…」
「!やっぱり貴女は私なんだ…?」
「うん、もちろん」
笑って答える彼女にどこか緊張していた体が解れていく気がした。
「まさか私も自分自身と対面する時が来るなんて…」
「本当。私も驚いちゃった」
「ところで、未来の私はどうしてそんな格好してるの?」
一番疑問に思っていた事を聞いてみる。
もし元の世界に戻っていたとすれば、私がこんな格好をしているはずがないからだ。
「え?…ああ、この世界の私はまだされていないのね……貴女が疑問に思うのも無理はないわ」
「?」
「ナマエ?どうかしたのか?」
聞こえてきたのは彼、エフラム…お父上の形見である緑の鎧を着用していてルネス王となっている方の彼の声だ。
「あ、エフラム…」
「誰か召喚出来たのか?……!ナマエ!?」
未来の私の姿を見たエフラムは目を丸くして彼女の元に駆け寄った。
そんな彼の様子に彼女はクスクスと笑っている。
「どうしてお前がここに…」
「よく分からないけど、私も英雄としてここに召喚されたみたい」
二人は仲睦まじそうに話していて、私は申し訳なく思いながらも声を掛ける事にした。
「あっあの、折角のところ悪いんですが…ちょっと場所を変えて話を聞いても良いですか…?」
私の要望に二人は嫌な顔一つせず付いてきてくれた。
召喚の祭壇から人気の少ない場所に移動すると、早速私は気になるいくつかの事を聞き出そうと口を開く。
「まず最初に…どうして私が英雄として召喚されたの?」
未来の私…ナマエはその質問を聞くと一冊の本を取り出した。
「それは…魔導書?」
「ええ。この世界での召喚の力がエフラムの世界に行った時、魔導の力に変わって魔法が使えるようになったみたいなの。ちなみに光魔法が一番得意なのよ」
なるほど…と納得したと同時に、どこか引っかかりを覚えた。
「ん?エフラムの世界に行った時って…ええと、二人はどういったご関係で…?」
ナマエとエフラムは顔を合わせると笑い合い、ナマエが左手の甲を向けて見せてきた。
「私の左薬指…分かる?」
「え……指輪…?」
「俺と同じものだ」
エフラムも同じように左手の薬指を見せてくれて、二人とも同じ指輪をしているのが分かる。
「まっまさか貴方達は…」
「そう。私はエフラムと結婚してる世界から来たナマエなの」
その言葉に私の顔はみるみるうちに赤く染まっていく。
「俺の妻であり、ルネス王国王妃でもあるな」
「未来の貴女がこうなるのに思い当たる事、あるはずよ?」
「思い、当たる………」
彼女の言葉ですぐに頭の中に思い浮かんだのは、伝承の英雄と謳われる方のエフラムだ。
彼とはもう長い間お付き合いをさせていただいている仲で、ここ最近彼の態度がよそよそしい事を思い出した。
もし…もしもその態度が私の想像するものからだとしたら……
「ちょっと話し過ぎちゃったかしら?」
「確かに教え過ぎるのも良くないな。ナマエ、混乱してるぞ」
「ふふ、何だか不思議…とても懐かしい気分になるわ……」
「…あ。そういえばお前、身体の方は大丈夫なのか?」
そう言って心配そうにエフラムはナマエのお腹を撫でている。
心配そうに…お腹を……?
「うん、大丈夫よ。まだ少しつわりがあるくらいだけど…」
「そうか…いくらこの世界に英雄として召喚されたとはいえ、無理だけは絶対にするなよ」
「分かってる。エフラムとの大事な子だもの…絶対に守ってみせるわ」
ポカンと二人の会話を聞いていた私に気付いたのか、ナマエは笑いながら話し出した。
「あ……また未来の事、話しちゃったわね」
「悪い、つい…」
「うっううん、大丈夫…ただ、色々とビックリし過ぎて……」
一気に情報が入ってき過ぎた…
心臓がこの上なくドクドクと高鳴っているのを感じる。
「じゃあ、私はまずアルフォンス達に挨拶して来ようかな」
「なら俺も行こう」
「ありがとう。それじゃあ、また後でね。過去の私」
私はこの場を去っていく二人の背中をただ呆然と眺めている。
未来の私…すごく幸せそうだったな……
私も…あの未来を手に入れられるのかな…?
「ナマエ!」
次に私を呼んだのは伝承の方のエフラム。
先程の出来事のせいで変に緊張してしまう。
「こんなところにいたのか。探したぞ」
「エっエフラム…!その…私に何か用、かな?」
そう尋ねると今度は彼が緊張し始めた。
「あっあぁ……っ、ナマエ…大事な話がある。聞いてくれるか?」
この数秒後、私の左手薬指には未来の私と同じ指輪がキラリと光っていた。
~end~
もしも未来の夢主を召喚したら…というお話でした。
何か色々と無理ある設定ですね…すみません汗
重なったのは私の声……
そう、同じ私の声が重なったのだ。
たった今召喚されたのはとても見覚えのある女性。
「えっと、貴女は…もしかして…私…… ?」
そう、目の前の女性は見るからに私そのものだった。
私といっても顔付きは今の私よりも少し大人っぽくて髪も長く、服装は貴婦人が着ているようなスレンダードレスを着ている。
「あ…今度は私が召喚されたって事かな?」
もう一人の私は特に驚く事もなく辺りを懐かしむように見渡していた。
「あの……」
「ナマエ、よね?たぶん私よりも二歳くらい年下の…」
「!やっぱり貴女は私なんだ…?」
「うん、もちろん」
笑って答える彼女にどこか緊張していた体が解れていく気がした。
「まさか私も自分自身と対面する時が来るなんて…」
「本当。私も驚いちゃった」
「ところで、未来の私はどうしてそんな格好してるの?」
一番疑問に思っていた事を聞いてみる。
もし元の世界に戻っていたとすれば、私がこんな格好をしているはずがないからだ。
「え?…ああ、この世界の私はまだされていないのね……貴女が疑問に思うのも無理はないわ」
「?」
「ナマエ?どうかしたのか?」
聞こえてきたのは彼、エフラム…お父上の形見である緑の鎧を着用していてルネス王となっている方の彼の声だ。
「あ、エフラム…」
「誰か召喚出来たのか?……!ナマエ!?」
未来の私の姿を見たエフラムは目を丸くして彼女の元に駆け寄った。
そんな彼の様子に彼女はクスクスと笑っている。
「どうしてお前がここに…」
「よく分からないけど、私も英雄としてここに召喚されたみたい」
二人は仲睦まじそうに話していて、私は申し訳なく思いながらも声を掛ける事にした。
「あっあの、折角のところ悪いんですが…ちょっと場所を変えて話を聞いても良いですか…?」
私の要望に二人は嫌な顔一つせず付いてきてくれた。
召喚の祭壇から人気の少ない場所に移動すると、早速私は気になるいくつかの事を聞き出そうと口を開く。
「まず最初に…どうして私が英雄として召喚されたの?」
未来の私…ナマエはその質問を聞くと一冊の本を取り出した。
「それは…魔導書?」
「ええ。この世界での召喚の力がエフラムの世界に行った時、魔導の力に変わって魔法が使えるようになったみたいなの。ちなみに光魔法が一番得意なのよ」
なるほど…と納得したと同時に、どこか引っかかりを覚えた。
「ん?エフラムの世界に行った時って…ええと、二人はどういったご関係で…?」
ナマエとエフラムは顔を合わせると笑い合い、ナマエが左手の甲を向けて見せてきた。
「私の左薬指…分かる?」
「え……指輪…?」
「俺と同じものだ」
エフラムも同じように左手の薬指を見せてくれて、二人とも同じ指輪をしているのが分かる。
「まっまさか貴方達は…」
「そう。私はエフラムと結婚してる世界から来たナマエなの」
その言葉に私の顔はみるみるうちに赤く染まっていく。
「俺の妻であり、ルネス王国王妃でもあるな」
「未来の貴女がこうなるのに思い当たる事、あるはずよ?」
「思い、当たる………」
彼女の言葉ですぐに頭の中に思い浮かんだのは、伝承の英雄と謳われる方のエフラムだ。
彼とはもう長い間お付き合いをさせていただいている仲で、ここ最近彼の態度がよそよそしい事を思い出した。
もし…もしもその態度が私の想像するものからだとしたら……
「ちょっと話し過ぎちゃったかしら?」
「確かに教え過ぎるのも良くないな。ナマエ、混乱してるぞ」
「ふふ、何だか不思議…とても懐かしい気分になるわ……」
「…あ。そういえばお前、身体の方は大丈夫なのか?」
そう言って心配そうにエフラムはナマエのお腹を撫でている。
心配そうに…お腹を……?
「うん、大丈夫よ。まだ少しつわりがあるくらいだけど…」
「そうか…いくらこの世界に英雄として召喚されたとはいえ、無理だけは絶対にするなよ」
「分かってる。エフラムとの大事な子だもの…絶対に守ってみせるわ」
ポカンと二人の会話を聞いていた私に気付いたのか、ナマエは笑いながら話し出した。
「あ……また未来の事、話しちゃったわね」
「悪い、つい…」
「うっううん、大丈夫…ただ、色々とビックリし過ぎて……」
一気に情報が入ってき過ぎた…
心臓がこの上なくドクドクと高鳴っているのを感じる。
「じゃあ、私はまずアルフォンス達に挨拶して来ようかな」
「なら俺も行こう」
「ありがとう。それじゃあ、また後でね。過去の私」
私はこの場を去っていく二人の背中をただ呆然と眺めている。
未来の私…すごく幸せそうだったな……
私も…あの未来を手に入れられるのかな…?
「ナマエ!」
次に私を呼んだのは伝承の方のエフラム。
先程の出来事のせいで変に緊張してしまう。
「こんなところにいたのか。探したぞ」
「エっエフラム…!その…私に何か用、かな?」
そう尋ねると今度は彼が緊張し始めた。
「あっあぁ……っ、ナマエ…大事な話がある。聞いてくれるか?」
この数秒後、私の左手薬指には未来の私と同じ指輪がキラリと光っていた。
~end~
もしも未来の夢主を召喚したら…というお話でした。
何か色々と無理ある設定ですね…すみません汗
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