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私は今、お城の中庭の隅に座ってリアーネと話していた。
「それでティバーンが…」
「ふふ、ナマエさん…すごく、たのし、そう…」
ふとそう言われて私は思わず彼女の顔を見る。
「ティバーン、はなし…する、あなた…きらきら、してる」
「え…そっそうかな…?」
その言葉で顔に熱が集まった。
私は少し前からティバーンとお付き合いをさせていただいている。
だから彼の話をする時は自然と顔に出てしまうのかも…
「ねえ…ティバーン、どこ、すき?」
「ティバーンの好きなところ…?」
リアーネにそう聞かれ頭の中で思い出を巡らせた。
「そうだなぁ…最初に惹かれたのはあの気さくなところかな。強引なところもあるけど、やっぱりそれでこそティバーンなんだよ」
彼を初めて召喚した時、その見た目と威厳にとても圧倒されたのを覚えている。
フェニキスの王様だというのに気軽に接してくれて、いつも一緒にいてくれるようになったんだ。
「だからどこが好きって言われると…一番言いたいのはティバーンっていう人そのものが好きって言うか……何か、こんな事しか言えなくてごめんね…?」
私の言葉にリアーネはニコニコしながら首を横に振ると私の手を取った。
「ふたり、とも、すごく…しあわせ。わたし、も…」
「リアーネ…」
私まで温かくなってきて自然と笑みが浮かぶ。
…と、その時。
「二人して何してるんだ?」
空から中庭に降り立ったのは話題のティバーンだった。
「ティバーン!今の…もしかして聞いてたりした…?」
「なんだ?何かマズイ事でも話してたのか?」
「ちっ違う違う!聞いてないならいいの!」
私の対応に彼は怪訝そうな顔をするとリアーネに視線を移す。
「なあ、リアーネ。こいつ何話してたんだ?」
「それ、は…」
「いっ言わなくていいよーっ!」
私の制止を他所にリアーネは笑顔でティバーンに先程私が話していた事を伝えてしまった。
「…なるほどな。よし、ナマエ。これから空に散歩しに行くぞ」
「え!?ちょ、何で急に…わあぁっ!!」
「悪い、リアーネ。こいつ借りるぞ!」
彼にひょいっと横抱きにされるとそのまま空へと連れ出される。
そんな私達をリアーネは相変わらず天使のような笑顔で手を振り見送っていた。
「もう、急にビックリしたじゃない!」
「はは、悪かったって」
ティバーンの胸板を軽く叩くも、彼は全く悪びれるわけでもなく笑う。
「まあ、お前が俺のいないところであんな事を言っていたとはなぁ。俺に直接言ってくれて良いんだぜ?」
「やっやめてよ、恥ずかしい…!」
恥ずかしさから赤くなる顔を見られたくなくて思わず俯く。
「ナマエ、顔上げろ」
「………」
言われた通りにゆっくりと顔を上げると、彼は触れるだけのキスをした。
「ん…ティバーン、ちゃんと前見てないと。危ないよ?」
「俺がそんなヘマするかよ。お前は俺だけ見てろ」
「もう……」
平静を装ってるつもりでも、やっぱり胸の高鳴りだけは抑えられない。
ティバーンに伝わってないかな…
貴方のせいでこんなにもドキドキしてるんだって。
「…なあ、ナマエ」
「なに?」
「いつも悪いな」
「急にどうしたの?」
突然の謝罪に彼の顔をじっと見つめる。
「その、なんだ。ナマエも分かってる通り俺は戦いが好きだ。だが、お前は争い事は嫌いだろ。こんな俺でもお前は傍にいてくれる…柄でもないが、お前には色々と無理させてるんじゃないかと思ってな」
初めて聞く彼の弱音とも取れる言葉。
私はそんな彼の首に回している腕にキュッと少し力を入れて口を開く。
「そんな弱気なティバーン、嫌いだな」
「嫌いって…お前な…」
「でも…そうやって私の事ちゃんと考えてくれるの、すごく嬉しい。確かに私は戦いは好きじゃないけど…ティバーンが隣に居てくれる。だから私は戦場で立っていられるんだ」
私がそう話すと、彼は目を見開いて私の顔を見ていた。
そしてフッと笑うと森へと急降下をして木の枝の上に着地をする。
「ほら」
ティバーンが木の幹を背もたれに座ると間に来いと言わんばかりに脚を開く。
私も頷いてそこに座れば彼に後ろから腕を回され抱き締められた。
「さっさとこの世界を平和にしてお前をフェニキスに連れ帰りたいもんだな」
「それって、つまり…」
ティバーンはフェニキスの王様。
恋人である私が彼の祖国に行くとなれば、それは私がフェニキスの王妃になるという意味…
「…ねえ、ティバーン。その…本当に私でいいのかな…?私はティバーン達みたいに翼が無ければラグズでもない。それって貴方にとってすごく重荷になると思うの…」
「何を言いだしたかと思えば、そんなくだらん事を考えてたのか?」
「くだらないって…私は真剣に…!」
少しムキになって後ろを振り返ると、腕を掴まれ一瞬の隙に私の唇は彼の唇によって塞がれた。
突然の事に思わず息をするのを忘れてしまう。
私が大人しくなったのを見計らってかティバーンは唇を離す。
「分かってるよ。だから俺はお前を選んだんだ。俺の妻に迎えるのはもうお前しか無理だ、ナマエ。どんな不安も俺が振り払ってやる」
「ティバーン……」
その言葉に胸がどうしようもなく締め付けられ、私は彼に思い切り抱きついた。
ああ、やっぱり好きだな…ティバーンの事……
さっきリアーネに話した彼が好きな理由ももちろん嘘ではないけれど、
本当は理由なんてないくらい、私はもう彼を好きになってる。
抱きついた私を抱きしめ返して、頭を優しく撫でてくれる大きな手を感じながら私はゆっくりと目を閉じたのだった。
~end~
ティバーンは器やら何やら全てが大きい人だと思ってます(願望)。
リアーネのカタコト具合、いまいちよく分かってないです…汗
「それでティバーンが…」
「ふふ、ナマエさん…すごく、たのし、そう…」
ふとそう言われて私は思わず彼女の顔を見る。
「ティバーン、はなし…する、あなた…きらきら、してる」
「え…そっそうかな…?」
その言葉で顔に熱が集まった。
私は少し前からティバーンとお付き合いをさせていただいている。
だから彼の話をする時は自然と顔に出てしまうのかも…
「ねえ…ティバーン、どこ、すき?」
「ティバーンの好きなところ…?」
リアーネにそう聞かれ頭の中で思い出を巡らせた。
「そうだなぁ…最初に惹かれたのはあの気さくなところかな。強引なところもあるけど、やっぱりそれでこそティバーンなんだよ」
彼を初めて召喚した時、その見た目と威厳にとても圧倒されたのを覚えている。
フェニキスの王様だというのに気軽に接してくれて、いつも一緒にいてくれるようになったんだ。
「だからどこが好きって言われると…一番言いたいのはティバーンっていう人そのものが好きって言うか……何か、こんな事しか言えなくてごめんね…?」
私の言葉にリアーネはニコニコしながら首を横に振ると私の手を取った。
「ふたり、とも、すごく…しあわせ。わたし、も…」
「リアーネ…」
私まで温かくなってきて自然と笑みが浮かぶ。
…と、その時。
「二人して何してるんだ?」
空から中庭に降り立ったのは話題のティバーンだった。
「ティバーン!今の…もしかして聞いてたりした…?」
「なんだ?何かマズイ事でも話してたのか?」
「ちっ違う違う!聞いてないならいいの!」
私の対応に彼は怪訝そうな顔をするとリアーネに視線を移す。
「なあ、リアーネ。こいつ何話してたんだ?」
「それ、は…」
「いっ言わなくていいよーっ!」
私の制止を他所にリアーネは笑顔でティバーンに先程私が話していた事を伝えてしまった。
「…なるほどな。よし、ナマエ。これから空に散歩しに行くぞ」
「え!?ちょ、何で急に…わあぁっ!!」
「悪い、リアーネ。こいつ借りるぞ!」
彼にひょいっと横抱きにされるとそのまま空へと連れ出される。
そんな私達をリアーネは相変わらず天使のような笑顔で手を振り見送っていた。
「もう、急にビックリしたじゃない!」
「はは、悪かったって」
ティバーンの胸板を軽く叩くも、彼は全く悪びれるわけでもなく笑う。
「まあ、お前が俺のいないところであんな事を言っていたとはなぁ。俺に直接言ってくれて良いんだぜ?」
「やっやめてよ、恥ずかしい…!」
恥ずかしさから赤くなる顔を見られたくなくて思わず俯く。
「ナマエ、顔上げろ」
「………」
言われた通りにゆっくりと顔を上げると、彼は触れるだけのキスをした。
「ん…ティバーン、ちゃんと前見てないと。危ないよ?」
「俺がそんなヘマするかよ。お前は俺だけ見てろ」
「もう……」
平静を装ってるつもりでも、やっぱり胸の高鳴りだけは抑えられない。
ティバーンに伝わってないかな…
貴方のせいでこんなにもドキドキしてるんだって。
「…なあ、ナマエ」
「なに?」
「いつも悪いな」
「急にどうしたの?」
突然の謝罪に彼の顔をじっと見つめる。
「その、なんだ。ナマエも分かってる通り俺は戦いが好きだ。だが、お前は争い事は嫌いだろ。こんな俺でもお前は傍にいてくれる…柄でもないが、お前には色々と無理させてるんじゃないかと思ってな」
初めて聞く彼の弱音とも取れる言葉。
私はそんな彼の首に回している腕にキュッと少し力を入れて口を開く。
「そんな弱気なティバーン、嫌いだな」
「嫌いって…お前な…」
「でも…そうやって私の事ちゃんと考えてくれるの、すごく嬉しい。確かに私は戦いは好きじゃないけど…ティバーンが隣に居てくれる。だから私は戦場で立っていられるんだ」
私がそう話すと、彼は目を見開いて私の顔を見ていた。
そしてフッと笑うと森へと急降下をして木の枝の上に着地をする。
「ほら」
ティバーンが木の幹を背もたれに座ると間に来いと言わんばかりに脚を開く。
私も頷いてそこに座れば彼に後ろから腕を回され抱き締められた。
「さっさとこの世界を平和にしてお前をフェニキスに連れ帰りたいもんだな」
「それって、つまり…」
ティバーンはフェニキスの王様。
恋人である私が彼の祖国に行くとなれば、それは私がフェニキスの王妃になるという意味…
「…ねえ、ティバーン。その…本当に私でいいのかな…?私はティバーン達みたいに翼が無ければラグズでもない。それって貴方にとってすごく重荷になると思うの…」
「何を言いだしたかと思えば、そんなくだらん事を考えてたのか?」
「くだらないって…私は真剣に…!」
少しムキになって後ろを振り返ると、腕を掴まれ一瞬の隙に私の唇は彼の唇によって塞がれた。
突然の事に思わず息をするのを忘れてしまう。
私が大人しくなったのを見計らってかティバーンは唇を離す。
「分かってるよ。だから俺はお前を選んだんだ。俺の妻に迎えるのはもうお前しか無理だ、ナマエ。どんな不安も俺が振り払ってやる」
「ティバーン……」
その言葉に胸がどうしようもなく締め付けられ、私は彼に思い切り抱きついた。
ああ、やっぱり好きだな…ティバーンの事……
さっきリアーネに話した彼が好きな理由ももちろん嘘ではないけれど、
本当は理由なんてないくらい、私はもう彼を好きになってる。
抱きついた私を抱きしめ返して、頭を優しく撫でてくれる大きな手を感じながら私はゆっくりと目を閉じたのだった。
~end~
ティバーンは器やら何やら全てが大きい人だと思ってます(願望)。
リアーネのカタコト具合、いまいちよく分かってないです…汗
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