第七章 -誓い-
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「……じゃあ、これから向かうデルブレーって城にクリミアの遺臣たちがいるんだな?」
「はい。城の地下に密かに仲間を集め…各地方に潜伏する遺臣たちと連絡を取り合っていました」
「ジョフレはともかく、ユリシーズの商人というのは想像がつかないわ」
「そうなんですよ。ですから、彼だけは大道芸人の格好をして…」
「…アイク」
「ああ、そうだな」
私達は二人に気遣って少し離れることにした。
「エリンシア様、すごく楽しそうだね。ずっと笑ってる」
「あんなに笑顔のエリンシア様、初めて見たかも…」
「俺達といる時も、明るく振る舞っていたが……やはり、無理をしてたんだな」
今、目の前にいるエリンシア様は、本当に楽しそうで…“姫”ではなく“年相応の少女”だった。
「…ルキノさんのおかげだね」
「ああ…」
そして、翌日。
この日は生憎の雨だった。
「雨…か」
「どうしたんだ?」
「あ、アイク…うん…折角エリンシア様が残りの遺臣さんたちと再会出来るのに複雑だなぁって……」
嬉しい日なのに雨だと何か…何ともいえない気分になる。
「何か…嫌なことが起きなければいいんだけど…」
「深く考えすぎじゃないか?…取り合えず、行くぞ」
「うん…」
深く考えすぎ…
うん、きっとそうだよね。
今はあまり考えないでおこう…
そして拠点を発ち、デルブレー城に向かって数分後……
「エリンシア姫!ルキノ殿!!」
「ユリシーズ!そんなに走らないでください!私、すぐそちらに参りますから…」
するとユリシーズと呼ばれた男性はとんでもない事実を伝えてきた。
「敵襲ですっ!デルブレー城は敵の部隊によって包囲されました!!」
「え!?」
突然の非常事態にルキノさんとユリシーズさんは、デルブレー城で囮になっている遺臣さんたちを諦めて進路を変えると言い出した。
「……いや…いや…!折角生きてきたのに……っ!…みんな…生き…て……っ…いや………っ!!」
「…私も……私もそんなことは出来ないです…!エリンシア様の言う通り、みんなでここまで生きてきたんです……なのに、こんなことって…!!」
私もルキノさんたちの意見に納得いかなくてつい反論してしまった。
「…リルア様、お気持ちは分かりますが、ここは姫達の安全のためなのです…」
「そんな…」
私の思いも虚しく消えていった。
「……アイク将軍、時間がありません。こうしてる間にも…いつデインの輩に見つかるかもしれません。どうか軍を指揮して進路を南西へ……」
「…断る」
「アイク……」
アイクは迷いを見せずにはっきりとそう言った。
「!?今、なんと言いました?」
「予定通り、城に向かう。デイン兵に囲まれているなら、そいつらを倒して騎士達と合流する。それで問題はないだろう」
アイクはそう言うとエリンシア様に向き直る。
「エリンシアと交わした契約は今も継続しているんだ。依頼主が、それにリルアも城にいる連中を助けに行きたいと言っいてる。そうだな、エリンシア?」
「!」
「は、はい。私はもう誰にも……犠牲になって欲しくないのです…!」
エリンシア………
アイクは今まで“エリンシア姫”って呼んでたのに……
馬鹿だな私………
こんな時にこんなこと考えるなんて…
それからルキノさんたちを振り切って、予定通りお城に向かうことになった。
「はい。城の地下に密かに仲間を集め…各地方に潜伏する遺臣たちと連絡を取り合っていました」
「ジョフレはともかく、ユリシーズの商人というのは想像がつかないわ」
「そうなんですよ。ですから、彼だけは大道芸人の格好をして…」
「…アイク」
「ああ、そうだな」
私達は二人に気遣って少し離れることにした。
「エリンシア様、すごく楽しそうだね。ずっと笑ってる」
「あんなに笑顔のエリンシア様、初めて見たかも…」
「俺達といる時も、明るく振る舞っていたが……やはり、無理をしてたんだな」
今、目の前にいるエリンシア様は、本当に楽しそうで…“姫”ではなく“年相応の少女”だった。
「…ルキノさんのおかげだね」
「ああ…」
そして、翌日。
この日は生憎の雨だった。
「雨…か」
「どうしたんだ?」
「あ、アイク…うん…折角エリンシア様が残りの遺臣さんたちと再会出来るのに複雑だなぁって……」
嬉しい日なのに雨だと何か…何ともいえない気分になる。
「何か…嫌なことが起きなければいいんだけど…」
「深く考えすぎじゃないか?…取り合えず、行くぞ」
「うん…」
深く考えすぎ…
うん、きっとそうだよね。
今はあまり考えないでおこう…
そして拠点を発ち、デルブレー城に向かって数分後……
「エリンシア姫!ルキノ殿!!」
「ユリシーズ!そんなに走らないでください!私、すぐそちらに参りますから…」
するとユリシーズと呼ばれた男性はとんでもない事実を伝えてきた。
「敵襲ですっ!デルブレー城は敵の部隊によって包囲されました!!」
「え!?」
突然の非常事態にルキノさんとユリシーズさんは、デルブレー城で囮になっている遺臣さんたちを諦めて進路を変えると言い出した。
「……いや…いや…!折角生きてきたのに……っ!…みんな…生き…て……っ…いや………っ!!」
「…私も……私もそんなことは出来ないです…!エリンシア様の言う通り、みんなでここまで生きてきたんです……なのに、こんなことって…!!」
私もルキノさんたちの意見に納得いかなくてつい反論してしまった。
「…リルア様、お気持ちは分かりますが、ここは姫達の安全のためなのです…」
「そんな…」
私の思いも虚しく消えていった。
「……アイク将軍、時間がありません。こうしてる間にも…いつデインの輩に見つかるかもしれません。どうか軍を指揮して進路を南西へ……」
「…断る」
「アイク……」
アイクは迷いを見せずにはっきりとそう言った。
「!?今、なんと言いました?」
「予定通り、城に向かう。デイン兵に囲まれているなら、そいつらを倒して騎士達と合流する。それで問題はないだろう」
アイクはそう言うとエリンシア様に向き直る。
「エリンシアと交わした契約は今も継続しているんだ。依頼主が、それにリルアも城にいる連中を助けに行きたいと言っいてる。そうだな、エリンシア?」
「!」
「は、はい。私はもう誰にも……犠牲になって欲しくないのです…!」
エリンシア………
アイクは今まで“エリンシア姫”って呼んでたのに……
馬鹿だな私………
こんな時にこんなこと考えるなんて…
それからルキノさんたちを振り切って、予定通りお城に向かうことになった。