第二章 勇気をくれるのは
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船が到着すると、私達は船に乗り込み航路を進んでいた。
船の中にある部屋に篭っているのもあれなので、気分転換に甲板に出てみる事に。
「あ……」
甲板に出てみれば翼の生えた一人の少女…ミルラの後ろ姿があった。
そういえば…まだ彼女とは面と向かって話した事がなかったな……
私は驚かせないようにその背中にそっと声を掛けてみる。
「こ…こんにちは、ミルラ」
突然声を掛けられたため、やはり少し驚きながらこちらを振り返った。
「あ……貴女は…ナマエ…?」
「!覚えていてくれたんだ」
彼女が私の事を覚えていてくれた事に感動を覚える。
というか…ミルラってエフラム以外の人には臆病なはずなのに、逃げない…
「はい。貴女の事、エフラムから聞いています。エフラムが… ナマエの事、心配していました」
「え…そう、なの?」
私が聞くと彼女はただ頷いた。
「さっきナマエが村で待っている時…エフラムはずっと気に掛けていたんです。悪い人に襲われていないかって…」
「エフラム様が…」
ベスロンでの戦闘時、彼がそんなにも私を心配してくれていたなんて。
悪く言えばとても心配をさせてしまう程無力という事かもしれないけど…
…正直、ちょっと嬉しいと思ってしまっているのも事実。
でも、どうしてそこまで気に掛けてくれているのだろう……
「…感じます……」
「え?」
「貴女から…何か、不思議なものを……私達とは違う何かが……」
体に一気に緊張が走った。
私の正体に…気付いたの…?
ミルラは竜人族…彼女なら分かってもおかしくはないのかもしれない。
「でも…悪いものではないです。ナマエは不思議ですが、良い人です」
「ミルラ…」
そう言って少しだけ笑う彼女に緊張していた体が解れていく。
もしかしたら…薄々は気付いたのかもしれない…
けれど、ミルラなら分かってくれる…そんな気がするんだ。
「二人が一緒だなんて初めて見たな」
すると、私達の元にエフラムが歩いてきた。
「エフラム」
「ミルラ、ナマエは平気なんだな?」
彼の問い掛けに彼女はコクリと頷く。
あ…何か嬉しいな……
「ナマエは良い人…エフラムと同じ匂いがします」
「匂い?」
「はい…良い人の匂いです」
彼女の言葉を聞くとエフラムは笑って私の顔を見た。
信頼、してくれてるんだ…
それが分かり私も嬉しくなって笑いながら頷いた。
「そういえば、二人は海を見るのは初めてか?」
「はい。すごく青くて、大きいです」
「私は…過去に何度か見た事はありますが、船で旅をするのは今回が初めてです」
ミルラはずっと樹海の森の中にいたから、海を見るなんて機会はなかったのだろう。
現にこうして彼女は目をキラキラさせながら海を眺めている。
私も…船旅は今回が初めてだから、ちょっとだけ心が躍る気分。
「そうだな。実は俺も船旅は初めてだ。
海がこんなにも広いとは知らなかった」
潮風に吹かれるエフラムの横顔は思わず見惚れてしまいそうだった。
髪が風でなびいて、元々綺麗な碧色の瞳が海の光に反射して凄く綺麗…
「…俺の顔に何かついてるか?」
私からの視線に気付いたのか、彼はこちらに顔を向けて不思議そうな顔をする。
私は慌てて海に視線を移しながら首を横に振った。
「いっいえ!そんな事は、ない…です……」
「?変なやつだな」
不自然な私の様子にミルラも不思議そうに見上げている。
うぅ…恥ずかしすぎるよ……
「エフラム…あの…」
そしてミルラがエフラムに声を掛けた時。
「エフラム様」
ゼトがエフラムを呼ぶ声が聞こえた。
「すまない、ミルラ。また後で聞こう」
「はい…」
「ナマエ。ミルラの事、見ていてやってくれ」
「分かりました」
エフラムは頷くとゼトの方へと歩いて行く。
そんな彼の後ろ姿をミルラはただ静かに見ていたんだ。
船の中にある部屋に篭っているのもあれなので、気分転換に甲板に出てみる事に。
「あ……」
甲板に出てみれば翼の生えた一人の少女…ミルラの後ろ姿があった。
そういえば…まだ彼女とは面と向かって話した事がなかったな……
私は驚かせないようにその背中にそっと声を掛けてみる。
「こ…こんにちは、ミルラ」
突然声を掛けられたため、やはり少し驚きながらこちらを振り返った。
「あ……貴女は…ナマエ…?」
「!覚えていてくれたんだ」
彼女が私の事を覚えていてくれた事に感動を覚える。
というか…ミルラってエフラム以外の人には臆病なはずなのに、逃げない…
「はい。貴女の事、エフラムから聞いています。エフラムが… ナマエの事、心配していました」
「え…そう、なの?」
私が聞くと彼女はただ頷いた。
「さっきナマエが村で待っている時…エフラムはずっと気に掛けていたんです。悪い人に襲われていないかって…」
「エフラム様が…」
ベスロンでの戦闘時、彼がそんなにも私を心配してくれていたなんて。
悪く言えばとても心配をさせてしまう程無力という事かもしれないけど…
…正直、ちょっと嬉しいと思ってしまっているのも事実。
でも、どうしてそこまで気に掛けてくれているのだろう……
「…感じます……」
「え?」
「貴女から…何か、不思議なものを……私達とは違う何かが……」
体に一気に緊張が走った。
私の正体に…気付いたの…?
ミルラは竜人族…彼女なら分かってもおかしくはないのかもしれない。
「でも…悪いものではないです。ナマエは不思議ですが、良い人です」
「ミルラ…」
そう言って少しだけ笑う彼女に緊張していた体が解れていく。
もしかしたら…薄々は気付いたのかもしれない…
けれど、ミルラなら分かってくれる…そんな気がするんだ。
「二人が一緒だなんて初めて見たな」
すると、私達の元にエフラムが歩いてきた。
「エフラム」
「ミルラ、ナマエは平気なんだな?」
彼の問い掛けに彼女はコクリと頷く。
あ…何か嬉しいな……
「ナマエは良い人…エフラムと同じ匂いがします」
「匂い?」
「はい…良い人の匂いです」
彼女の言葉を聞くとエフラムは笑って私の顔を見た。
信頼、してくれてるんだ…
それが分かり私も嬉しくなって笑いながら頷いた。
「そういえば、二人は海を見るのは初めてか?」
「はい。すごく青くて、大きいです」
「私は…過去に何度か見た事はありますが、船で旅をするのは今回が初めてです」
ミルラはずっと樹海の森の中にいたから、海を見るなんて機会はなかったのだろう。
現にこうして彼女は目をキラキラさせながら海を眺めている。
私も…船旅は今回が初めてだから、ちょっとだけ心が躍る気分。
「そうだな。実は俺も船旅は初めてだ。
海がこんなにも広いとは知らなかった」
潮風に吹かれるエフラムの横顔は思わず見惚れてしまいそうだった。
髪が風でなびいて、元々綺麗な碧色の瞳が海の光に反射して凄く綺麗…
「…俺の顔に何かついてるか?」
私からの視線に気付いたのか、彼はこちらに顔を向けて不思議そうな顔をする。
私は慌てて海に視線を移しながら首を横に振った。
「いっいえ!そんな事は、ない…です……」
「?変なやつだな」
不自然な私の様子にミルラも不思議そうに見上げている。
うぅ…恥ずかしすぎるよ……
「エフラム…あの…」
そしてミルラがエフラムに声を掛けた時。
「エフラム様」
ゼトがエフラムを呼ぶ声が聞こえた。
「すまない、ミルラ。また後で聞こう」
「はい…」
「ナマエ。ミルラの事、見ていてやってくれ」
「分かりました」
エフラムは頷くとゼトの方へと歩いて行く。
そんな彼の後ろ姿をミルラはただ静かに見ていたんだ。