if end 〜願いは、ただひとつ〜
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人は究極の選択を迫られた時…分からなくなる。
悩んでも悩んでも、答えなんか出ない、出せない…出したくなんかない。
いっその事決めなくて良くなればいいのに、なんて勝手な考えが出てきてしまう。
大切な何かを天秤にかけた時。
その時点で、どちらかを捨ててしまわなければならないという事だ。
そんな状況に…私は今、立っている。
「僕が力を貸せば、君は今すぐにでも帰れるんだ。家族や友人が待っているんだよね?」
私を優しい眼差しで見つめるのは、とても穏やかな様子のリオン。
そして…私の掌の上には、ルネスの聖石のかけら。
天秤にかけられたのは、元の世界での日常とこの世界で育んできた絆。
この世界に残る選択をすれば、元の世界での家族や友人を捨ててしまう事になる。
私を今まで育て、愛情を注いでくれた両親。
嬉しい時や辛い時、どんな時でもずっと支えてくれたかけがえのない友人達。
久しく会えていない人達が頭の中に過った。
そして…この世界で出会った、もう一つの大切で、かけがえのない仲間達。
何も出来ず、ただ怯えているだけだった私を見捨てるどころか、仲間として温かく迎え入れてくれた。
そんな人達に支えられて、今の私がある。
何より…私にも心から愛する人が出来た。
一番近くで私を守ってくれて、どんな時でも支えてくれる、とても強くてかっこいい人。
ずっと憧れていた彼と…まさか両想いになれるなんて、夢にも思わなかったんだ。
私にはもったいないくらいの…本当に素敵な人。
「………」
「…ごめん、ナマエ。本当はそのかけらさえあれば、いつでも帰れるんだ。僕が力を貸して今すぐ帰れるのも本当だけど、どうしたいのかは…君に任せるよ」
そっと告げられた言葉。
リオンの顔を見れば、変わらず穏やかな表情を浮かべたまま。
でも…さっきとは少しだけ、違う。
「ナマエーっ!!」
私とリオンの前に、彼が駆け寄って来た。
私の好きで好きで堪らない…エフラムが。
「エフラム、様…」
「!ナマエ…お前……」
私を見る彼の顔が驚いていた。
だって…頬には涙が伝っていて、口元は…笑みが浮かんでいるから。
察しのいい彼の事だから…きっと分かってしまっただろう。
そしてエフラムの元にゆっくりと降りると、私は落ち着いて話す。
「エフラム様…リオン皇子を、止めてください。これは貴方にしか…出来ない事です」
「…ああ、分かった」
エフラムは私の目を見て、ただ頷いてくれた。
それがどれだけ…今の私にとって救いだったか。
もし何か言われていれば、私はまた…揺らいでしまうから。
だから、これでいいの。
悩んでも悩んでも、答えなんか出ない、出せない…出したくなんかない。
いっその事決めなくて良くなればいいのに、なんて勝手な考えが出てきてしまう。
大切な何かを天秤にかけた時。
その時点で、どちらかを捨ててしまわなければならないという事だ。
そんな状況に…私は今、立っている。
「僕が力を貸せば、君は今すぐにでも帰れるんだ。家族や友人が待っているんだよね?」
私を優しい眼差しで見つめるのは、とても穏やかな様子のリオン。
そして…私の掌の上には、ルネスの聖石のかけら。
天秤にかけられたのは、元の世界での日常とこの世界で育んできた絆。
この世界に残る選択をすれば、元の世界での家族や友人を捨ててしまう事になる。
私を今まで育て、愛情を注いでくれた両親。
嬉しい時や辛い時、どんな時でもずっと支えてくれたかけがえのない友人達。
久しく会えていない人達が頭の中に過った。
そして…この世界で出会った、もう一つの大切で、かけがえのない仲間達。
何も出来ず、ただ怯えているだけだった私を見捨てるどころか、仲間として温かく迎え入れてくれた。
そんな人達に支えられて、今の私がある。
何より…私にも心から愛する人が出来た。
一番近くで私を守ってくれて、どんな時でも支えてくれる、とても強くてかっこいい人。
ずっと憧れていた彼と…まさか両想いになれるなんて、夢にも思わなかったんだ。
私にはもったいないくらいの…本当に素敵な人。
「………」
「…ごめん、ナマエ。本当はそのかけらさえあれば、いつでも帰れるんだ。僕が力を貸して今すぐ帰れるのも本当だけど、どうしたいのかは…君に任せるよ」
そっと告げられた言葉。
リオンの顔を見れば、変わらず穏やかな表情を浮かべたまま。
でも…さっきとは少しだけ、違う。
「ナマエーっ!!」
私とリオンの前に、彼が駆け寄って来た。
私の好きで好きで堪らない…エフラムが。
「エフラム、様…」
「!ナマエ…お前……」
私を見る彼の顔が驚いていた。
だって…頬には涙が伝っていて、口元は…笑みが浮かんでいるから。
察しのいい彼の事だから…きっと分かってしまっただろう。
そしてエフラムの元にゆっくりと降りると、私は落ち着いて話す。
「エフラム様…リオン皇子を、止めてください。これは貴方にしか…出来ない事です」
「…ああ、分かった」
エフラムは私の目を見て、ただ頷いてくれた。
それがどれだけ…今の私にとって救いだったか。
もし何か言われていれば、私はまた…揺らいでしまうから。
だから、これでいいの。