恋の天使の奮闘記
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※アレス視点
「…ここは……」
次に目を開けたら、そこは見慣れない場所だった。
一体、何が起こったんだ……?
「あ…初めまして、いきなり呼び出してごめんなさい」
「…!」
俺は目の前に立っている少女を見て驚愕した。
嘘だ…なぜ……
「どうして…母上が……」
「え?」
ハッと我に帰ると慌てて口をつぐむ。
この少女は明らかに俺の母上…ナマエのはずだ。
それに俺の事を知らないような口振り…もしやここは……
「あの…」
「あっあぁ、すまない…俺は黒騎士アレス。エルトシャンの子だ」
「エルトシャン様の…ご子息……」
俺が自己紹介をした時、母上はどこか悲しそうな顔をされた。
どうされたんだ…?
「…アレス、ね。エルトシャン様にとてもそっくりだったから、もしかしたらって思ったんだ」
「……」
俺は悲しそうに笑う彼女に胸が締め付けられるのを感じる。
「私はナマエ。この世界で召喚士と軍師をしてるんだ」
それから母上から俺をこの世界に呼んだ理由を話してくれた。
「なるほどな…そういう事なら、俺も仲間として母…お前の力になると約束しよう」
「うん、ありがとう。よろしくお願いします」
取り敢えず俺は母上と別れて場所を移動した。
この世界は…やはり生前母上から聞いていた異世界なのか?
ここで母上と父上は出会われて、結ばれた。
そして父上は元の世界に帰る際に母上を連れて帰り…そこで俺は生まれたんだ。
だが、あの母上の悲しそうな顔…
まるであの時の…父上と離れる事になった日を思い出す……
母上の見た目からして俺はまだ生まれてもいないだろう。
俺が父上の息子だと言った時の反応…もしやお二人はまだ……
「誰だ?」
その時、凛とした声が静かに響き渡る。
俺は振り返ると、そこに居た人物に目を見開いた。
「父…上……?」
「?お前は…」
幼い頃によく見上げていたのを思い出す。
俺とよく似た顔…だが、俺よりも遥かに凛々しく王の風格を感じられる。
間違いない…エルトシャン王…母上の夫であり俺の父上だ……
「俺によく似ている…お前は一体……」
「っ…」
俺の推測が正しければ父上は俺の事は知らない。
だが俺の見た目上、上手く誤魔化せるとは思えない…
ここは正直に話すべきか……
「…初めまして、俺はアレス…未来から来たエルトシャン王の息子です」
「俺の息子…だと?」
父上は目を大きく見開いて俺をじっと見つめた。
驚くのも無理はないだろう…
「他の英雄達の子供が未来から召喚されているのと同じように、今度は俺の息子が召喚されたという事か…」
「…突然で信じてもらえないかもしれませんが…」
「…いや、信じよう。お前を見ていれば分かる。お前が紛れもなく俺の子だという事がな」
フッと笑い掛けてくれた父上に俺は思わず泣いてしまいそうになる。
情けないな…父上の前で涙を見せる訳にはいかない。
俺は少し下を向いてグッと堪えてみせた。
「アレス。お前の母親は…誰なんだ?」
「それは…」
その問いに答えるのを躊躇してしまう。
やはりお二人はまだ結ばれてすらいない…
もしここで母上の名前を出したら、最悪の場合未来が変わってしまうかもしれない。
それだけは何としても避けなければ…
「…申し訳ありません、父上。今はお伝えする事が出来ません」
「そうか…まあ、そうだろうな。簡単に未来は教えられないだろう」
「……ですが、父上は母上にはもう出会われています」
俺が一言そう言えば、父上は驚いたような顔をされた。
「そう、か…深くは聞かないでおこう。教えてくれて感謝する」
「いえ…」
すると父上は俺に近付くと俺の頭にポンと手を置いた。
「今日初めて出会ったとはいえ、お前は俺の息子だ、アレス。いつでも俺の事を頼ってくれていい」
「!父上…はい、ありがとうございます」
そう言って父上は優しく笑い掛けてくださるとこの場を後にした。
「父上…俺は……」
「アレス?アレスなのかい?」
また聞き慣れた声が聞こえ、振り返ると今度はセリスがこちらを見つめている。
「セリス!?お前も来ていたのか!」
俺がセリスに駆け寄ると彼も驚いているみたいだった。
「まさか君もこちらに来るなんてね。でも、不思議ではないのかもしれない」
「ああ…なあ、セリス。お前の父も…この世界に?」
「うん。お会いできるなんて思わなかったよ…アレス、君もエルトシャン王とはもうお会いに?」
セリスの問い掛けに俺は頷く。
「そっか…信じられないけど紛れもなく現実なんだよね」
「そう、だな…セリス、ナマエは……その…今誰かと恋人関係になったりはしているのだろうか?」
俺からの突然過ぎる質問にセリスは瞬きを数回した。
「え?特にそんな話や様子はないけれど…」
「なっなら、父上…エルトシャンとは仲は良いのか?」
「エルトシャン王と?うん、確かに仲は良いと思うよ。…!アレス、もしかしてナマエは君の…」
今の会話で勘付かれたのか、俺は思わず何も言えずに黙ってしまう。
「何も言わないという事はやはりそうなんだね。まさかナマエが君の母上だったなんて…」
「セリス、お二人はまだ結ばれてすらいない。どうしたら…距離が今よりもっと縮まるんだ?」
ずっと考えていた事を思い切って相談してみる。
セリスはしばらく考えるような素振りを見せると口を開いた。
「そうだね…今でも結構良い雰囲気な感じはするけれど、ここはナマエにエルトシャン王の話をしてみるのはどうかな」
「父上の話を?」
「うん。エルトシャン王の良い所をたくさん話せば、今よりもっと惹かれるかもしれない」
「なるほど…それはいいかもしれないな」
そういえば、母上は父上の話になると本当に嬉しそうだった。
……よし…
俺は父上と母上のために一人行動に移す事にしたのだった。
「…ここは……」
次に目を開けたら、そこは見慣れない場所だった。
一体、何が起こったんだ……?
「あ…初めまして、いきなり呼び出してごめんなさい」
「…!」
俺は目の前に立っている少女を見て驚愕した。
嘘だ…なぜ……
「どうして…母上が……」
「え?」
ハッと我に帰ると慌てて口をつぐむ。
この少女は明らかに俺の母上…ナマエのはずだ。
それに俺の事を知らないような口振り…もしやここは……
「あの…」
「あっあぁ、すまない…俺は黒騎士アレス。エルトシャンの子だ」
「エルトシャン様の…ご子息……」
俺が自己紹介をした時、母上はどこか悲しそうな顔をされた。
どうされたんだ…?
「…アレス、ね。エルトシャン様にとてもそっくりだったから、もしかしたらって思ったんだ」
「……」
俺は悲しそうに笑う彼女に胸が締め付けられるのを感じる。
「私はナマエ。この世界で召喚士と軍師をしてるんだ」
それから母上から俺をこの世界に呼んだ理由を話してくれた。
「なるほどな…そういう事なら、俺も仲間として母…お前の力になると約束しよう」
「うん、ありがとう。よろしくお願いします」
取り敢えず俺は母上と別れて場所を移動した。
この世界は…やはり生前母上から聞いていた異世界なのか?
ここで母上と父上は出会われて、結ばれた。
そして父上は元の世界に帰る際に母上を連れて帰り…そこで俺は生まれたんだ。
だが、あの母上の悲しそうな顔…
まるであの時の…父上と離れる事になった日を思い出す……
母上の見た目からして俺はまだ生まれてもいないだろう。
俺が父上の息子だと言った時の反応…もしやお二人はまだ……
「誰だ?」
その時、凛とした声が静かに響き渡る。
俺は振り返ると、そこに居た人物に目を見開いた。
「父…上……?」
「?お前は…」
幼い頃によく見上げていたのを思い出す。
俺とよく似た顔…だが、俺よりも遥かに凛々しく王の風格を感じられる。
間違いない…エルトシャン王…母上の夫であり俺の父上だ……
「俺によく似ている…お前は一体……」
「っ…」
俺の推測が正しければ父上は俺の事は知らない。
だが俺の見た目上、上手く誤魔化せるとは思えない…
ここは正直に話すべきか……
「…初めまして、俺はアレス…未来から来たエルトシャン王の息子です」
「俺の息子…だと?」
父上は目を大きく見開いて俺をじっと見つめた。
驚くのも無理はないだろう…
「他の英雄達の子供が未来から召喚されているのと同じように、今度は俺の息子が召喚されたという事か…」
「…突然で信じてもらえないかもしれませんが…」
「…いや、信じよう。お前を見ていれば分かる。お前が紛れもなく俺の子だという事がな」
フッと笑い掛けてくれた父上に俺は思わず泣いてしまいそうになる。
情けないな…父上の前で涙を見せる訳にはいかない。
俺は少し下を向いてグッと堪えてみせた。
「アレス。お前の母親は…誰なんだ?」
「それは…」
その問いに答えるのを躊躇してしまう。
やはりお二人はまだ結ばれてすらいない…
もしここで母上の名前を出したら、最悪の場合未来が変わってしまうかもしれない。
それだけは何としても避けなければ…
「…申し訳ありません、父上。今はお伝えする事が出来ません」
「そうか…まあ、そうだろうな。簡単に未来は教えられないだろう」
「……ですが、父上は母上にはもう出会われています」
俺が一言そう言えば、父上は驚いたような顔をされた。
「そう、か…深くは聞かないでおこう。教えてくれて感謝する」
「いえ…」
すると父上は俺に近付くと俺の頭にポンと手を置いた。
「今日初めて出会ったとはいえ、お前は俺の息子だ、アレス。いつでも俺の事を頼ってくれていい」
「!父上…はい、ありがとうございます」
そう言って父上は優しく笑い掛けてくださるとこの場を後にした。
「父上…俺は……」
「アレス?アレスなのかい?」
また聞き慣れた声が聞こえ、振り返ると今度はセリスがこちらを見つめている。
「セリス!?お前も来ていたのか!」
俺がセリスに駆け寄ると彼も驚いているみたいだった。
「まさか君もこちらに来るなんてね。でも、不思議ではないのかもしれない」
「ああ…なあ、セリス。お前の父も…この世界に?」
「うん。お会いできるなんて思わなかったよ…アレス、君もエルトシャン王とはもうお会いに?」
セリスの問い掛けに俺は頷く。
「そっか…信じられないけど紛れもなく現実なんだよね」
「そう、だな…セリス、ナマエは……その…今誰かと恋人関係になったりはしているのだろうか?」
俺からの突然過ぎる質問にセリスは瞬きを数回した。
「え?特にそんな話や様子はないけれど…」
「なっなら、父上…エルトシャンとは仲は良いのか?」
「エルトシャン王と?うん、確かに仲は良いと思うよ。…!アレス、もしかしてナマエは君の…」
今の会話で勘付かれたのか、俺は思わず何も言えずに黙ってしまう。
「何も言わないという事はやはりそうなんだね。まさかナマエが君の母上だったなんて…」
「セリス、お二人はまだ結ばれてすらいない。どうしたら…距離が今よりもっと縮まるんだ?」
ずっと考えていた事を思い切って相談してみる。
セリスはしばらく考えるような素振りを見せると口を開いた。
「そうだね…今でも結構良い雰囲気な感じはするけれど、ここはナマエにエルトシャン王の話をしてみるのはどうかな」
「父上の話を?」
「うん。エルトシャン王の良い所をたくさん話せば、今よりもっと惹かれるかもしれない」
「なるほど…それはいいかもしれないな」
そういえば、母上は父上の話になると本当に嬉しそうだった。
……よし…
俺は父上と母上のために一人行動に移す事にしたのだった。
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