「あ、マチルダさん…！」


私はお城の廊下で見かけた彼女…マチルダさんを呼び止めた。


「ナマエじゃないか。どうしたんだ？」
「はい…その、少し相談がありまして……」
「相談？」



「…っ、どっどうしたら好きな人がもっと手を出してくれるようになりますか…！？」



私の急過ぎる質問にマチルダさんは一瞬キョトンとしていた。


そりゃ無理もないよね……

誰だってこんな質問…しかもちょっと危ない部類に入りそうな事聞かれたら驚くよ……



「…！ああ……もしかして、ルフレの事か…？」
「ぅ…はっはい……」
私は恥ずかしさと申し訳なさで俯きながら頷いた。

「ごめんなさい、急にこんな事聞いたりしてしまって…」
「いや、確かに少し驚いたが…全然構わないぞ。そうか…ナマエが私に恋の相談を……」


彼女は心なしか嬉しそうに一人でうんうん、と頷いていた。


「あの、マチルダさん…？」
「ああ、すまない。要するに、どうしたらルフレにもっと触れてもらえるか…という事だな？」

マチルダさんの言葉に私は黙って頷いた。


うぅ…やっぱり面と向かって言われると恥ずかしい……！


「マチルダさんはクレーベさんと恋人同士なので…そういう恋愛の事を前々から聞いてみたいなって思ってたんです」
「ほぅ…それは嬉しいな。私でよければいくらでも相談に乗るぞ」
「マチルダさん…！」

彼女の優しさを改めて実感して感動した。


「まず聞くが、ナマエはルフレとどこまで進んでいるんだ？」
「えっと…キ、キス……まで…」
「そうか。じゃあ、ルフレはキス以上の事を全くしてくれないんだな？」


私はやっぱり恥ずかしくて俯きながら頷いた。


「分かってるんです。ルフレがキス以上の事をしようとしないのは、私を大事にしてくれてるからなんだって…」
「分かるぞ、その気持ち。私もそういう時期があったからな」
「え、マチルダさんも？」
「まあ、な…」

少しだけ照れ臭そうに笑う彼女は何だかとても美しく思えた。



「ナマエの気持ちは十分に分かった。よし、私がルフレがその気になるテクニックを教えよう」
「ほっ本当ですか？」
「ああ。ナマエが相手なら絶対に上手くいくはずだ…」





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