第三章 月と畏れ
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『…アレ? …三日月…さん?』
ナオトの目の前に、三日月宗近が穏やかな笑みを浮かべ、佇んでいる。
『三日月さん、どうしたんですか?』
ナオトは、思わず手を伸ばす。
『ナオト……』
三日月がゆっくりと近付き、ナオトの頬から顎にかけて、指を這わせる。
いつもの三日月の笑顔なのに……何かが違う。
ふと、ナオトは、そう思う。
自分の頬を這わせる指が、淫靡であり……執拗さを感じたのだ。
『……三日月さん?』
ナオトは、自分の頬に這わせている三日月の指を目で追いながら、困惑の表情を浮かべる。
『そなたの、全てが……欲しい』
三日月の美しい口元からポツリと発せられた言葉……。
『え……』
ナオトは、その言葉を聞き間違いではないかと疑った。
彼がそんな事を言うなんて……想像だにしていなかったから。
『……俺のモノにならぬのなら……』
三日月は、ナオトの頬に這わせていた指をゆっくりと移動させると、首元に触れる。
『みか、づき……さん?』
ナオトの脳内から発せられる危険信号。
サイレンにも似た、けたたましい音で、一気に緊張が走る。
『こうすれば、いい……』
三日月のその澄んだ瞳が、その言葉を発した瞬間、赤黒く変わる。
それと同時に、ナオトの首を片手で真綿を絞めるように、じわじわと力を込め始める。
『……な……んで…!? はっ……』
ナオトは、両手で三日月の腕を掴み、首の拘束を解こうとするが…解けない。
意識が朦朧としてくる…。
三日月は、片手でナオトの首を絞めながら、ゆっくりとその身体を持ち上げる。
ナオトの両脚は、宙からぶらりと浮く形になる。
『ナオト…俺の…』
ナオトが顔を歪め、苦しんでいるというのに、三日月は……薄笑いをしていた。
『…どう……して…?』
苦しさでナオトの目に涙が浮かんでくる。目の前が霞み、三日月の顔も、徐々に白くなってゆく。
―…三日月…さ…ん……―
そこで、ナオト意識が途切れた…。
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