恋煩いの短編集
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戦が行われる。
三好の残党どもを狩ると信長が言っていた。
その戦に我輩も同行せよとの命が下った。
あの魔王の背を守れと、この久秀に言うあやつの神経には参る。
その事を晩飯時に何気なくこまに話した。
すると、娘は「え?」とえらく驚愕しているようだった。
「それはいつですか?」
「おおよそ一月後くらいか」
「あまりに急では」
「まぁな。
しかしまぁ、戦乱の世の中でいつどこで誰が死ぬか解らん時代だから仕方がないっちゃ、ないのだがなぁ。
何てったって殿様があの魔王だしね~」
「それはそうですけど」
「なんだ? 心配か?
我輩は悪運は強い方だから多分生き残るぞ、多分な~」
軽口を叩きながら飯を食う。
今日は鶏肉と野菜を炒めたものと、近場の魚屋からもらった精が付きそうな牡蠣だとかホヤが小鉢に並んでいた。
最近、我輩の作る手間はめっきり減りこまがやってくれる事が多くなった。
しかし、直々に我輩が教えているのに、やはり作る者によって微妙に味は変わるようだ。
が、悪くはない。
むしろ近頃は彼女の味付けに舌が慣れてきたようだった。
男の飯と言うとどうしても味が濃くなる。
こまの作る飯は薄味で最初はどうしても文句を言いたくなったが、次第に慣れて行くとどう言うことか自分の飯が濃すぎて食えなくなる。
逆にこまは我輩の飯を食いたいと言うから味覚とは不思議なものだ。
(飯とは生命線…こりゃ、お互い離れられんな)
感慨深くそんな事を思った。
戦を前にするとやはり、この松永と言えど緊張する。
星を読み、天文を数え、死なぬように運命を管理しようにもやはり限界はかならず有る。
時間が過ぎ、寝屋に入り床に付こうにも我輩の瞼はなかなか下がらなかった。
そんな時、こまが我輩の名前を呼んだ。
狭い屋敷だが、一応寝所は別であるから普段彼女が我輩のところに来るなど殆ど、というか全く無いのだが。
「久秀さま? 起きてます?」
「どうした?」
「入ってもよろしいですか?」
「この久秀に抱かれる覚悟が有るならな~。
むっふふぅ、冗談だ。入れ」
ゆっくりと襖が開く。
少し伺うような視線に「何もせんよ」と一応念を押しておいた。
座れ、と隣へ促す。
こまはゆっくりと腰を下ろした。
「さっきの事なんですけど」
「あぁ、残党狩りの事か?」
こく、と頷く。
我輩は溜め息を付き答えた。
「安心しろ、悪運は強いとさっき言ったであろう?」
「はい」
俯くこま。
普段は上手くあしらって、我輩のイタズラにも動じなくなって来たというのに今回ばかりは様子が違った。
悲しげに横に佇むこまにポロリと本音が出た。
「まぁ、信長に言わせて見たら『無明』というやつかも知れんが」
そのまま我輩はこまの方を向き、若くて美しく皺の一つもない手を取った。
我輩の手とは大違いで、それが何故か急に名残惜しく感じた。
(この手で我輩の飯を作り、服を洗い、繕い物をするのか。
家臣などと大層な名目で雇っているが、我輩のわがままで、側に置きたかっただけなのに。
文句も言わずに、良く働く)
死んだ女房は良いとこのお嬢だった事もあり、そんな事一度たりともしなかったなと思い出して笑う。
あの世できっと、年を考えろ変態とでも罵っているだろうが、死人に口無しである。
「はぁ、戦に行かばいつ死ぬとも知れんのに。
お主を抱けずに逝くと思うとまことに残念だの~、はは」
張りのある肌を撫でつつ、そう溢す。
好きだ好きだと言っていても、なかなか思うように手込めにする事も出来ない。
若い頃と何が違うのかと思案したら年寄りになると寂しくなるという事だ。
この久秀のために一緒に寝食を共にする愛しい娘を、簡単に傷つけるこは、初めてこの娘を見たときならともかく今はもうできない。
自嘲気味にそう言うと我輩の撫でる手の上に、こまの手のひらが重なった。
こまが呟いた。
あまりに自然にさらりと言うので、何を言われたので気づくまで少し時間が必要だった。
「なら…差し上げます。久秀さまに」
「ん? 何だって?」
我輩は目をパチクリさせた。
「んん~?
我輩が不憫と思ってそう言うなら止めておけ。
後悔するぞ?」
「ち……違います!」
俯いていた顔が今度は焦りを含み、恥ずかしげに否定した。
「違います……」
「……こま?」
いつもと違った態度に我輩は愚かな期待を胸に平静を装う。
なにぶん、この娘は流されやすい気質だから。
(おっさんに口を吸われて、当然と受け入れる娘だぞ。
変な気を起こすな久秀……)
しかし我輩の考えなど知るよしも無い彼女は続けた。
「久秀さまの事、相変わらず理解出来ませんし、小舅のようで面倒と思う時も有りますが……違います」
「こらこら、さらりと酷いことを言うな」
「あぁ……申し訳ありませぬ。
そんな事を言いたい訳じゃ無くて」
こまはおろおろしながら、一呼吸おいて言葉を紡いだ。
恥ずかしそうに、躊躇うように小さく消え入りそうな声だったが我輩にははっきり聞こえた。
「……久秀さまが好きです」
「……は?」
今度は我輩がおろおろするなんて誰が思ったろうか。
一瞬ではあったが、確実に思考が止まった。
今、何て言った?
直球で来るとは思わず我輩は聞き返す。
「す……? え……?
こまちゃん?」
戸惑っているとこまは我輩の背に腕を回し、身を寄せる。
唇を額に、頬に合わせ、恥ずかしそうに我輩を見てもう一度呟く。
「好きなんです」
二度も言われると空耳ではないと理解する。
しかし何せ普段は何をしてもさらりと流されてしまうか、重く受けとめられるかのどちらかだからこの状況に我輩は嬉しいやら小恥ずかしいやらで顔が熱い。
年の功というやつで平静は装えるが、普段は我輩のおもちゃのようにあたふたする娘とは打って変わったような積極さに、戸惑う。
「どうしてそんな急に。
それにそんなきつく抱かれると我輩も我慢ならんよ」
冗談まじりに問い掛けるとこまは我輩の浴衣を不慣れな手付きで、はだけさせ首や脇などくすぐったくて気持ちのよい場所を唇で沿うように愛撫した。
「我慢しなくて良いんです」
そんな風に言いながら我輩をその気にさせようとする。
我輩はどうしたものか、と思案する。
自らが散々望んだ展開であるはずなのに、いざ目の前に「どうぞ」と差し出されると、躊躇してしまう。
戦であれば決して容赦はせぬし、機会はものにするべきと分かるが、男女の仲とはそれを踏みとどまらせる。
「何かあったのか」
我輩は問い掛ける。こまは戸惑いがちに胸にしがみつくと絞り出すように答えた。
「どうしてでしょうか?
あなたが居なくなるかも知れないと思ったら胸が痛いんです。
いつも意地悪ばかりされるのに、おかしいですね。
あなたの声すら聞けないと思うと急に寂しくなって…」
「しかしだなお主は……。
くそ……」
そこまで言いかけてやめた。
そもそも、いくら馴れ合いばかりだと言えども、男の寝屋に女が一人訪れるとは勇気のいること。
それを無下にするというのは悪党以前に男の名折れだ。
困ったように微笑むこまが「わがままを許して下さい」などと可愛いことを言うものだから、そんなわがままならいくらでも聞いてやるし、むしろこちらがわがまま爺ではないかと自問自答する。
その体を強く引き寄せてもう一度問いかける。
「相手はこの悪党だぞ。
捧げる相手は本当に間違ってないか?
我輩でよいのだな?
他の若いやつらで無くて良いのだな」
「今さらですよ。
あなたが一番私を欲しがって下さいます。
それに私を一番大事にしてくれる人に、私をあげたいのです」
「ちっ……小娘のくせに粋なことを」
そう言うや否やこまが我輩の口を吸う。
相変わらずの不慣れさだが、そう言うところが愛しい。
舞を演じる時の、男を虜にするあの眼力を持ちながら我輩の前でだけ何も知らない、まっさらな娘となる。
欲しかったもの、手にしたかったものがようやく我輩の物になる。
それを実感してなお、抑えが利くわけが無かった。
こまの頭を抱え、今度は自分から吸う。
唇を何度も食み、舌を絡ませ、奥の方まで犯し尽くす。
時折、えずく声がした。
しかし涙目で我輩の名前を呼び、耐えようと懸命な様に愛しさが増した。
「あぁ、どうなっても知らんぞ。
こんなおっさんをきゅんきゅんさせおって」
自嘲気味に呟いた後、我輩はこまがしてくれたことを彼女に施す。
浴衣をはだけさせ、首筋に舌を這わせ、鎖骨の窪みに口付けする。
乳房を露に、その柔らかさを掌で包む。
「あっ……そんな」
戸惑うこまに気を良くして、思ったことをいつもの調子で言ってみる。
「こまちゃんの胸乳(むなじ)はふわふわだの~。
まるで綿菓子のようだの~。
むっふっふぅ、どれ、我輩がたっぷり可愛がってやろうか~」
「恥ずかしいです……!
久秀さまの変態……」
顔を真っ赤にして、こまも声を出す。
これぐらい元気が良ければ、我輩も気兼ねせずに行けるはずだ。
「ん~お主がいうと良い響きよ。
愛欲の果てが変態なら喜ばしい事、そうだろう?」
爪先でこまの乳房の先端を刺激する。
左は舌を使い愛撫した。
ドキンドキンと高鳴る鼓動が聞こえた。
優しく刺激を与えると乳房の先が固くなり、なお、こねくり回すと小さく震えた。
「変な感じです……」
「先端は好きか…?
よいよい…可愛いの~」
「んっ……」
瞼を閉じて、口許を隠すこま。
眉尻が下がり、温い吐息が我輩の額に時おりかかった。
その表情がととてつもなくそそる。
背を撫で、脇腹を撫で、そのまま、下腹部に手を伸ばし割れ目をそっとなぞる。
まだ誰も触れたことが無い場所を今から開いていくという期待感から我輩も鼻息が荒くなるが、割れ目を開いて中の滑(ぬめ)りを指先に感じたところで手を止められた。
心なしか彼女の内股に力が入っていた。
「そんなところダメ……」
「何を言う。こうせねば……」
「でも…」
真っ赤になって戸惑うこまは不安気に体を固くした。
その上「待って」と首に腕を回され、身動きを封じられた。
不思議に感じてはいたが、その仕草と表情で我輩は何かを忘れていることに気が付いた。
『またまた~生娘でもあるまいし』
『生娘じゃ、だめですか?』
我輩は思い出して溜め息をついた。
こまにではなく、自分自身にだ。
受け入れると言いながらも、やはり初めてのことに戸惑う娘。
それはそうだろう。
突っ込むだけの猿と違って、女は痛みを伴う上に、女特有の心の準備というものがある。
申し訳なさそうにしながらも、怖さで体は閉じてしまうのは仕方がない。
我輩はその腕を優しくほどき、髪を鋤いた。
一呼吸おいて己を律する。
(あぁ……そうだった。
優しくしてやらねばなな)
再び抱き締めてその目を見つめる。
髪へ唇を落とし、頬に触れ、また唇を啄み、舌を絡める。
優しく、傷つけぬようにすると応えるようにこまも舌を吸い唾液を飲む。
蕩けそうになるほど甘い刺激に我を忘れそうになるが、涙目になりながらじっと我輩を見つめるこまに気をやれぬと自制した。
再び口を吸う。
それから再度下腹部へと指を這わせた。
膣口を確かめると固いままであった。
「そんな、汚ない場所…!」
「汚くない。
こうするのは当たり前の事だ。
お主の体に負担が有ってはならんだろう。
それにしても……」
ほぐしてやらねば、と我輩はゆっくりとその秘境へと降りていく。
抵抗されることも折り込み済みの上で冗談めかして、
「良いか、動くなよ~? これは命令だぞ~」
と言っておいた。
固く閉じた足の隙間に顔を埋めて、我輩はその体内に舌を這わした。
「最初は気持ち悪いかも知れんが少し我慢しろよ……」
「待って!」
戸惑うこまの中に舌を入れ、絡めとるように膣壁を刺激する。
最初こそ無理矢理したことに抵抗があったが、動きを封じ込めれば娘はすぐに甘い快楽に身をやつした。
固い内部を徐々に押し広げるようにして丹念にほぐしていく。
途中思いがけず足を閉じる素振りを見せるが、その度に牽制した。
その甲斐があってか徐々に中はほぐれ、その内さらさらした獎液がじんわりと染みだし、次第にとろみのある愛液が強い女の香りと味を出し始めた。
その頃には浅く早い呼吸音がし、時々、特有の甘い嬌声がした。
「くぅっ! あっ、あっ」
「気持ち良かろう?
我慢するな。
次は指を入れるからな…」
ゆっくりと差し込む。
入り口を満遍なく優しくかき回し、入れるとぬぷぬぷという音がしそうだった。
まずは一本、丹念に中を押し広げる。
時々引っ掛かりに当たると、こまの体は魚のように跳ねた。
「これが指一本だ。
二本目、入れるぞ?」
こくんと頷くこま。
その手は震えていた。
「痛くないか?」
「は、い。でも……待って」
びくびくと身を跳ねさせながら、我輩にしがみつく。
「可愛いの~。
中も大分柔らかくなってきたぞ。
それにしても淫乱め、生娘のくせに下から涎が沢山溢れて来おるわ」
そう言うと途端にきゅう、と我輩の指に吸い付き始める。
言葉攻めがどうやら好きらしく、怒っているのか泣いているのか、喜んでいるのか「そんな風に言わないで」と可愛い声で嗜められた。
しかし中に入れた指を嬉しそうにくわえこむ正直な体を、我輩は今すぐ貫きたいと思うことしか無かった。
「ばか」
罵倒されようと気にしない。
むしろこの指先についた愛液を見せつけてやると、恥ずかしがって顔を背けた。
それを目の前で口に含み、味わう素振りを見せるとさらに罵倒された。
「安心しろ。
我輩が舐めて綺麗にしてやるからな」
そのまま指と舌で、膣と淫核とをそれぞれ優しく攻めていく。
やはり中よりも核を攻め立てると腰が浮くほど気持ちが良いようで、こまは目を白黒させて、絶叫した。
「あああぁっ!
だめ、だめぇっ……」
「ここか?
良いところを教えてみろ。
我輩が全部叶えてやる」
「そこっ! 触っちゃだめっ」
「核の裏か?
隠さなくとも分かっておる。
女のここは極楽浄土の階段だとな」
こまの足を掬い、上に固定して動きを封じた。
怖い、怖いとしがみつこうとする手を払いのけ、我輩はただその壺を蜜で溢れさせることに専念した。
まるで猛獣のように喘ぎ、こまの小さな核は赤い宝石のように主張した。まるで我輩に「いじめて」と語りかけるようだった。
それを舌で転がし、吸い付き、啄む。
まるで口吸いの延長のようにしつこく施せば、こまの喘ぎは一層深く、甘く、誘い込むように艶を出す。
涙と涎でぐじゃぐじゃになった顔をこまは枕の布で拭う。赤い瞳がまた兎のようでつぶらだった。
「いやぁぁっ! 離してぇ!」
「我輩が好きなら抵抗せずに全て受け入れろ。
次期に頭が真っ白になるからな。
それまでの辛抱だ。
主の命が聞けぬか?」
「わかり、まし、たっ…!
うっ…うぅっ…!」
「あぁ、素直な良い子だ……。
ほら中がうねってる。わかるか?」
首を振るこま。
ただ甘い喘ぎを漏らしている。
「でも何か変……変なのっ……!」
「子宮の入り口も撫でてやるからな」
優しくさらに奥へと突き進み、指の腹で撫でてやる。
核と、その裏と最奥の扉を交互に刺激してやると、こまは一層身を固くした。
呼吸を止めて固く目を閉じる。
我輩は変わらず同じように優しく丁寧に指の腹で撫で続けた。
布団を握りしめ、押し寄せる絶頂に抗おうとするが、そうはさせなかった。
「だめ……。来ちゃう」
呟くように言ってから、こまはビクンビクンと体を弾ませ放心した。
しかし、なお執拗に核を攻め、中をほぐし続ける。
まだ余力があったのか数回絶叫し、甘く喘いだ。
終盤になると「あー…あー」としか言わなくなり、呼吸音だけになって動かなくなった頃、解放してやった。
(良い具合になったな……)
確認すると、指二本をすんなり受け入れた上、柔らかく、それでいて意地悪して刺激を加えると指を締め付けたり押し出そうとしたり、交わった時が非常に楽しみな程だった。
ぼーっと我輩の顔を見つめるこま。その顔を我輩は覗きこんだ。
「ちゃんといけたか?」
髪を撫でつつ問いかけるとこまは声もなく頷いた。
丁寧にされたのがよほど良かったのか、我輩を見つめる目が優しかった。それが嬉しいやら、恥ずかしいやらでまた調子が狂う。
こまが我輩の名前を呼んだ。
「久秀さま」
「んん~なんだ?
あぁ、言っとくが文句は受け付けぬからな」
「ふふ。違います。
ただ、ありがとうって…」
目尻が垂れ、微笑するこま。
それには思わずドキッとした。
(何でありがとうなんて…)
考えるのも束の間、こまは起き上がると、我輩に口付けた。
不意をついた柔らかな唇と菩薩のように満たされた微笑みに、我輩の分身は途端に反応した。
気付かれて無いにしろ、恥ずかしさで自爆しそうだった。
「黙っておれ。
お主を見ていたら、我輩も加減が利か無くなってきた」
髪をかきむしりながら、こまに覆い被さり、屹立した己をその割れ目にあてがう。
痛みがないように分身にも唾液を纏わせて滑らせる。
触れた所から娘の熱い拍動を感じた。
「私、全部受け入れられそうです」
「今から犯されるというのに悠長な。
怖くないか?」
「少しだけ」
それでも我輩に笑顔を向けるこま。
もう誰にも、この欲情を御す事など出来ない。
「今さら止めるなよ。
今日ばかりはお主の方が悪いのだからな。
我輩に火を着けた事、きっちり責任取って貰うぞ」
逃げ口上のようにそう囁いて、こまの腰を引き寄せる。
そのまま我輩は深い深い、愛欲の海の底に腰を下ろした。
*
目の前がチカチカする。
すべてを覆い尽くすように飲み込んで、それでいて離すまいと締め付ける。
若い体とは実に良い。
それだけでは無いのは重々承知している。
熱い吐息が耳にかかる。
首の後ろに腕をまわし懸命にすがる。
一押し、二押し、すると我輩の下で甘い声を出してゆらゆらと揺れる。
まるで我輩が揺りかごを操っているようだ。
「こらこら、そんなに締め付けて。
我輩が気をやったらお主を満足させられぬだろう?
そんなに我輩のものは気持ちが良いのか?
んん~?」
中に入れながら陰核を弄る。
腰を動かさぬまま、己のナニばかりを動かせばこまは戸惑うように身を震わせる。
涙を瞼の下に溜めながら、我輩の腹に手をあてがって押し返そうと腕を伸ばす。
「ふ…ぅっ…、だぁ…めっ…」
顔を背け、声を押さえて、逆らうつもりらしい。
その腕を払いのけて布団に縫い付ける。
ゆっくりと顔を近づけて、その唇を吸った。
「何がだめなのかな~?
ははあぁ。もしや三度、いや四度か?
なにも知らぬ生娘を我輩がじっくり、ねっとり愛撫して、こうやっていかせたことか?」
腰を打ち付ける。
不意を突いて肉壁を擦られたからか、嬌声がこもったように鳴り出した。
「ひ……! あぁぁっ……!」
「こまは可愛いのう。
もう一回いってみろ?
若い者に誘惑されても必ず我輩のもとに戻って来るように仕込んでやる」
緩急をつけて腰を打ち付ける。
前戯の内から既にぐちゃぐちゃになっていた膣の中をほじくり返すように何度も何度も犯したから、花びらは広がってぱっくりとだらしなく口をあけている。
そこに有無を言わせず出し入れすると、まるで放屁するかのように物凄い音を立てる。
そうとう恥ずかしいのだろう。
こまは真っ赤になり、涙ぐみながら「やめて」と連呼する。
当然、止めることなどしない。
その綺麗な顔が羞恥で染まるのを見るのはとても楽しい。
我輩が腰を打ち付けると涙ぐんで嬉しそうに喘ぐ様など普段では考えられぬからかも知れぬ。
「まさに昼は淑女、夜は遊女。
どうだ~? やはり入口は気持ちよかろう?」
「いい、けど……!」
「『けど』なんだ?
まさか我輩がいつ行くのかと心配してくれるのか?
安心しろ、お主が白目を剥いてぶっ倒れた頃に、ちゃんと行くから、な?」
ゆさゆさと揺らしながらそう言うと、こまはキュンと我輩を締め付ける。
嬉しいのか、と気を良くした我輩だったが後から聞いたら「ゾッとした」らしい。
こまの体勢をうつ伏せにして腰を高く上げる。
後ろから見るとなおのこと、開き切った花の奥まで見えてとても淫靡で可愛らしい。
尻から背にかけての曲線や、揺れる胸はおっさんを飽きさせない。
しかしこまは視姦する我輩を遮るように、その花を掌で覆い隠す。
「だって、恥ずかしゅうございます……」
「我輩の邪魔をするとは悪い娘だ。
隠すのではなくこうやって広げてろ。
出来ないなら次回は鞭でも使うとしようか?」
指の位地を教えてやるとこまは戸惑うように顔を埋めた。
女に自らを開かせるのは愉悦だった。
こまはもう「恥ずかしい」とも言わないが鏡が有れば本心が見えよう。
「そのまま動くなよ。
今くれてやるからな」
ゆっくりと撫でるように差し込む。
なだらかな背を抱き、己を沈み込ませるとコツンとよりいっそう奥の扉を感じる。
大分それも降りて来ているようで、こまの意図せぬところで女体は我輩の射精を促すように、ざわざわと襞(ひだ)が絡み付く。
さすがにその快感には抗いがたく、一度出してしまおうかと頭をよぎる。
深くゆっくりと出し入れをしていると、そのうちまたこまの体が強張って膣の中がキュンキュンとうねり出し、締め付ける。
子宮口が亀頭の先端に口付けし、覆い被さるようだ。
我輩の腰から先もその刺激にトリハダが立つ。
温かい、とろみのある愛液がさらにそれを加速させる。
じゅぽじゅぽとはしたない音を立てても布団を握りしめ耐えるこま。
あえぎ声も止まり、何度目かの気をやる準備を始めているようだ。
(あぁ可愛い。
本当にお主は悪い天女さまだよ)
娘の固く結んだ掌と己を重ね、背筋に何度も口付けした。
腰を休めず、彼女の絶頂を迎え入れるため良いところを何度も何度も刺激した。
「あぁっ、あぁあぁっ!
来ます………。
また、また…っ…!」
「あぁ、行け。好きなだけな」
我輩も負けそうになり、出そうな所をぐっと堪えて突き続けた。
ビクビクと震える女体を見下ろし、ベッタリと力なくひれ伏す彼女の向きを表にする。
浅い息をするこまは我輩を見ると柔らかく笑んだ。
喉がやられたらしく、首もとを押さえて困ったように眉を下げた。
「そう焦るな、まだまだしてやる」
「何も言っておりません……。
久秀さまはお元気ですこと」
「加減してると言ってくれ。
お主は何度も気をやってるからグッタリでも我輩はまだ一度も果てとらんのだぞ?」
からかうように耳元で囁いた。
すると「酷いひと」と意趣返しされた。
「こま…」
名前を呼ぶと視線だけがこちらを見た。
腕が伸びて、またこの久秀を迎え入れる。
温かな胸が眠気を誘うようで心地よい。
その中で死ねるなら、悪くないとさえ思った。
愛とは解らん。
最初は独占欲だと自分で言っておいて、これだ。
一つ手にしたらまた次が欲しくなる。
「願いを聞いてほしい」
「なんでしょう?
私が叶えられるなら」
「子が欲しい」
「……お子でございますか?」
首を傾げるこまに、我輩は咳払いして続ける。
「あぁ、すまん。
お主との子供が欲しい。
お主が良ければ、だがな」
当然と言えば当然だが突拍子もない願いにこまの目が困惑する。
「…………」
「今でなくて良い。
戦が終わって我輩が帰ってきたらで良い。
もっとも、こんな悪いおっさんと子を成したいとか、家庭を築きたいとか思うのであればだが……--」
「良いですよ」
「いや、そんな風に思い詰めずともよい。
我輩は待っておるから……--本当か?」
にっこりと微笑む彼女に今度は我輩が驚きを隠せない。
こまは腕を回し、脚でも我輩を離すまいとする。
表情はやけに楽しそうで悪いことを考えている。
「……こまちゃん?」
「本当です。
久秀さまに欲しいと言われて、私は嬉しいのです。
私は十分幸せです。
幸せにしてくださるのでしょう? ね?」
「ね? って言われても。
……っ!?」
キュンと圧力がかかり我輩を締め付ける。
我輩の身動きを封じたままゆっくりと腰を動かして搾り取ろうとする。
その動きに刺激されて欲情する。
さっきから何度も我慢してたのが無駄になる。
だが、お許しが出たならもうその必用はない。
「本当に良いんだな?」
「そのために夜這い致しました」
「止まらんぞ?
言っとくが、孕ませるつもりで行くからな」
「困ったお人ですね。
お子が欲しいと仰ったのは久秀さまでございます」
「言ったな? 悪女め」
唇を吸い、その主導権を取り戻した。
その淫乱な体に楔を打ち付けてやろうと、今や躍起だ。
刺激的過ぎたのだろう。
最初こそ笑顔だったこまも我輩の本気を認めて、真っ青になった後小さく「ごめんなさい」と呟いた。
「我輩に楯突こうなど百万年早いわ」
念を押してニヤリと笑ってやった。
脚を高く上げ、強く打ち付けた。
途端に女らしい声を上げるこま。
もう我慢しない。
出来るはずがない。
己の亀頭を一番奥にぐりぐりと押し付ける。
そのまま何度も何度も、何度も何度も奥に奥にと全てをねじ込もうとした。
苦しがって喘ぐ彼女の核を弄るとまたきゅうと締め付ける。
それがまた良い。
促されるまま、また打ち付ける。
「ハァッ、ハァッ……!
気を付けてたから持つものを。
お主が免状を出すのがいかん」
「久秀さま! 凄いの……」
「お主を散々行かせてやったんだぞ?
当たり前だ!」
「あぁっ!
だめ、そんな激しくされたらっ」
「出すぞ、中にっ!
後悔するなよ!」
こまの喘ぎの中に自分の声も交じる。
手招くように膣の動きが激しくうねる。
押し出したり、引き寄せたり、まるで波のように。
その大きな海の中にただ己を投げ出し、きつく抱き合いながら、その最果てに吐精した。
己の分身らが彼女の海に溶け込んで行くのを感じる。
我輩と同じ体温で脈打つそれを、彼女が全て受け入れてくれる。
そう思うととても嬉しく、離れるのが寂しかった。
「まだだ…」
急には動けないが、囁きながら白くどろどろになった結合部をまた打ち付ける。
隙間から白濁が流れて、こまの尻の割れ目に落ちていく。
「待って、まだ行ったばかりで」
「黙ってろ、我輩の好きにして良いと言ったのはお主だ」
「だからって。
や、ぁっ。あぁぁっ…!」
角度を変えながら打ち付けて、擦って、ほじくり回して犯していく。
今まで音沙汰無かった菊座にも指を突っ込み、両側から解していくとなお良かった。
「あぁ、締まる。
尻の穴を犯されて喜んでいるのか?
変態め…」
「違っ、いやぁぁっ。だめぇっ」
「隠すな。我輩も気持ちいいぞ。
さぁ、もう一回だ」
ビクビクと体を仰け反らせて絶頂するこま。
我輩もそれを見届けてから、律動を早めて行く。
そして壊れた人形のように喘ぐ彼女の中へもう一度精を注ぐ。
隅々までこの筆でまみれさせ、我輩のものだと証を付けた。
途中入りきらずに溢れ出したものは懐紙でそっと拭った。
こまは散々玩(もてあそ)ばれたせいか、今度こそ気絶して我輩の下で寝息を立てていた。
その寝顔がとても幸せそうだったので、思わず笑みが溢れた。
「安心しろ、お主をおいては死ねんよ」
ふと気が付くと、何やらぼんやりと空が色をつけていた。
20180102
20171231
20171230
改訂20180628