恋煩いの短編集
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いつものように暇を持て甘し、何気無く台所に立って晩酌の用意をしていた時だ。
「松永殿…お恥ずかしながら、料理を教えてくれませんか?」
後ろからこまが恥ずかしそうに我輩に問いかけた。意地悪が過ぎて、なかなか懐かないと嘆いていたところだったので、我輩はつい有頂天になりそうだった。
「え? 我輩に教わりたいの?」
思わず確認してしまう。こくん、と頷くこま。もう一度問いかける。
「それって本気で言ってる?」
「松永殿のご飯…美味しいので」
「あら、嬉しい」
言いながらこまの表情を見ると、少し照れている。我輩はその顔を盗み見て思う。
(胃袋を掴むとは実に大切よのう。女ばかりがそれを言うが、男とて女を落とすのに大事な要素だったとは…我輩、今最高に自分を誉めてあげたい)
目の前のおなごは上目使いで我輩を見る。というより完全に身長差で自然とそう見えるだけなのだが、我輩に気があると思っていた方が個人的には楽しい。
「ダメですか?」
「いや、おじさんで良ければいくらでも教えるよ。ついでに、あんな事やこんな事まで手取り足取り教えたいんだけど良いかなぁ? あはっ」
「…やっぱり、怖いのでやめておきます」
「ちょっとこまちゃん! 我輩が悪かった、ちゃんとお料理『だけ』教えるから待って!」
なんとか引き留めてこまの願いを聞く。我輩の悪い癖で、いちゃいちゃできる最良の時間を危うく逃すところだった。
「松永殿…ありがとうございます。では明日から」
ということで次の日。我輩の側で悪戦苦闘するこま。困惑した表情でうーんうーんと唸っている。我輩は横でそれを見ながら、必要な助言を与える。そうするとパッと閃いたように表情が晴れる。
「あぁ…そうなのね。松永殿、ありがとうございます」
にっこりと微笑むこまに、我輩は宙に舞うような心地。良いではないか、実に良いではないか!
(料理とは実に素晴らしいではないか…!)
男やもめも極めれば女子といちゃいちゃ出来るということを身をもって体感した。その後、こまの希望で朝食、夕食の定番を何品か作った。感心したようにこまが溜め息をつく。熱心に学ぶ姿勢が素晴らしい。こまが呟いた。
「松永殿ってなんでも作れるんですね」
「大概のものはな」
「私、昔から料理って苦手で…。松永殿が美味しく作るから本当に感動してました」
「むっふっふぅ。なら我輩がお主を一人前の腕に成長させた暁には、お主を美味しく頂かせて貰おうか」
「なっ…! そんな事…出会ってまもない方と…」
「またまたぁ! 我輩とお主の仲ではないか。初日から熱い口付けをしあった仲だろう?」
冗談と本気を半分ずつ織り混ぜて言うと、こまが我輩を凝視した。そして後ずさった。
「はぁぁぁぁっ…! 私、何も覚えてないですから! 何も!」
ボンッ! と、一気に顔を赤らめてこまは発狂しそうになっている。顔を隠して「覚えてない」の一点張りであるが、そんな可愛い態度を取られたら悪い心がざわつくと言うのに。
「んー? 何も覚えていないならなぜ逃げる?」
「な、なぜでしょう…? 松永殿から逃げなさいって本能が…」
「本能に忠実なのか? はっはぁ…。なら我輩も忠実になってみようか。本能とやらに」
悪戯心に火がつき、我輩は衣装を脱ぐ素振りを見せる。すると、こまは「何で脱ぐの!?」と思った通りの反応をするから、可愛くてたまらない。しかも着せようと頑張ってみたり。
(必死になって…。この久秀が悪党だと言うことをすっかり忘れておるのかな?)
いっそのこと、この場で剥いてしまって今すぐモノにしても良いだろうか。いや、それでは一時はよくても我輩が嫌われて終わりだ。長年かかって漸く見つけたお姫様を手放すなど出来ん。
「冗談だ。こまちゃんは素直で良い子でしゅね~」
「は、早く着て下さい…!」
「むっふっふぅ」
しかしこまのこの態度。必死さも相まって覚えていると公言しているようなものだろう。まこと、からかい甲斐が有って楽しい。退屈しなくて良い。
「さてさて、遊んでいるうちに冷めてしまってはもったいない。食べて腹一杯になろう」
そう言って居間に促してやる。あたふたしているこまを無理矢理座らせ、そのまま作った料理を口まで運び食べさせてやる。
「はぐぅっ」
「どうだ~? うまいか?」
「んぐ…美味しいです」
「おいおい、もっとウマイ顔をしてみろ。お主はそんなことも出来ないのか? はい、没収します!」
「えっ…?!」
「ん~? なんだ? その物欲しそうな表情は? 我輩の作った飯がそんなに食いたいか?」
「ぅ…。そ、そんなこと…」
こまは我輩を見る。顔は少し赤く、恥ずかしそうに俯く。言って良いものか悪いものかとでも思っているのだろう。これは全てお主のためのご馳走だと言ってやりたいが、どうも我輩はこの娘を苛めたくてしょうがないらしい。
(我輩もワルよの~。こんなオッサンに好かれてこまちゃんも大変だの~)
我輩が一人ごちていると、娘の方が先に折れた。潤んだような瞳に今すぐこまに頬擦りしたい気持ちを押さえた。ぼそり、と呟くのを我輩は聞き逃さなかった。
「食べたい…」
「良かろう?」
「…本当に?」
「あぁ、もちろん」
どうぞ、と掌を表に向ける。「待て」とお預けを食らった犬公がようやく「よし」と飼い主に許しを貰った時のように、娘は顔をあげる。それは本当に嬉しそうに。その時のこまの表情と言ったらもう、我輩の分身が天高く雄叫びを上げそうになるくらいだ。花が綻ぶように、ニッコリと笑む娘におじさんの心は鷲掴みされている。
「いただきますっ」
「そうそう、その顔よ~。それでこそ作った甲斐が有ると言うものだ。ついでに我輩の自慢の松茸も食べてくれたら尚嬉しいの~」
「でも松茸なんて無いですけど…」
「よいよい。気にするな、いずれ食わせてやるからな?」
「はい、楽しみにしていますね」
まだ理解出来ていないこまを見て、思わず舌舐めずりをした。肉や魚の油で濡れた唇が我輩を誘っているようだ。
(よいよい…その可愛い小さな口をいずれ必ず犯し尽くしてやろう。絶対に自分から食いたいと思わせてやるからな)
我輩は、料理を味わうこまを見て己の妄想と重ねた。何も知らないこまは料理をあらかた堪能した頃に問いかけた。
「松永殿、明日も教えてくれますか?」
「あぁ、良いとも。我輩のお遊びに付き合ってくれるならな?」
交換条件のように言葉を返したら、こまの顔が途端に真っ赤になった。こちらはなんの事か分かったのだろう。恥ずかしそうに、顔を背けてはちらりちらりとこちらを伺う娘の様子が愛らしかった。
「…適度であれば」
「むっふっふぅ、良い子」
悪戯の許可が下りたことが何より嬉しくて堪らなかった。
しかし次の日、さっそく胸と尻を触る性的悪戯を仕掛けたら、驚いたこまちゃんに思いきり股間を蹴飛ばされて敢えなく料理教室は中断した。
「あぁ…ごめんなさい。つい」
こまの言葉に久々に「反省」という二文字が浮かんだ。
20171226
「松永殿…お恥ずかしながら、料理を教えてくれませんか?」
後ろからこまが恥ずかしそうに我輩に問いかけた。意地悪が過ぎて、なかなか懐かないと嘆いていたところだったので、我輩はつい有頂天になりそうだった。
「え? 我輩に教わりたいの?」
思わず確認してしまう。こくん、と頷くこま。もう一度問いかける。
「それって本気で言ってる?」
「松永殿のご飯…美味しいので」
「あら、嬉しい」
言いながらこまの表情を見ると、少し照れている。我輩はその顔を盗み見て思う。
(胃袋を掴むとは実に大切よのう。女ばかりがそれを言うが、男とて女を落とすのに大事な要素だったとは…我輩、今最高に自分を誉めてあげたい)
目の前のおなごは上目使いで我輩を見る。というより完全に身長差で自然とそう見えるだけなのだが、我輩に気があると思っていた方が個人的には楽しい。
「ダメですか?」
「いや、おじさんで良ければいくらでも教えるよ。ついでに、あんな事やこんな事まで手取り足取り教えたいんだけど良いかなぁ? あはっ」
「…やっぱり、怖いのでやめておきます」
「ちょっとこまちゃん! 我輩が悪かった、ちゃんとお料理『だけ』教えるから待って!」
なんとか引き留めてこまの願いを聞く。我輩の悪い癖で、いちゃいちゃできる最良の時間を危うく逃すところだった。
「松永殿…ありがとうございます。では明日から」
ということで次の日。我輩の側で悪戦苦闘するこま。困惑した表情でうーんうーんと唸っている。我輩は横でそれを見ながら、必要な助言を与える。そうするとパッと閃いたように表情が晴れる。
「あぁ…そうなのね。松永殿、ありがとうございます」
にっこりと微笑むこまに、我輩は宙に舞うような心地。良いではないか、実に良いではないか!
(料理とは実に素晴らしいではないか…!)
男やもめも極めれば女子といちゃいちゃ出来るということを身をもって体感した。その後、こまの希望で朝食、夕食の定番を何品か作った。感心したようにこまが溜め息をつく。熱心に学ぶ姿勢が素晴らしい。こまが呟いた。
「松永殿ってなんでも作れるんですね」
「大概のものはな」
「私、昔から料理って苦手で…。松永殿が美味しく作るから本当に感動してました」
「むっふっふぅ。なら我輩がお主を一人前の腕に成長させた暁には、お主を美味しく頂かせて貰おうか」
「なっ…! そんな事…出会ってまもない方と…」
「またまたぁ! 我輩とお主の仲ではないか。初日から熱い口付けをしあった仲だろう?」
冗談と本気を半分ずつ織り混ぜて言うと、こまが我輩を凝視した。そして後ずさった。
「はぁぁぁぁっ…! 私、何も覚えてないですから! 何も!」
ボンッ! と、一気に顔を赤らめてこまは発狂しそうになっている。顔を隠して「覚えてない」の一点張りであるが、そんな可愛い態度を取られたら悪い心がざわつくと言うのに。
「んー? 何も覚えていないならなぜ逃げる?」
「な、なぜでしょう…? 松永殿から逃げなさいって本能が…」
「本能に忠実なのか? はっはぁ…。なら我輩も忠実になってみようか。本能とやらに」
悪戯心に火がつき、我輩は衣装を脱ぐ素振りを見せる。すると、こまは「何で脱ぐの!?」と思った通りの反応をするから、可愛くてたまらない。しかも着せようと頑張ってみたり。
(必死になって…。この久秀が悪党だと言うことをすっかり忘れておるのかな?)
いっそのこと、この場で剥いてしまって今すぐモノにしても良いだろうか。いや、それでは一時はよくても我輩が嫌われて終わりだ。長年かかって漸く見つけたお姫様を手放すなど出来ん。
「冗談だ。こまちゃんは素直で良い子でしゅね~」
「は、早く着て下さい…!」
「むっふっふぅ」
しかしこまのこの態度。必死さも相まって覚えていると公言しているようなものだろう。まこと、からかい甲斐が有って楽しい。退屈しなくて良い。
「さてさて、遊んでいるうちに冷めてしまってはもったいない。食べて腹一杯になろう」
そう言って居間に促してやる。あたふたしているこまを無理矢理座らせ、そのまま作った料理を口まで運び食べさせてやる。
「はぐぅっ」
「どうだ~? うまいか?」
「んぐ…美味しいです」
「おいおい、もっとウマイ顔をしてみろ。お主はそんなことも出来ないのか? はい、没収します!」
「えっ…?!」
「ん~? なんだ? その物欲しそうな表情は? 我輩の作った飯がそんなに食いたいか?」
「ぅ…。そ、そんなこと…」
こまは我輩を見る。顔は少し赤く、恥ずかしそうに俯く。言って良いものか悪いものかとでも思っているのだろう。これは全てお主のためのご馳走だと言ってやりたいが、どうも我輩はこの娘を苛めたくてしょうがないらしい。
(我輩もワルよの~。こんなオッサンに好かれてこまちゃんも大変だの~)
我輩が一人ごちていると、娘の方が先に折れた。潤んだような瞳に今すぐこまに頬擦りしたい気持ちを押さえた。ぼそり、と呟くのを我輩は聞き逃さなかった。
「食べたい…」
「良かろう?」
「…本当に?」
「あぁ、もちろん」
どうぞ、と掌を表に向ける。「待て」とお預けを食らった犬公がようやく「よし」と飼い主に許しを貰った時のように、娘は顔をあげる。それは本当に嬉しそうに。その時のこまの表情と言ったらもう、我輩の分身が天高く雄叫びを上げそうになるくらいだ。花が綻ぶように、ニッコリと笑む娘におじさんの心は鷲掴みされている。
「いただきますっ」
「そうそう、その顔よ~。それでこそ作った甲斐が有ると言うものだ。ついでに我輩の自慢の松茸も食べてくれたら尚嬉しいの~」
「でも松茸なんて無いですけど…」
「よいよい。気にするな、いずれ食わせてやるからな?」
「はい、楽しみにしていますね」
まだ理解出来ていないこまを見て、思わず舌舐めずりをした。肉や魚の油で濡れた唇が我輩を誘っているようだ。
(よいよい…その可愛い小さな口をいずれ必ず犯し尽くしてやろう。絶対に自分から食いたいと思わせてやるからな)
我輩は、料理を味わうこまを見て己の妄想と重ねた。何も知らないこまは料理をあらかた堪能した頃に問いかけた。
「松永殿、明日も教えてくれますか?」
「あぁ、良いとも。我輩のお遊びに付き合ってくれるならな?」
交換条件のように言葉を返したら、こまの顔が途端に真っ赤になった。こちらはなんの事か分かったのだろう。恥ずかしそうに、顔を背けてはちらりちらりとこちらを伺う娘の様子が愛らしかった。
「…適度であれば」
「むっふっふぅ、良い子」
悪戯の許可が下りたことが何より嬉しくて堪らなかった。
しかし次の日、さっそく胸と尻を触る性的悪戯を仕掛けたら、驚いたこまちゃんに思いきり股間を蹴飛ばされて敢えなく料理教室は中断した。
「あぁ…ごめんなさい。つい」
こまの言葉に久々に「反省」という二文字が浮かんだ。
20171226