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「マネージャーっ、お疲れ様~」
「羽風くん。お疲れ様っ」
SSに向けて、UNDEADだけの通しレッスンが終わった。レッスン室の鍵を閉めていると、外で待っていたのかひょこっと羽風くんが隣に立ってきた。体を伸ばしながら、今日も疲れたね~と言われてそうだね~と、ほんのり返す。
今日は女の子とデートしないの?なんて聞いたら、どうしようか悩み中、とのこと。明日休みなんだし、誘ってあげれば?なんてちょっとからかうように言えば、じゃあマネージャーさんがデートしてくれない?とかニコニコしながら言う。いやいや、そういうわけにもいかないでしょう……。
しかも何故に私なのか。
「マネージャーはもうお家帰るの?」
「私はまだ帰らないよ、今後のスケジュールまだ組んでないし、提出しなきゃいけない書類もあるから。スケジュールができたら持って………?」
「うん?どうしたの?」
「羽風くん、また香水の匂い変えた?」
「えっ。なんで?」
「昨日の匂いと、違う気がしたから。あと、一昨日の匂いとも違う気がする…」
羽風くんのことだから、いくらか女の子の香水を借りて使ったりしてるのかなと何となく思った。昨日の匂いはどことなくフルーツ系の匂いだったけど、今日はどことなく石鹸のような匂いがした。
「ははは……やっぱりマネージャーには敵わないなぁ。でもマネージャーだって、先週とちょっと匂い変えたでしょ…?」
「……!?」
そう言って、羽風くんに不意に手を引かれて引き寄せられる。まだ他の職員もいるのにと、慌てて離れようとした。それでもまだ、私の手首と羽風くんの手は繋がったままだ。そんな逃げないでよ~と言われたけど、まだ仕事中だし、なんか恥ずかしいしで勘弁してほしい。
「ごめんごめん、まだ仕事中だもんね。でもマネージャーの香水いい匂いだね、俺もお揃いで付けようかな…と思ったけど、そうもいかないか…」
「え、どうして?」
「だって、そんなことしたら…」
マネージャーの事、好きになっちゃいそうだから。
そう言って、羽風くんは少し寂しそうな表情をする。それと同時に手首も離された。
私のことを好きになるって、どういうこと?
「マネージャーはマネージャーだもんね。それ以上の関係になることなんて、きっとないから」
「…そんなの、わからないじゃない」
「え?」
「……ううん、やっぱりなんでもないっ。私、事務所に戻るね」
「ちょっ、待ってよマネージャー…!」
階段を降りて行こうとする私を、慌てて羽風くんが手を取って呼び止める。ふわりと香水の匂いがして、今度こそぎゅっと抱きとめられた。
見上げたら目が合って、数秒もしないうちに唇が触れ合う。えっ、と思っていたら、羽風くんが口を開いた。
「マネージャーのこと、今日から好きになってもいい?」
私も、今日から羽風くんのこと好きなるね。
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