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「妃香琉ー!こっちこっち!」
2022年。
昨年に行われたU-17世界テニス大会も終わり、新たな年が幕を開けた。4人は都内にある神田明神へ初詣へとやってきた。元旦は混むからと2日ずらしてやって来たが、それでもかなりの人が参拝に訪れている。彼女達は階段の1番下で待ち合わせをしていて、1番最後にやってきたのは妃香琉、パステルカラーのテーラードコートがよく似合っている。早速階段を登り本殿へと向かうが、段数の多さに流石の彼女達でもヘトヘトだ。登りきってまたもや人の多さに圧倒される。
「すげぇ人だな、流石神田明神」
「日にちずらして来たのに、すごい人ねぇ。時間かかりそうだわ?」
「ねーねー、早く終わらせてご飯食べに行こうよ~。あーっ!ベビーカステラ美味しそう!」
「新年早々から食べることかお前」
「あっはは、真里亜らしいね」
~~40分後~~
「みんな、なんてお願いしたのー?」
「バラすわけないでしょ?叶わなくなっちゃうんじゃないのよ?」
「あっ、そっか」
「お昼どこで食べる?ファミレスにする?」
「おみくじは引かなくていいのかよ?」
そんな会話をしながら階段を全て降り終えて近くの大通りまで出ると、4人の目の前に見慣れた黒塗りのリムジンが停まった。運転手が降りてきて、後部座席のドアがゆっくりと開けられる。まさか……と一斉に身構えていると、案の定あの跡部様が降りてきた。開口一番に妃香琉に向かって、何度も電話をしたのに何故出ない、と言って目の前で立ち止まる、そのせいでどうやら少し機嫌が悪いらしい。彼女のスマホはずっとカバンの奥にあったようで、全然気がつかなかったようだ。しかも跡部との約束を、完全に忘れている。
「ほんとだ着歴びっしりだ…。って、なんでこんなに電話してきたわけ?」
「初詣が終わったらランチにって誘ってあっただろうが。この俺様との約束を忘れるとは、おしおきが必要か?あーん?」
「「「おしおき……?」」」
「お願いだから忘れて(そうだ、約束してんの忘れてた)」
そのまま妃香琉は、跡部に手を引かれてリムジンで予約を入れてあるというイタリアレストランへと行ってしまった。じゃあな、とどこか嬉しそうに跡部に言われてその場に残された3人は、いつもの場所でいいよね~と乙女学園の近くにあるファミレスへと足を向けた。
その後の妃香琉がどうなったかは、誰も知らない。
◎完◎