第二章 私の未練の話
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*陽菜said
あれから、泉さんは職場に来なくなった。
来るとしてもメッセージが入っているようになったし、会社の下でもなく近くのカフェで待っていてくれる。
私も仕事が終わったらそこへ行く。…なんてまるでデートみたいだ。彼が言った通り私は絆されやすいみたいだ。こんなの少し前なら断っていたし、泉さんのことを思って断るべきことだ
『…泉さん、お疲れ様です』
瀬名「お疲れぇ〜、1日のこと話したいからコーヒー奢ってあげる」
『ほんとですか⁉︎ラッキ〜♪』
瀬名「現金なやつ」
泉さんは財布を持ってそのままレジに向かった。私は荷物を置いて席に着く。店内は静かな雰囲気で客は少なかった、泉さんがいてもバレない環境でレジのあるカウンターには老夫婦がいるだけで泉さんもコソコソせずともレジに向かえる環境だった、まぁ帽子はかぶってるけど…
泉さんは注文をしてすぐ私がいる席まで戻ってきた。
瀬名「1日なんだけど少し買い物に付き合って欲しいんだよねぇ」
『お買い物ですか?それは…いいですけど…』
瀬名「付き合ってくれたお礼はするから女子の意見が聞きたいんだよねぇ」
『女性に贈り物ですか?』
瀬名「女性……っていうか女子に喜ばれるものを買うのが常識かなぁって」
『ほう……わかりました。私でお役に立てるかわかりませんが、お供します!』
瀬名「子分か…」
『御恩と奉公なので!』
瀬名「…はぁ?まぁいいや、とにかくよろしく」
そう言って泉さんはコーヒーを啜った。女性へのプレゼントか……まぁ泉さんは芸能人だし人脈は広いことだから誕生日や記念…プレゼントを送る機会が多いのは当然だ。胸がざわつくのは決してその相手が気になるとかそう言うわけではない…
瀬名「なに?誰にあげるか気になる?」
『いえ全然』
瀬名「可愛くない」
『じゃあ誰にあげるんです?』
瀬名「…ひ〜み〜つ〜」
『あれ、おかしいな。初めて泉さんの顔をボコボコにしたいと思いました』
瀬名「そしたら、あんたは日本中から恨まれることになるねぇ」
『…っぐぅ!顔面国宝め…!』
瀬名「あははっ!わかってるじゃん」
泉さんは笑いながら最後の一口になったコーヒーを飲み干した。私も最後の一口になったコーヒーを飲み干す。空になったカップを置いて2人目を合わせて立ち上がった。どうやら言いたい話は終わったらしい、いつも通り店を出て駅までの道のりを送ってもらう。
くだらない世間話をしては笑い合って、一般人と芸能人である関係には変わりないが、そこらへんにいる友人と話すことはなんら変わりない。お互いの友人の話や家族の話…、私の仕事の話。
瀬名「お姉さんの盲信度が聞くたび上がっていくねぇ」
『そうなんです…聞いてるこっちが恥ずかしくて…』
瀬名「なんで?ありがたいことだけどねぇ…そこまで好きでいてくれるファンがいるから俺らは頑張れるわけだし」
『でもそれを私にぶつけるのはおかしくないですか?』
瀬名「お姉さんはあんたのこと好きなだけでしょ?」
『はて…なぜそんな話に』
瀬名「好きな人には同じもの好きになってほしい、その気持ちあんたはわからない?」
私は恥ずかしいことを言う瀬名さんに固まってしまう。確かにその感覚がわからないわけではない…。ただ、姉が持つその感情と泉さんの言う感情は同じなのかは疑問符が浮かぶ…
『泉さんは…』
言いかけた言葉は私の喉元で止まった。
過去のことを聞くのは、私の未練を言葉にするようで声にすることができなかった。
泉さんは最初は?を頭に浮かべていたが、黙っている私を見て頭を撫でた。もう駅だ…帰らなきゃ…
瀬名「それは家族でも友達でも恋人でも言えることだよぉ。そんな深く考えずにさ、私も好きっていえば?」
『なっ!私は…』
瀬名「もちろん、推しを聞かれた『泉さん』って言いなよぉ…じゃあね」
泉さんは私の背中を押して駅へと向かわせた。私は一度振り返って泉さんを見ると泉さんは手を振ってこっちを見ていた。
そういう見透かしているところが苦手で大好きだった。なにも言わなくても、感じ取ってくれるところが嬉しかった。心惹かれた…
だからこそ、私には相応しくない人だと思った。彼の隣を歩くのはもっと違う人がいいと思った。
それはあの時も今も変わりはしない……。
第十一話
私は貴方に相応しくない
→
あれから、泉さんは職場に来なくなった。
来るとしてもメッセージが入っているようになったし、会社の下でもなく近くのカフェで待っていてくれる。
私も仕事が終わったらそこへ行く。…なんてまるでデートみたいだ。彼が言った通り私は絆されやすいみたいだ。こんなの少し前なら断っていたし、泉さんのことを思って断るべきことだ
『…泉さん、お疲れ様です』
瀬名「お疲れぇ〜、1日のこと話したいからコーヒー奢ってあげる」
『ほんとですか⁉︎ラッキ〜♪』
瀬名「現金なやつ」
泉さんは財布を持ってそのままレジに向かった。私は荷物を置いて席に着く。店内は静かな雰囲気で客は少なかった、泉さんがいてもバレない環境でレジのあるカウンターには老夫婦がいるだけで泉さんもコソコソせずともレジに向かえる環境だった、まぁ帽子はかぶってるけど…
泉さんは注文をしてすぐ私がいる席まで戻ってきた。
瀬名「1日なんだけど少し買い物に付き合って欲しいんだよねぇ」
『お買い物ですか?それは…いいですけど…』
瀬名「付き合ってくれたお礼はするから女子の意見が聞きたいんだよねぇ」
『女性に贈り物ですか?』
瀬名「女性……っていうか女子に喜ばれるものを買うのが常識かなぁって」
『ほう……わかりました。私でお役に立てるかわかりませんが、お供します!』
瀬名「子分か…」
『御恩と奉公なので!』
瀬名「…はぁ?まぁいいや、とにかくよろしく」
そう言って泉さんはコーヒーを啜った。女性へのプレゼントか……まぁ泉さんは芸能人だし人脈は広いことだから誕生日や記念…プレゼントを送る機会が多いのは当然だ。胸がざわつくのは決してその相手が気になるとかそう言うわけではない…
瀬名「なに?誰にあげるか気になる?」
『いえ全然』
瀬名「可愛くない」
『じゃあ誰にあげるんです?』
瀬名「…ひ〜み〜つ〜」
『あれ、おかしいな。初めて泉さんの顔をボコボコにしたいと思いました』
瀬名「そしたら、あんたは日本中から恨まれることになるねぇ」
『…っぐぅ!顔面国宝め…!』
瀬名「あははっ!わかってるじゃん」
泉さんは笑いながら最後の一口になったコーヒーを飲み干した。私も最後の一口になったコーヒーを飲み干す。空になったカップを置いて2人目を合わせて立ち上がった。どうやら言いたい話は終わったらしい、いつも通り店を出て駅までの道のりを送ってもらう。
くだらない世間話をしては笑い合って、一般人と芸能人である関係には変わりないが、そこらへんにいる友人と話すことはなんら変わりない。お互いの友人の話や家族の話…、私の仕事の話。
瀬名「お姉さんの盲信度が聞くたび上がっていくねぇ」
『そうなんです…聞いてるこっちが恥ずかしくて…』
瀬名「なんで?ありがたいことだけどねぇ…そこまで好きでいてくれるファンがいるから俺らは頑張れるわけだし」
『でもそれを私にぶつけるのはおかしくないですか?』
瀬名「お姉さんはあんたのこと好きなだけでしょ?」
『はて…なぜそんな話に』
瀬名「好きな人には同じもの好きになってほしい、その気持ちあんたはわからない?」
私は恥ずかしいことを言う瀬名さんに固まってしまう。確かにその感覚がわからないわけではない…。ただ、姉が持つその感情と泉さんの言う感情は同じなのかは疑問符が浮かぶ…
『泉さんは…』
言いかけた言葉は私の喉元で止まった。
過去のことを聞くのは、私の未練を言葉にするようで声にすることができなかった。
泉さんは最初は?を頭に浮かべていたが、黙っている私を見て頭を撫でた。もう駅だ…帰らなきゃ…
瀬名「それは家族でも友達でも恋人でも言えることだよぉ。そんな深く考えずにさ、私も好きっていえば?」
『なっ!私は…』
瀬名「もちろん、推しを聞かれた『泉さん』って言いなよぉ…じゃあね」
泉さんは私の背中を押して駅へと向かわせた。私は一度振り返って泉さんを見ると泉さんは手を振ってこっちを見ていた。
そういう見透かしているところが苦手で大好きだった。なにも言わなくても、感じ取ってくれるところが嬉しかった。心惹かれた…
だからこそ、私には相応しくない人だと思った。彼の隣を歩くのはもっと違う人がいいと思った。
それはあの時も今も変わりはしない……。
第十一話
私は貴方に相応しくない
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