第一章 俺の恋の話
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*瀬名said
最近、四十崎さんが冷たい。
別に付き合ってるわけでもないし、れおくんたちみたいにオフでもよく遊ぶ友人というわけでもない。
それでも仲良かった人間が急に冷たくなれば嫌でも気になってしまうのが人間というものだ。カフェに行っても前みたいに世間話もせず必要最低限の会話で終わってしまう。
ついこの間まで一緒に美術館に行くことだってできたのに、いったい何したのかと自分を問い詰める。それでも答えは出てきやしない。
月永「セナ?いつも以上に怖い顔してるけど何かあったのか?」
瀬名「別に…なんでもないけど」
月永「いや!あるな…ん〜言わなくてもいいぞぉ…妄想するから、想像力を働かせるから」
瀬名「……れおくんはさ、急に紡に避けられたらどうする?」
月永「えっ⁉︎急に…?ん〜、きっと理由があるから理由を聞くかなぁ…でもきっと避けられてるから聞けないだろ?そういう時は紡の友達に聞く!だいたい『Knights』の誰かに聞けば答え知ってるしな!」
瀬名「紡の友達がいない場合は?」
月永「……えぇ…難しいな。……あ、もしかして『画家』ちゃんか?」
瀬名「……」
月永「あの子のこと好きなのか?」
瀬名「別にそんなんじゃ…」
月永「セナにしては足繁く通ってるもんなぁ〜やっぱそうだったか!嫁さんのいう通りだ!女の勘すごい!」
瀬名「そんなんじゃないし…」
月永「照れるなって!それで?どこまでいったの!告白は⁉︎」
瀬名「してないし…、今言った通り避けられてる」
月永「…無理やりキスでもしたの?」
瀬名「あんたじゃないんだからするわけないでしょ!」
月永「おれも無理やりキスはしたことない!」
瀬名「身内のそういう話聞きたくない!」
謎の言い合いが始まって、やんややんやと騒いでいると俺の家の鍵が開く音がして誰かが入ってくる。そこには、隣の部屋に住むれおくんの奥さんである紡が怒りを滲ませて立っていた。
紡「君たちうるさい」
月永「紡…」
紡「近所迷惑」
瀬名「ごめん」
紡「レオは作曲の仕事たまってるよね?泉は晩御飯の材料買いに行く約束した」
締め切りに追われる紡はだいたいこんな感じで、内容だけの言語しか話さない。見慣れないメガネ姿にクマが滲んでいる。美容に良くないと前に言ったら「徹夜するといい案が浮かびやすい」と謎の理論で論破されてたまにそれを許す。いつも家庭面で協力してもらっているからあまり強くは言わないけれど、今回は進みが良くないみたいでありえないほど不機嫌だった。
月永「紡〜!聞いてセナが恋してるんだって!」
瀬名「ちょっとれおくん⁉︎余計なことを⁉︎」
月永「だから、この間行ったカフェの店員『画家』ちゃんと友達になってくれ!」
このアホは、不機嫌な女王様に余計なことを吹き込んでさらに不機嫌になったらどうするんだ。と思いながら女王様の方を見ると少し驚いた顔をして、怒りからいつものふんわりとして雰囲気に戻る。
紡「画家ちゃん…?……あぁ、四十崎さん?」
瀬名「は?知ってんの?」
紡「うん、コーヒー入れるのが上手な司と同い年の女の子でしょ…?え、泉の好きな人?」
瀬名「好きとは言ってない」
紡「…へぇ、じゃあ私が聞いた悩みも別に興味ないね」
そういって、意地悪く彼女は笑って自分の部屋に戻ろうとするのを慌てて引き止める。
紡「なんだい?泉くん」
瀬名「何か知ってるの?」
紡「…さぁ」
月永「避けられてるの気にしてるみたいでさぁ〜助けてやってくれよぉ〜」
紡「へぇ…避けられて悲しいんだ」
瀬名「…」
俺は自分の頬が熱を帯びるのを感じる。旧友に自分の恋愛事情を知られるのはあまり楽しいものではない。それに、女王様はれおくんと違ってくまくんタイプの人間だ。そういう秘密事が大好きでニマニマとからかってくるところがある。でも、それよりも避けてる理由が知りたい。俺が何かしたのであれば彼女に謝らないと…って思ってしまう。
紡「…泉?大丈夫、顔がまっ」
瀬名「あぁもう!うるさいなぁ!そうだよ、四十崎さんのことが好きなの!だから避けられてる理由早く教えてくれない⁉︎」
紡「…は、はい」
とにかく今は恥をしのんで彼女が避けてる理由を聞きたい。今ここでこの恋を諦める気には到底なれそうにないから。でも、紡から聞いた話は俺の想像をはるかに超えていた。『ストーカー』その単語はこの業界にいれば聞き慣れたものだが、一般の女の子である四十崎さんがその被害にあっていること、俺の知り合いとは知らずに彼女は女王様にそのことを相談して「知り合いの男の人が被害に合いそうだからどうしていいかわからない」と聞いて紡は俺のことだと察していたらしい。それでも、俺に話さなかったのは彼女が口が固いって言われる所以、けど覚悟を持って話せば彼女は状況によっては話してくれる。今はそういう状況ってことだよね
瀬名「…なんでそんなことになってるわけぇ…、それになんで俺じゃなくて紡に相談するんだよ。チョ〜うざぁい」
月永「でも、それは心配だな」
紡「…心配なのはわかるけど、怪我はしないでよね。貴方達の身体は商売道具なんだから」
瀬名「珍しくプロデューサーらしいこと言うじゃん」
紡「…それもあるけど、友達に怪我してほしくないっていうのもあるから」
瀬名「大丈夫だよ…自分の立場はちゃんと理解してる。でも…それでも守りたいって思うから少しのおいたは許してよねぇ…」
月永「安心しろ!セナはおれが守る!」
瀬名「なんでそうなるわけぇ」
少し心配そうにしていた女王様が安心した顔をして笑う。とにかく、明日話に行こう。ちゃんと話せば、彼女も俺を頼ってくれる…はず…
それでこの件が片付いたらもっと相談してもらえるように寄り添ってあげたい。あの子に頼りにされたい…なんて傲慢な男だよね俺も
第6話
瀬名「っていうか、あんたら普通に俺の家に上がってこないでくれるぅ?」
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