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第四章 ハナミズキ

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凛月と待ち合わせしているレストランに来てみれば、そこには綺麗な紺色のスーツを着た凛月が待っていた。
私に気づいた凛月が向かいの椅子をひいて「ど〜ぞ」と笑う、私はそこに座り凛月が向かいの椅子に再度座り直す。

『そんな正装するなら言ってよ…私もちゃんとした服着てくればよかった…』

凛月「なに着てても美羽子は天使のように可愛いから大丈夫だよ」

『…へっ?…え…凛月、熱でもあるの…?』

凛月「失礼だなぁ…本音だよ?」

『えっ…あ、ありがとう…』

凛月が遠回しじゃなくてストレートな物言いは珍しく、少し気恥ずかしい。でも、私のことを可愛いというのが凛月の本音というのが素直に嬉しかった。

凛月「この間はごめんね、ライブ来てくれて嬉しかった」

『ライブ、とてもよかった。ファンに愛されてるってすごいわかったし、ファンのことが大好きなんだってわかったよ』

凛月「アイドルっていいでしょ?」

『うん…アイドルってすごいね。あんなに多くの人を一瞬で幸せにできるなんてすごい仕事だね』

凛月「尊敬しちゃう?」

『ずっと前から尊敬してるよ』

凛月「…そ」

凛月は嬉しそうに笑った。あぁ、素直になるって大変だけど…でもいざしようと思えば言葉がすんなり出てきてしまう。

『凛月、この間も言ったけどごめんなさい。私ね、凛月が毎日連絡してくれるの本当は嬉しかったの…。
でもね、凛月も私も暇じゃないはずだよ…。だから…その…』

凛月「待って、俺から言わせて」

『…?』

凛月「俺こそこの間はごめん…ムキになって子供っぽいことしちゃった…。けどね、やっぱり諦められなくて…でもどう声をかけていいかわからなくて…本当にごめんね。
連絡はもう少し抑えるよ…でも、そのかわり…って言ったらなんだけど…一緒に暮らさない…?」

そう言って凛月は可愛い熊のキーホルダーがついた鍵を差し出した。驚いたあまりそれを受け取れず、ただ見ていると不安な顔をした凛月がこっちを見る。

凛月「嫌なら受け取らなくてもいい…」

『凛月、ハナミズキの花言葉って知ってる?』

凛月「え、え〜っと…ハナミズキ?なんだろう…」

『私の想いを受けてください…』

凛月「……」

『ハナミズキは春に咲くの、綺麗なピンク色でこぼれ落ちそうなほど手をいっぱいに広げて咲くの…』

凛月「うん…」

『でもね、それって頑張った証拠でしょ?咲くために努力した証拠でしょ…?咲く努力をしてない人がそれを受けていいのか…わからなくて』

凛月「…そうかな?」

『え?』

凛月「俺は、咲いて欲しいと思った花にしか水をあげない。だって、俺の手は限られているから…俺は美羽子っていう綺麗な花と一緒に咲いていたいと思ってるよ」

凛月の言葉に下を向いて涙を堪える。私はそんなに言ってもらえるほどの人間じゃない。凛月にはもっとふさわしい人がいるかもしれない…けど自分が諦められないからって理由でこうやって引き止めようとしてた。なのに、凛月がこんなにも自分を愛してくれていることが嬉しかった。
我慢が効かず、涙が握りしめた手の平に落ちていく。すると、それに気づいた凛月が席を立ち、私の足元に跪く。

凛月「あの日、伝えたかったんだ。ねぇ、美羽子
俺に本当の愛を教えてくれてありがとう。これからも俺の横でずっと笑っていて欲しい…美羽子が笑ってくれるだけで俺はこれからも頑張れるんだ。だから、一緒に暮らしてくれないかな…?」

凛月はポケットから黒い小さなケースを取り出した。開くと、そこには綺麗な赤い石を埋め込んだ指輪が綺麗におさまっていて美しい輝きをはなっていた。

『あ…え…なんでぇ…なにこれ…っ…』

凛月「素直になる権利をもらったから…」

その言葉にハッとする。月永さんのシナリオはここまで織込み済みだったのかもしれない。あぁ、あの人には本当に勝てる気がしない…。そう思いながら差し出された彼の手に自分の手を添える。

『うん…私でよければこれからも凛月の隣にいさせてください。まずは『家族』みんなでご飯にでも行こう?ゆうくんが凛月に会いたがってた』

凛月「うん、ゆうくんとはいっぱい話したいな♪」

『凛月、ハナミズキにはね『返礼』って意味もあるの。いつもありがとう。その返礼に私をあげる、なんて自意識過剰かな?』

凛月「…ふふ、返礼品が自分なんて…最高の返礼だよ♪」

凛月は私の左手にリングを通し、私の頭を軽く抱きしめる。私もそれに答えるように彼の腰に手を回す。本当に個室のレストランでよかった…。人がいるのにこんなことされたら一生世間様に顔向けできない…。

凛月「泣き顔ひどいよ?『天使様』」

『この顔と一生付き合っていくんだよ『吸血鬼さん』』

凛月「それは…願っても無いことだね♪」

『そう思えるの多分凛月だけだよ』

凛月「うん…それを実現できるのも俺だけでありたいな」

『うん、私もそうがいいな』

抱きしめあったまま話し合っていると、デザートを持ってきたウェイターさんが入ってきてつい恥ずかしさで凛月を押す。凛月は壁にガコっと体当たりしてウェイターさんも肩を揺らす。

ウェイター「も、申し訳ありません…。デザートをお持ちしました」

凛月「…あ、ありがとうございます」

『…ありがとうございます…』

テーブルにデザートを置いてウェイターさんが「失礼します」と去っていく。凛月はぶつけた肘を撫でながら再び席につく。

凛月「初めて演技以外で女の子に突き飛ばされた」

『…いい経験だったでしょう』

凛月「はじめて壁に勢いよくぶつかった」

『それはお労しい…』

凛月「…家帰ったら覚悟しといて」

『…Oh…Sorry…』

ふざけて返すと凛月は「ふふ」と笑った。私も笑えば凛月は幸せそうに微笑んで自分の前にあったデザートに手をつける。私もそれに倣ってデザートを一口食べるとベリーソースの甘酸っぱい香りが口いっぱいに広がった。
本当に好きな人と食べるものがこんなにも美味しいなんて…零さんと別れて落ち込んでいた時の私に教えてあげたい。









第十一話
『素直になる権利を行使できました!』










【ハナミズキ】
花言葉*私の想いを受けてください,永続性,返礼

第四章 ハナミズキ end.
……To be continued
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