反逆!王の騎行
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*瀬名side
『Knights』は王さまと女王様の命令で毎日のようにライブが行われていた。
しかし、王さまがステージ上に現れることもなく、女王様もダンスと歌のレッスンには来るがプロデュースはあんずを通じて行われていた。
瀬名「なんで女王様は居るのに、あんずがサポート役やってんだか…」
あんず「それは…すみません…けど!紡先輩から言伝は一言一句間違えなくお伝えして紡先輩の最高品質の差し入れは完璧なタイミングでお出ししてます!」
瀬名「ずっと思ってたんだけどなんであんずってそんな紡信者な感じなのぉ?」
あんず「紡先輩は憧れなんです!お役に立てるならなんだっていいんです!それに月永先輩が帰ってから紡先輩の笑顔が今までと違ってて…応援したくなっちゃうじゃないですか…」
瀬名「…そう…じゃあしっかり女王様の代わりをつとめなよぉ…」
あんず「はい!頑張ります!」
あんずは笑顔で頷いて走り去っていった。俺たちはまた『Knights』の本拠地と化したスタジオへと向かうのだった…。まったく、王さまは何を考えているのかわからないまま、かさくん以外のメンバーは気にしないけどかさくんはかなり不満を溜め込んでいるようだった。
それもそのはず、期待してた王さまは開けばあんなちんちくりんで、ライブ三昧なのに曲を渡すだけでステージにもあがらない。くわえて、女王様引き連れてそのステージを観客席で見てるだけ。
そのせいでかさくんは、大好きな女王様を取られるし、集中力も奪われる。やりたいことが上手くできずイライラしてはお菓子を暴食する。
くまくんは気にしてないけど、ライブの袖でやってた儀式が出来ないのが少し寂しいみたいでいつも本番前に手袋をもって袖に立ってるけど、本番数分前に自分でつける。
なるくんはレッスンの時に女王様が話し相手だったのに女王様が参加しているレッスンの時もあんずに取られてしまって話すことができず寂しがっていた。
それぞれがなんだかんだいって女王様を必要としていて、それを王さまに取られているのもまた不満を募らせる原因になっていた。
女王様はレッスンや外部スタッフとのやり取り、授業以外では俺が見る限りほとんど王さまと一緒だった、あれは本人の意思というより、王さまの意思が80%くらいを占めてるに違いない。
まぁ俺は、与えられた『武器』で快勝に快勝を重ねて行くだけどねぇ…
*紡said
今日も今日とて『Knights』はライブを行っていた。連日のライブに入る前に、レオが「お前は俺と一緒に観客だぞ」と言われてプロデュースやサポート面は忙しいなかあんずちゃんに頼んで私はレオと行動を共にしてきた。
彼は曲を作っては私に渡して曲を完成させては『Knights』に渡すを繰り返した。その『武器』を力にみんなは快進撃を続けていた。その姿はまるで『進化し続けるユニット』と謳われた『Knights』の姿だった。
『レオが踊る姿を見たいなぁ…』
月永「あはは☆すぐ見せてやるよっ!」
『そっかぁ…早く見たいんだけど…みんなと踊る姿を…』
月永「……」
レオは無言で目の前に映る『Knights』の姿をその綺麗な瞳に写していた。そこには、何かの決意をした目をしていた。その視線をおって私も『Knights』のステージに目線を戻した。
何が納得できないのか、何が不満なのか、私にはわからない。けど、それを解決するための一部としてこんなライブ祭りを開催しているのだろうけど…。
『予測不可能な王さま』なんてよく言ったものだ。彼の破天荒は彼自身にとどまらず彼の王国をも巻き込んでいく。彼らしい、…が新入りはそうは思わないだろう。
『あ…またミスした。集中できてないなぁ…泉とも目があうし。凛月も目があうと膨れる』
月永「不満マックスって感じだな!あはは☆」
『レオのせい、なんだからねぇ…』
ところどころ司くんのミスが目立つ。先輩がカバーする。他のユニットであれば負の連鎖で一人一人ミスが広がっていくものの、『Knights』の個人主義な部分はここで生きる、1人がミスしてもカバーしてなおかつ自分の仕事をこなしていく。
しかし、それに甘んじていてはここまでと言ったところだろう。レオはそれが気に食わないご様子のようだ。
ともかく、ライブは大きな問題もなく終りを迎えた。終了のアナウンスが流れれば観客は順々に会場から出ていく。
月永「紡が段取りつけてくれて助かったぞ!いい感じだな!」
『どこがいい感じなの…もう…レッスンの時に怒られちゃう私の身にもなってよ…』
月永「あはは☆…そろそろだな!行くか!」
『行くってどこに…』
レオは私の腕を引いて会場をあとにした。
『…にしても、ライブ中にあくびするのはやめてくれる?あとニヤニヤ…ていうか挑戦的な目で司くんガン見するのも…。司くん集中できてなくて可哀想』
月永「なんだ紡!俺の事ばっか見ててライブ見てないだろっ☆あはは☆」
『なっ…!そんなんじゃないし!』
レオの発言に顔が熱くなってしまうのを感じる。振り返ってこちらを見るのを目が合わせられず目を逸らす。確かに、レオの顔ばかり見ていたかもしれない…、それも無意識のうちに…なんとも恥ずかしい。
頭をブンブンとふって頭の中をリセットする
気づけば、セナハウスの近くの道にきていてあたりを見回しているとレオはこちらに身体ごとこちらに向ける。
『…なに?王さま』
月永「王さまって言うなよ。女王様」
『…女王様って言うなよ。レオくん』
月永「あはは☆レオくんは久しぶりに聞いたな………っと!」
『待って待って、なんで担ぐの?!あと小脇に抱えるのやだ!地面に足が擦れる!』
身長があまりかわらない私とレオは足の長さがほぼ一緒なのだ。零さんや鬼龍くんに小脇に抱えられれば足は浮くものの、レオが抱えても足が届いてしまうのだ。
歩き出そうとしたレオはとまって私を抱えたまま私の顔を見る。
『なに…できれば下ろしてほしいんだけど…。』
月永「スカート捲られたいならそう言えよ☆」
『ぎゃあああ!何すんの馬鹿馬鹿!』
レオは少し怒った顔で私のスカートに手をかけて、あろうことかスカートをめくろうとした。なんだこいつ、宇宙人なのか…
暴れるとレオはあっさり手を離してもう一度私と向かい合う
『なんなの…怒ってるのか、足短いなんて言ってないじゃん…』
月永「短いって思ってたのか」
『同じくらいって…なに…なんで腰にブレザー巻くの…』
月永「よし!じゃあ今度こそ行くぞ!足は曲げろ!」
レオは自分のブレザーを私の腰に巻くと再度私を小脇に抱え直す。言われた通りに足を丸めるとレオは笑顔で頷いてどこかに走り出した。
もう、この王さまにされるがまま…
変わったのは誰?
レオ「…薄オレンジだった」
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