反逆!王の騎行
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最近、レオが戻ってきたと風の噂で聞いた。
どこで何をしているのかは知らないけど、どうせ教室に行ってもいないだから探しようがない…。
それに会いたいけど、どんな顔をして会えばいいかわからなくて会えないでいた。
まぁ彼のことだ…そのうち現れるだろう……
『っだぁああ!霊感(インスピレーション)がわかないいいっっ!』
**「あははっ☆俺はお前のその顔で霊感(インスピレーション)が湧いたぞっ!紙ちょうだいっ!紡!!」
『え"……』
ほら…、そのうち現れた…。
芝生の上に寝っ転がった私の頭上からそいつは私の放り投げた紙とペンをとって五線紙に音符を刻んでいく。
月永「書ける書ける〜!やっぱり俺は天才だな…☆」
『ほんとに戻ってたんだ…レオ…』
月永「まぁな…!あの『皇帝』が負けたんだって…!?いやぁ見たかったなぁ…!!あの『皇帝』が負けて悲しむ姿を…!!!」
『…いい性格してらっしゃる…』
そんな思ってもいないこと…本当はと平和主義な彼のはずが過去のこともあってかとてつもない戦争狂になってしまった彼は、戦いと勝敗が口からこぼれてくるようになっていた。
それでも私の目の前に広がるこの光景は私が1年待っていた光景に間違いはなかった。
『…レオ』
月永「どした…!?」
『おかえり…』
月永「…うん、ただいま紡…」
『…お願いだから、みんなにはちゃんと顔見せて…泉も待ってた』
月永「ううん…、そのうちな!それより新しい曲できた!!詞をつけてくれ!!」
『はーい王さまの仰せのまま〜』
そう言ってレオの書いた楽譜を受け取って頭の中で曲を流していく。レオの意図を汲み取って最高の詞を…と思っているとレオが立ち上がって、私の腕を引っ張りあげるつられて立ち上がるとレオは校舎に向かって腕を掴んだまま歩き出す。
『まって…詞は…もうちょっとで浮かびそうだったのに…作詞邪魔されるの嫌いって知ってるよね…?』
月永「曲弾きながらにして!もっと霊感(インスピレーション)を湧きあがらせよう!」
『でもどこに行くの…?』
月永「どうせあるんだろ!作曲部屋!そこに連れてって!それで紡のピアノで弾いてみせて!紡のピアノの久しぶりに聞きたい!」
『…仰せのままに…』
先を歩いていたレオよりもスピードをあげて音楽室へと足を進めていった。
振り向くとレオは子供のように笑って「あははっ☆紡のスピードがあがった!いいぞ〜!急げ急げ〜!」と騒いでいた。
その姿を見ていると、昔のレオに戻った感じがして…少し安心した反面、また彼が壊れてしまわないように騎士として守っていかなければいけないと心を新たにする。微笑むとレオはまた眩しい笑顔で笑い返してくれた。
この笑顔が帰ってきた。それだけが、私の幸せだった…
気づけば、私も『Knights』も王さま不在の間の、つかの間の平和に慣れすぎて平和ボケしていたんだ。
この王さまが『Knights』を作って、戦いを続けてきた王さまであることと、戦いすぎて壊れてしまった王さまであることを頭の片隅に追いやってしまったのが残された『Knights』の罪だったんだ。
プロローグ
「…いい歌だな…やっぱりお前も天才だ☆」
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