追憶*壊れたオルゴール
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レオが帰ってからガーデンテラスでボーッと座っていると目の前に先ほど会った英智くんが座る。
天祥院「なんだか…ガッカリしちゃったよ。あんなのは僕の好きだった月永くんじゃない…。天才って本当に脆いものなんだね…?」
『は…?』
天祥院「『チェス』を源流とするユニットもここで終焉を迎えるんだね…残念だよ…」
『何が…いいたいの…』
天祥院「『Knights』は良くやってくれたよ…かつて『チェス』は人気ユニットだった…しかしその存在意義を喪失して、ただ規模が大きくなっただけの夢ノ咲学院の腐敗そのものだった…。
それをその名の通り『騎士』として蹴散らしてくれた。
そして、王さまが居なくなった今君たちも『チェス』と同じように堕落して腐敗して朽ちていく運命…だからね…?」
『英智くん…まさか…わかって…』
天祥院「わかってはいないよ…ただ望んだとおりにことが進んでるってだけさ…」
目の前が真っ暗になっていくのを感じた。彼が入院していた時、笑顔で「こいつ友達っ!」と紹介してくれた英智くんは…レオがあんなことになってもそんなに綺麗に微笑むことができるのか…。
『貴方は…悪魔みたいな人ね。レオが言ってた"テンシ"なんて似合わないわ』
天祥院「そんな…ひどいなぁ…僕は君を救いにきたのに…?」
『救いに…?』
凛月「紡…っ、ここにいたんだね?」
瀬名「王さまは…?いないの?」
天祥院「ちょうどいいところに来たね。僕は君を救いにきたんだ。君の曲は素晴らしい、沈む船より先のある船に乗ってその音楽を続けていくべきだ。
だから紡ちゃん…
『fine』の作曲家にならないかい…?」
瀬名「なに…それ…」
凛月「どういうこと…」
泉と凛月が英智くんを凝視する…私は頭が回らず下を見る。
私が『fine』の作曲家…?どういうつもりだ…『Knights』は滅びる運命だから、さっさと乗り換えてこれから学院を先導するユニットにつけ…、そういいたいのか…?彼は何を考えて…そんなことを…
天祥院「悪い話じゃないだろ…?『Knights』は王さまを失った。これから先はどうなるかわからない。
いつ落ちるか分からない船より先が見える船の方が魅力的じゃないかい…?」
『それが…『fine』だっていいたいの…?』
天祥院「もちろんだよ…僕はやり遂げるよ。革命をそのために君の曲が…君自身が必要なんだ…!」
瀬名「紡…」
凛月「どうするの…?」
不安そうな声で凛月と泉が寄ってくる。
"天祥院くん"は笑ってこちらをみる。しかしその笑顔はどこか自信と狂気を感じられる…。あぁ、こういう血も涙もない人間が世界を統べるんだ。私の大切なものはその礎にされたのか…そうか…
先程別れたレオの顔が頭をよぎる…自由にしろだって…?とんだ放任主義な王様だ…だったら勝手にさせてもらおう…
『…ぁけるな……』
天祥院「なんだい?」
『ふざけんなって言ったの!まだ『Knights』は死んでない!王様の不在は、私が守る!この騎士たちと一緒に…!』
瀬名「紡…」
『"天祥院くん"悪いけど、私はその革命に関わる気は無い。『fine』の曲は書かない。
私は『Knights』だから、『fine』には金を積まれてもならない!救いにきたなんて戯言聞くほど私は暇じゃない!
それに、戦いを見るのももうたくさん!
もうこんな争い事はしたくない、見たくもない…『Knights』が『デュエル』を行うことを禁止する…。
悪いけど、失礼する…。じゃあね。天祥院くん!!!!』
凛月「あっ…まって女王様」
瀬名「悪いけど…そういうことだからウチの女王様を誑かさないでよねぇ…」
レオが好きにしていいって言うなら勝手にしてあげる。レオがいつでも帰れるように『Knights』をとにかく残す。それだけだ、『Knights』にはまだ騎士がいる。彼らがいる限り死ぬことはない。
例え、何があろうとも『Knights』はレオの居場所で、帰る場所だ。
戦わない騎士を貴方は騎士じゃないと怒るかもしれないけど、私はアイドルの『Knights』を守ります。いつか貴方が本当の『アイドル』になるためにーーーーー。
天祥院「あははは……"天祥院くん"…か………嫌われちゃったね…」
私たちはガーデンテラスを後にした。
この胸のモヤモヤを言葉にするには、まだ頭の整理ができていなかったーーーー。
悪魔の囁き
『そんなものには惑わされない』
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