MainStory〜第一部〜
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朝の朝礼から数時間、小難しい授業を終えて
昼休憩、生徒達が各々動き出し、それぞれの過ごし方をし始めるなか、私は相棒のペンと五線紙の束を持って賑やかになる教室を抜け出す。
泉が話しかけようと近づいてきたけど、転校生に会う前にやらなければならないことが私にはあるので心の中で謝罪する。
音楽科の時は、決まった場所しか出入りできなかったが今はこの学院内どこでも行ける権利を持っている私に迷いはない。
『(いいな…新鮮だ。音が溢れてくる…ピアノ弾きたい)…音楽室…音楽室は…っと』
そう、転校生に会う前にやりたいこと、作曲する場所の確保だ。
しかし、はじめて歩く場所、はじめて見る景色、脳内で詞もメロディーも止まることを知らない。五線紙の端に思いついた詞を書き連ねていく。
学院内をウロウロして、とにかく作曲できる場所を三つは確保したい。
私は彼と違ってどこでも五線譜をひいて、どこででもメロディーを奏でられる器用な性格じゃないので、決まった場所を探して落ち着いた場所でしか五線譜にメロディーを刻むことが出来ない。
一つはガーデンテラスのソファー…あそこは夕方いい感じだし、生徒も少なくなるから狙い目
二つ目は防音室、学院の少し奥のところだと空いてることが多いらしいから放課後までに椚先生に確認
もう一つは…
『あった…音楽室…ここならピアノもあるし欠かせない場所だ…』
そう独り言を零しながら音楽室に入ると見知った顔がそこにはあった…
『凛月…?何でここに…』
凛月「ふあぁ、ふ♪…あれ?女王様だ…なんでここにいるの?もう放課後?」
あ…凛月、もしかして私がくること知らなかった…?
『(みんな噂してたのに…凛月だけ知らなかった…?なんで?どうして?寝てて聞きすごした?興味なかった…?)…おぉ…!やばい霊感(インスピレーション)が湧いてきた!待って!少し話さないで!すぐ書き上げるから!凛月がマヌケな歌♪』
凛月「ぇ…何で出会い頭にバカにされてるの俺…」
あんなに頭の回転の早い凛月が何も知らなくて私に出会って驚いてる!これは浮かび上がってくる詞が!湧き上がる!
凛月「ふふふ、そういうところ王様そっくり…♪」
『できた!今度ナルちゃんに見せてあげなきゃ!…と、それで?何で凛月はここにいるの?お昼寝?』
凛月「そうそう、まだ日が昇ってるから力でなくて、俺ここによく居るんだぁ…」
凛月ここによく居るのか…じゃあここは使えないか…
いや凛月なら交渉の余地有りとみた。
『凛月、あのさここを作曲部屋にしたいんだけど、邪魔かな…?』
凛月「女王様の?いいんじゃない?俺の部屋って訳でもないし、女王様が気にしないなら俺は全然いいよ。それに、ここが作曲部屋になったら俺が一番に新曲聞けるんでしょ…?ふふ…それは嬉しい…」
凛月は本当に理解があって助かる…これで三つ確保できたな…一安心だ…
一番に聞かせるなんて言ってないんだけど
『じゃあたまにお邪魔するね♪』
凛月「ついでに起こしてくれたり、お世話してくれたりしてもいいんだけど…♪」
『じゃあ、その時は泉を呼ぶね』
凛月「なんで…」
だって、凛月をお世話するなら一番泉が有能何だもん…。
まぁとにもかくにも三つ場所を確保できたし、任務は完了かな。
他にもいい場所見つけたらって感じにしようかな。
『それじゃあ、歩いてきた道すがらにできた曲とさっき書いた凛月がマヌケな歌を完成させよう♪』
凛月「ほんとに作ったの…?」
本当だよ。だって私の脳内は常にメロディーが流れてるから、書けないだけでできないとは言ってない。
その前にお弁当食べようかな…お昼だし…
『ぁ…』
凛月「どうしたの?女王様」
『筆記用具持ってきたのにお弁当忘れた…』
なんたる失態。ンンン、取りに帰る時間ないな…だったらガーデンテラスに行った方が早いか…小銭ならポケットにあるし…
そう考えおもむろに立ち上がり、音楽室を出ようとする。
凛月「作曲していかないの…?」
『うん、ご飯食べないとね。腹が減ってはなんとやら…じゃあね凛月、また』
凛月「またね、女王様」
いい加減その女王様ってのをやめてほしいと思っているが、そんなことを聞いてくれる相手でもないことはわかってるし、愛を持ってそう呼んでいるのなら止める必要もないのかな…
せめて、人前ではやめてほしいけど…
そんなことを考えながらガーデンテラスに向かう昼休憩であった。
作曲をする為に
『そういえば外が賑やか』
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