追憶*壊れたオルゴール
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あの事件から数日ーー。
私は、アイドル科のある一室に呼び出されていた。
その名も『生徒会室』朔間さんの部屋とかしたものだと思っていたが、その部屋はえらく綺麗でそこには朔間さんじゃなくてレオの病室で出会った英智くんがいた…。
天祥院「やぁ、紡ちゃん。ドリフェスぶりだね…?」
『こんにちは英智くん…えっと…』
天祥院「大丈夫だよ。すぐ君の騎士達もやってくるから」
その声と同時にコンコンとドアをノックする音が聞こえ、開いた扉の先にはレオと泉と凛月と…敬人が立っていた。
3人は驚いた顔で私の元に寄ってくる。
瀬名「怪我の調子はどう…?骨折…してたんだって…?」
『うん…だから仕事できなくて困ってる…けど特別支障ないよ。たまにサボり魔が手伝ってくれるから』
月永「りんごの皮むきできるようになったぞっ♪」
『褒めてないんだよ…アイドル科がこっちにくるなんていい迷惑すぎる…』
凛月「王さまは女王様のこと大好きだからねっ♪」
蓮巳「和気藹々と話しているところ悪いが、話してもいいか。」
月永「お〜悪いなっ!いいぞ〜!」
蓮巳「先日の一件だが…」
瀬名「先日って…なに…?」
『あ…えっとぉ…』
凛月「ちょっと揉め事があっただけ…やりすぎて呼び出されたの」
瀬名「はぁ⁉︎聞いてないんだけどぉ!」
月永「悪い悪い!怒ると思って!言えなかった!ごめんな?」
瀬名「そういうことはちゃんと…」
『敬人!話し進めて…?』
泉にはこれ以上知ってほしくない…。だから敬人に先に進めるように伝えると敬人は咳払いをして話の続きを話し出す。
蓮巳「先日の一件だが、教師陣での協議の結果…、相手には夢ノ咲学院で行われるイベントを一年立ち入り禁止にした。スタッフ陣にも連携済みだ。会うこともないだろう…。
そして、月永…お前は
停学処分が決定された…。」
瀬名「…はっ?」
凛月「え…」
月永「……」
『なんで…』
天祥院「…月永くん、残念だよ。」
停学処分…、その言葉が私たちに重くのしかかる。レオは静かに下をむいていた。敬人はそんなに長いものでは無いと付け加えるが、気にせずレオは振り向いて豪快に笑った
月永「悪いみんなっ!俺はここまでみたいだっ!」
瀬名「れお…くん…?」
凛月「王さま…?」
月永「テンシも悪いなっ!ゲームはここまでみたいだっ!」
天祥院「……」
レオは私を見て…悲しそうに笑ってから私の腕を掴んで「ついてきて」と腕を引っ張りそのまま生徒会室を後にした…。
私は何も言葉が出ず。ただ彼の後ろをついていくことしかできなかった。
レオは自分のクラスに私を連れて来ると教室に置いている自分の荷物をまとめ始めた。
『なんで何も言わないの…?』
月永「何がだ…?停学のこと…?なんて言えばよかった?
…嫌だ、とかなんで俺だけ、とか言えばよかったのか…?」
『そういうわけじゃ…』
月永「俺は悔いてない。後悔はない。
あの時黙って見逃したら俺は俺を許せなかったし、
女王様を守れなくて何が王様だ…騎士だ…、とも思う。
俺は『Knights』である前に1人の人間としての月永レオをとった…。それだけだ…。」
『レオ…』
月永「俺は…大切なものに盲目になりすぎて…本当に大切なものを見失っていた。この間からずっとそうだ…
気づいたら、周りは本当に俺を大切にしてくれる人がわからなくなって…どうしていいかわからなくなってた…。
でも、これだけは変わらない。紡は俺を大切に思ってくれるし、俺は紡を大切に思ってる。…違うか?」
『違わない…、その通りだよ。私もレオが大切』
月永「だろっ?だから本当に大切なものを守りたかった!」
そのレオの笑顔は輝いても見えた。いつかの約束をしたみたいに小さな少年のような笑顔だった…。
月永「それにもう疲れたんだ…だから、紡…お前に『Knights』は託した!『Knights』はお前に渡す!」
『へ…?そんな無理だよ…『Knights』の王さまはレオでしょ?だいたい期間は短いって…』
月永「でも俺は居なくなっちゃうだろ〜?その間、『Knights』を守るのは女王様であるお前だっ!」
レオはまとめた荷物を持って教室を後にする。私もそれに足早についていく。
月永「なんだっていい、お前のやりたいようにしていい。無理に残そうなんて思わなくていいし、やめたいって思ったら逃げてもいい。
アイツらにはそれを咎めないように言っておくし、アイツらにも無理に続けなくていいって言っておく。」
『そんな…解散してもいいっていうの…?』
月永「いい!それがお前たちの決めたことならそれでいい!」
『そんな…』
月永「『Knights』は俺にとって夢だった…!セナが見せてくれた希望と道。紡が照らしてくれた光。リッツが支えてくれた空!もしくは杖!」
『杖…』
月永「でも『チェックメイト』の前からおかしかった…、ずっと仲間だと思ってた奴らは俺の曲目当てで、喜んで俺の敵になっていくような奴らで…俺の憧れてた『アイドル』はないって現実を突きつけられた…。
それでも俺が『アイドル』になろうって頑張れたのはついてきてくれたお前らのおかげだった…けど、一回綻んだものはそう簡単には治らなかった…俺はもう…ダメみたいだ…だから…。これからの『Knights』を決めるのは紡…お前だ。大丈夫困ったらセナがいる!リッツもいる!きっと助けてくれるから!迷わないで?」
『でも…レオは…』
月永「俺は…ここで退場…じゃあな!紡!また会う日まで!」
『あっ…レオ…待って…!』
レオはそのまま校門から出て行ってしまった。振り返ることもせず、ただ真っ直ぐに自分の家に向かって歩き出していってしまった…。私は校門からその姿を見ていることしかできなかった。
残酷な現実
それ以来、私が彼に会うことはありませんでした。
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