追憶*壊れたオルゴール
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月永「やめろっっ!」
彼女達と私の間に割って入り私と変わらないサイズの体で私のことを抱きしめるように庇ったのは、正真正銘私の呼んだ人…。
『レオ…』
女3「うそっ!”王さま”!レオくんだ…!」
『レオ…ほんとに…来てくれたの?』
月永「当然だっ!今度こそリッツより先だっただろ!」
『そうだけど…でも…』
月永「紡…腕、血が出てる…それになんかだらんってしてない…?力入る…?」
『ごめん…えっと、強く打ってあんまり感覚ないかも…』
レオはそれを聞くと、下を向いてのっそりと立ち上がって彼女達の方を向く。いつもは高い声が出るレオの喉から地を這うような低い声が出る
月永「…誰がやった…?」
女3「え…?私達がやったって証拠…あるの…?」
女1「そうだよ…!その子が勝手に転んで…っ‼︎」
月永「…こいつは馬鹿だけど…こんなドジはしない。…誰がやった‼︎」
女2「…っひ!…い…いいの?アイドルがファンに手を出して…」
月永「じゃあ女子っていうのはむかつくと誰にでも手を出していいのか⁉︎」
女3「そ…それは…」
月永「立場がある手を出せない…弱い女の子に手を上げていいのか…⁉︎そんなのどんな理由でも許されないし…俺が許さない…」
少し離れていたところにいた女の子達にのそりのそりとレオが近づいていく。どんな理由であれ、レオは『アイドル』だこのままだと本当に殴りかねない…そう考えたら痛みを無視して身体は勝手に動いて…、レオの腰に抱きついてその動きを止めた。
『待ってレオ!殴り合いはダメ!手を出したらダメだよ!レオは『アイドル』でしょ!『Knights』の曲を書く為の大切な手を私なんかの為に汚さないで…!
お願い…お願いだから…やめて!止まって!
なんで止まってくれないの…ねぇ!やめてってば‼︎』
月永「俺は…アイドルである前に…Knightsである前に…お前の…紡の幼馴染の月永レオだ…!
こんなことになってこんなやつら許せない…‼︎許せるわけないだろ…!
お前らはどうして『Knights』のファンなんだ!なんで『Knights』を好きな奴が『Knights』の1人であるこいつを苦しめるんだっ!
なんで『アイドル』も『ファン』も俺が願ってた姿と違うんだ…
なんで…ッッ!」
女3「っきゃああ!」
女1「やめて!レオくん!」
月永「レオくんなんて呼ぶな!お前らみたいな奴に呼ばれたくない!!」
女2「そんな……」
女の子の1人をレオは突き飛ばして残りの2人がその子に寄り添いレオをみる。その顔には最初にあった嬉しさはもうなく恐怖の色に染まっていた。まずいまずいまずい…このままではレオは…ここに『Knights』にいられなくなってしまう…!
『…う…っぅ……助けて…凛月…レオを止めて…凛月!』
凛月「王さま!紡っ!」
月永「リッツ…どいて…」
凛月「ダメだよ…王さま…これ以上しちゃダメ」
呼んだ声と同時に凛月は現れてレオの前に立ちふさがる。凛月は肩越しに女の子たちに「早くどっかに行って」と告げて3人組は立ち去って行った。
私はそれを見届けて安心してレオから離れて座り込む。それでもレオと凛月は睨み合っている。
月永「王さま命令だ…どけ…あいつら追いかける。」
凛月「それを女王様は望んでない。いくら王さまの命令でも今は聞けない」
月永「リッツ!!!!」
凛月「ダメだって言ってんじゃん!あんたが大切なのは紡でしょ!紡の心配を先にしなよ!!!」
月永「…っ!」
珍しく大きな声出した凛月に目を丸くしているとレオはゆっくり振り返って私を抱きしめる。
いつも通りのレオの暖かさに涙がこぼれ落ちてくる。
月永「……ごめん…痛いよな…?手当てしにいこ…?」
『レオ……レオっっ…痛いよぉ…怖かったぁ……ああああああ…っ……っ…』
月永「よしよし…」
レオは昔みたいに頭を撫でてから背中をポンポンと叩いてくれた。少しして落ち着けば、立ち上がらせてくれて…凛月はテラスにあった壊れていた『オルゴール』を拾い集めてくれていた…
『ごめん…壊れちゃった…大切にしてたのに…』
月永「んーん、しょうがないよ。でも、直してやるって♪それに新曲をつけよう♪」
『私は…あの曲が好き…レオと泉と作ったあの曲がいい…』
月永「…紡」
壊れた『オルゴール』と同じだ…。私もこれと同じ…。
何かに囚われ続けているのかもしれない…。
すると向こう側から、走ってくる音がしてその人物は私たちの前にくると立ち止まって話し出す
**「…おい、どういう状況だ」
『敬人……』
蓮巳「先ほど、女子3人が駆け寄ってきて「暴力をふるわれた」というのできてみれば…なぜ夜永の方がボロボロなのか…意味がわからん…」
『これは…』
月永「俺がやった…」
『レオ…!』
月永「俺がきた時には紡がボロボロで、頭に血が上ってやったんだ…。」
蓮巳「月永、それがどのような扱いになるかわかって言ってるのか…」
月永「あぁ…!ケイトが優しいから罰を軽くしてくるなんて思ってない!甘んじて受ける!けどそれは後日だ!
今は紡の手当てが先!……それでいいだろ?ケイト…」
蓮巳「あぁ…悪いが、これはしっかり学校側に報告させてもらう…だが、彼女達にも罰は受けてもらう…」
『待って!敬人…!私は大丈夫だから!レオも彼女達にも!』
月永「紡!いいんだ…保健室いこ…?」
『レオ…』
レオはそう言って静かに怪我してない方の腕を引っ張って保健室へと向かった…。凛月は何も言わず静かにその後ろをついてきて、敬人はその後ろでこちらをただジッと見つめていた…。
夢と現実
「もう…疲れたんだ…」
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