追憶*壊れたオルゴール
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あのあと泉達が迎えにきてくれて、心配されたものの眠くて自分を強くぶってしまったと笑えば馬鹿だな〜と笑われるだけで追求をされることはなかった。
さすがに気力を使ってしまい、今日は解散にしてしまおうとレオの指示で解散となった。
レオは私の腕を引いて帰路につくが、その後ろ姿は憔悴してる感じとなぜだか怒ってるような雰囲気を感じた…。
そう遠くない我が家の前に連れてこられレオは「部屋にあげてくれ」と言うので「いいけど…、」と許可すれば慣れたように家を上がって私の部屋へと向かっていく。いつもじゃれ合う犬ともじゃれ合わずに無言で…私は嫌な予感がしつつもその後をついていく彼についていく。
レオは私の部屋の前で止まって私を待っていた
月永「…入るよ?」
『いつも勝手にはいるじゃん…』
月永「そうだなっ☆お邪魔しま〜す」
『…どうしたの許可取って部屋にあがるなんて』
月永「…怪我…なんで黙ってるんだ…?」
『怪我…?な…なんのこと…』
月永「脱がされたいならそう言えよっ☆」
『ぎゃあ…!変態!目を潰されたいならそう言えよっ!』
レオは隠そうとする私の上に馬乗りになってスカートにしまったシャツの裾を持ち上げる…すると怪我が見えてしまったのだろう瞳を細める。
持ち上げたシャツを下ろして私と視線が交わる…
月永「何年一緒にいると思ってる…?俺が痛い時はわかるくせに自分の痛さには気づかないのか…?」
『レオ…?』
月永「小さい時は痛い時すぐに言ってくれた…俺を1番に呼んでくれた…もう俺は…そういう存在じゃない…?リッツのほうがいいのか…?」
『違う…!』
月永「じゃあなんで!俺を呼んでくれないの…!俺を…」
レオは苦しそうな顔で私を見つめる。私は上半身を起き上がらせてレオを抱きしめる。レオも応えるように抱きしめ返すがその力はどうしてかとても強く感じてしまう…
『レオ…痛いよ…』
月永「うん…」
『心が痛い…お腹も痛い…頬も痛い…それでもどうしてか、この痛みで1曲書けそうだ…』
月永「お前も俺も…結局音楽馬鹿だな…っはは…」
『やっぱり私にはレオが必要だ…レオっていう太陽がいなければ死んじゃいそう…』
月永「セナは俺の事月って言って…紡俺の事太陽っていう…俺は何役こなさないとなんだ…?」
『でもいっぱい演じれば新しい霊感(インスピレーション)が湧いてくるでしょ?』
月永「あははっ☆そうだな!まったくだ!」
レオは私を離して大きな声で笑った…。やっぱり私には彼の光は眩しい…清らかで穢れを知らないそんな彼がやっぱり…大切でずっと守りたい存在だと改めて感じた。
『レオを呼ばなかったんじゃないの…ほんとに偶然凛月が来てくれて助けてくれたの…だから次は助けてね?』
月永「当然だっ!次こそはリッツに負けないぞっ!」
『でも女の子のシャツをめくるのは良くないと思うよ』
月永「お前も男に馬乗りを許すもんじゃないぞ」
「『………っぷふ、あははは』」
2人は少し睨み合うと笑い合ってベッドに沈んだ。それは高校生の男女ではなく、どこか幼い男女を彷彿とさせた。
いくら歳をとっても2人はまだ…男女である前に幼馴染なのだと感じた。
このあともレオはこの怪我の相手を聞くことはなかった。
翌日ー。
音楽科の廊下は『Knights』の話題でもちきりだった。『Knights』がいつ『fine』を倒すのか、もしくは諦めるのか。そんな話でいっぱいでどうやら昨日のドリフェスの結果はいつも以上に拮抗していたことが伺える。アイドル科にあまり興味のない友人でさえもその話をふってくるくらいだ…、だが決めるのは王様だからと誤魔化した…というよりいつまでつづけるのかなんて私が聞きたいくらいだ。
早くこの無駄な戦いを終わらせたい…。そう思っているのは私だけかもしれないが、『fine』と戦う度にレオが傷ついている気がしてしょうがなかった…。それでも私はまた見て見ぬふりを重ねて『オルゴール』と同じように同じことを繰り返す行うことしかできなかった。
作曲家コースの授業は酷く退屈で、ずっと後ろの席で男子の後ろであることをいいことに歌詞を書き続けていた。
いつも感じるファンの楽しそうな顔とライブをしている時の『Knights』の楽しそうな顔を思い出しながら書くと…、希望に溢れた歌詞になるのに…
昨日の彼女達のことを思うと苦しみ…怒り…悲しさと痛み…『Knights』の楽曲としては出せない代物になってしまう…。
私はやっぱり『Knights』にいてはいけない存在なのかもしれない…ファンの人達からすればいてはいけない存在なのかもしれない…
私が与えたいのはアイドルの『Knights』だ。『Knights』から与えられる喜びと幸せだ…それなら…私は…それを阻害する悪かもしれない…
歌詞を書いていたノートにぽとぽとっと雫が落ちてくる。プリントを回してくれる男子が振り向きざまに驚いた声をあげる。
静かに席を立ち上がって「保健室に行くって先生に言っといて」と男子に伝えて私は教室から出ていった……。
私の存在の必要性
『邪魔にしかなってないーー。』
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