追憶*壊れたオルゴール
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「なに、してんの?」
私をいじめていた3人はその声にバッと振り返る
入ってきた人物は、
女1「うそ…凛月くん⁉︎」
女3「な…なんでここに」
凛月「そんなことどうだっていい。誰がこんなところに紡を連れてきたの…?」
女1「私達迷っちゃって…偶然入った教室に彼女がいて…」
女2「そうだよ、それで腕のを解いてあげようと思って…!」
凛月「そんな嘘すぐわかる!アンタらがっ!!」
『凛月‼︎…私は大丈夫だから…すみません、もう大丈夫なんで下の階にいったら係りの人いるんで…』
私がそう言うと凛月は私を驚いた顔で見て、3人は教室から走り去っていった…
凛月は3人のことを気にせず私のもとへ駆け寄ってきてくれて後ろを見る。「何か切るもの持ってる?」ときかれ少し離れた場所にある自分のカバンにカッターが入ってることを伝えると凛月はそれを取って戻ってきた。
『ありがと、凛月…』
凛月「なんで逃したの…あいつらでしょ?」
『…凛月がきてくれると思ってた!いやぁ…あはは…』
凛月「紡ッッッッ!なんで隠すの!」
『だって!あの人たちは『Knights』のファンなの!大事な宝物なの!それなら傷つけられたっていい!彼女達を守ることの方が私には大切なことだから!!』
凛月「…っ……」
『だから、彼女達を悪く言わないで…レオにも泉にもこのことは言わないで…』
凛月「それはっ!」
『凛月…お願い…』
しゃがみ込んだ私を凛月は優しく包み込んでくれた。私のおった怪我は大したことないが…なぜか凛月の抱擁は傷に痛く沁みている気がした。
凛月は私を無言で立ち上がらせて私のとカバンを持って無言で歩き出した。このままレオ達のところに行くのではないかと思い、少し抵抗すると「怪我の手当てしないと…」と悲しげに微笑んだ。
そんな顔をされては…と思い無言で頷き抵抗することをやめた…。
保健室につくと佐賀美先生は不在で凛月はベッドの端に私を座らせた。隣にカバンを置いて凛月は手当てできるものを探しに棚へと向かった。
その後ろ姿を見ながら私は口を開く。
『凛月…きてくれてありがとう…心の中で凛月ならきてくれるんじゃないかなってずっと呼んでた…。
やっぱり同じ属性の人間は引かれ合う?類は友を呼ぶ的な!
あははっ☆泉だったら「チョ〜うざぁい!」って言ってなにも聞かず女の子達どうにかしてたし、レオだったら怒って暴走してたかも!レオは素直だから手が出ちゃいそうだし…凛月でよかった…』
凛月「俺なら黙っててくれるから?俺なら…気にしないとでも思った…?」
『凛月?』
凛月「そんなわけないだろ…紡が傷つくのは俺だって嫌だ。怪我してるしイジメられてるなんて知ったら…そいつらのこと許せない…」
凛月は手当てしていた手を止めて私の目を見て話し出す。
凛月「あの光景を見たとき、俺はなんて言えばいいんだろ…すごくイライラした…あの女どもを殴ってやりたいとも思った…。紡がどうにかなってたらと思ったら…」
『怒ってくれたの…?私のために…?』
凛月「……そうだね…怒ってる…あの人達にも紡にも…」
『え…私にも…?』
凛月「俺も騎士だよ?女王様のこと守らせて欲しかった…」
『凛月…でも、『Knights』の使命はお姫様を楽しませることだよ…お姫様を傷つけることじゃない…』
凛月「けど…!アンタをいじめる人は『Knights』のファンじゃない!」
『そんなことない!!!!』
私は腰掛けていたベッドから立ち上がる。しゃがんで手当てしてくれた凛月は驚いた顔で私を見てからゆっくり立ち上がる。私より少し高い身長で私の目を見る。
『『Knights』はアイドルなの…絶対にファンを傷つける人になっちゃだめ…あなたの仕事はファンを楽しませること、人を傷つけるためにその綺麗な声を手を使わないで…』
凛月「それは…命令なの」
『命令、と言ってあなたが聞いてくれるならそれでいい…。でもこれは『Knights』の一員として、あなたのファンとして、一人の友人の夜永紡としてのお願い…』
そう言うと凛月は大きなため息をついて私が座っていたベッドに座る。その隣をポンポンと叩くので私も従って座った。
凛月はその綺麗な手で私の頭を撫でた。
凛月「わかった…。黙ってるし手出しはしない…ただ、またピンチになったら俺を呼んで…?一人で片付けようと思わないで…?友達からのお願い…」
『うん…ありがとう凛月』
凛月「怪我痛くない…?器用にほっぺ以外見えないところにつけてくれちゃってるけど…」
『大丈夫…、女の子の力だからそこまで痛くない…ほっぺって凛月可愛い言い方するねっ!』
安心して、と手を振ると凛月は私の肩に頭を預けて「バカな女王様」とポツリと呟いて寝息を漏らし始めた…。
私は凛月を起こさないように泉に連絡を入れてカバンから『オルゴール』を取り出す。
裏側のネジを数回巻いて、蓋を開ければ『Knights』の曲が流れてくるのであった…。
大丈夫…、この音が変わらない限り私の気持ちも変わらない。
私は変わらない
『私も『オルゴール』と同じ…このままでいよう』
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